CRCエラー(巡回冗長検査エラー)とは?エラー原因や対処法を徹底解説|サイバーセキュリティ.com

CRCエラー(巡回冗長検査エラー)とは?エラー原因や対処法を徹底解説

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PCで「データエラー(巡回CRCエラー)」が表示されたら注意が必要です。

これはストレージの一部が読めなくなったエラーで、アクセスやファイルコピーができなくなる可能性があります。安易に対処すると状態が悪化する恐れがあるため、原因を確認し、適切な対応が重要です。本記事では、CRCエラーの原因と修復方法を解説します。ぜひ参考にしてください。

CRCエラーとは

巡回冗長検査(CRC)は、通信やデータ保存において、データが正しく転送・保存されたかを確認するために使用される技術です。

これはデータが送信(コピー)された際、「送信側で生成された値」と「受信側で計算された値」を比較することで、エラーの有無を判断する仕組みです。しかし、CRCは誤りを「検出」するためのものであり、誤りを「訂正」する機能はありません

つまり、CRCエラーが発生した場合、ハードディスクやSSDなどの記憶装置やデータが既に破損している可能性が高く、データにアクセスできなくなったり、データの一部が破損したり、ファイルのコピーができなくなったりする場合があります。

このため、CRCエラーが発生した際は、ただちにバックアップを取り、必要に応じて専門のデータ復旧サービスに依頼することが推奨されます。

データ復旧は業者に依頼するのが確実

エラーが発生している状態でPCを操作し続けると、データの上書きや損傷が発生する可能性が高まります。

特にCRCエラーは、データの読み書きに問題が生じていることを示しているため、無理に操作を続けると、さらに多くのファイルが破損する危険があります。また、異常な状態でハードウェアが動作し続けると、ディスクドライブの回転部やヘッドに過度の負荷がかかってしまい、致命的な物理破損につながることがあります。これにより復旧可能なデータが失われたり、問題が複雑化するリスクがあります。

したがって、電源を落とした状態で、データ復旧の専門家に相談することを強くおすすめします。データ復旧業者では、PCメーカーでも復旧が難しいとされる高度なデータ復旧に対応できることが多く、特に物理的な障害や深刻な論理エラーが発生した場合でも、データ復旧業者では、専用の機器や技術を駆使してデータを安全に取り出すことが可能です。

むしろ、自己判断で無理に操作を続けると、状況が悪化し、最悪の場合、データが完全に失われるリスクもあるため、専門家に任せることが最善の選択となります。

CRCエラー(巡回冗長検査エラー)エラー発生時の対処法

CRCエラー(巡回冗長検査エラー)エラー発生時の対処法は次の通りです。

①接続不良の確認

接続不良が原因で、巡回冗長検査(CRC)エラーが発生することがあります。これは、ケーブルやコネクタが正しく接続されていない場合、データのやり取りが途中で途切れ、エラーが発生するためです。接続不良を解消することにより、CRCエラーの発生を防ぐことができます。特に、外付けハードディスクやUSBメモリなどを使用している場合には、この確認が効果的です。

接続不良の確認手順
  1. PCの電源をオフにします。
  2. ケーブルやコネクタを慎重に取り外し、端子部分を柔らかい布で清掃します。
  3. ケーブルやコネクタを再度しっかりと接続します。
  4. 別のUSBポートや電源ケーブルを試して、接続不良が解消されたか確認します。
  5. PCの電源を再度オンにし、エラーが解消されたか確認します。

②ディスクのエラーチェックの実行

ディスクのエラーチェック機能を使用することで、ファイルシステムのエラーや不良セクタを修復できる場合があります。このツールはWindowsに標準で搭載されており、簡単にディスクの健康状態を確認し、修正を行うことができます。エラーが軽度であれば、この手順だけで問題が解決することも多いです。

ディスクのエラーチェックの実行手順
  1. 「エクスプローラー」を開き、問題のあるドライブを右クリックします。
  2. 「プロパティ」を選択し、「ツール」タブをクリックします。
  3. 「エラーチェック」セクションの「チェック」ボタンをクリックします。
  4. 「ディスクのチェック」を選択し、エラーの修正を開始します。
  5. 修正が完了したら、PCを再起動して、エラーが解消されたか確認します。

③チェックディスクコマンドの使用

チェックディスク(chkdsk)は、コマンドプロンプトからディスクのエラーチェックと修復を行うための強力なツールです。このツールは、特にシステムファイルやディスクセクタに問題がある場合に効果を発揮します。正確で詳細な診断と修復が可能であり、エラーの原因が深刻な場合でも問題を解決できることがあります。

チェックディスクコマンドの使用手順
  1. スタートメニューから「コマンドプロンプト(管理者)」を選択して開きます。
  2. 「chkdsk C: /f」と入力し、Enterキーを押します。(「C:」はチェックするドライブ名です)
  3. システムが再起動を要求する場合、「Y」と入力してシステムを再起動します。
  4. 再起動後、チェックディスクが自動的に実行され、エラーの修正が行われます。
  5. 修正が完了した後、再度エラーが解消されたか確認します。

