
※この記事は2022年4月に更新されています。
「HDD内のデータが突然見れなくなってしまった」「HDDから異音がしてPCが認識しない」
PCやHDD(ハードディスク)は消耗品かつ精密機械なので、このようなトラブルは突然起こります。すぐにデータが使えるように自力でHDDの復旧を試みる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
トラブルの原因によっては自力での復旧も可能です。しかし、データ復旧はスピードが命であるため、安易に作業するとかえってデータが取り出せなくなってしまう可能性があります。
そこで、この記事では「自力でHDDを復旧する方法3選」と「復旧率を下げるNG行動」「自力で復旧できない場合の対処法」などを紹介します。ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
自力でのHDD(ハードディスク)復旧の成功率は?
そもそも自力でHDDの復旧は可能なのでしょうか。結論からお伝えすると、自力での復旧は可能な場合があります。しかし、成功率は決して高いとは言えません。
前提として、HDDの障害は「論理障害」と「物理障害」に分けられます。前者は、簡単なものであれば自力で復旧できますが、重度の場合は、個人対応は難しいといえます。また、後者の物理障害は、自力での復旧は原則として不可能です。
一方で、データ復旧業者では、物理障害はもちろん、どのような障害が起きているかを正確に診断できることから、もっとも安全な方法でデータ復旧を行うことが可能です。
ただし、データ復旧業者は、技術力・設備面で落差が大きく、慎重な選定が必要となります。「安いから」などの理由だけで決めるのは避け、データの重要度に応じた選定を行いましょう。
HDD(ハードディスク)を認識しない4つの原因
HDDが認識されない場合、次の原因が考えられます。
- 筐体不良
- 接続の問題
- 論理障害
- 物理障害
筐体不良
筐体不良とは、データ領域以外の故障です。たとえば、電源周り・ディスプレイ・CPUの不具合がこれに該当します。ただ、筐体不良は、データ領域とは直接関係のないトラブルであるため、適切な修理を施せば、元どおりにHDDを使用することができます。
接続の問題(外付けHDDの場合)
これはHDDに問題があるのでなく、出力機器への接続や、コネクタ部分に破損が生じている状態です。またHDDがパソコンにしっかり差し込まれていないと、HDDは正しく認識されません。
またPC側に問題がある場合、外付けHDDは正常に認識されません。この場合、読み取る機器を変えれば正常に認識される場合があるので、一度読み取る機器を確認してみましょう。
論理障害
論理障害とは、データやフォルダの構成に問題が生じている状態です。
主な原因は次のとおりです。
- 誤操作によるデータ消去、初期化・フォーマット
- 読み書き中の強制終了による、起動ファイルやファイルシステムの破損
起動システムの破損などであれば、Windowsに内蔵されている修復ツールで対応できます。しかし、データの削除は話が別です。
たとえば、データの削除後、通電やコピーを行ったり、データ復元ソフトを利用したりすると、データの痕跡が上書きされてしまい、専門業者でも復旧できる確率が著しく低くなります。とくに重度の論理障害になると業者でもノウハウを持っているのは一握りとなってしまいます。
また、エラーメッセージなど、物理障害と症状が似ていることも多く、自力で対処すると、HDDが物理的に破損する恐れがあります。
物理障害
物理障害とは、HDD本体が物理的に破損し、正常に起動できない状態です。
主な原因は次のとおりです。
- 物理的衝撃
- 落雷によるショート
- 経年劣化による不良セクタ(=読み書きできないデータ領域)の増加
物理障害の場合、原則として個人で対応可能できません。そのため、修復をおこなう際は、専門業者に相談する必要があります。しかし、メーカーや修理業者に依頼すると、HDDの交換が必要となり、データがすべて消えてしまうため、注意が必要です。
データが必要な場合は、データ復旧の専門業者までご依頼ください。
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HDD(ハードディスク)の障害でよくある症状例
HDDが認識されない場合、よく起こる症状は次のとおりです。
- 「フォーマットされていません」という表示が出る
- 巡回冗長検査エラー(CRCエラー)が発生する
- 頻繁に再起動・フリーズする
- HDD本体から異音・異臭がする
- Windowsが起動しない
「フォーマットされていません」という表示が出る
