万が一携帯(スマホ)がウイルス感染してしまった場合、さまざまな被害を受ける可能性があります。たとえば次の被害が代表的といえるでしょう。
- 動作不良・充電切れが頻発
- 個人情報の漏洩
- パソコン内のファイルが消失
- 不正な広告がポップアップウインドウで表示される
- マルウェアの自動的なダウンロード・拡散が行われる
- 重要なアプリ・データの破損
- 仮想通貨を採掘させられる
- クラウドサービスにアクセス不能になる
- クレジットカード情報が悪用される
- ストーカー被害に遭う
- 悪意あるコミュニティに住所や氏名が晒される(ドキシング)
これだけでなく、他の機器にウイルスが拡散すると被害者ではなく加害者としての立場に置かれる恐れすらあるため、ウイルス感染が発覚した際には、適切な対処をとる必要があります。そこでこの記事では携帯がウイルス感染時の症状や、ウイルスを消す方法や、被害の調査方法などについて解説いたします。
目次
携帯のウイルス感染とは
携帯のウイルスは「マルウェア」のひとつです。マルウェアに感染すると「個人情報・決済情報が盗まれる」「不正な広告が表示される」などの被害に遭うことがあります。
携帯は個人情報の宝庫であり、仮にデータが漏えいした場合、それだけで大きな損失を被ることは言うまでもありません。
携帯はプライバシー保護のためにパスワードなどのセキュリティ機能が設定されています。その強度は世界水準であり、実際iPhoneは自信を裏付けるかのごとく、セキュリティアプリを搭載していません。しかし、ウイルスは日々、改造・開発されています。たとえ堅牢なセキュリティであっても、それを突破する新機能が追加されると、ウイルス感染の被害に遭う可能性は決してゼロではありません。
そのため、ウイルス感染が疑われるサインに複数個も当てはまった場合、ウイルス感染の経路・漏えい情報などを調査できる専門業者まで対応を依頼することも検討しておきましょう。
携帯のウイルス感染時に起きる症状8選
ウイルス感染時は、いつもと違って急に起動が遅くなったり、データが消えたりするなど、いくつかの異常が起こります。
ウイルス感染時に起きる症状は次の8つです。
- 高額請求される・見覚えのない請求が届く
- 見覚えのない通信履歴・通信容量がすぐなくなる
- 見覚えのないアプリのダウンロードや、頻繁なアプリのクラッシュ
- 端末が熱を帯びている
- 不正ログインのアラートが出る
- 設定が勝手に変わっている
- GPSやカメラなどの機能が勝手に有効化・無効化される
- データの暗号化・身代金を要求されている
①高額請求される・見覚えのない請求が届く
ウイルスに感染すると、高額請求される・見覚えのない請求が届くことがあります。この場合、それらの請求を受け入れる前に、請求を出してきた組織を検証し、真偽を調べるようにしましょう。また請求を受け入れる前に、アプリストアや決済代行会社に連絡し、返金申請ないし通報を行うことも重要です。
②見覚えのない通信履歴・通信容量がすぐなくなる
ウイルスに感染すると、見覚えのない通信履歴が表示されることがあります。これは携帯が遠隔操作されており、関係者にスパムメールを送信されている恐れがあります。まずは通信先に連絡を入れるなどの対応を行いましょう。
③見覚えのないアプリのダウンロードや、頻繁なアプリのクラッシュ
見覚えのないアプリのダウンロードや、頻繁なアプリのクラッシュがある場合、マルウェアに感染している可能性があります。この場合、個人情報が外部に発信されるなど悪用されている可能性もありますので、すぐに端末をオフラインにしましょう。実際にどのような情報が漏えいしたかについて調査する場合は、ハッキング調査や遠隔調査の専門業者まで対応を依頼することをおすすめします。
④端末が熱を帯びている
端末が熱を帯びている場合、マルウェア感染している可能性があります。ただし、経年劣化による熱暴走もありますので、そのような場合は、まず端末を再起動するか、バッテリーの交換を行うなどの修理が必要になる場合があります。
⑤不正ログインのアラートが出る
