データ復旧業者に依頼してデータを復旧する時は、機器の郵送・持ち込みが基本になりますが、セキュリティ規定上どうしてもすぐには機器を持ち出せないことがあると思います。
そこで、データ復旧業者には「出張サービス(オンサイト)」で機器の診断依頼を受けつけているデータ復旧業者もあります。
本記事では、データ復旧業者の出張サービスを依頼する時のメリットや注意点、依頼方法を紹介しています。おすすめのデータ復旧業者は以下で紹介しているので是非参考にしてください。
目次
データ復旧業者の出張サービスの特徴・メリット
前提として、データ復旧業者で行っている出張サービスは、機器の診断をして見積を出してもらうサービスがメインで、復旧作業は簡易的なもの以外はその場で対応できません。その場で完全に復旧してもらえると思ってしまいますが、データ復旧サービス自体は、後日機器を郵送して行うケースが多いです。
- 出張サービス:直接エンジニアが出張し、機器の取り外しや障害の診断、簡易的な復旧作業を行うサービス
- データ復旧サービス:取り出せなくなった機器のデータを復旧するサービス
なぜ出張サービスがあるかというと、データセンター・大学・企業などで設けられている、「守秘義務」や「セキュリティ」規則によって、「すぐに機器を持ち出すことが難しい方」に向けたサービスになっています。機器の持ち出し許可が出るまでの間に、出張サービスで機器を診断・症状を割り出し、見積を出してもらうことで、スムーズにデータ復旧作業を進められます。
そもそも機器の持ち出し申請が必要ない方にとっては、出張サービスで診断を依頼するよりも、機器を郵送や持ち込みで依頼した方が復旧完了までのスピードは速くなる可能性が高いので、依頼する際は注意してください。
ここでは、データ復旧業者の出張サービスの特徴やメリットを紹介します。
- 復旧エンジニアが駆けつけて症状を診断してもらえる
- 法人のNAS・RAIDのデータ復旧を対象とする場合が多い
- 機器の取り外しをプロに任せられる
復旧エンジニアが駆けつけて症状を診断してもらえる
出張でのデータ復旧サービスを利用できる業者では、専門的なエンジニアが直接現場に駆け付けます。実際にやってもらえる作業は以下のようなものがあります。
- 数時間でエンジニアの正確な出張診断を受けられる
- その場で見積がわかる
- 診断後に機器を引き渡し、ラボで復旧してもらえる
一口に出張サービスといっても、業者によって内容や料金が異なります。機器の持ち出し許可がなくても症状を診断してもらえるため、すぐに対処できるのがメリットになりますので、まずは相談してみることをおすすめします。
復旧作業については、簡易的な作業のみの場合には対応してもらえる可能性がありますが、ほとんどの場合は出張診断後に機器を郵送して復旧してもらうことになります。機器の持ち出し許可を得るのに時間がかかる方はあらかじめ復旧スピードやスケジュールについて相談するようにしましょう。
サーバー・NASのデータ復旧を対象とする場合が多い
データ復旧の出張診断サービスを実施している業者は、サーバー・NASを利用している法人対象としたサービスが多いです。以下のような業態の企業や団体からの依頼が多く集まっているようです。
- 日本国内のデータセンター
- 研究施設・研究機関
- 大学施設
- 医療機関
- 企業
したがって、復旧希望のデータは顧客情報や組織内の膨大なデータの復旧依頼が多いです。復旧をスムーズに進めるためにも、復旧して欲しいデータのあたりをつけておくといいでしょう。
サーバー・NASを利用している企業にとって、出張サービスを受けられることで以下のようなトラブルが解決できます。
- 情報セキュリティ規定の関係上、すぐに機器の郵送や持ち込みが難しい
- 機器の取り外しが難しい
- 機器の持ち出し承認前に診断結果や見積が欲しい
- 時間がなくて機器を持ち込む・郵送する時間がない
- 業務の稼働を長期間止められない
情報セキュリティに関しても、NDA (機密保持誓約書)などを締結したうえで復旧作業を依頼できる業者があるため、安心して出張サービスを依頼することができます。出張サービスにおすすめのデータ復旧業者は以下の記事で紹介しているので是非参考にしてください。
