レース・コンディション(Race Condition)は、複数のプロセスやスレッドが同時に同じリソースにアクセスする際に、処理の順序やタイミングが予期しない結果を引き起こす現象を指します。この問題は、特にマルチスレッドプログラミングや並列処理の環境で発生しやすく、予期しない動作やセキュリティの脆弱性を生む原因となります。攻撃者は、レース・コンディションを悪用して、認可された操作を不正に変更したり、データの整合性を損なったりすることができます。対策としては、適切な同期機構(例:ミューテックスやセマフォ)を使用して、プロセス間の競合を防ぎ、リソースのアクセス制御を厳密に行うことが重要です。また、並行処理を行うコードを慎重に設計し、タイミングの問題を回避することも推奨されます。