画像:日本年金機構HPより
勤務先の年金事務所から、年金加入者の個人情報を持ち出したとして、大阪府警は6月29日、日本年金機構淀川年金事務所の職員、葛西康祐容疑者と、その元上司、松島功容疑者を窃盗の疑いで逮捕した。この数年間で計約400人分の情報が流出したとみている。
警察の調べによると、二人は2014年10月~16年2月までの間、葛西容疑者が勤務していた大阪市淀川区の年金事務所のパソコンを使い、年金加入者20人分の氏名や住所などの個人情報が記載された書面を印刷し盗み出した疑い。
松島容疑者は2007年に退職していたが、盗み出す加入者の名前を松島容疑者が指示し、葛西容疑者が業務中に印刷し持ち帰ったとみられる。
今回の問題は、昨年2月、日本年金機構内での情報漏えい防止のための検査で発覚した。葛西容疑者のロッカーから松島容疑者宛ての郵便物が見つかり追及されると「(同僚時代の)仕事のトラブルが発端でしつこく脅されるようになっていた」と話し、松島容疑者から個人情報の持ち出しを指示されていたと明かしたという。
同機構は、今後の防止策として、執務室に監視カメラの設置や、私用物の持ち込みには透明のカバンを使用することなどを検討中。また、個人情報が流出した加入者に対しては、基礎年金の変更にも応じるという。
<参考>
窃盗で機構職員ら逮捕 400人分流出か/毎日新聞元日本年金機構職員の逮捕について(PDF)/日本年金機構