【RAID10とは?】仕組みから故障原因、障害時の復旧方法まで徹底解説|サイバーセキュリティ.com

【RAID10とは?】仕組みから故障原因、障害時の復旧方法まで徹底解説

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RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)とは「複数のHDDを組み合わせて1つのHDDのように扱う技術」で大容量のデータを安全かつ高速に利用できます。

今回は、RAID10と呼ばれるRAIDレベルの概要や、障害原因・復旧方法などを徹底解説します。

RAID10とは?

RAID10(1+0)とは「RAID0」と「RAID1」を組み合わせたRAIDレベルです。

上記のRAIDレベルを以下に説明します。

通称 概要
RAID0 ストライピング 2台以上のHDDに「データを分割」して別々に書き込み、同じ時間で2倍のデータ量を扱えるようにしたRAID方式のことです。これは全RAIDレベルで最も高速ですが、データの消失を防ぐような仕組みが全く設けられていません。
RAID1 ミラーリング 2台以上のHDDに「全く同じデータを書き込む」ことで、耐障害性を強化(冗長化)したRAID方式のことです。ただし、複数のHDDに全く同じデータが書き込むため、データの書き込みに2倍の時間が掛かります。

以上のように、RAID0とRAID1はそれぞれ異なるメリット・デメリットを持っています。

そこで「RAID10」では両方のRAIDレベルを組み合わせることで高速化と耐障害性を確保でき、安定したデータ運用が行えます。これがRAID10最大のメリットです

しかしRAID10にもデメリットがあり「最低4本のHDDが必要のため導入費用が高いこと」「使用できるディスク容量は全体の半分=利用効率が低いこと」があげられます。

ミラーリング構成にストライピングを掛け合わせたRAID10構成のイメージ

RAID10の故障原因

耐障害性を確保したRAID10とはいえ安心しきってはいけません。

RAID10の主な故障原因を5つご紹介いたします。

HDD(ハードディスク)の故障

RAID10を構成するHDDは非常に精密な構造をしており、経年劣化や物理的衝撃などで非常に壊れやすいとされています。

特に耐障害性があるRAID10では安全性を過信しやすく、他にバックアップを取っていなかった場合、複数のミラーHDDが故障すると、データが完全消失する恐れがあります。

なお、HDDの障害は大きく分けて「論理障害」「物理障害」の2つがあります。

どちらの障害でも「HDDが認識されない」など同様の症状が発生するケースがあり、障害状況を自己判断するのは大きなリスクを伴います。誤った対応方法をとると、最悪の場合HDDがクラッシュするなど障害を悪化させる恐れがあります。

RAID10から確実にデータを取り出すには、RAID機器の障害状況を正確に見極め「物理障害」「論理障害」両方の復旧に対応しているデータ復旧の専門業者に相談するのが最善の方法だといえるでしょう。

ディスクの取り外しによる不具合

RAID10を構成しているHDDは整合性を維持するため、設置する順番が決まっています。

そのためHDDの取り外しや設置の際に、順番を入れ替えてしまうと、データの整合性が乱れ、RAID崩壊が発生するケースがあります。

リビルドによる不具合

RAID10では破損した1台のHDDを新しいHDDと交換し、リビルド(再構築)を行うことで破損前の状態にまで回復することが可能です。

しかしリビルドは、HDDにかける負荷も大きく、リビルドに失敗するとデータが失われることがあります。

管理画面での操作ミス

RAIDの管理画面での操作ミス(RAIDレベルの誤った変更やHDDの初期化など)もRAID崩壊を起こす原因になります。

このような状態でHDDで作業を続けたり、ファイルのコピーを行うと、データが上書きされてしまう恐れがあります。

RAIDコントローラの故障

RAID10では最低3台のRAIDコントローラ(複数のHDDをまとめる装置)が必要のため、RAID0やRAID1と比べてもRAIDコントローラの故障確率が高くなります。

