
「スマホがウイルスに感染したかも…」と不安に感じる方も多いでしょう。感染を放置すると、個人情報漏洩や不正請求などのリスクが高まります。感染が疑われる場合は早めに確認をすることが重要です。自分での確認が難しい場合は、専門業者に相談するのがおすすめです。
この記事では、iPhoneとAndroidそれぞれのウイルス感染を確認する方法を、簡単なチェック法から精密な検査方法まで紹介します。
スマホのウイルス感染を検査する方法
スマホのウイルス感染を疑った場合、まずは以下の方法で検査を行いましょう。これらの方法を試すことで、感染の有無を確認できます。
スマホがウイルスに感染している症状から検査する
スマホがウイルスに感染した場合、いくつかの症状が現れることがあります。これらの症状を確認することで、ウイルス感染を早期に発見することができます。
以下は、スマホウイルスを症状から検査する際にチェックすべき6つのポイントです。
発信・通信履歴を確認
身に覚えのない発信や通信履歴がないかを確認します。ウイルスに感染したスマホは、ユーザーの知らない間に電話をかけたり、スパムメールを送信することがあります。特に、国内外の電話番号やスパムメール送信歴があれば、感染している可能性が高いです。
データ通信量を確認
急激にデータ通信量が増加していないかをチェックします。ウイルスに感染したスマホは、常に外部と通信を行うため、データ通信量が異常に増えることがあります。これにより、個人情報が盗まれていたり、仮想通貨のマイニングなどに利用されている場合があります。
>スマホのデータ通信量が急増!ウイルス感染の可能性と対策方法を徹底解説
アプリの確認
身に覚えのないアプリがインストールされていないか、または複数のアプリが頻繁にクラッシュしないか確認しましょう。ウイルスは、知らないうちにアプリをインストールしたり、スマホを遠隔操作したりすることがあります。
ただし、アプリのクラッシュはウイルス感染だけでなく、容量不足やアプリの不具合も原因として考えられるため、他の要因も確認することが重要です。
>悪質アプリをインストールしてしまったら?リスクや対処法を解説
スマホ本体の状態確認
スマホが異常に熱くなったり、勝手に電源がON/OFFになる場合、カメラが無断で起動することがないか確認しましょう。ウイルスに感染したスマホは、遠隔操作されて仮想通貨のマイニングなどに利用されることがあります。
このような状況は、端末の発熱や物理的な破損を引き起こす原因にもなるため、注意が必要です。また、カメラが勝手に作動することがあれば、感染の可能性を疑って早急に対処しましょう。
データが暗号化されていないか確認
スマホに保存しているデータが突然暗号化されていないかを確認します。もしデータが暗号化され、通常通りに開けなくなった場合、ウイルスとは違いますがランサムウェアというマルウェアに感染している可能性があります。
ランサムウェアは、データの復号に対して身代金を要求してくることがあります。
>【解説】ランサムウェアに感染するとどうなる?確認方法と適切な初動対応まとめ
金銭を請求されていないか確認
高額な請求が届いていないかを確認します。特にランサムウェアに感染すると、データ復号のために身代金が要求されることがあります。もし身代金を支払うよう求められた場合は、決して支払いに応じないようにしましょう。
身代金を支払ってもデータを取り戻せる保証はなく、犯罪組織に資金を供給することになってしまいます。身代金の支払いには応じず、すぐに専門のフォレンジック調査会社に相談することが重要です。
>ランサムウェアの感染経路7選と感染時の調査手法や対策を徹底解説
セキュリティソフトでスキャン
ウイルス感染の有無を確認するための方法として、セキュリティソフトを使用するのは非常に有効な手段です。これにより、マルウェアや不正アプリが存在するかどうかを確認できます。
iPhoneの場合
iPhoneはiOSのセキュリティが強固であるため、外部のセキュリティソフトを使ってスキャンすることはできません。iPhoneはウイルスに感染しにくい設計ですが、それでも完全にリスクがないわけではありません。
もしiPhoneが正常に動作しない、または不審な挙動を示す場合、ウイルス感染以外にもさまざまな原因が考えられます。そんなときは、以下の方法を試してみましょう。
- アプリの確認
インストールされているアプリを確認し、不要なアプリや不明なアプリを削除します。 - iOSのアップデート
最新のiOSにアップデートし、セキュリティの脆弱性を改善できます。 - プライバシー設定の確認
どのアプリがどの個人情報にアクセスしているかを確認し、不審なアプリのアクセスをブロックします。
Androidの場合
Androidでは、セキュリティソフトをインストールし、ウイルススキャンを行うことができます。信頼できるセキュリティソフトを使用することが重要です。
