サポート詐欺とは、偽のサポート窓口を装い、ユーザーに電話やメールで連絡させて不正にお金を騙し取る詐欺手法です。詐欺の手口は、主にポップアップメッセージや警告画面で「ウイルス感染」や「セキュリティ問題」を装ってユーザーを不安にさせ、「サポート窓口に連絡してください」などと誘導することにより、電話やオンラインチャットでの接触を図るものです。
サポート詐欺の主な目的は、金銭を騙し取ることや、ユーザーのパソコンやスマートフォンにリモートアクセスして個人情報や金融情報を盗むことにあります。偽のサポート担当者は、修理やウイルス駆除を装って費用を請求し、ユーザーが支払いや個人情報を提供すると不正利用に発展するケースが多く見られます。
サポート詐欺の手口
サポート詐欺の手口には、主に以下のようなものが挙げられます。
1. 偽の警告ポップアップ
ウェブサイトや広告のリンクをクリックすると、偽の警告ポップアップが表示され、「コンピュータがウイルスに感染しています」や「個人情報が漏洩しています」といったメッセージが表示されます。そこには、偽のサポート電話番号や問い合わせリンクが含まれており、「今すぐサポートに連絡してください」とユーザーを誘導します。
2. 偽サポートセンターの電話
インターネット検索で「サポート」や「修理サービス」などを調べると、偽のサポートセンターの番号が表示されることがあります。この番号に連絡すると、詐欺者が応答し、修理やウイルス駆除と称して不必要なサービスを案内し、高額な費用を請求します。
3. リモートアクセスの要求
偽サポート担当者は、「問題を解決するためにはリモートでの確認が必要」として、ユーザーにリモートアクセス用のアプリケーション(例:TeamViewerなど)をインストールさせます。リモート接続後、銀行情報や個人情報を盗んだり、不正な支払いを実行することが可能です。
4. 偽のメールやSMS
偽のサポートメールやSMSもサポート詐欺の手口として多用されます。「ウイルスが検出されました」「セキュリティに問題があります」といった内容で、不正なリンクをクリックさせるか、電話をかけさせる手口です。リンクをクリックすると不正サイトに誘導され、支払いを要求されたり、個人情報を入力させられることがあります。
サポート詐欺の被害例
サポート詐欺の被害は増加しており、以下のようなケースが報告されています。
- 高額な請求をされる
詐欺のサポート担当者がウイルス駆除やセキュリティソフトの購入を装って、数万円から数十万円を請求するケースです。ユーザーが支払いに応じると、偽サービス費用として詐欺者の口座に送金されます。 - 銀行口座情報の盗難
リモートアクセスを許可すると、詐欺者がユーザーの銀行口座やクレジットカード情報を盗み取り、不正利用やオンラインショッピングに使用されることがあります。 - 不正なソフトウェアのインストール
偽のサポート担当者が「ウイルス駆除ソフト」と称してスパイウェアやマルウェアをインストールさせるケースがあります。このソフトウェアはデータを収集したり、キーロガー(キー入力記録)として働き、個人情報を漏洩させます。
サポート詐欺を防ぐ方法
サポート詐欺を防ぐためには、以下の対策が効果的です。
- 不審なポップアップは無視
ウェブサイトや広告のリンクからの突然の警告や、ウイルス感染メッセージには注意し、信頼できるセキュリティソフトでスキャンを行うようにします。公式サポートではポップアップでの連絡を求めることはほとんどないため、無視が最善の対策です。 - サポート番号の確認
公式サポートの電話番号は、企業の公式ウェブサイトに掲載されています。電話をかける前に、検索結果だけでなく、企業の公式サイトで番号を確認するようにします。 - リモートアクセスの許可をしない
不審なサポートからリモートアクセスを求められた場合、応じないようにしましょう。信頼できるサポート担当者であれば、リモートアクセスの手続きをする際に公式サイト経由のアプリケーションを案内するなど、セキュリティに配慮した手続きが行われます。 - セキュリティソフトの利用
PCやスマートフォンに最新のセキュリティソフトをインストールし、スパムや不正な広告のフィルタリングを設定することで、サポート詐欺に遭遇するリスクを低減できます。 - 警告メッセージのリンクや電話番号をクリックしない
偽の警告メッセージにはリンクや電話番号が記載されていますが、これをクリックせず無視することが重要です。特に「公式サポート」と表示されていても、本物か確認せずにアクセスしないようにします。
サポート詐欺に遭った場合の対処法
サポート詐欺に遭ってしまった場合、次のような対処法があります。
- 即座にリモートアクセスを切断
不審なリモートアクセスを許可した場合、すぐに接続を切断し、デバイスを再起動します。その後、公式のセキュリティソフトを使ってスキャンを行います。 - パスワードを変更
銀行口座やSNSなどのパスワードをすぐに変更し、不正アクセスのリスクを最小限にします。二要素認証が可能であれば、設定することでさらにセキュリティを強化できます。 - カード会社や銀行に連絡
クレジットカードや銀行情報を提供してしまった場合、すぐにカード会社や銀行に連絡し、カードの停止や取引の確認を依頼します。 - 消費者センターや警察に相談
詐欺被害に遭った場合、消費者センターや警察に相談し、今後の対応方法について指導を受けます。また、被害届を提出することで他の被害を未然に防ぐための情報提供もできます。
まとめ
サポート詐欺は、偽の警告メッセージやサポート窓口を装い、ユーザーからお金や個人情報を騙し取る悪質な詐欺手法です。被害に遭わないためには、不審なポップアップや電話番号には応じず、公式サポートを確認することが重要です。もし詐欺に遭ってしまった場合は、速やかにリモート接続を切断し、パスワード変更やカード会社への連絡を行うとともに、消費者センターや警察への相談を行うことで適切に対処できます。