昨今、多くのデータを保管する端末や通信を行うネットワークにおいて、サイバーセキュリティ対策は必要不可欠なものです。しかし、膨大なデータを常に管理することは時間的・費用的なコスト負担が大きく、運用方法に悩みを抱える企業も少なくありません。
そこで、ぜひ行って頂きたい作業が「データ消去バックアップ」です。データ消去バックアップを定期的に行うことにより、セキュリティ対策ツールの負担を軽減し、運用管理方法も格段に効率化することができます。
運用管理においてデータ消去は重要
サイバーセキュリティ対策の一つとして、データの破損や整合性のチェックがあります。この対策を行う場合には、各データを読み込んでバックアップ元と比較をし、同様のものであるかをチェックする作業が必要なのですが、データ量、データ数に比例してチェックにかかる時間が長くなりますので、対策を行う端末に負担となります。無駄なデータは常に消去し、必要なファイルのみを残しておく事が、負担軽減に効果的な方法です。
データ数が多い=処理に時間がかかる
無駄なデータが残っている場合、バックアップやチェックの作業に容量が取られてしまいますし、断片としてシステムに残ってしまうファイルなどは、他の重要なファイルに対して影響を及ぼす可能性もあります。
また、無駄なデータが端末内に大量に存在することにより、読み込み・書き込みにかかる時間やソフトの起動時間などが長くなってしまうこともあるのです。可能な限り、無駄なデータは消去し端末のデータ処理を軽くすることも考えておきましょう。
完全消去で負担軽減
データを削除するのはOS上で簡単に行えるように思えますが、見た目に削除されていても実はハードディスクや記憶メディアにはデータが残っています。削除しているのは書籍でいう目次(インデックス部分)であり、データ自体は削除されていません。
このような状態の場合、専用のソフトを使用することでデータの復旧が可能な為、完全に消去が出来ている状態ではありません。今後使用しないファイル、また端末に残しておきたくない機密情報などのファイルは、OS上での削除だけでなく、専用ソフトを使用しての完全消去を行う事をお勧めします。
バックアップの重要性
万が一、重要なデータを端末から削除してしまったり、変更をして上書きをしてしまった場合でもバックアップデータを用いることで、変更前の状態に戻すことが出来ます。
こまめなバックアップが必要ということがわかっていても、バックアップには時間がかかりますし、手間を感じることも多いことでしょう。そのような場合には専用ソフトを使用して、定期的に自動バックアップが行われる環境を用意するのも一つの方法です。自動的にバックアップされていれば、いちいちバックアップの手順を踏む必要はなく、煩わしさを感じることはありません。
またソフトによってはバックアップ先を複数設定することが出来、定期的にバックアップデータの整合性をチェックする機能もあります。このようなソフトでパックアップを行っておけば、万が一の事態でも短時間で復旧作業を行うことが出来ます。
またバックアップしたファイルを後日変更する場合でも、変更履歴として過去のデータを消去せずに保つことも出来ます。データの変更後に間違いに気づいた場合や、誤って上書きをしてしまってもこのような機能があれば安心です。
あらゆるリスクを想定し対策を講じよう
データ消去バックアップは、多くのデータを管理する上でとても重要なものとなります。一つ一つを手作業で行うのは困難ですが、自動で行えるソフトを導入することで、端末への負荷も軽減され、適切なデータ管理が出来るようになります。ソフトによってはデータだけでなくシステム環境もバックアップされるので、不具合を感じた際の復旧も容易なものとなっています。