- Avast Mobile Security
ウイルス対策、アプリ管理、ウェブサイトの安全チェックなどを提供します。 - Bitdefender Mobile Security
モバイル端末のマルウェア検出機能に優れ、アプリやデータのセキュリティを強化します。 - Norton Mobile Security
リアルタイム保護や紛失時のデバイスのリモートロック機能などを提供します。
これらのソフトを利用してスキャン後、感染が見つかった場合は、ソフトの指示に従ってウイルスを駆除します。ただし、セキュリティソフトだけではすべての感染を検出できない場合があるため、追加の対策が必要な場合もあります。
調査会社にウイルス検査を依頼
上記の方法で不安が解消されない場合や、より専門的な調査が必要な場合は、調査会社に依頼する方法もあります。調査会社はウイルス感染や不正アクセスを専門に調査しており、正確な診断と対処が可能です。
調査会社の依頼には費用がかかりますが、より確実な調査を行いたい場合には非常に有効です。例えば、乗っ取られた端末での不正行為(スパムメールの送信、情報漏洩など)を防ぐために、専門業者による調査を行うことをおすすめします。
スマホのウイルス検査時の注意点
スマホがウイルスに感染しているかどうかを確認する際には、いくつかの重要な点に注意する必要があります。ウイルス感染に関する症状を見逃さないようにするためには、以下のポイントをしっかりと把握しておくことが大切です。
ウイルス感染ではない警告やスパムに注意
スマホに突然表示される「ウイルス警告」や「システムの問題」を示すポップアップ画面は、必ずしもウイルス感染を意味するわけではありません。
これらは、詐欺や悪質な広告によるものであることが多いため、誤って指示に従ってしまわないように注意しましょう。
警告画面(フェイクアラート)
スマホで突然表示される「ウイルス警告」や「システムの問題」を警告するポップアップ画面は、いわゆる「フェイクアラート」と呼ばれるものです。これに騙されて不正なアプリをインストールさせられたり、詐欺サイトに誘導されることがあります。
これらはウイルス感染とは異なり、ウイルス除去アプリを偽ってウイルスを仕込んだアプリのダウンロードを促したり、クレジットカード番号などの個人情報を入力させる詐欺手法です。
- 警告を無視して閉じる
警告に書かれている指示に従わず、画面を閉じるか、スマホを再起動します。 - 不審なリンクをクリックしない
警告画面には、ウイルススキャンや修正を促すリンクが表示されますが、クリックすると詐欺サイトや悪意のあるページに誘導される危険があります。 - 不明なアプリのインストールを避ける
警告画面後に「ウイルス駆除アプリ」のインストールを促されても、詐欺の可能性があるため、インストールしないようにしましょう。
警告画面が表示されただけで、スマホがウイルスに感染したり詐欺の被害に遭うことはありません。もし警告画面が表示された場合は、アプリのダウンロードや個人情報の入力をせず、Webブラウザを一度終了するだけで、被害を防ぐことができます。
>スマホのウイルス感染警告は本物?偽物の見分け方と対処方法を解説
スパムメール
ウイルス感染とは異なる原因で、スパムメールが大量に届くことがあります。
主な原因としては以下が考えられます。
- Webサービスに登録した情報が共有された
- 何らかの理由で知り合いや自身の個人情報が漏洩した
- サイバー犯罪者が作成したメールアドレスと一致した
これらのメールは、不正なリンクをクリックさせたり、偽のログインページに誘導して個人情報を盗むことを目的としています。
スパムメールに対する対策は次の通りです。
- 差出人が不明な場合は注意
不審な差出人や送信元を見逃さないようにしましょう。 - リンクや添付ファイルを開かない
不安なリンクや添付ファイルは絶対に開かないこと。公式なウェブサイトから確認しましょう。 - 個人情報を入力しない
正当な企業や団体からの連絡であっても、メール内で個人情報を入力するように促されても、公式サイトで確認し、メールでの要求には応じないようにしましょう。
スパムメールが気になる場合は、メールアドレスを変更することで解決できることもあります。判断が難しい場合は、専門の業者に相談するのもおすすめです。
>フォレンジック調査とは?費用や期間などからおすすめ会社の選び方を徹底解説
フェイクアラートやスパムメールの特徴
スマホやパソコンに表示される警告画面や届くメールには、ウイルス感染やアカウント不正使用を警告するものがありますが、必ずしも本物とは限りません。これらのフェイクアラートやスパムメールは、不正行動を促すことがあるため注意が必要です。
以下の特徴を把握し、適切に対応しましょう。
- 緊急性を強調