データの整合性が崩れると、「フォーマットされていません」というエラーメッセージが表示され、ファイルやフォルダにアクセスできなくなることがあります。
フォーマットをしてしまうと、HDD上のデータにアクセスが出来なくなるため、絶対にフォーマットしないようにしましょう。そもそも「フォーマットしますか?」と表示される時点で、HDDには深刻な障害が起きている可能性があります。
すでにフォーマットを行ってしまった場合は、直ちに通電を止め、フォーマットに対応しているデータ復旧の専門業者に相談してください。
フォーマットを要求される際の対処法については、下記の記事でも解説しています。
巡回冗長検査エラー(CRCエラー)が発生する
HDDにデータを保存しようとして、「データエラー(巡回冗長検査(CRC)エラー)です」という見慣れないメッセージに遭遇することがあります。
CRCエラーとは「データの送信・コピーの前後で不整合が生じた」というサインです。つまり、HDDが物理的に壊れかけているので、思うように操作ができない状態です。CRCエラーが発生すると、HDDにアクセスできなくなったり、ファイルをコピーできなくなったりします。
CRCエラーが起きているときに、自力で対処しようとすると状態が悪化する恐れがあるため、HDD内部のデータを重視する場合は、データ復旧の専門業者まで相談しましょう。
頻繁に再起動・フリーズする
CRCエラーが起きたり、HDDの動作が重くなって、頻繁に再起動・フリーズする場合は、HDDに物理的な障害が起きている可能性が高いです。操作を控えましょう。
HDD本体から異音・異臭がする
HDD本体から異音・異臭がする場合は、現在使用できている場合もHDDクラッシュ寸前の状態である可能性が高いです。このような場合、下記の方法で「障害の深刻度」を測ることができます。
S.M.A.R.T.情報を確認する
HDDには、エラー回数をモニタリングする「S.M.A.R.T.」という機能が搭載されており、「Crystal Disk Info」というフリーソフトでHDDの状態を表示できます。
列挙されている項目は、HDDとSSDで異なるものの、基本的に全て青なら問題ありません。しかし、赤や黄が有る際は、ハードウェアに故障の兆候がみられるため注意が必要です。
特に下記の項目が赤の場合、深刻な物理障害がHDDに発生している恐れがあります。
- リードエラー …データの読み書きを行う磁気ヘッドがデータを読まなかったことを示す
- 代替処理済のセクタ数 …不良セクタ(読み込み不可能なデータ領域)の発生回数を示す
なお、S.M.A.R.T.で障害が起きたHDDはむやみに操作したり、データの移動を続けたりすると、状態がさらに悪化するため、通電および電源のオンオフ自体も極力控えましょう。
Windowsが起動しない
黒い画面に「Operating System Not Found」「DISK BOOT FAILURE…」などのエラーメッセージが出る
この場合、BIOSがHDD(ハードディスク)を認識していないと考えられます。
BIOSとは、パソコンの起動プログラムです。パソコンに内蔵されているHDDには、BIOSの信号を受け取る機能がありますが、HDDに何らかの障害が起きていると、BIOSの信号を受け取ることが出来ず、BIOSはHDDを認識できません。
「Operating System Not Found」「DISK BOOT FAILURE…」などのエラーメッセージが出る際の対処方法は、こちらを参照してください。
ブルースクリーンが表示される
ブルースクリーンとは、Windowsに深刻なエラーが起きたときに表示される、青色のエラー画面です。ブルースクリーンは、さまざまな要素が関係して発生している場合が多いため、何か一つに原因を特定することが困難です。
ブルースクリーンが起きる原因や対処法は、下記の記事で詳しく解説しています。
自力でHDD(ハードディスク)を復旧する方法
HDDでは、起動やデータの管理システムが壊れてると、正常に起動できません。ただ、このような場合は、下記の対処法で復旧できることがあります。
- Windowsの修復ツールで復旧する
- BIOSで対応してみる
- バックアップからの復旧
- データ復元ソフトを使ってみる
しかし、HDDで物理的な破損が起きている、ここで紹介している方法は、原則として対応できません。むしろ、障害が悪化します。異音・異臭などの症状が見受けられる場合、できるかぎり通電を控え、専門業者に対応を依頼しましょう。
なお、HDDが認識しない場合、メーカーや家電量販店にお問合せする方もいますが、メーカーや家電量販店は基本的に「外側の機器」を提供しているだけで、データ復旧の対応は行っていない場合がほとんどです。