機器の取り外しが難しい
NASやサーバーなどのデータを復旧する場合には、HDDを取り出してから復旧する場合もあれば、サーバーを構築している状態で復旧する場合もあります。HDDを取り出す場合には、正しい手段で取り出さなければデータや機器の状況が悪化し、データが取り出せなくなる可能性があります。以下のような場合は自力では対処せずに出張診断を受けるのがいいでしょう。
- 確実に復旧しなければいけないデータを保存した機器の復旧を依頼したい場合
- 過去にシステム管理していた方がいない状況で機器が故障した場合
- 機器の取り外しの方法がわからない場合
知識が豊富な方や、扱いに慣れている方以外は、基本的にプロに依頼するのが一番です。自力で取り外しを試みた結果、万が一にでも社内のデータが復旧できなくなっては本末転倒です。出張診断が可能な技術力の高いデータ復旧業者に相談することをおすすめします。
データ復旧業者で出張サービスを依頼する時の注意点
データ復旧業者で出張での対応を依頼する際、料金や作業内容が通常の依頼と異なる場合があります。依頼を検討している場合は、HPを事前にチェックしておきましょう。データ復旧業者で出張サービスを依頼する時の注意点は以下のようなものがあります。
- そもそも出張サービスを依頼できない場合がある
- 情報セキュリティが脆弱な業者は危険
- データ復旧の技術力(復旧率)の低い業者には注意
- 診断スピードは業者によって大きく異なる
- 業者によって交通費や出張費がかかる
そもそも出張サービスを依頼できない場合がある
データ復旧業者によっては、持ち込みや郵送での依頼のみ対応し、そもそも出張サービスを依頼できない業者が多いです。もし出張サービスを依頼したい場合には、以下の条件を事前に確認しておく必要があります。
- そもそも出張サービスで対応してもらえるか
- 自分の機器が出張サービス依頼の条件を満たしているか
- 業者のデータ復旧技術が高いかどうか
これらの条件は業者のHPで掲載されている可能性が高いです。HPを見てもわかりにくい場合には、業者に直接電話して確認することをおすすめします。
情報セキュリティが脆弱な業者は危険
データ復旧業者によっては、情報セキュリティが脆弱な業者も存在します。データを復旧してもらう上でセキュリティが脆弱な業者に依頼してしまうと、情報流出などの二次被害が発生する可能性もあります。これは出張サービスでも同じですので、以下のようなセキュリティ対策をしっかり行っている業者を選ぶと安心できます。
- セキュリティ認証(Pマーク・ISO27001など)を取得している
- NDA(秘密保持契約)を締結する事が可能
- 監視カメラでの監視体制がある
- セキュリティゲートを設置している
セキュリティ認証は業者のHPで取得しているかを掲載している業者が多いようです。セキュリティ対策がしっかりしている業者であれば、安心して出張の依頼をできます。
また、自社のセキュリティ体制がしっかりしている場合には、サーバー・NASなどは持ち出しが難しい可能性が高いです。機器の持ち出しの承認が下りてからでは、症状が悪化し、データが取り出せなくなる可能性もあります。
機器の持ち出しの承認が下りる前に診断してもらえるのが出張サービスのメリットの一つですので、セキュリティ体制がしっかりしているデータ復旧業者を選んで依頼してみましょう。
データ復旧の技術力(復旧率)の低い業者には注意
データ復旧業者の技術力は業者によって大きく差があります。業者によっては依頼したい機器の復旧がそもそもできないことも考えられます。技術力の高いデータ復旧業者に相談するためには、業者のデータ復旧率・過去の復旧実績・復旧設備などを比較して見極める必要があります。
データ復旧業者の技術力を分ける要素は以下のようなものがあります。
- データ復旧の技術力が高く、復旧実績が多数
- データ復旧率を公開している
- 他社で復旧不可能だった機器の復旧実績が多数
- クリーンルーム等、データ復旧に必要な設備や部品を保有
- 対応できる機器の種類や症状が豊富
- 初期診断・復旧スピードが速い など
データ復旧業者の選び方は以下の記事で詳しく解説しているので是非参考にしてください。