ウイルス感染やアカウントの不正使用を警告する内容の多くは「アカウントが危険にさらされている」「即座に対処しないと問題が発生する」など、緊急性を強調してユーザーを慌てさせ、行動を促す手法です。 - 不審な要求
「即座にパスワードを変更する」「電話番号を入力する」「特定のソフトウェアをダウンロードする」といった要求が含まれている場合は、高い確率で詐欺の可能性があります。 - 不正確な言語やスペルミス
公式な企業や団体からの連絡には、言語やスペルミスがほとんど含まれません。不審なメッセージや誤った表現がある場合、信頼性の低い内容として警戒しましょう。
信頼できる情報源を利用する
信頼できる情報源を活用することは、ウイルスやマルウェアに関する正しい判断をするために非常に重要です。以下の方法で信頼性を確認し、確実な情報を得ましょう。
公式のセキュリティサイトとサポート窓口
AppleやGoogleなどの公式サイトや、信頼できるセキュリティサイト(Symantec、McAfee、Trend Micro、Kasperskyなど)では、ウイルスやマルウェアに関する正確な情報を提供しています。
これらのサイトを利用することで、最新の脅威やセキュリティ更新情報を得ることができます。また、スマホに不審な挙動があれば、公式サポート窓口に問い合わせて、適切な対応を受けることができます。
セキュリティアドバイザーの推奨情報とコミュニティ
セキュリティ専門家や企業のブログ、動画チャンネルで最新のウイルス対策情報を学び、信頼できるアドバイザーの情報をチェックしましょう。また、セキュリティフォーラムやコミュニティに参加すれば、他のユーザーのアドバイスを参考にできます。
アプリの評価とレビュー
アプリをインストール前に、Google PlayやApp Storeで評価やレビューを確認しましょう。不審なレビューや不自然に高い評価には警戒が必要です。また、評価数やコメントが少ないアプリも注意が必要です。
スマホのウイルスが疑われる場合の対処法
スマホがウイルスに感染したり、不正アクセスが疑われる場合は、迅速に対処することが重要です。感染を拡大させないために、まずは基本的な対処方法を実行し、安心できる環境を整えることが必要です。
以下は、ウイルス感染が疑われる場合の主な対処法です。
パスワードやアカウント設定を確認する
スマホに保存されているアカウント情報やパスワードは、ウイルス感染や不正アクセスのリスクを避けるために非常に重要です。感染が疑われる場合は、以下の手順を実行しましょう。
パスワードの変更
重要なアカウント(オンラインバンキングやSNS)のパスワードを速やかに変更しましょう。漏洩の可能性がある場合、迅速な対応が求められます。
二段階認証の設定
重要なアカウントには、二段階認証(2FA)を設定することで、不正アクセスを防ぐことができます。パスワードだけではなく、追加の認証手段を必要とすることで、セキュリティを大幅に強化できます。
ログイン履歴の確認
SNSやオンラインバンキングのアプリで、不審なログイン履歴がないかを確認し、不正なアクセスを発見した場合は、速やかにパスワード変更やアカウントのロックを行いましょう。
システムとデバイスの確認
スマホのセキュリティを守るためには、システム更新やデバイスの状態確認が重要です。ウイルスやマルウェアは古いシステムを悪用して感染することがあるため、以下の手順を実施しましょう。
システムを更新する
スマホやアプリの最新バージョンにアップデートすることで、セキュリティパッチが適用され、ウイルスや不正アクセスを防止できます。定期的にアップデートを確認し、最新版をインストールしておくことが重要です。
スマホを初期化する
ウイルス感染が疑われる場合、スマホを初期化することでデータを消去し、マルウェアやウイルスを完全に除去できます。ただし、初期化を行う前に、重要なデータはバックアップを取るようにしましょう。
専門な業者に相談する
ウイルス感染が疑われる場合、自分で対応するのが不安な場合や正確な判断が難しい場合は、専門家に相談することをおすすめします。アプリの削除や早急な初期化を行う前に、専門的な知識を持つ業者に相談し、最適な対応を取ることが重要です。
感染した可能性が高い場合でも、慎重に確認と調査を行い、適切な対策を講じることで、二次被害を防ぐことができます。
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まとめ
今回はスマホのウイルス検査方法について解説しました。スマホは便利ですが、ウイルス感染のリスクも高く、感染が疑われる場合は、まず自分で確認し、不安があればセキュリティソフトや専門業者に相談することをおすすめします。
個人情報や金融情報を扱う機会が増える中、ウイルス攻撃も巧妙化しているため、早期対応が重要です。