「誤操作でフォーマットした」「データを削除してしまった」と言った経験はありませんか?
これらはHDDの論理障害と言い、軽度な不具合の場合はフリーソフトを使って自力でデータを復旧できる可能性があります。
しかし、重度論理障害や物理障害が発生している機器にソフトを使用すると、データが上書きされるだけでなく、状態が悪化し、機器が完全に故障する恐れがあります。
この記事では、フリーソフトの特徴から、確実にデータを取り出したい方向けの方法、論理障害について解説をしています。
HDD論理障害の復旧方法
HDDに論理障害が発生している場合、主なデータ復旧方法は以下の2つになります。
専用のフリーソフトを使用する
軽度の論理障害だった場合、フリーソフトを使って自力で復旧できる可能性があります。無料で手軽に行えるメリットがありますが、重度論理障害や物理障害、または障害が併発している場合は使用できません。
使用することで、かえって機器に負担がかかり状態が悪化すると、本来取り出せたはずのデータも消失し、最悪の場合は全てのデータを失墜する可能性があります。
そのため、深刻な問題が発生しており、重要なデータを保存している場合は、データ復旧業者に依頼することをおすすめします。
データ復旧業者の選び方は以下の記事でも紹介していますので、是非参考にしてください。
データ復旧業者に依頼する
データ復旧業者であれば、論理障害に限らず、重度論理障害や物理障害にも対応しているため、復旧できる可能性が最も高い方法になります。
HDDの故障や不具合は、簡単な物でない限り、ソフトを使った自力での復旧はほとんど不可能と言われています。
専門業者であれば、クリーンルームと呼ばれる専門設備で機器を開封し、正確な初期診断と解析で復旧作業を行います。そのため、復旧率が高いだけでなく、網羅的にデータを復元することが可能です。
重度論理障害や物理障害の場合、個人で復旧できる範囲を超えています。データを再優先で取り出したい場合は、データ復旧の専門業者に依頼しましょう。
【厳選3つ】代表的なフリーソフトを紹介
データ復元ソフトは主に、フリーソフトと有料ソフトに分けられます。
ソフトごとに復旧できる範囲や特徴など様々なため、慎重に検討しましょう。
ここでは、代表的なフリーソフトを3つ紹介します。
Disk Digger
HDDの他にも、USBメモリーなどにも対応しているデータ復旧ソフトです。
- あらゆるデバイスに対応している
- ファイルフォーマットの検出もできる
- 比較的簡単に操作ができる
ただし、「DiskDigger」には無料版と有料版(DiskDigger Pro)が存在します。非常に強力な機能を持っているものの、無料版では機能制限があるため、全機能を利用するには有料版の購入が必要です。
料金 | 無料版あり 有料版 ・1年ライセンス→税込3,980円 ・永久ライセンス→4,980円 |
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復元データ数 | 制限なし (検出したファイルを復元する場合は1ファイルずつ、次のファイルを復元するまで5秒間の待機時間が必要という制限あり) |
対応デバイス | HDD、SDカード、USB、CD、DVD、フロッピーディスク |
復元データ | 写真、オーディオ、ビデオ、Eメール & ウェブファイル、添付ファイル、ドキュメント |
動作環境 | Windows、Linux |
あらゆるデバイスで削除されたデータに対応しており、フリーソフトでは珍しく、制限なくデータを復元できます。
しかし、無料版の場合は1ファイルずつしか復旧できないため、かなりの時間が必要になります。
SoftPerfect File Recovery
シンプルで軽量なことが特徴のデータリカバリーソフトで、HDDに保存しているデータを復元することが可能です。
- 一括復元が可能
- 操作が簡単なため、初心者向け
- 日本語に対応している
USBメモリにソフトのデータを記録して持ち運ぶことができるため、インストールする必要も、ファイルを解凍する必要さえもなく、そのまま使用することができます。
料金 | 無料 |
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復元データ数 | 制限なし |
対応デバイス | HDD、USB 、CF カード、SD カード、その他のストレージ機器 |
復元データ | ファイル、フォルダ |
動作環境 | Windows 7、Vista、XP、 |
注意点としては、このソフトではファイルを詳細な条件で絞り込めず、復元するファイルの状態を示すことはできません。紛失したデータをスキャンする機能がないため、より高度な機能を求めているユーザーには物足りなさを感じるかもしれません。
一括復元できることが最大のメリットですが、削除してから時間が経過してしまっている場合や、データが破損している場合は、ファイルを検出できず、復元することができない点に注意が必要です。
Wise Data Recovery
HDDのエラーやクラッシュによって、消えてしまったデータを復元するソフトです。
- 最近削除したファイルのみ検索ができるため短時間で復旧できる
- 数秒から数十秒で元の状態に戻せるファイルが一覧表示できる
- インストール不要でUSBメモリにコピーして使用可能
料金 | 無料版あり PRO版(有料): ・1年/1PCライセンス12100円 ・1か月/1PCライセンス6600円 |
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復元データ数 | 合計容量が最大2GBまでに加え、累積2GBまで |
対応デバイス | PCのHDDやSSD、外付けHDD、フロッピーディスク、USB、メモリーカード、デジカメ |
復元データ | ドキュメント、画像、動画、オーディオ、メール |
動作環境 | Windows XP 以降のOS |
幅広くデバイスに対応しており、多くのファイルを検出することができますが、その分時間がかかるだけでなく、「ディープスキャン」後のファイル復元はPRO版でしか実行ができません。
1クリックで素早く復元できることが最大の利点ですが、他のソフトと違い、データに制限が付いているため、用途に合わせて選ぶようにしましょう。
フリーソフトの併用はできる?