携帯電話が第三者に不正に使用される可能性があると感知したときに不正ログインのアラートが表示されます。この場合、すぐに携帯電話の設定を変更してセキュリティを強化する必要があります。パスワード情報がオンラインに流出している恐れもあるため、すぐにパスワードを変更しておきましょう。
⑥設定が勝手に変わっている
操作した覚えがないのにもかかわらず、設定が勝手に変わっている場合、マルウェア感染の可能性があります。たとえばSNSアカウントに鍵をかけていたにもかかわらず、鍵が外されていたり、あるいはアプリのインストール設定で制限が外されているなどの場合が当てはまります。これに限らず、些細な変更であっても、マルウェア感染の可能性を検討する必要があります。
⑦GPSやカメラなどの機能が勝手に有効化・無効化される
この場合、マルウェア感染の可能性があります。ただし、バックグラウンドのアプリが機能を消費している場合や、ネットワークの混雑状況によってデバイスが自動的に機能を無効化する設定になっている場合、GPSやカメラなどの機能が勝手に無効化されることもありますので、まずは設定を確認しておきましょう。
⑧データの暗号化・身代金を要求されている
画面をロックないしデータを暗号化し、解除するために身代金を要求するウィルスは「ランサムウェア」と呼ばれています。
この際、身代金は絶対に払わないようにしましょう。身代金を支払ったとしてもデータが元に戻る保証はありません。また、身代金の支払いは、反社会的勢力の活動を助長することに繋がりかねないため、指示に従ってはいけません。なお、ランサムウェア感染時、すでに内部の個人情報が盗まれていることが多く、身代金を支払わないとデータを晒す「二重脅迫」という手法を用いる悪質なランサムウェアも存在します。いずれにせよ、このようなウイルスに感染した場合、被害範囲の特定や調査がマストになることは得てして当然といえます。
携帯のウイルス感染で想定される被害
携帯のウイルス感染で想定される被害としては、次のようなものがあります。
- 機密情報・個人情報が外部に漏洩する
- 金銭の搾取(身代金・不正決済)
- 第三者にスパムメールが拡散される
- 盗聴・盗撮される
またスマホでのウイルス感染について詳しく知りたい方は、次の記事もお読みください。
機密情報・個人情報が外部に漏洩する
マルウェアに感染すると、機密情報・個人情報が外部に漏洩する恐れがあります。もし個人情報が流出するとリークサイトに公開されたり、インターネット掲示板に晒されるなどの被害(ドクシング)に遭う可能性があります。この場合、企業・個人を問わず信用を損なったり、ストーカー被害に遭ったりする原因となるため、想定される被害範囲と漏えい状況を調査することが必要になります。
金銭の搾取(身代金・不正決済)
マルウェアの多くは、他人から金銭を得るために設計されています。たとえば、ランサムウェアは、特定のファイルないし端末を暗号化し、被害者から金銭を要求します。また、トロイの木馬は、収集したユーザーのパスワードをダークウェブのバイヤーに売ることもあります。その他のマルウェアもメールマーケティングの技術を悪用し、粗悪なセキュリティ製品やサブスクリプションサービスを売りつけることで金銭を得るものも存在します。
第三者にスパムメールが拡散される
マルウェアに感染すると、第三者にスパムメールが拡散される恐れがあります。実際そのメールを受け取った第三者は不快な気持ちを抱くだけでなく、ウイルスに感染してしまう可能性もあり、本来は被害者の立場である自分が加害者として、相手に不信感や不快感を与えてしまう可能性があります。もし第三者から不審なメールやSMSを受け取ったという通報が入った場合は、すぐに送信履歴を確認し、該当する端末をオフラインにすることをおすすめします。
盗聴・盗撮される
スマートフォンがハッキングされていると、GPSやカメラが勝手に起動したり、Wi-Fiが勝手にオンオフを繰り返したり、不審な電話番号に電話をかけられてしまう事例があります。iPhoneの場合、通話などでマイクを使用していないにもかかわらず、画面右上にオレンジ色の点灯がある場合はハッキングによって盗聴されている恐れがあります。ここで記したような挙動が目立つ場合は、すぐに適切な対応を取るようにしましょう。
