
RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)とは「複数のHDDを組み合わせて1つのHDDのように使うことで、大容量のデータを安全かつ高速に利用できる技術」のことです。
今回は、RAID0に障害が起きる原因や適切な対処法などを徹底解説していきます。
RAID0とは?
RAID0(通称:ストライピング)とは、分割したデータを2台以上のHDDに別々に書き込み、同じ時間で2倍のデータ量を扱えるようにしたRAID方式のことです。
RAID0のメリット
作業を複数台のHDDに分けて行うため、どのRAIDレベルよりも高速に読み書きを行うことができます。
また、HDDの本数を増やせば増やすほど、より高速にデータを処理することができます。
RAID0のデメリット
データの消失を防ぐような仕組みが全く設けられておらず、耐障害性(冗長性)が全く見込めません。たとえ1本でもHDDに異常が発生してしまうと、全てのデータを取り出せなくなってしまいます。
なお、RAID 0の「0」は、他のRAIDレベルと違って「冗長性がない」ことを強調するために付けられました。
RAID0が崩壊・起動しない原因
RAID0が崩壊あるいは起動しない6つの原因を以下に紹介します。
HDDの寿命
RAID0を構成しているHDDの寿命は3~5年程度と言われており、とくにパソコンの起動中、HDDはフル稼働しているため、パソコンの他のパーツと比較してもHDDは非常に壊れやすく、もし1本でもHDDに異常が発生すると全てのデータが取り出せなくなってしまいます。
暑さによるHDDの故障
HDDを高温の環境で稼働させることも故障の原因となります。とくに夏場の冷房が効いていない室内ではHDDが故障し、RAID崩壊が発生する恐れがあります。ちなみにパソコン内部に埃が積もると、冷却がうまく働かず、故障のリスクを高めてしまいます。
埃などによるHDDの損傷
HDD周りの埃も故障の原因となります。HDDに限らずパソコンのパーツは精密機械であるため、パーツ内部に埃が積もったり、侵入したりすることで、故障の原因となってしまいます。
リビルドによる不具合
リビルド(再構築)はHDD内のデータを再構成する際に有用ですが、HDDにかける負荷も大きく、リビルドに失敗すると、データは失われ、RAID崩壊する恐れがあります。
管理画面での操作ミス
RAIDの管理画面での操作ミスもRAID崩壊の原因となります。例えば、RAIDの種類の誤った変更や、HDDを初期化などの誤操作によってRAID崩壊を起こすケースです。
HDDの取り外しによる不具合
不具合が発生したHDDを取り外して確認した後、誤った箇所にHDDを戻してしまうことでRAID崩壊が発生するケースがあります。
RAID0を復旧する際の注意点
RAID0などによりアクセスができなくなった場合、さまざまな修復方法がありますが、特に、以下の4つの点に注意してください。
リビルド・データの再構築はNG
RAIDを構築している複数のHDDは同時期に製造されたものであるため、もしリビルド中に別のHDDが故障すると、リビルド前より状態が悪化する恐れがあります。
とくにRAID0は冗長性が一切ないため、リビルドに失敗すると全てのデータが消失するリスクがあるため、出来る限りリビルドは避けましょう。
HDDの順番入れ替え・交換はNG
RAID0では、複数台のHDDに分割されたデータが、規則的に保存される仕組みです。
しかし、HDDの順番を間違えて交換すると、本来は保存されるべきでないところにデータが保存されてデータの規則性が乱れてしまい、データが破損、あるいは上書きされてしまうリスクがあります。HDDの入れ替えや交換は出来る限り避けましょう。
HDDを取り外し単体で電源を入れるのはNG
RAIDを構築している1台のHDDを取り出し、単体で電源を入れてもデータを読み取ることはできません。それどころか、HDDに別のデータが上書きされることもあり、RAIDを構成するHDDとして使えなくなることもあります。
また、パソコンから「フォーマットしますか?」などのメッセージが表示されることもあり、もしフォーマットすると、HDDのデータは失われ、再度RAIDに接続してもデータを読み取ることができなくなります。
RAIDカードの交換はNG
RAIDカードの故障時に、新しいRAIDカードに交換する際は注意が必要です。なぜなら、RAIDカードには特殊なものが多いため、もし、互換性のないRAIDカードに交換してしまうと、HDDに不具合がなくても、データの読み取りができなくなる恐れがあります。
ちなみに、HDD内部に別の障害が併発している場合、たとえRAIDカードが一致していてもデータを見ることは出来ません。
RAID0の復旧方法
RAID0を復旧するには「データ復旧ソフト」か「復旧サービス業者」のいずれかを選択して利用する必要があります。
データ復旧ソフトを利用する
データ復旧ソフトは破損したファイルシステムなどを修復し、データを復元させるものです。メリットとして、「個人で手軽に行える」「比較的費用が安く済む」などの点が挙げられます。
逆に、デメリットとしては「物理障害が発生している場合は対応できない」「専門業者に依頼するよりも復旧率が低い」「障害を悪化させる可能性がある」という点が挙げられます。手軽に利用できる反面、リスクも大きい方法といえるため、データの重要性が低い場合は、データ復旧ソフトを試してみてもよいかもしれません。
復旧サービス業者を利用する
復旧サービス業者は、故障やファイルシステムの破損などによって読み込めなくなったHDDなどに記録されていたデータの復旧を専門としているサービス業者のことです。
メリットとして「物理障害が発生していても対応可能」「ソフトを購入し、作業する手間が省ける」「復旧ソフトよりもデータ復旧率が高い」などの点が挙げられます。
逆に、デメリットとしては「自分で復旧する場合と比べて費用が高くなる可能性がある」ことがあげられますが、重要なデータの場合は、専門家であるデータ復旧業者に任せるのが最善の方法だといえるでしょう。
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まとめ
ここまでRAID0の障害原因と復旧する際の注意点などについて紹介しました。
RAID0は容量を余すことなく使え、全RAIDレベルでも最も高速で使えるという魅力的なRAIDですが、冗長性のないRAID0は、その分データ復旧の難易度も高く、自力で復旧を試みると、状態が悪化する恐れは非常に高いものとなります。
RAID構築の際には「定期的なバックアップが必要である」ということを常に考慮しておきましょう。
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