※この記事は2024年9月に更新されています。
NASで「起動しない」「アクセスできない」などのトラブルに遭遇したとき、NAS・サーバーをいち早く復旧・復元するには故障・障害の原因を正確に特定する必要があります。
しかし、正確に原因が特定できなかったり、不用意な操作を行うと、深刻なトラブルにつながる可能性があります。そこでこの記事では、よくあるNAS・サーバーの故障事例と、自力で可能でなおかつ適切な手順を踏んだ対処法を紹介します。
急ぎで復旧したい、自分での作業に自信がないという方は、データ復旧の専門業者に相談することをおすすめします。
データ復旧業者選びで1番大事なのは復旧技術(復旧率)です。データ復旧業者は全国に100社以上存在しますが、技術力は大きく異なります。
数ある業者の技術力を見極めた上で、編集部が特におすすめするデータ復旧サービスはこちらのデジタルデータリカバリーです。
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目次
NASとは
NAS(ネットワークアタッチストレージ)は、ネットワーク上に存在するストレージデバイスで、複数の端末からネットワーク上で同時に接続してデータの閲覧や編集、共有が可能です。ストレージは主にHDDで構成されていますが、アクセススピードや耐障害性の観点から、近年はSSDを用いるNASも増えています。
代表的なNASとしては、主に以下のようなものがあります。
- Synology DiskStation(シノロジー ディスクステーション)
- QNAP Turbo NAS(QNAP ターボ NAS)
- Western Digital My Cloud(ウェスタンデジタルマイクラウド)
- Netgear ReadyNAS(ネットギアレディネット)
- Buffalo TeraStation(バッファローテラステーション)
- Asustor AS-6404T(アスター AS-6404T)
いずれのNASも利便性で優れており、ハードウェアや機能性に大きな差はありません。
しかし利用環境や予期しないアクシデントでトラブルに発展することも珍しくなく、ストレージが破損したり、共有フォルダ内のファイルやフォルダを誤って削除してしまった場合、データを一気に失う恐れがあります。
利便性で優れたNASですが、当然メリットもデメリットもあります。
NASのメリット
主なNASのメリットは次のとおりです。
- 使いやすい:NASは、ネットワーク設定などの専門知識がなくても、容易に設定が可能です。
- 大容量データの保存:NASは、大容量のストレージを提供できるため、大量のデータを保存できます。また拡張性にも優れ、ストレージ容量を増やすこともできます。
- バックアップ機能:一部のNASは、定期的なバックアップを行うための便利な機能を提供しています。
NASのデメリット
主なNASのデメリットは次のとおりです。
- 価格が高い:NASは、通常、他のストレージデバイスよりも初期費用が高価になりやすい傾向があります。
- 互換性の問題:NASは、多くの場合、特定のソフトウェアに依存しており、他のソフトウェアと互換性がない場合があります。
- 専門知識が必要:トラブルが発生したNASを適切に設定・管理するためには、時に専門知識が必要になる場合があります。
- パフォーマンスの問題:大きなサイズのデータを扱う場合、他のストレージと比較して低パフォーマンスになる場合があります。
NASから安全にデータを復旧するなら専門業者に相談がおすすめ
NASには、顧客データや大容量データなど重要なファイルが保存されていることが多いことから、データトラブルに遭遇時は適切な対応をとる必要があります。しかし、障害を起こしたHDD/SSDからデータ復旧を市販ツールで行うのは、原則として困難です。
そのため機器の障害状況を正確に見極め、確実にデータを取り出すには、多数のNAS/サーバーの復旧実績がある、データ復旧専門業者に相談することが最善といえるでしょう。
NAS・サーバーのデータ復旧を専門業者に依頼する際は、次のポイントを押さえた業者を選ぶことをおすすめします。
- NAS・サーバーの復旧実績があり技術の高い業者に依頼する
- 「Pマーク」「ISO27001」「NDA締結可否」などセキュリティ面をチェック
- 復旧スピードは速いか・土日の対応はしているか確認
- 出張対応してもらえるか確認(法人)
またデータ復旧業者を選ぶポイントは、下記の記事でも詳しく解説しています。
NASから削除されたデータの復旧・復元方法
NASは複数人でデータを共有できることが便利な点であると同時に、誰かが誤ってデータを削除してしまう危険性もあります。