【注意点】警告画面が表示される時点では、まだウイルス感染していない
スマホでサイトを閲覧していると、「あなたの携帯でマルウェアを検出しました。今すぐにこのアプリをインストールしてください」というような警告画面が表示されることがあります。このような警告文は基本的に詐欺なので真に受けないようにしましょう。下記のような警告画面が表示されると「携帯がウイルス感染してしまった」と思われることが多いのですが、実は警告画面が表示される段階ではまだウイルス感染していません。
警告画面が表示された後、ウイルス除去アプリを装ってウイルスを仕組んだ不正アプリをダウンロードさせることによって、端末をウイルス感染させるという手口なのです。従って、警告画面が表示され、アプリのダウンロードを促されても絶対にダウンロードしないでください。
1警告画面の閉じ方
警告画面が携帯の画面に表示されてしまった場合には、なかなか警告画面を閉じることができず動揺してしまうかもしれません。警告画面が表示された場合の対処法をご紹介します。
- Web閲覧中にブラウザ上で警告画面が出た場合は、ボタンなどをタップせず、ブラウザアプリでタブ一覧を表示し、タブをスワイプして閉じる。
- 1で画面を閉じられない場合は、iPhoneなら「ホームボタン」を2回押すか、画面下から上にスワイプしてアプリ一覧を表示させ、ブラウザをスワイプして強制終了する
- 同様にAndroidの場合は、ナビゲーションバーの「マルチタスクボタン」または「最近使用したアプリボタン」をタップし、ブラウザをスワイプする
- ブラウザの設定からキャッシュと履歴を削除して、偽警告画面が再表示されないようにする
2不正なアプリの消し方
万が一、「不正なアプリをダウンロードしてしまった」という場合でも、直ちに対処を講じることで被害を防げる可能性があります。携帯から不正アプリをアンインストールする際の操作手順を説明します。
iPhoneの場合
- ホーム画面でアプリのアイコンを長押しする
- アイコンが振動し、右上に「×」または「-」が表示されるので、タップして削除を選択する
- 「Appを削除」を確認してアプリを削除する
Androidの場合
- 電源ボタンを長押しして「電源を切る」をタップする
- 電源ボタンを更に長押しすると「セーフモードで再起動しますか?」と表示されるので「OK」を選択し、安全モードで起動する
- 設定メニューから「アプリ」または「アプリと通知」を選択する
- 削除したいアプリを探してタップする
- 「アンインストール」をタップして削除する
携帯のウイルスを消す方法
ウイルス感染してしまった携帯のウイルスを消す方法を、手順に沿って説明していきます。
1ネットワークから切断する
まずは、携帯が接続しているWi-Fi、モバイルデータ通信を切断しましょう。機内モードをオンにすることでWi-Fiとモバイルデータ通信を一度にオフにできます。
携帯がウイルス感染していると、インターネットを経由して不正な通信を招いてしまいます。Wi-Fiを利用している場合にはWi-Fiを切断し、機内モードに設定して、それ以上携帯がインターネットによる通信を行わないようにしましょう。
iPhoneの場合
- 「設定」アプリを開き、「Wi-Fi」を選択してスイッチをオフにする
- 一覧に戻り、モバイルデータ通信を選択し、、「モバイルデータ」をオフにする
- 両方を一度にオフにしたい場合は、「設定アプリの「機内モード」をオンにする
Androidの場合
- ホーム画面で「設定」→「ネットワークとインターネット」を選択する
- 「Wi-Fi」を選択し、「Wi-Fi」をオフにします
- 「ネットワークとインターネット」に戻り、「モバイルネットワーク」にある「モバイルデータ」をオフにす
- 機内モードにしたい場合は、「設定」から「機内モード」を選択し、オンにする
2ウイルスを駆除する