診断スピードは業者によって大きく差が出る
復旧完了までの期間は機器の症状や業者の技術力によって大きく差が出る可能性があります。最短即日で復旧できる場合もあれば、復旧完了まで数か月かかる可能性もあります。出張サービスを依頼する時こそ、一刻も早く復旧したいと思う方も多いと思います。
通常の診断を受けるためには、機器を郵送するために、機器の持ち出しの承認を取る必要がある組織がほとんどです。出張サービスを利用すると、機器を社内から持ち出さずに機器の症状の診断をすることが可能ですので、機器の持ち出しの承認が下りるまでに待機する時間が短縮できます。
また、すでに承認がおりている場合には、診断後にエンジニアに機器を渡すことで、直接ラボまで運搬してもらい、郵送の時間も短縮できます。出張サービスならではのスピード復旧可能な要素もありますが、他にも、データ復旧業者によって復旧作業のスピード感が違います。復旧スピードが速い業者の特徴は以下の要素があります。
復旧スピードが速い業者の特徴
- 出張の症状の診断を機器の持ち出し承認前に診断している
- 交換用の部品を大量に保有し、部品調達の時間をカットしている
- 土日祝日も復旧対応をしており、復旧エンジニアの人員が多い
- クリーンルーム等の設備導入が進んでおり、復旧できる台数が多い
これらの要素で復旧期間が決まるので、早く復旧したい場合はスピード復旧にある程度融通の利く、技術力の高いデータ復旧業者に相談することをおすすめします。
業者によって交通費や出張費がかかる
出張サービスを利用すると、業者によっては「交通費」と「出張費」が発生します。これらは郵送・持ち込みの復旧依頼では発生しない料金です。プロのエンジニアに直接訪問してもらいすぐに症状を診断できるため、通常の復旧よりは料金がかかります。
少しでもコストを抑えたい時は、交通費や出張費が無料の業者もあります。出張で機器を診断してもらったときに、診断結果と合わせて見積の概算を出してもらえるので、まずは相談してみることをおすすめします。
出張サービスを依頼したいおすすめデータ復旧業者は?
データ復旧業者で出張サービスを依頼する時の特徴や注意点を紹介しましたが、国内には100社以上データ復旧業者があるため選ぶだけでも難しいです。
ここでは、出張サービスで診断する時におすすめな技術力の高いデータ復旧業者を紹介します。今回の選定基準は以下の通りです。
- データ復旧業者が出張サービスを行っている
- データ復旧の技術力が高い
- 復旧スピードが速い
これらのポイントから1番おすすめするデータ復旧業者は、「デジタルデータリカバリー」です。
おすすめのデータ復旧業者:デジタルデータリカバリー
公式HPデジタルデータリカバリー
デジタルデータリカバリーは、データ復旧国内売り上げNo.1のデータ復旧専門業者です。復旧率最高値は95.2%と業界トップレベルに高い技術力を有しています。依頼の8割を48時間以内に復旧と復旧のスピードも優れています。また、官公庁や大手企業を含む累積46万件以上の相談実績があります。
出張サービスは法人限定で、日本全国どこでも対応しています。データセンター・自社サーバ・RAID装置などに対応可能で、トップエンジニアが直接訪問して復旧作業を行います。出張費も0円でセキュリティ対策も強固ですので、安心して依頼することが可能です。
相談から見積もりの提示まで無料で行っているため、HDDのデータ復旧を検討している際はまずは最大手であるデジタルデータリカバリーに相談すると良いでしょう。
復旧費用 | 相談から見積もりまで無料 500GB未満:5,000円〜 500GB以上:10,000円〜 1TB以上:20,000円〜 2TB以上:30,000円〜 |
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対応製品 | RAID機器(NAS/サーバー)、パソコン(ノート/デスクトップ)、外付けHDD、SSD、USBメモリ、ビデオカメラ、SDカード・レコーダー等記憶媒体全般 |
復旧期間 | 最短当日に復旧完了(本社へ持ち込む場合) 約80%が48時間以内に復旧完了 |