NASからデータを削除すると「trashbox」という名のゴミ箱フォルダが作成されます。(NASの種類によってはゴミ箱フォルダが作成されれないものもあります。)trashboxに一時的に保存されたデータは復元可能です。
NASから削除されてtrashboxに一時的に保存されたデータの復元手順は以下の通りです。
trashboxからデータを復元する手順
- 拡張子を開く
- コピー
- バックアップ
また、「ゴミ箱フォルダから削除した」「NASを初期化した」場合は自力で復元することはできませんが、データ復旧の専門業者であれば高確率で復元が可能です。
NASのデータ復旧の難易度は高いため、できるだけ技術力のあるデータ復旧業者に依頼することをお勧めします。
技術力の高さから編集部がオススメしているデータ復旧業者は「デジタルデータリカバリー」です。心配なことがあれば相談が無料でできるので、一度相談するといいでしょう。
NASのデータ復旧・復元が必要となる障害の種類と原因
NAS・サーバーで、データ復元・復旧が必要となる障害の種類は、主に次の4つです。
- 筐体の障害
- 経年劣化
- ネットワーク障害
- マルウェア感染
- HDD/SSDの障害
①筐体の障害
電源が入らない場合、NAS・サーバーの外装部分である筐体が故障していることがあります。筐体の故障によりHDD/SSDにも異常をきたす場合があるため、安全にデータを取り出すには専門の復元業者へ相談するのが賢明です。
➁経年劣化
ファイルサーバの運用であれば、NASの寿命は平均で3年~4年と言われています。
ある日突然、NASが動かなくなる、動作が進まなくなる、データが見れなくなる可能性があります。そのままにしておくとデータの復旧率が著しく低下してしまうため早めにデータ復旧業者に相談するようにしましょう。
➂ネットワーク障害
NASデバイスのネットワーク接続が利用できなくなる原因として、「ネットワークケーブルの破損や断線」「ネットワークの各端末の設定ミス」「ネットワークデバイスの不調」「NASのファームウェアのバージョンが古いこと」などが考えられます。また、DDos攻撃などで許容量を超える大量のアクセスが集まると、システムがダウンする場合があります。
➃マルウェア感染
マルウェア感染すると次のような異常動作がNASに起きることがあります。
- 処理速度が目に見えて低下する
- 身に覚えのないファイルが作成される
- データが削除・改ざんされたりする
このような状況でオンライン稼働を続けていると、データの消失や個人情報の流出など大きなインシデントに発展する恐れがあります。最悪、 他の端末にも感染を拡散させる可能性もありますので、ご注意ください。
➄ストレージ(HDD/SSD)の障害
HDD/SSDの障害は論理障害と物理障害の2つに分けられます。
ストレージ(HDD/SSD)の論理障害
論理障害とは、HDD/SSD自体が物理的に故障しているわけではなく、ストレージ内部に保存しているデータに不具合が発生している状態です。
たとえば、データ読み書き中の強制終了によるシステムの整合性の乱れのほか、誤ったデータ消去などヒューマンエラーや、マルウェア感染なども論理障害に含まれます。
以下が、論理障害の代表的な症状例です。
- NASが認識されない
- NASが認識されるが読み取りができない
- ファイルが正常に読み取れない
- 誤ってデータ・共有ファイルを削除した
- 古いNASのデータを新しいデータで上書きしてしまった
- 誤ってフォーマットや初期化してしまった
- NASの起動中にケーブルを抜いてしまった
- RAID崩壊が起こった
- EMモードやIやEから始まるエラーコードやメッセージが表示されている
- 共有サーバーの動きが遅くなった
誤削除の場合、消えてすぐであればゴミ箱から復元できる可能性が高いですが、時間が経っている場合、データ復旧業者でしか対応できないケースもあります。もし、重要なデータや顧客情報などが消えた・アクセスできなくなった場合、自己対処は控えてデータ復旧業者に相談しましょう。
ストレージ(HDD/SSD)の物理障害
物理障害は、HDD/SSDの部品が破損したり、経年劣化でデータの読み書きができなくなっている状態です。
以下が、物理障害の代表的な症状例です。
- NASが動かない
- NASからカチカチ・カタカタなど異常な音がする
- NAS内部に異常な振動が発生する
- 焦げ臭いような異臭がする
- NASを落下・水没させてしまった
- 3~5年以上使っており、ある日突然認識できなくなった
- NASの動きが遅くなった
- NASの画面にEから始まるエラーが表示される
HDDは消耗品であり、3~5年ほどで劣化してしまいます。またHDDは超精密機器であり、物理的衝撃が加わると、データを記録する「プラッタ」という円盤状の部品に、データを読み書きする「磁気ヘッド」が接触し、非常に深刻な重度物理障害を引き起こすこともあります。