併用することで、より多くのデータを復元できる可能性がありますが、機器への負担が大きく、状態が悪化する恐れがあるため、おすすめはできません。
そもそも、論理障害と物理障害は似た症状が多いため、万が一、誤った自己判断でソフトを使用すると、新たな障害を増やしたり、機器が故障したりする可能性があります。
フリーソフトは機器への負担が高いだけでなく、データが上書きされたり、誤操作によってデータが消える恐れがあります。
ソフトを使用し、データの上書きが発生した場合、二度とデータを復元できなくなります。フリーソフトの併用はデータの完全消失や機器の故障に繋がることがあるため、併用は避けるよにしましょう。
おすすめのHDDデータ復旧業者
HDDに論理障害が発生している場合、データを確実に取り出す方法はデータ復旧業者への依頼になります。対応実績の豊富な業者に依頼することで、他社では復旧不可能だった物でも、復旧できる可能性があります。
データ復旧は機器によって、直し方も多種多様なため、専用設備や高度な技術が揃っていないと復旧できないもの、過去の復旧事例が少ない超高難度なものなど、1つ1つの機器によって作業パターンが全く異なります。
一律料金制を採用しているような業者もありますが、軽度の障害にしか対応していなかったり、作業開始後に重度障害と判明し、当初の見積もり額より高額な追加費用を請求されたという悪質なケースもあります。
これらの事態を招かないためにも、業者を見極めることが大切です。そこで、全国の業者から復旧率・実績・復旧スピード・価格や特長を比較して厳選したおすすめサービスをご紹介します。編集部おすすめのデータ復旧業者は、こちらのデジタルデータリカバリーです。
デジタルデータリカバリー
公式HPデジタルデータリカバリー
デジタルデータリカバリーは、14年連続データ復旧国内売り上げNo.1(※1)のデータ復旧専門業者です。復旧率最高値は95.2%(※2)と非常に高い技術力を有しています。依頼の8割を48時間以内に復旧と復旧のスピードも優れています。また、官公庁や大手企業を含む累積46万件以上の相談実績があります。
この業者は、相談から見積もりの提示まで無料で行っているため、データ復旧を検討している際は、自力で復旧作業に取り掛かる前に、まずは最大手であるデジタルデータリカバリーに相談すると良いでしょう。
対応製品 | ■記憶媒体全般 ハードディスク、外付けHDD、NAS/サーバー(RAID構成対応)、パソコン(ノートPC/デスクトップPC)、SSD、レコーダー、USBメモリ、SDカード、ビデオカメラ、スマホ(iPhone/Android)、ドライブレコーダー等 |
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復旧期間 | 最短当日に復旧完了(本社へ持ち込む場合) 約80%が48時間以内に復旧完了 |
設備 | 復旧ラボの見学OK クリーンルームクラス100あり 交換用HDD7,000台以上 |
特長 | ✔データ復旧専門業者 14年連続データ復旧国内売上No.1(※1) ✔復旧率最高値95.2%(※2)の非常に高い技術力 ✔官公庁や大手企業を含む累積46万件以上の相談実績 ✔相談・診断・見積り無料(デジタルデータリカバリーへの配送料も無料) ✔365日年中無休で復旧対応 |
所在地 | 本社:東京都六本木 持込み拠点:横浜、名古屋、大阪、福岡 |
デジタルデータリカバリーのさらに詳しい説明は公式サイトへ
※1:第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく(算出期間:2007年~2020年)
※2:2018年2月実績 復旧率=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数 (2017年12月~2021年12月の各月復旧率の最高値)
デジタルデータリカバリーの評判は?特徴・サービス・料金・悪評の真偽などを徹底調査
HDD論理障害とは?