データ復旧を希望する場合は、物理障害にも対応した、技術力のあるデータ復旧の専門業者に任せるのが、最も安全にデータを復旧させるポイントとなります。
Windowsの修復ツールで復旧する
Windows標準搭載の修復方法としては、次のものがあります。
- スタートアップ修復を活用する
- ディスクチェックを実行する
- CHKDSKコマンドで修復する
- コマンドプロンプトで「sfc /scannow」を実行する
- ディスクの管理で確認する(外部ツールの「TestDisk」で復旧)
スタートアップ修復を活用する
スタートアップ修復は、Windowsが2回続けて正常に起動しなかった時に自動表示されます。
スタートアップ修復は、内蔵HDDの起動システムを修復する機能です。これで失敗する場合は、ハードウェアのトラブルが起きていると考えられますので、修復・通電をすぐにやめましょう。
また、スタートアップ修復は、あらゆる箇所のチェックを行うため、HDDへの負担が大きく、状態が悪化してしまう恐れもあります。不安な方は、一度専門業者まで相談してください。
ディスクチェックを実行する
HDDのファイルシステムに異常が発生している場合、ディスクチェックを実行することで解決できる可能性があります。ディスクチェックを実行することで、HDDに発生している問題を自動で発見し、高い確率で修復することができます。
しかし、ディスクチェックで不具合が改善しない場合は、物理障害が発生している可能性が高く、エラーが修復しないからといって、何度もエラーチェック・自動修復を実行するのは避けましょう。障害が悪化する可能性があります。
〈操作手順〉
- 管理者権限のあるユーザーでサインインする
- エクスプローラー上で「修復を行うハードディスク」を右クリックし、「プロパティ」を選択する
- プロパティウィンドウが開いたら「ツール」タブをクリック
- 「エラーチェック」内にある「チェック」ボタンをクリック
- エラーが検出された場合は「ドライブの修復」から修復を実行する
以上の手順で操作してもエラーが検出されなかった場合は、チェックディスクを終了し、他の対処法を検討してください。
CHKDSKコマンドで修復する
不良セクタ(軽度物理障害)によるファイルシステムの破損が生じている場合、CHKDSKコマンドの/rオプションで解決できる可能性があります。しかし、この操作は、HDDに負荷を与えやすく、HDDの物理的な破損につながるリスクもあるので、大切なデータが入っている場合は実行を控えるべきといえます。
〈操作手順〉
- 「Windowsマーク」を右クリックし「Windows PowerShell」を選択する
- ユーザーアカウント制御の画面が出たら「はい」をクリックする
- コマンド「chkdsk E: /r」を入力し、エンターキーを押す
- 「E」は外付けHDDのドライブレターを指定する(※ライブレターは、エクスプローラで「PC」→「デバイスとドライブ」内で確認できます)
- 完了後、PowerShellを閉じる
- 以上の手順を終了したら、外付けHDDを再接続してエラーが出ないか確認してみてください。
CHKDSKコマンドでの修復がうまくいかなかった場合にはこちらをご覧ください。
コマンドプロンプトで「sfc /scannow」を実行する
HDDを搭載したパソコンで、Windowsの起動・動作に必要なシステムファイルが上書き・破損している場合、コマンドプロンプトで「sfc /scannow」(システムファイルチェッカー)を実行することで、誤って上書き・破損してしまったシステムファイルを修復できます。

Windowsが正常に起動できない場合、コマンドプロンプトは「詳細オプション」から起動可
手順は次のとおりです。
- コマンドプロンプトに「sfc /scannow」と入力する
- 「システムスキャンを開始しています…」と表示されたら、スキャンが終わるまで待ちます(チェックには通常1時間かかります)。
- 「検証100%が完了しました」と表示されたら、スキャン完了です。
- 次のエラーが出た場合は、別の方法を試してください。
Windows リソース保護により、破損したファイルが見つかりましたが、それらの一部は修復できませんでした。
この場合は「chkdsk c: /f」あるいは「DISM /Online /Cleanup-image /Restorehealth」で修復可能なケースがあります。
Windowsリソース保護は要求された操作を実行できませんでした。
この場合は、PCを再起動、あるいはセーフモードで起動すれば修復可能なことがあります。
ディスクの管理で確認する