物理障害が発生した場合、HDDを開封して部品交換が必要になるため、自力で復旧することはできません。また専用の環境下以外で無理にHDDを開封してしまうとチリやホコリが入りこんでしまい、プラッタを傷つける原因になります。
目に見えないほどの小さな傷であってもデータ全体が読み取れなくなるケースもあるため、少しでも物理障害が疑われる場合は、すぐにデータ復旧の専門業者に相談しましょう。
データ復元ソフトは原則対応不可
異音や経年劣化など明らかな物理障害が疑われる状況でツール類をスキャンするのは極力控え、データの要不要に応じて専門業者に対応を依頼するのを検討しておきましょう。
信頼できるNASのデータ復旧業者を見極めるためのポイント
データ復旧は対象となる機器や障害の状態、症状、必要な設備、知識、技術など非常に幅広いため、同じ「データ復旧業者」の間でも対応できる範囲や技術の高さなどが異なります。
そのため、業者の技術力を見極め、技術力が高い業者に依頼することがもっとも重要なポイントです。
【ポイント1】データ復旧業者の技術力を見極める
- 復旧実績の数値や指標を明示している
- 対応できる機器の種類や症状が豊富
- データ復旧の最高難易度といわれる「データの記録される面に傷のついたHDD(スクラッチ障害)からの復旧実績」がある
- 復旧スピードが速い
- 他社で復旧不可能だった機器の復旧実績が多数ある
【ポイント2】信頼できる復旧業者かどうかを見極める
- 官公庁・大手法人の取引実績が多数ある
- サービス対応が丁寧で信頼できる
- プライバシー認証の取得など、セキュリティ対策が徹底されている
- 復旧ラボへの持込みや見学ができる
【ポイント3】サービスの利用しやすさを見極める
- 土日祝日の復旧対応や夜間窓口などがある
- 出張での復旧に対応している
- 依頼前の初期費用がかからない
- 特急料金がかからない
上記のポイントから厳選したおすすめのデータ復旧業者は、デジタルデータリカバリーです。
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こちらのデジタルデータリカバリーは、国内で最も規模が大きいデータ復旧業者の1つです。依頼前に無料で相談・診断・見積まで行ってくれるので、どこのデータ復旧業者に依頼するか迷った場合はこちらのデジタルデータリカバリーがおすすめです。
NASのデータ復旧率を高めるために、今すぐやるべきこと
NAS・サーバーが故障した際は、まず以下の4点を確認しましょう。
- ケーブルや電力供給などをチェックする
- ゴミ箱機能をチェックする
- バックアップ機能をチェックする
- NASの使用を止める
①ケーブルや電力供給などをチェックする
NASに問題が発生したときは、まず電力供給に問題がないかチェックしましょう。
- 電源ケーブルは抜けていないか
- ランプが赤やオレンジに点滅していないか
また、機種によっては電源ランプの色・点滅状況だけでなく、エラー時に点灯するランプなどがついているモデルもあります。説明書で確認してみましょう。
②ゴミ箱機能をチェックする
NAS・サーバーには、「ゴミ箱」機能が付いているモデルもあります。「ゴミ箱」機能がある場合は有効になっているか、確認してみましょう。
ゴミ箱が有効になっているかの確認方法を紹介します。(BUFFALO製品の場合)
- 「設定」画面から「環境設定」を開きましょう。
- 「共有フォルダー」をクリックして、「編集」をクリックしましょう。
- ゴミ箱が有効になっているかを確認しましょう。
他のメーカーのNAS・サーバーの場合でも、基本的にゴミ箱が有効になっているかの確認方法は同様の作業ですが、確認方法がわからない場合は、公式ホームページで確認しましょう。
③バックアップ機能をチェックする
NASを使用する際、外付けハードディスクや他のNASへ、定期的にデータのバックアップを取る設定が行われている可能性があります。バックアップに関する設定を確認しましょう。バックアップ機能をチェックする時の手順は以下のとおりです。
バックアップ機能をチェックする時の手順
- 画面下のFinderを選択する
- アプリケーション内の「ユーティリティ」を選択する
④NASの使用を止める
明らかな異音がするなど問題がみられる場合、可及的速やかにNASの使用を止めてください。完全に機器内のストレージが破損する恐れがあります。この場合、NAS内のデータをバックアップをとるなど、適切な保守を行ってください。
自力で可能なNASの復旧方法7選
自力で可能なNAS・サーバーの復旧方法は次の通りです。
- NASを再起動する
- ルーターの設定を確認する
- NASのケーブル接続を確認する