HDDの論理障害は、HDDに保存しているデータにアクセスできなくなる障害の一種で、物理的な損傷が原因ではなく、システム上の問題が原因で発生します。
この障害は、物理的に作動していても、データへのアクセスができなくなります。論理障害を放置すると損傷は拡大し、より多くのデータやファイルシステム全体が影響を受ける可能性があります。
これは、破損したファイルシステムが正常に機能しなくなり、さらに多くのファイルやフォルダへのアクセスができなくなるからです。
HDD論理障害が発生する原因
HDDに論理障害が発生する主な原因として、以下のことが挙げられます。
・ファイルシステムの損傷: 電源の突然の断絶やシステムの不正なシャットダウンにより、することがあります。
・ソフトウェアの不具合: システムソフトウェアやアプリケーションのバグ
・ウイルス感染: マルウェアやウイルスの感染
・誤った操作: データの誤削除やフォーマット、パーティションの誤操作
これらが原因で論理障害になった場合、データを保存している領域やシステムが破損し、ファイルやフォルダにアクセス出来なくなります。
論理障害の初期症状
以下の症状が見られた場合、論理障害が発生している可能性があります。
・ファイルやフォルダへのアクセス不可: 重要なファイルやフォルダが開けない、見つからない、または破損している
・システムの異常な動作: 頻繁なエラーメッセージ、予期せぬシステムクラッシュやフリーズが起きる
・起動問題: システムが正常に起動しない、または起動に異常に長い時間がかかる
・異常なディスクアクティビティ: アクセスランプの異常な点滅パターンが発生している
これらの症状は物理障害でも発生するため、症状のみでの自己判断は難しいと言えます。軽度な障害だと思っていても、実は重度論理障害だったというケースも少なくありません。
軽度論理障害と重度論理障害では、復旧方法も異なります。重度論理障害だった場合は、専門業者が使用する特殊な機器や技術が必要となります。
論理障害と物理障害の違い
物理障害は論理障害と違い、HDD自体が損傷しており、データの読み書きができない状態を指します。
物理障害の主な内容は、以下の通りです。
- ディスク表面の損傷
- 読み書きヘッドの故障
- ディスクの回転不良
- 電子回路の障害
物理障害が発生する原因としては、経年劣化や機器を落としたなどの、強い衝撃が加わった場合に発生します。
物理的に故障しているという点が、論理障害との大きな違いですが、発生する症状は似ている物が多く、自己判断が難しいとされています。
また、論理障害と物理障害が併発していることも多く、この場合は個人でのデータ復旧はほとんど不可能と言われており、通電するだけで状態が悪化する恐れがあります。
HDDの不具合は、障害の判断を誤り、個人で対処してしまうと、取り出せたはずのデータも取り出せなくなる可能性があります。一度、専門業者に相談し、正確な初期診断を行うことをおすすめします。
HDDに論理障害が発生している場合の注意点
HDDに論理障害が発生している場合、以下の3点に注意しましょう。
通電し続けない
HDDは電源を入れると物理的な部品が駆動し、機器に一番大きな負荷がかかるため、通電し続けると故障をより大きくする確率が上がってしまいます。
過度な電源のオン・オフや強制終了は控える
過度に電源のオンオフや強制終了は、機器へ負担が高く、新たな障害の発生や症状悪化に繋がります。
また、データの上書きが発生し、データの完全に消失する可能性があるため、できる限りそのままの状態で専門業者に相談するようにしましょう。
個人で分解しない
HDDの開封と分解は絶対に行わないでください。空気中のわずかなちりやほこりでさえ、障害の原因となってしまいます。
実際の開封作業には、専門の設備(クリーンルーム)とエンジニアが対応する必要があります。無理に開封・分解したHDDはデータ復旧業者でも復旧が困難になるため注意しましょう。
既にご自身でHDDを開封・分解した場合は、早急に技術力の高いデータ復旧業者に相談する必要があります。
まとめ
今回は、HDDの論理障害をフリーソフトで復旧可能かどうか解説してきました。
軽度の論理障害だった場合はフリーソフトでも対応できますが、論理障害は症状からの判断が難しく、気づいたときには重度論理障害だったというケースも少なくありません。
有料版の復旧ソフトを購入したからと言って、全てのデータを復元できるとは限りません。データを優先的に確保したい場合はデータ復旧業者への依頼が確実な方法になります。
自己診断や復旧に不安がある場合は、復旧実績が多く、信頼できる専門業者に相談するようにしましょう。