ニュースの概要
オンラインバンキングへのアクセスの際に、中継サーバを利用して認証情報を盗むマルウェア「KRBanker」による不正送金の被害が発生しているという。
同マルウェアは、「Blackmoon」としても知られるマルウェアで、少なくとも2014年初めより活動を開始していると見られ、これまでは主に韓国の金融機関が対象となっていた。
日本国内での活動がわかったのは7月末。トレンドマイクロによると、8月中旬の時点で検知数は300件にのぼっている。
同マルウェアの手口は、オンラインバンキングへアクセスする際に、正規サイトへのアクセスを偽サイトへとリダイレクトさせ、その過程で認証情報を盗み出すファーミングを行っていた。
国内8金融機関の他、検索エンジンや社団法人が対象となっており、検索エンジンを利用すると「金融監督庁」と騙った不正なポップアップを表示し、注意喚起と見せかけてファーミング対象のオンラインバンキングへ誘い出し、認証情報を入力させようとしていたという。
ブラウザ上のアドレスバーに表示されているドメイン名は正規のものであるため、利用者は異変に気付かずに認証情報を入力してしまう危険性があり、すでに警察庁では同マルウェアを原因とした不正送金を確認しているという。
その後の対応
日本サイバー犯罪対策センター(JC3)やセキュリティベンダーでは、同マルウェアに関する詳細情報を公開し、注意喚起を呼び掛けている。
考察
正規サイトからアクセスしても、そこから知らないうちに偽サイトへと誘導されてしまい、アドレスバーにも正規URLが表示されているとなると、自分の目で確かめるというのには限界があるように思われる。やはり、セキュリティ対策製品を利用することが大切なのだろう。
関連リンク
・日本サイバー犯罪対策センターによるマルウェア情報
・フォーティネットジャパンによるセキュリティブログ
・トレンドマイクロによるセキュリティブログ