- NASのネットワーク接続を確認する・共有フォルダを再設定する
- 代替のHDD/SSDと差し替えてリビルドする
- NASのファームウェアを最新バージョンにアップデートする
- イベントログを確認して、問題を特定する
①NASを再起動する
NASの再起動を行うことで、不具合が解消される可能性があります。なお、NASの再起動を行う場合は、ネットワークケーブルをつないだ状態で再起動してください。
NASの再起動方法の詳細は、メーカーのマニュアルなどを参照してください。また、NASの不具合がソフトウェアに起因する場合は、最新の製品をインストールすることで解消される可能性があります。
②ルーターの設定を確認する
ルーターの設定を確認することでNASにアクセスできないトラブルは解決することがあります。
まず、NASのIPアドレスを確認した上で、ルーターの設定でNASのIPアドレスを正しく設定しているかどうかを確認します。NASが正しくルーターに接続されているかどうか確認したうえで、問題がある場合はさらに先の対処法に進んでください。
③NASのケーブル接続を確認する
ケーブルに接続不良があると、NASにアクセスできません。まずはNASのケーブル接続を確認しましょう。また同時に接続設定やネットワーク構成などを見直す必要があります。この際、NASに接続しているルーターの設定を確認し、設定ミスがないか確認しましょう。
④NASのネットワーク接続を確認する・共有フォルダを再設定する
NASのネットワーク接続を確認できたら、NASの再設定を行うことをお勧めします。NASの再設定を行う際は、ネットワーク設定など必要な情報を事前に確認しておくことをおすすめします。
なお、NASの共有フォルダが消失している場合、再設定をして復活させておきましょう。
具体的な手順は次の通りです。
- NASの電源を入れ、ネットワークケーブルを接続します。
- NASをモデムやルーターなどに接続し、インターネット接続を確認します。
- NASをブラウザーで開き、NASの設定画面を開きます。ネットワーク設定を確認し、NASのIPアドレスを確認します。
- 共有フォルダの追加をクリックし、共有フォルダを作成します。
- フォルダ名を入力し、アクセス権限を設定します。設定を保存し、共有フォルダが追加されます。
⑤代替のHDD/SSDと差し替えてリビルドする
ストレージ(HDD/SSD)には寿命があります。ストレージの故障が原因の場合、交換したうえで再構築(リビルド)することにより、NAS・サーバーが復旧することがあります。ただし、ストレージごと交換してしまうため、古いデータにはアクセスすることはできません。
もっともデータをバックアップしてある場合は、ストレージ交換後、機器を容易に復旧できますが、バックアップがない場合、データが全消失する恐れが高いため、不用意なリビルドは控えてください。
⑥NASのファームウェアを最新バージョンにアップデートする
NASのファームウェアは原則として最新バージョンにアップデートすることが推奨されます。
ファームウェアとは、ハードウェア(コンピュータやネットワークなど)を動作させる基本的なプログラムです。しかし、古いファームウェアを利用していると不具合を起こすことがあります。この場合、ファームウェアを最新バージョンにアップデートすることで、不具合の解消や機能の改善が期待できます。
⑦イベントログを確認して、問題を特定する
NASのイベントログには、異常が発生した場合に詳細な情報が記録されているため、NASに異常がみられる場合、イベントログを確認して、問題を特定することをおすすめします。
NASのイベントログを確認して、問題を特定する手順は次の通りです。
-
- イベントログを確認する
…NASのイベントログを開きます。イベントログには、NASが行ったすべての操作やエラーなどの詳細な情報が記録されています。 - 問題を特定する
…イベントログ内の情報を確認して、問題の原因を特定します。特定した問題の原因を調べて、問題を解決する方法を検討します。 - 問題の解決を行う
…問題の解決方法を決定したら、実際に問題を解決するため、NASの再起動やソフトウェアのアップデートなどを行います。
- イベントログを確認する
NASのデータ復旧方法
データを復元し、NAS・サーバーを復旧するには、次のような方法があります。
- データ復元ソフトを使用する
- データ復元業者に依頼する
ここでは、それぞれの特徴を紹介します。
データ復元ソフトを使用する
NAS・サーバー上のデータを誤って削除してしまった場合、NAS・サーバー対応のデータ復元ソフトを使ってデータを復元できることがあります。HDD/SSDをフォーマットして初期化してしまった場合でも、初期化の直後に作業すればデータを取り戻せることもあります。