Windowsの標準ツール「ディスクの管理」を使えば、HDDがWindowsに適切な形で認識されているかを判断できます。これを開くには、以下の手順に従ってください。
- 検索ボックスで「compmgmt.msc」というコマンドを実行
- 「コンピュータの管理」内にある「ディスクの管理」という機能を表示する
正常時は下記のようにディスク(HDD)が通常どおり表示され、ドライブ容量などの現状が把握できます
しかし、HDD異常時は、ディスク自体が認識されません。
この場合、WindowsはHDDを見失っており、いわゆる「未割当て状態」となっています。この場合、下記のツールで対応できることがあります。
外部ツールの「TestDisk」でパーテーションを復旧
TestDiskは、データを正しく書き換えるためのソフトです。下記に問題が生じている場合、これで解決できる場合があります。
- HDDのパーテーション
- 特定のファイルシステム
修復ソフトを使用したパーティション修復が完了したら、外付けHDDをPCに再接続してエラーが解決したかを確認してみてください。
ただ、操作を誤ると、Windowsが起動できなくなる恐れもあります。また、HDDの未割当ての原因としては、物理障害も強く疑われます。このような状態で個人診断による修復を行うと、データ・機器ともに破損する恐れがありますので、むやみに操作するのは控えてください。
BIOSで対応してみる
Windows起動時、真っ黒い画面に「Boot Device Not Found」といきなり白い文字が表示される場合、パソコンがHDDを認識できず、正常に起動できない状態です。
エラーメッセージはパソコンの機種によって異なり、以下のようなものも見られます。
- No Boot Device Found – Please restart system
- oparating system not found
- DISK BOOT FAILURE
- NTLDR is missing
- No boot device is available
- No bootable device
- Insert system disk in drive. Press any key when ready
スタートアップ修復で対応できない場合、一度、BIOS呼び出しキーから「BIOS設定」を確認し、起動デバイスの設定が間違っている場合は、正常なものに戻すことで対処できることがあります。
BIOSの起動順位を確認・変更する方法
- 「Shift 」キーを押しながらシャットダウンを実施したあと「F2」キーを押しながら電源ボタンを入れる
- BIOS設定画面を起動したら[←][→]キーを使って[Boot]に移動し、起動順位を上げたいデバイスを[↑][↓]キーを使って選択し[+]キーを押す
- パソコンを再起動し「DISK BOOT FAILURE…」というエラーメッセージが消えるかどうかを確認する
注:「BIOS設定時の再起動」は機器に負担をかけやすく、障害状況を悪化させるリスクがあります。最悪の場合、物理的なクラッシュを引き起こし、専門業者でも復旧ができなくなってしまう可能性がありますので「重要なデータが入っている」場合は、個人作業を試す前に、専門業者へ相談することをおすすめします。
ブートモードを切り替える
BIOSとOSのブートモードが一致していない場合、OSを起動させることができずエラーが起きることがあります。
このトラブルの原因は、Windows updateや、BIOSのアップデート、正しい手順でOSをインストールしなかった時に発生します。
- BIOS設定画面から、BIOSのブートモードを確認しましょう。(レガシーBIOSもしくはUEFIブートモードです。)
- ブートモードが「レガシーBIOS」に設定されている場合は「UEFIブートモード」に変更し、「UEFIブートモード」に設定されている場合は「レガシーBIOS」に変更しましょう。
- 「Save and Exit」を選択して、PCを再起動しましょう。
BIOSを初期化する
BIOSの設定を初期化することで、エラーが解消される可能性があります。
初期化する際は、設定画面の「Exit」タブにある「Load Default Settings」を実行しましょう。次に「Save and Exit」を選択して、PCを再起動しましょう。
バックアップからの復旧
外付けHDDなどが故障してしまっても、他の外付けHDDやUSB、クラウドにパックアップをとってあるならば、そのバックアップから復元をする解決します。
バックアップを取っていない場合、パソコンがHDDを認識する状態なら、重要なデータからバックアップを取ってしまうのも一つの方法です。繰り返しになりますが、HDDに問題が発生している場合の通電作業はリスクを伴います。この方法は、データを失うリスクがあることを念頭に検討してください。