ネットワークを切断したら、ウイルス駆除操作を実行しましょう。iPhoneとAndroidではウイルス駆除方法が異なりますので、お使いの端末に合わせて実行してください。
iPhoneの場合
iPhoneをお使いの方は、ウイルス駆除にセキュリティツールを使用できない為、以下の手順に従って操作してください。
- 身に覚えのないアプリや、携帯に異常が現れ始めた頃にダウンロードしたすべてのアプリを削除する
- 「設定」内の「safari」に進み、「履歴とデータを消去」をタップし、データと履歴を削除する
- iPhoneの電源を一度オフにして再起動する
Androidの場合
- セキュリティツールをダウンロードしインストールする(※詳しくは各ツールのサポートサイトをご覧ください)
- アプリを利用できるようになったら、「スキャン」をタップする
- ウイルスが見つかった場合、「駆除」をタップすると、携帯内のウイルスが駆除される
3個人情報を保護するためにパスワードを変更する
ウイルスの駆除操作を完了した後は、ネットバンキングやSNSアカウントなどパスワードを変更しておくようにしましょう。ウイルス感染した時点で情報が抜き出されている可能性があるためです。
クレジットカードの不正使用やアカウントの乗っ取りを防ぐためにも、ウイルス駆除後には念のためにパスワードを変更するようにしましょう。
(最終手段)携帯端末の初期化を行う
ウイルスによっては、以上の方法でウイルスをうまく駆除できないことがあります。その場合は、最終手段となりますが、携帯を全て初期化してしまうのが一番確実な方法です。
日常的にバックアップを行っている場合は、失われるデータも最小限で済みますが、端末の初期化は、端末上に保存されている全てのデータを失うことを意味するので、たまにしかバックアップを行っていないと、前回バックアップした時点以降に作成されたデータや更新された内容は全て失われてしまいます。
詳細なウイルス感染調査は専門会社へ対応を依頼する
仮に感染した端末をネットワークに接続し続けると、他の端末にまで感染が拡がる可能性があるほか、機密情報の漏えいにつながってしまう可能性もありますので、早急に専門業者に相談することが最適な対処法と言えるでしょう。
特に次に当てはまる方は専門業者まで相談することをおすすめします。
- これまで紹介してきた方法でウイルスを駆除できない、
- 具体的にどのような情報が漏えいしたかについて調査したい
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受付時間 | 24時間365日 年中無休で営業(土日・祝日も対応可) ★最短30分でWeb打合せ(無料) |
携帯をウイルス感染させないための対策
携帯をウイルス感染から守るためには、いくつかの基本的な対策を行うことが大切です。
公式ストアからアプリをインストールする
AppleのApp StoreやGoogle Playなど、信頼できる公式ストアからダウンロードすることで、不正アプリのリスクを減らせます。公式ストア以外のサイトから提供されるアプリには、ウイルスやマルウェアが含まれている可能性があるため、避けましょう。また、Androidの場合は「不明なアプリのインストールを許可しない」設定にしておくと安全です。
怪しいリンクやメール、SMSに注意する
フィッシング詐欺や不正サイトのリンクが含まれている可能性があるため、知らない送信者からのメッセージや不審なリンクはクリックしないようにしましょう。
ウイルス対策アプリを導入する
信頼できるセキュリティアプリを導入し、定期的にスキャンを行うことで、早期にウイルス感染を発見し対処できる可能性が高まります。
まとめ
今回は、携帯がウイルスに感染した場合の症状や、駆除方法・調査方法について解説しました。携帯は扱いやすい反面、一度ウイルス感染してしまうと甚大な被害に繋がることもあるため、対処も慎重に行う必要があります。
またウイルス感染してしまった携帯のウイルス駆除操作を行う場合、自身で対処する以外に、しっかりと対処したい場合には、携帯ウイルスの対処を専門に行う業者に相談するのが良いでしょ