NAS・サーバー対応のデータ復元ソフトは以下のようなものがあります。
- 復旧天使
- Recoverit
- ファイナルデータ
- EaseUs
NASでデータ復元ソフトを使用する際の流れは以下の通りです。
- 基本情報(NASの型番・HDD/SSDの本数・RAID構成の種類)を確認する
- NASかHDD/SSDを取り外す
- 基本情報に対応した復旧ソフトをダウンロード(※非対応のソフトでスキャンをかけたらデータを全て失うリスクあり)
- HDD/SSDをPCに接続する
- 復旧ソフトでデータを復旧する
ただしデータ復元ソフトを利用する場合、注意点として、次のものがあります。
- データ復元ソフトでの復元は「軽度の論理障害」に限定される
- 専門知識がないとデータの復元・復旧に失敗する可能性が高くなる
- ソフトウェアの種類やユーザーのリテラシーによって復元率も大きく変動する
- 復元できたとしてもすべてのデータが取り出せるわけではない
- そもそも、物理障害の場合は、データ復元ソフトで対応できない
- このような状況でデータ復元ソフトをかけると、保存データ・機器ともに負荷をかけてしまう
- 最悪の場合、データが二度と取り出せなくなるだけでなく、機器自体も完全に破損してしまう
データ復元ソフトを利用する際は上記のリスクも考慮して復元しましょう。NAS・サーバーの復旧を最も確実かつ安全に行うには、データ復元業者に依頼することをおすすめします。
データ復旧ソフトの使用時の注意点やおもなソフトの特徴などはこちらの記事でも解説しています。
データ復元業者に依頼する
NAS・サーバーの復旧には、ハードウェアの故障やソフトウェアの不具合など、さまざまな原因があります。そのため、それぞれの場合に応じて、適切な対処方法を選択する必要がありますが、原因の切り分けが困難な場合もあります。
このようなNAS・サーバーの復旧方法として、最も確実かつ成功率が高い方法が、データの復元・復旧を専門とするデータ復元業者に依頼することです。データ復元業者では、NAS・サーバーの故障原因を的確に切り分け、破損・消失したデータを復元できる技術を持っています。確実にデータを取り出したい場合やソフトでの復元が不安な方はデータ復元業者に依頼しましょう。
NASのデータ復旧業者の選び方
NAS・サーバーのデータ復旧を専門業者に依頼する際は、以下のようなポイントを見て自分に合った業者を選びましょう。
- NAS・サーバーの復旧実績があり技術の高い業者に依頼する
- 「Pマーク」「ISO27001」「NDA締結可否」などセキュリティ面をチェック
- 復旧スピードは速いか・土日の対応はしているか確認
- 出張対応してもらえるか確認(法人)
NASの復旧実績があり技術の高い業者に依頼する
さまざまなデータ復元業者が存在しますが、その復元技術には差があるのが現状です。技術力が高い業者かどうかを見極めるポイントがいくつかあります。
成功率 | データの復旧依頼に対し、その復旧・復元成功率が高いかどうか |
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復旧実績 | これまでの対応実績が多いか少ないかだけでなく、難易度が高い復旧にも対応した実績があるか |
これらの情報は、大抵の場合、データ復元業者のWebサイトに記載されているので、業者選びの検討材料にできます。
また、データ復元業者にも得意分野と不得意分野があります。「BUFFALOのTeraStationやLinkStationの対応が得意」、「IO-DATAのLANDISKに多数実績あり」などです。これらも、データ復元業者のWebサイトから対応実績を検索してチェックしてみましょう。
「Pマーク」「ISO27001」「NDA締結可否」などセキュリティ面をチェック
データ復元業者に復旧を依頼する場合、一定期間、内部のデータを含みNAS・サーバー全体を業者に預けることになります。保存されているデータの中には個人情報や重要情報が含まれていることが多いですが、データ復元業者は復旧の確認のためデータの内容を見る必要があります。大切なデータを預ける上で、JIS規格である「プライバシーマーク」を取得しているかが、信頼できるデータ復元業者を見極める指標の一つです。
また、依頼にあたり「秘密保持契約書(NDA)」を書面で締結できる業者かも確認しましょう。特に法人として復旧を依頼する場合、セキュリティー対策の国際規格「ISO27001」を認証しているデータ復元業者に依頼できると万全です。
復旧スピードは速いか・土日の対応はしているか確認
NASやサーバーはある日突然故障するものです。急な依頼でもスピーディーに対応してもらえるかというのも重要なポイントです。
