11月15日、総務省は来年度にも公衆環境の無線LANを、原則として「規制強化」する方針を決定しました。世界各国から多くの人が詰めかけるオリンピックの開催に備えて、セキュリティ性に問題のある公衆無線LANを排除する目論見です。
同省は今年度中には有識者会議を開催し、来年度に予定されているガイドラインの概要を取りまとめる予定。慎重な議論が求められています。
利便性とセキュリティの境界線
公衆無線LANは不特定多数の人が利用できる便利ツールとして、携帯電話事業者や飲食店等が導入しているシステム。利用者は誰でも高速通信回線を利用できるため、高い人気を誇るコンテンツです。
ところが、パスワードを入力することなく使える公衆無線LANは、見方をかえればサイバー攻撃の温床ともなりかねない危険要因。仮に大規模なサイバー犯罪が起きようものなら、世界を巻き込む一大事件となりかねません。
過去にはウイルスが拡散した事例も
公衆無線LANを利用したサイバー犯罪は過去何度か発生しており、以前から問題点が指摘されていた部分でもありました。世界では攻撃者がホテルの無線LANを悪用してウイルスが拡散した事例もあり、無視できるものではありません。
総務省は現在のところ、暗号化されていないAPを提供しない方針を策定中とのこと。今月から行われる予定の全4回にわたる有識者会議で、その議論を進めるものと見られています。
〈参照〉
「公衆無線LANセキュリティ分科会」の開催/総務省
公衆無線LANの整備の促進/総務省
公衆無線LANの規制強化「パスワード不要」自粛求める 総務省が来年度、サイバー攻撃の増加に対応/産経ニュース