もしRAIDコントローラが故障するとRAIDの構成情報が損傷してしまい、HDDを認識できなくなってしまいます。

RAID10を運用・復旧する際の注意点

RAID10の運用では通常時・異常時を問わず、以下の4点に注意してください。

HDDの順番を入れ替えるのはNG

RAID10を構築しているHDDが1台故障した場合、故障したHDDを取り外して新しいHDDに交換すると元通りに使用できます。

しかしHDD交換時に誤った順番でHDDを入れ替えると、RAID10で管理しているデータの規則性が乱れてしまい、データが破損してしまいます。

HDDを取り外し、単体で電源を入れるのはNG

RAID10を構築している1台のHDDを取り出し、単体で電源を入れてもデータを読み取ることはできません。

仮に単体で電源を入れた場合、パソコンから「フォーマットしますか?」などのメッセージが表示されることがあります。そのようなメッセージに従ってフォーマットすると、データは失われてしまい読み取ることができなくなります。

また単体で通電することで、そのHDDに別のデータが上書きされることもあり、RAID10を構成するHDDとして使えなくなることもあります。

RAIDカードの交換はNG

RAIDカードの故障時に、新しいRAIDカードに交換する際には注意が必要です。なぜなら、RAIDカードには特殊なものが多いため、もし、互換性のないRAIDカードに交換してしまうと、HDDに不具合がなくても、データの読み取りができなくなる恐れがあります。

またHDD内部に別の障害が併発している場合、たとえRAIDカードが一致していてもデータを見ることは出来ません。

リビルド・データの再構築はNG

RAIDのリビルドとは、RAID構成のHDDが1台破損した際に、残りのHDDからデータを再構築する作業のことです。

しかしRAID10を構築している複数のHDDは同時期に製造された「消耗品」です。そのため他のHDDもリビルドによる負荷を受けやすく、障害が起きていない別のHDDが故障したり、データの再構成に失敗したりしてリビルド前より状態が悪化する恐れがあります。

RAID10の復旧方法

RAID10を復旧するには「データ復旧ソフト」か「復旧サービス業者」のいずれかを選択して利用する必要があります。

データ復旧ソフトを利用する

データ復旧ソフトはファイルシステムの破損などHDDの論理的な障害を修復し、データを復旧させるものです。メリットとして「個人で手軽に行える」「比較的費用が安く済む」などの点が挙げられます。

逆に、デメリットとしては「物理障害には対応できない」「専門業者に依頼するよりも復旧率が低い」「障害を悪化させる可能性がある」という点が挙げられます。手軽に利用できる反面、リスクも大きい方法といえるため、データの重要度が低い場合をのぞきデータ復旧ソフトの使用は推奨できません。

復旧サービス業者を利用する

復旧サービス業者は、故障で読み込めなくなったHDDなどに記録されていたデータの復旧を専門としているサービス業者のことです。

メリットとして「物理障害にも対応可能」「復旧ソフトを購入し、作業する手間が省ける」「復旧ソフトよりもデータ復旧率が高い」などの点が挙げられます。

デメリットとしては「自分で復旧する場合と比べて費用が高くなる可能性がある」ことがあげられますが、重要なデータの場合は、専門家であるデータ復旧業者に任せるのが最も最善の方法であるといえるでしょう。自力で復旧を試みるより高確率でのデータ復旧が可能です。

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まとめ

RAID10の障害原因と復旧する際の注意点などについて紹介しました。

RAID10は耐障害性に優れ、信頼できるRAIDレベルですが、ペアのミラーHDDが複数故障するまで稼働し続けることが出来るため、致命的な障害が起こるまで「障害が起こっていた」こと自体に気づきにくい場合があります。障害の発生に気づいたときは自己判断せず、データ復旧の専門家にまず相談しましょう。

なお、自己判断でリビルドを行ったり、HDDを交換したりすると、RAID構成が壊れ、取り返しのつかないことに繋がりかねません。

データを失わないためにも「RAID10でも定期的なバックアップが必要である」ことを常に考慮しておきましょう。

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