- 技術力が高く、復旧スピードが速い
- 設備規模が大きく大容量データの復旧でもスムーズに対応可能
- 営業時間が長く、夜間の電話相談窓口がある
- 土日も復旧作業を行っている
これらのポイントも確認しましょう。
特に、サーバーのデータ復旧はデータ容量が大きいことが多く、設備規模の小さい業者ではデータ抽出により時間がかかってしまいます。
ネットに記載されている「復旧スピード」だけでなく、実際にどのくらいの時間が想定されるかもあわせて電話で確認してみることをオススメします。
出張対応してもらえるか確認(法人)
企業のサーバーであれば、外部に移動させるのが難しいケースも多いです。
サーバーの復旧など法人対応しているデータ復旧業者であれば、全国に出張での復旧作業をしてくれることが多いので、事前に聞いてみるとよいでしょう。
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相談から見積もりの提示まで無料で行っているため、データ復旧を検討している際はまずは最大手であるデジタルデータリカバリーに相談すると良いでしょう。
復旧費用 | 相談から見積もりまで無料 500GB未満:5,000円〜 500GB以上:10,000円〜 1TB以上:20,000円〜 2TB以上:30,000円〜 |
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対応NAS製品 | Buffalo、I-O Data、Dell、hp、IBM、NEC、FUJITSU、Logitec、QNAP、Hltachi、Lacie、Toshiba、Westarn Digital、Seagate、Apple、corega、Sony、NETGEAR、COMPAQ、Epson Direct、SAMSUG、CENTURY、Thecus、PROMISE、ASUS、Lenovo、センチュリー、Acer、Epson、CineRAID、D-RANK、DATA TALE、プリンストン、asi、G-Techology、iomega |
復旧期間 | 最短当日に復旧完了(本社へ持ち込む場合) 約80%が48時間以内に復旧完了 |
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NASの復旧率を高めるための注意点
NAS・サーバーが故障した際、データ消失リスクを減らすために以下4つのポイントに注意しましょう。
- すぐにNASの使用を中止する
- 電源はオフのまま保管する
- HDD/SSDの抜き差し・取り外しをしない
- リビルド(再構築)をしない
- データ復旧ソフトはリスクが高い
①すぐにNASの使用を中止する
NAS・サーバーが故障する原因はいくつか考えられますが、故障の症状を察知した場合には、NASを使用することは控えましょう。特に、データが損失してしまっている場合、NASの使用を続けることで、更なるデータ損失(二次損失)を起こしたり、データを復元できる可能性を下げてしまう恐れがあります。
②電源はオフのまま保管する
NAS・サーバーの故障時は、電源はオフのまま保管するようにしましょう。また、電源のON/OFFを繰り返すことは控えましょう。
物理障害が発生している場合、電源を付けているだけでもハードディスクに更なる負荷をかけ、障害を悪化させることに繋がります。
また、論理的な障害の場合でも、むやみに作業を行うことでデータが上書きされると、復旧難易度が上がってしまうため、通電はなるべく控えましょう。
③HDD/SSDの抜き差し・取り外しをしない
NASではRAIDにより複数のHDD/SSDを1つのドライブとして認識していることに加え、ディスクにデータを書き込むときも、RAID情報に従って記録されていきます。よって、NASからHDD/SSDを取り出して、交換したり入れ替えたりした際に、順番を間違えたり違う場所にディスクを入れてしまったりすると、RAID情報と実際の構成が異なってしまいます。
データが破損したり、上書きされてしまうリスクがあるため、HDD/SSDの入れ替えや交換は避けましょう。
④リビルド(再構築)をしない
再構築(リビルド)で、故障したディスクのデータを復元する行為は避けるべきです。万が一、リビルド中に別の障害が発生してしまうと、対象ドライブやデータだけでなくすべてのドライブが破損し、復旧不可能に陥るリスクがあります。障害が起きている場合には、リビルドしないように注意する必要があります。
➄データ復元ソフトはリスクが高い
「NASのデータ復元にオススメのソフト〇選」のような記事を見ることがありますが、大前提としてNASのデータ復旧にデータ復元ソフトを使用しないことをおすすめします。
