9月20日、米国証券取引委員会(SEC)は、同委員会が管理する企業財務情報公開システム「EDGAR」に何者かが不正アクセスを行い、証券取引の利益に関わる重大情報が流出した可能性があることを公表しました。
「EDGAR」には、(扱い方によっては)インサイダー取引や市場取引にも転用できる多くの情報や、4半期決算やM&Aに関連する企業情報が約100万件登録されており、これら全てが流出していた場合はまさに悪夢です。
被害総額や取引市場への影響は未だ不明ですが、事態が事態であるだけに大きな波紋が広がっています。
犯人は非公開情報を盗取、既に利益を得た可能性が濃厚
SECの発表内容によると、今回の不正アクセスが行われたのは2016年であり、同委員会は既にこの事実を把握していたとのことです。
ところが、2017年8月に不正入手したと見られる人物が不正に利益を得ている可能性が高くなり、今回の公表に至ったものと見られています。
指摘されていた「EDGAR」の脆弱性
今回の不正アクセス事件の手口は、SEC管理するシステム「EDGAR」の静寂性を利用することにより行われました。
「EDGAR」のシステムに含まれる脆弱性は米政府監査院(GAO)より既に指摘されており、GAOはSECの秘密情報に対するセキュリティ意識の低さを指摘。
同時にサポートされていないソフトウェアの利用やハッカー侵入検出システムの不備、ファイアーウォールの設定ミスなど、SECの情報管理について個別に指弾を行いました。
<参照>
米SECデータベースに不正アクセス、金融取引に利用した可能性/Newsweek日本版