データ復元ソフトを使ってみる
データ復元ソフトは、比較的安価で、消えたデータを取り戻せます。しかし、データ復元ソフトは一定上のリテラシーが必要であり、データの上書きが発生したり、低画質の画像しか復元できない等、状態が悪化してしまう可能性があります。
また、HDDが物理的に故障していると破損が進み、最悪の場合、二度とデータが取り出せない状態になってしまいます。以上から、データ復元ソフトの使用は慎重に判断してください。
「データ復元ソフトの利用に不安がある」「どうしても取り戻したいデータがある」という場合は依頼前に無料相談・診断を行っているデータ復旧の専門業者に相談してみるのをおすすめします。
HDD(ハードディスク)の復旧率を高めるための注意点
HDD(ハードディスク)の復旧率を高めるための注意点は、主に次のとおりです。
- 原因が判別できない場合、自力で復旧しない
- HDDから異音がする際は、操作しない
- 通電を避ける
- 自身での分解・開封を避ける
- フォーマットは行わない
- リカバリ(初期化)しない
- データ復元ソフトの使用には要注意
原因が判別できない場合、自力で復旧しない
論理障害と物理障害は原因が異なるため、障害が発生した際の対処も異なります。しかし、エラーメッセージやフォーマット要求など、2つの障害は症状が似通っていることがあり、場合によっては見極めが難しく、障害が併発している可能性もあります。
やみくもにデータ復旧ソフトを使用することは却って状態が悪化させる恐れがあります。大切なデータを安全に復旧するためには速やかに電源をOFFにしましょう。
HDDから異音がする際は、操作しない
以下の異音が生じる場合、HDDが故障し、物理障害が発生していることが考えられます。
- カコンカコン
- カチカチ、カタカタ
- ガキッ、キュルキュル
- シャー、シーッ
- カチャカチャカチャ、カックンカックン
この場合、「チェックディスク」「スタートアップ修復」など修復ツールでは対応不可能です。HDDに異音が生じている状態で、修復ツールのフルスキャンを実施すると、HDDが完全にクラッシュする恐れがあるので、機器の使用を控え、専門業者に相談するようにしましょう。
HDDの異音の種類については、下記の記事で詳しく解説しています。
通電を避ける
メディアに物理的な障害が発生している場合、通電するだけで、症状の悪化に繋がります。データ復元を考えている場合は、極力通電を避けましょう。
また、削除データを修復させたい場合も同様です。通電を続けるだけで、そのデータを修復できる可能性が下がってしまうため注意しましょう。
自身での分解・開封を避ける
HDDは非常に精密な機器であり、データを保存している部分(プラッタ)にほこりや髪の毛が乗ってしまうだけでもデータを失う原因になりかねません。
そのため、HDDを開封する場合「クリーンルーム」と呼ばれる、空気の清浄度が非常に高い環境での作業が必要です。
そもそも、開封が必要な障害は、動作・データどちらの復旧であっても交換用の部品や交換技術が必要なため、自身での開封作業を行ってもその後の作業に入ることが困難です。
フォーマットは行わない
「フォーマットしてください」とエラーメッセージが表示される場合がありますが、HDDに保存されているデータが1つでも必要な場合は、絶対にフォーマットを行わないでください。
フォーマットを行うことで、HDDが正常に使えるようになることはありますが、HDDに保存されているデータにはアクセスできなくなってしまいます。
万が一、フォーマットをしてしまった場合は、直ちに通電を中止し、技術力のあるデータ復旧専門業者に相談してください。
リカバリ(初期化)しない
機器の動作が不安定な時、インターネットで検索していると「システムのリカバリーは大変有効」と書かれていることも多く、すぐさま「リカバリを試した」という方もいるかもしれません。
確かにリカバリを試すと、一部の論理障害は解消する場合があります。しかし、リカバリーを実行すると、HDDが初期化されてしまいます。絶対にリカバリを試してはいけません。
データ復元ソフトの使用には要注意
データ復元ソフトの利用時に注意するべき点は、次のとおりです。
- 物理的な障害では利用できない
- データ復元の精度はそこまで高くない
- 状態が悪化する恐れがある
- Mac/フラッシュメモリに対応しているソフトは少ない
データ復元ソフトのリスクについては、下記の記事でも解説しています。
自力でHDD(ハードディスク)が復旧できない場合の対処法:専門業者に依頼する