データの誤削除などの軽度の状態でなければ、誤操作や修復の失敗により、データ復元率を下げるリスクが大きいからです。
NASには大量のデータが保存できる反面、故障する可能性も高いです。そうした場合、故障の個所を特定することがかなり難しいため、データ復元ソフトでも修復不可になりやすく、逆にデータを消失、破損させてしまう恐れがあります。
保存されているデータが必要なものであれば、復旧率の高いデータ復旧業者に依頼することをオススメします。
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NASのデータ復旧が必要となる可能性がある症状例9選
NAS・サーバーのデータ復旧が必要となる可能性がある代表的な症状例としては、主に以下の9個を挙げることが出来ます。
- NASの電源が入らない・起動しない
- NASの共有フォルダにアクセスできなくなる
- NASに保存されているデータが読み込めなくなる/削除・上書き・初期化してしまう
- NASの内蔵HDDから異音がする
- NASのリビルドエラー・RAID構成の崩壊
- NASの管理画面でエラーコードが表示されている
- NASの筐体でエラーランプが点灯している
- NASのデータのバックアップが取れていなかった
- NASのファームウェアが更新できなくなる
ここでは、それぞれの症例が起こる背景や、具体的に取るべき対応などを解説していきます。
ただし、上記の症状が見受けられる場合、NASに深刻な障害が発生している可能性があります。データのバックアップがある場合は、ストレージを交換したうえでデータ移行することで問題なく再使用することができますが、バックアップがない場合、適切なデータ復旧専門業者まで対応を依頼されることをお勧めします。
①NASの電源が入らない・起動しない
NASの電源が入らない・起動しない場合、いくつか考えられますが、最も可能性の高い原因として、NASの電源ケーブルや電源アダプターが正常に機能していない、あるいはNAS内部の電源ユニットが故障している可能性もあります。
まずは、電源ケーブルがNAS・サーバー本体に、確実に接続されているかを確認しましょう。ただし、上記方法で対応できなかった場合、NASあるいは内部のHDD/SSD自体が物理的に壊れている可能性もあります。都度、状況を確認しながら正しい対応を行うようにしましょう。
②NASの共有フォルダにアクセスできなくなる
NASの共有フォルダにアクセスできなくなる場合、ネットワークに障害が発生している可能性が高いです。問題の原因を特定して解決する場合、それぞれのNASに搭載された「ディスクチェック」(Windowsに搭載されたCHKDSKとは別物)などの修復ツールを用いることで問題を特定できることがあります。まずは取扱説明書で確認したうえで適切な対応を取りましょう。
Windows 10のPCだけが共有フォルダにアクセスできない場合
この場合の原因として多いのが、「SMB:Server Message Block」というファイル共有やプリンタ共有の通信プロトコルの不一致です。
Windows 10で搭載されているのが「SMB 3.1.1」というバージョンですが、現在流通しているNASの多くは、「SMB v3.1」には非対応となっており、Windows 10のPCだけが共有フォルダにアクセスできない原因になっています。この場合、「SMB v3」に対応したNASも販売されているため、NASを交換するか、NAS側は現在のものを使い続けるのであればPCを交換するしかありません。
共有フォルダにアクセスできない際の対処法はこちらをご確認ください。
③NASに保存されているデータが読み込めなくなる/削除・上書き・初期化してしまう
NASに保存されているデータが何らかの理由で読み込めなくなった場合、HDD/SSDのシステムやデータが破損する論理障害が起きている可能性があります。このようなデータやシステムのエラー、ないし誤削除による消失データの復元は通常、データ修復ソフトで対応できることも多いのですが、NASのファイルシステムは特殊な形式で、市販ツールでは対応できないことも多いため、注意してください。
もしメーカー保証の範囲であれば専門の技術員のサポートなどを受けることができる場合もありますが、データ消失の可能性も高く、あくまでメーカー保証サービスを利用する場合は、データの保存は加味されないことを考慮しておきまょう。
④NASの内蔵HDDから異音がする
NASの内蔵HDDから異音がする場合、深刻な物理障害が発生している可能性が非常に高いです。少なくとも「カチカチ」「カタカタ」「シャーシャー」といった異音がする場合は、ディスク内部の磁気ヘッドの故障や、それによるプラッタとの接触等により、データが傷ついている可能性があります。このような異音が聞こえる場合、すぐにNASをシャットダウンしてください。
