米国土安全保障省は、イランがアメリカ政府や関連組織に対して大規模なサイバー攻撃をしかける可能性があるとして、2020年1月4日に警告を発しました。
アメリカ政府は2020年1月2日にイラン領内を空爆し、コッズ部隊を率いるソレイマニ司令官を殺害しています。空爆による司令官の死を巡って、イラン政府は米国に報復の可能性を示唆している状況です。米国土安全保障省による発表は、こうした経緯を踏まえたもの。各国のセキュリティ専門家らも両国の動向を分析し、ダムや発電所への被害を警告しています。
イランは十分なサイバー攻撃能力を有している
米国政府は現在、イラン側が十分なサイバー攻撃能力を有しており、実際に攻撃が発生する可能性について危機感を募らせています。
米国土安全保障省の長官代理を務めるウルフ氏は公式ウェブサイトにて、「イランは少なくとも、米国の重要インフラへの壊滅的な影響を与える能力を持っている」と言及。イランがサイバー攻撃による報復を実施した際、一時的なものであるにせよ、影響は避けられないとの見方を示しました。
実際、近年は国家間のいさかいによるものと思われるサイバー攻撃が、次々と発生しています。犯人の断定が難しく、また武器を使わず敵対国家に被害を与えることのできるサイバー攻撃は、非対称戦争(戦力の釣り合っていない戦争)においても非常に有用だからです。
イランが「サイバー軍」とも呼ばれる、強力な部隊を有していると見る専門家もいます。新年早々、サイバーセキュリティ業界は大きな事件が起きてしまうかもしれません。
参照トランプ米大統領が警告、イラン報復なら「52カ所」を攻撃/Yahoo!ニュース