次の場合、専門業者に相談することが最も安全です。自力で対処するとデータが消えるか、HDDが完全に破損する恐れがあるため、自力での対処は控えてください。
- これまでの対処方法で解決できなかった
- 物理障害のような症状が出ており、自分で復旧できない
- 大切なデータが保存されており、下手な対処でデータを失いたくない(復旧作業は何度も行えない)
そして「機器」の動作、あるいは中身の「データ」のどちらが重要なのかを判断して、次のいずれかの専門業者へ相談しましょう。
- メーカーや修理専門業者
- データ復旧専門業者
メーカーや修理専門業者
HDDの「機器」を重要視する場合は修理専門業者へ相談しましょう。HDDを修理・交換し、元のHDDと同じ状態になって戻ってきます。
しかし、メーカーに機器の修理を依頼した後では、機器の修理・交換の際にデータがすべて消えてしまいます。修理専門業者やメーカーの目的は機器の修理であるため、中身のデータは破棄されてしまいます。HDD内のデータが必要な場合は、初めからデータ復旧専門業者へに相談する方が良いでしょう。
データ復旧専門業者
HDDに大切なデータが保存されている場合は、製造元メーカーでなく、データ復旧の専門業者へ相談しましょう。どの復旧方法よりも、高い復旧率で、早急にデータ復旧を行えます。また実績のある業者であれば、復旧に関する専門知識や設備、ノウハウが蓄積されており、個人や市販のツールでは対応できない物理障害にも対応可能です。
HDDに関する知識がなく対処にお困りの方も、気軽に相談してみると良いでしょう。業者の中には、依頼前に無料で診断を受けつけている企業もありますので、まずは無料相談で状況を整理することをおすすめします。
データ復旧専門業者の選び方については、下記の記事を参考にしてください。
おすすめのデータ復旧専門業者
データ復旧専門業者に依頼するのであれば、確実にデータが復旧できないと意味がありません。データ復旧業者は全国に数多くありますが、技術はピンキリです。たとえば、技術力が高く復旧率が高い業者が存在する一方で、技術力が低い業者も存在します。そのような業者に依頼してしまうと、その後の復旧難易度が上がるだけではなく、完全にデータを失ってしまう場合もあります。
そこで、企業のデータ復旧を依頼する際に見るべきポイントを4つピックアップしました。
- 復旧スピードが速い
- 官公庁や大企業との取引実績
- セキュリティ対策の水準
- 復旧率や実績を明示している
これらの4点を満たしている業者であれば、安心して任せてもよいでしょう。HDDの復旧に対応した復旧率の高い専門業者としては「デジタルデータリカバリー」があります。
この業者は、無料で相談から見積もり提示まで行っているので、自力で復旧作業に取り掛かる前に一度相談してみることをおすすめします。
デジタルデータリカバリー
公式HPデジタルデータリカバリー
デジタルデータリカバリーは、データ復旧国内売り上げNo.1のデータ復旧専門業者です。復旧率最高値は95.2%と非常に高い技術力を有しています。依頼の8割を48時間以内に復旧と復旧のスピードも優れています。また、官公庁や大手企業を含む累積29万件以上の相談実績があります。
相談から見積もりの提示まで無料で行っているため、データ復旧を検討している際はまずは最大手であるデジタルデータリカバリーに相談すると良いでしょう。
復旧費用 | 相談から見積もりまで無料 500GB未満:5,000円〜 500GB以上:10,000円〜 1TB以上:20,000円〜 2TB以上:30,000円〜 |
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対応製品 | RAID機器(NAS/サーバー)、パソコン(ノート/デスクトップ)、外付けHDD、SSD、USBメモリ、ビデオカメラ、SDカード・レコーダー等記憶媒体全般 |
復旧期間 | 最短当日に復旧完了(本社へ持ち込む場合) 約80%が48時間以内に復旧完了 |
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まとめ
今回は、自力でのHDD復旧方法について解説しました。
自力での作業はリスクが高く、回数を重ねるごとに、復旧率は下がっていきます。HDD内に大切なデータが保存されている場合は、自力での作業は推奨できません。
これに限らず、再起動をくり返すだけで、データの修復可能性が低下していきます。重要なデータが保存されている場合、業者への早めの相談が何より大切になってきます。まずは機器に起きている障害を正確に見極めましょう。
特に、データが大切な場合は「データ復旧業者」を、機器の起動を優先させたい場合は「メーカー・修理専門業者」を選択しましょう。