Telegramとは、ロシア出身の開発者によって作られたメッセージングアプリで、大容量ファイルの送受信や登録者数に上限のないチャンネル機能など、独自の機能を多く備えています。
本記事では、Telegramの特徴と使い方に加え、暗号化の仕組みや、サイバー犯罪に悪用される実態、安全に使うための注意点までを解説します。
Telegramとは
Telegramとは、メッセージのやり取りやファイル共有ができるメッセージングアプリで、独自の暗号化プロトコルを採用し、高いプライバシー性を打ち出している点が特徴です。
LINEなど他のメッセージングアプリと同様にチャットやグループ機能を備えつつ、情報発信に特化した「チャンネル」機能や、自動応答・自動処理を行う「ボット」機能など、独自の機能を多く備えています。
主な特徴
Telegramは、単一のファイルで最大2GBまでの大容量ファイルを送受信できる点や、登録者数に上限のない「チャンネル」機能を持つ点が特徴です。これにより、不特定多数へ向けた一方向の情報発信ツールとしても広く利用されています。
Telegramの基本的な使い方
アカウント登録・初期設定
Telegramのアカウント登録には、電話番号の認証が必要です。アプリをインストール後、電話番号を入力しSMSで届く認証コードを入力することで、アカウントの作成が完了します。
チャット・チャンネル・グループの違い
Telegramには、1対1または少人数でやり取りする「チャット」、多人数で会話する「グループ」、そして管理者から参加者への一方向の情報発信に使われる「チャンネル」という3つの機能があります。チャンネルは登録者数に上限がないため、企業やコミュニティの情報発信手段としても利用されています。
ボット機能の活用
Telegramには、特定の処理を自動で行う「ボット」を組み込む機能があります。簡単な問い合わせ対応から、外部サービスとの連携まで、開発者であれば比較的容易に独自のボットを作成できる点も特徴の一つです。
Telegramの暗号化・プライバシーの仕組み
通常のチャットは端末間暗号化(E2EE)されていない
Telegramは高いプライバシー性を打ち出していますが、見落とされがちな点として、通常のチャットは端末間暗号化(E2EE)が有効になっていません。
通常のチャットはサーバー・クライアント間で暗号化されているものの、メッセージはTelegramのサーバー上にも保存されており、複数端末から同期・閲覧できる仕組みになっています。
「秘密のチャット」機能とは
端末間暗号化(E2EE)を利用したい場合は、「秘密のチャット」という別の機能を明示的に使う必要があります。秘密のチャットでは、メッセージは特定の2台の端末間でのみやり取りされ、サーバーには保存されません。自動削除タイマーやスクリーンショット通知といった、プライバシー保護のための追加機能も利用できます。
MTProtoという独自プロトコル
Telegramは、一般的に広く使われている暗号化プロトコルではなく、「MTProto」という独自に開発したプロトコルを採用しています。この独自性については、セキュリティ専門家のコミュニティで検証や議論が継続的に行われています。
Telegramがサイバー犯罪に悪用される実態
高い匿名性と大規模な情報発信・共有が可能な特性から、Telegramはサイバー犯罪者にも利用されやすいプラットフォームとなっています。
ランサムウェアグループのリークサイト代替としての利用
ランサムウェア攻撃グループの一部は、身代金を支払わなかった被害企業の情報を公開する「リークサイト」の代わりとして、あるいは補助的な手段としてTelegramのチャンネルを利用するケースが確認されています。
マルウェアの指令通信(C2)チャネルとしての悪用
マルウェアが、感染後の遠隔操作のための指令通信(C2通信)チャネルとして、TelegramのAPIを利用する手口も確認されています。一般的なWebサービスのAPI通信に紛れやすいため、検知が難しくなるという特徴があります。

クレデンシャル・個人情報の売買の温床
不正に取得したログイン情報(クレデンシャル)や個人情報が、Telegram上のグループ・チャンネルを通じて売買される実態も報告されています。参加のハードルの低さと匿名性の高さが、こうした取引の温床になりやすい一因です。
Telegramを安全に使うための設定・注意点
秘密のチャットを活用する
機密性の高いやり取りを行う際は、通常のチャットではなく、意識して「秘密のチャット」機能を選択することが重要です。初期設定のままでは端末間暗号化が適用されない点を理解しておきましょう。
二段階認証を設定する
電話番号の乗っ取りなどによるアカウントの不正利用を防ぐため、パスワードによる二段階認証を設定しておくことを推奨します。
不審なチャンネル・ボットに注意する
身元の分からないチャンネルへの招待リンクや、不審なボットからのメッセージには注意しましょう。フィッシングサイトへの誘導や、マルウェアの配布に悪用されるケースもあります。
まとめ
Telegramは、大容量ファイル送受信やチャンネル機能など独自の強みを持つメッセージングアプリですが、通常のチャットが端末間暗号化されていない点など、仕組みを正しく理解しておくことが重要です。
高い匿名性ゆえにサイバー犯罪のインフラとしても悪用されている実態があるため、利用する際は秘密のチャットの活用や二段階認証の設定、不審なリンク・ボットへの警戒など、基本的なセキュリティ対策を怠らないようにしましょう。

























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