ただし、チェックディスクの実行には注意が必要です。誤った操作や進行中の修復を中断すると、データが失われるリスクがあります。また、物理的な損傷が疑われる場合には、無理にchkdskを実行せず、専門家に相談する方が安全です。特に重要なデータがある場合は、まずバックアップを取ってから実行することを強くおすすめします。

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④ドライブ文字の変更

ドライブ文字を変更することで、ファイルシステムやディスクへのアクセスが改善され、CRCエラーが解消されることがあります。ドライブ文字の競合や不具合が原因でエラーが発生している場合、この手順が有効です。Windowsのディスク管理ツールを使用して、簡単にドライブ文字を変更することが可能です。

ドライブ文字の変更手順
  1. 「ディスクの管理」を開きます。(スタートメニューの検索バーに「ディスクの管理」と入力して開きます)
  2. 変更したいドライブを右クリックし、「ドライブ文字とパスの変更」を選択します。
  3. 「変更」ボタンをクリックし、新しいドライブ文字を選択します。
  4. 「OK」をクリックして設定を保存し、PCを再起動します。
  5. 再起動後、エラーが解消されたか確認します。

⑤専門家への相談

HDDの最小データ単位であるセクタにキズが生じると、その部分は「不良セクタ」となり、データの読み書きができなくなります。

この不良セクタが増えると、自己修復が難しくなり、ファイルが開けなくなったり、データが消える恐れがあります。物理的な障害による不良セクタの復旧は難しく、高度な技術と設備が必要です。CRCエラーが発生した場合は、自己修復を試みるのではなく、データの要不要に応じて、早めに専門家に相談することが重要です。

特に、重要なデータが失われるリスクがある場合、誤った操作によって状況が悪化する可能性がありますが、データ復旧業者では、PCメーカーでも対応が難しい高度なデータ復旧を行える場合があります。

対処法を試しても修復できない場合は専門業者へ依頼する

データ復旧専門業者に依頼するのであれば、確実にデータが復旧できないと意味がありません。せっかくお金も時間もかけたのに、復旧成功確率の低い業者に依頼して作業に失敗されると、最悪の場合、大切なパソコンのデータを永遠に失うことになります。

そこで、データ復旧サービス各社の復旧率、設備規模、復旧スピード、価格や特長を比較した結果から、おすすめのデータ復旧業者を選定しました。

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CRCエラー発生時の注意点

CRCエラーが発生したときの対処で、行ってはいけないことがあります。エラー発生中に不適切な操作をすると、本来復旧できるデータまで消失してしまうため、注意が必要です。

  • 「chkdsk」の実行はNG
  • 過度な電源のオン/オフや再起動はNG
  • 対処法を試しても修復できない場合は専門業者へ依頼しよう

「chkdsk」の実行はNG

「chkdsk」とは、Windowsで標準搭載されているドライブエラーのチェックコマンドです。

「chkdsk」に「/f」や「/r」のオプションを指定して実行すると、ファイルシステムを修復できるというものです。しかし、CRCエラーが生じているときは絶対に実行してはいけません

「chkdsk」の目的は、Windowsにとって適性なファイルシステムにすることであり、ハードディスクのエラーチェックやハードディスクのエラーの修復ではありません。当然、「chkdsk」を使用してもユーザにとって必要なファイルが修復されるわけではありません。

「chkdsk」を実行してしまうと、他の手段で救出できる可能性があるデータも、「chkdsk」がエラーと判断した部分のデータをまるごと切り捨てた状態で、上書きされてしまいます。本来復旧できていたかもしれないデータまで失ってしまう可能性が高いため、「chkdsk」は実行してはいけません。

過度な電源のオン/オフや再起動はNG

CRCエラーや障害が発生している状態で、電源のオン/オフや再起動を繰り返すのはやめましょう。エラー状態で通電を繰り返すと次のような損傷が発生し、本来復旧できていたデータまで失ってしまいます。

スクラッチ ハードディスクのヘッド部分が破損した状態で通電を続けることで、磁気ディスクへの傷「スクラッチ」が付いてしまいます。
データの上書き PCを起動するとハードディスクには起動に関する情報なども自動的に書き込まれます。本来復旧すべきデータの上に、それらの情報を上書き保存してしまうことがあります。
不良セクタ データを読み込むことができない領域である不良セクタが、通電の繰り返しにより拡大してしまいます。

まとめ

CRCエラーが発生すると、突然ファイルの保存やコピーができなくなり非常に焦ります。データを最大限復旧するために大切なのは、「何もせずに」電源を落として現状を維持することです。その上で、専門知識のあるデータ復旧業者に相談をしましょう。

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