特長 | 14年連続データ復旧国内売上No.1 復旧率最高値95.2%の非常に高い技術力 官公庁や大手企業を含む累積46万件以上の相談実績 相談・診断・見積り無料(デジタルデータリカバリーへの配送料も無料) |
デジタルデータリカバリーのさらに詳しい説明は公式サイトへ
出張サービスの依頼方法と流れ
データ復旧専門業者に依頼した際の一般的な流れは、次の通りです。
- 問い合わせ(電話やメール)で出張サービスが可能か確認して依頼する
- エンジニアに出張してもらい、診断・見積もりを出してもらう。(同意後に作業開始)
- 復旧作業(機器を持ち帰るか、その場で簡易復旧。作業時間は診断・見積もり時に確認)
- 引き渡し(作業完了後、データ引き渡し用のHDDに入った状態で戻ってくる)
もし依頼をキャンセルする場合は、「2.診断・見積もり」の段階でキャンセルすることも可能です。しかし、中には診断に費用がかかるデータ復旧業者もあるため、「復旧できないのに診断費用が発生してしまう」ということになりかねません。
依頼前に無料診断を行ってくれる業者であれば、無料で見積もりまで確認してから依頼するかどうか決定することもできます。作業工程はデータ復旧業者によって異なる場合があるため、問合せ段階で確認してみましょう。
まとめ
今回はデータ復旧業者に出張サービスを依頼する時の特徴や注意点、おすすめのデータ復旧業者を紹介しました。出張サービスはサーバー・RAIDなどのデータ復旧で、法人向けのサービスとして実施している業者が多く、どうしても機器を持ち出せない時にとても便利なプランです。
ただ、依頼する時には業者の技術力やセキュリティ体制、復旧スピードなどを比較し、確実に復旧してもらえる業者に依頼するようにしましょう。技術力の高いデータ復旧業者のランキングは以下の記事でも紹介しているので是非参考にしてください。
出張(オンサイト)サービスでよくある質問
出張サービスを利用する時によくある質問として以下のようなものを紹介します。
- 出張サービスでは物理障害の復旧が可能か?
- 出張サービスで復旧にかかる時間は?
- サーバー・NASのデータを復旧する方法は?
出張サービスでは物理障害の復旧が可能か?
出張サービスで物理障害を復旧するには制限があります。HDDの解体が必要な場合には、ラボの専門設備を利用しなければ復旧することができません。ですので物理障害の場合は診断したものを、後日郵送かその場で持ち帰って復旧する形になります。
重度の物理障害の復旧に必要になる可能性が高いもの
- 無菌室(クリーンルーム)環境
- 物理障害用の復旧設備
- 破損箇所の交換用の部品
データを確実に復旧したい場合は、機器に異常が発生したらなるべくそのままの状態で、すぐにデータ復旧業者に相談しましょう。物理障害の復旧実績が豊富なデータ復旧業者はこちらで紹介しています。
出張サービスで復旧にかかる時間は?
出張サービスで復旧にかかる時間は業者や発生している機器の症状によって変化します。即日で復旧してもらえる場合もあれば、復旧完了までに数か月かかる場合もあります。
出張サービスで復旧にかかる時間を左右する要素
- データ復旧業者の技術力
- 依頼したい出張場所と業者の距離
- データ復旧業者の混雑状況
- 機器の障害の種類
復旧にかかる正確な期間は実際に業者に相談しなければわからないので、まずは出張診断を依頼しましょう。
サーバー・NASのデータを復旧する方法は?
サーバー・NASのデータが故障した時に、データを復旧する方法は以下のようなものがあります。
- 再起動する
- ルーターの設定を確認する
- ケーブル接続を確認する
- ネットワーク接続を確認する・共有フォルダを再設定する
- 代替のHDD/SSDと差し替えてリビルドする
- ファームウェアを最新バージョンにアップデートする
- イベントログを確認して、問題を特定する
より詳しいサーバー・NASのデータ復旧方法は以下の記事でも紹介しているので是非参考にしてください。
ただし、サーバー・NASに関しては、自力で復旧するには難易度が高く、使用できるデータ復元ソフトも少ないです。自力で復旧作業をするよりもデータ復旧業者に相談して復旧してもらう方が確実です。まずは技術力の高い業者を選んで相談しましょう。