その他の異音についてはこちらのページをご覧ください。
⑤NASのリビルドエラー・RAID構成の崩壊
NASのリビルドエラー・RAID構成の崩壊が起きた場合、自力でのデータ復旧は困難です。そもそもRAID崩壊・リビルド失敗などのインシデントが起きる時点で深刻なトラブルが発生している可能性が高く、そのうえRAID崩壊が起こるとダブルパンチとなり、自力での対応そのものが悪影響を及ぼす恐れが高いと考えられます。
RAIDのリビルドに失敗する代表的な理由は主に次の通りです。
- RAID コントローラー(RAID カード)に障害が発生している
- 破損したディスクが存在する
- インターフェース(SATA、SCSIなど)のプロトコルに問題がある
- ディスクドライブの不良
- ディスクドライブの交換が不適切に行われている
- ディスクドライブのフォーマットが不適切に行われている
- RAID レベルが間違っている
- ファームウェアが古い
- 各ディスクドライブ容量が異なっている
- システム メモリーが不足している
また、再構築時に操作を誤り、RAIDレベルを違うレベルに変更してしまったり、HDD/SSDを初期化してしまったりということもあります。RAID再構築はリスクを伴う作業です。作業中にエラーが発生したら、自己判断せずデータ復元業者に相談したほうが良いでしょう。
RAIDが崩壊した際の対処法についてはこちらの記事をご確認ください。
⑥NASの管理画面でエラーコードが表示されている
NASの管理画面でエラーコードが表示され、正常にデータにアクセスできない場合、深刻な障害が発生している可能性が高いと考えられます。特にバッファロー製NASで「EMモード」(Windowsにおけるセーフモード)でも起動することができない場合、より深刻な状態であることが考えられます。
一方、コード表示やランプの点灯は、不具合発生時だけとは限らず、新しいファームウェアのリリースを通知するコードなどもあるため、NAS・サーバーの取扱説明書を参照し、コードやランプの意味を確認しましょう。いずれにせよエラーコード表示時、むやみやたらと通電・操作を試すこと自体が、機器の状態悪化や、別の故障を併発させる恐れがあります。
重要なデータがある場合は、故障したNASのデータ取り出しに対応している復旧業者に相談するようにしましょう。
⑦NASの筐体でエラーランプが点灯している
NASの筐体でエラーランプが点灯している場合、NASに生じた障害原因を調査するのに有効です。この場合、NASの問題を解決するためのFAQやトラブルシューティングのガイドを参照するか、NASのサポートへ問い合わせるなどし、発生している障害を特定しましょう。
⑧NASのデータのバックアップが取れていなかった
NASのデータのバックアップが取れていなかった場合、データを定期的にバックアップするHDD/SSDに障害が発生している可能性があります。NASを使用する際は、必ず定期的にデータのバックアップを行うようにしましょう。後のデータ管理に問題が発生する可能性があります。
⑨NASのファームウェアが更新できなくなる
NASのファームウェアが更新できなくなる場合、次のような原因が想定されます。
- NASやファームウェアのサポートが終了している
- 更新対象のNASとファームウェアの種類が異なる
- NASの環境設定に問題がある
- ファームウェアのバージョンが古い
- ファームウェアの更新を行う前に正しい手順が踏まれていない
データ復旧可能なNASメーカー例
編集部おすすめサービスの「デジタルデータリカバリー」で対応しているNASメーカーを紹介します。
Buffalo、I-O Data、Dell、hp、IBM、NEC、FUJITSU、Logitec、QNAP、Hltachi、Lacie、Toshiba、Westarn Digital、Seagate、Apple、corega、Sony、NETGEAR、COMPAQ、Epson Direct、SAMSUG、CENTURY、Thecus、PROMISE、ASUS、Lenovo、センチュリー、Acer、Epson、CineRAID、D-RANK、DATA TALE、プリンストン、asi、G-Techology、iomega
※上記以外にも対応しているようです。
データ復旧業者によっても対応しているメーカーが違うため一度問い合わせてみることをオススメします。
▶NASデータ復旧に対応している「デジタルデータリカバリー」無料相談はこちら
まとめ
NAS・サーバーでデータが消えてしまったり、故障が発生したときは非常に焦りますが、自己判断で先走らず、安全かつ確実にデータを復旧する場合、信頼できるデータ復元業者の専門知識や経験を活用しましょう。