LINEには、トークルームの参加者以外にメッセージの内容が分からないよう暗号化する「Letter Sealing(レターシーリング)」が導入されています。そのため、通常の通信を第三者が途中で傍受し、トーク内容を簡単に読み取ることは困難です。
ただし、スマートフォンを直接操作された、不審なアプリをインストールされた、LINEアカウントへ不正ログインされたといった場合は、端末の画面や保存データを通じてトーク内容を見られる可能性があります。
LINEの盗聴が疑われる場合は、通信の傍受だけでなく、端末の覗き見、不正なアプリ、アカウントの不正利用などを分けて確認することが重要です。
この記事では、LINEの内容を第三者に見られる主な手口、確認方法、被害を防ぐための対策について解説します。
LINEが盗聴される主な手口
LINEのトークの内容や保存していた写真などを盗聴・盗撮する手口は以下の通りです。
スマートフォンを直接操作・監視される
第三者にスマートフォンを直接操作されたり、監視アプリや悪意のあるプログラムを秘密裏にインストールされたりすると、LINEのトーク内容を見られる可能性があります。
監視アプリやキーロガーなどに与えられた権限によっては、入力内容、画面表示、通知、通話記録、位置情報、写真などが取得され、外部へ送信されるおそれがあります。また、画面を撮影・録画したり、トーク履歴をファイルとして送信した後に履歴を削除したりする手口も考えられます。
被害がLINEだけにとどまらず、他のアカウントのパスワードやクレジットカード情報が漏洩し、アカウントの乗っ取りや金銭被害につながる可能性もあります。
監視アプリが動作している場合、次のような変化が現れることがあります。
- バッテリーの消耗が急に早くなった
- データ通信料が大幅に増えた
- 端末の動作が遅くなった、または熱くなった
- 見覚えのないアプリや不自然な権限設定がある
ただし、これらはOSの更新やバッテリーの劣化などでも起こるため、症状だけで監視を断定することはできません。法的対応を検討している場合は、不審なアプリをすぐに削除せず、画面や設定を記録してから専門家へ相談してください。
>スマホが乗っ取られているか確認する方法や対処法について解説
>悪質アプリをインストールしてしまったら?リスクや対処法を解説
LINEアカウントへ不正ログインされる
LINEに登録しているメールアドレスやパスワード、認証番号などが第三者に知られると、パソコンやタブレット、LINE関連サービスなどからアカウントを不正利用される可能性があります。
不正ログインされると、トーク内容や友だちの情報を見られるだけでなく、本人になりすましてメッセージを送信されるおそれがあります。知人への詐欺メッセージの送信や、同じパスワードを使用している他のサービスへの不正アクセスに被害が広がることもあります。
次のような状況がある場合は、不正ログインを疑う必要があります。
- 「ログイン中の端末」に見覚えのない端末がある
- 操作していない時間にログイン通知が届いた
- 身に覚えのないメッセージが送信されている
- パスワードや登録情報が変更されている
- 知人から不審なメッセージについて連絡を受けた
見覚えのない端末がある場合は、その端末をログアウトさせ、LINEのパスワードを変更してください。他のサービスでも同じパスワードを使っている場合は、それらのパスワードも変更する必要があります。
パスワードや認証情報をだまし取られる
友人や家族、企業などになりすまし、LINEのパスワード、電話番号、認証番号などを聞き出す手口があります。このように、人間の心理や社会的な関係を利用して情報を盗む方法をソーシャルエンジニアリングといいます。
代表的な手口は次のとおりです。
- 知人になりすましてアカウント情報を聞き出す
- 緊急の状況を装い、認証番号を教えさせる
- 景品や特典を提示して個人情報を入力させる
- LINEや企業を装った偽サイトへ誘導する
- スマートフォンの通知や画面を覗き見る
偽のログイン画面に入力した情報は、不正ログインに悪用される可能性があります。LINEのパスワードや認証番号は第三者に伝えず、不審なURLも開かないようにしてください。
パスワードを変更しても不審な動作が続く場合や、第三者にトーク内容を見られている疑いがある場合は、端末の調査を検討しましょう。
LINEが盗聴されているか確認する方法
LINEが第三者に盗聴された可能性がある場合、迅速に対処することが重要です。
以下の方法を試し、問題が確認できた場合は早急に対応しましょう。
スマホのセキュリティチェックと不審なアプリの削除
LINEが盗聴されている場合、スマートフォンにキーロガーや監視アプリがインストールされている可能性があります。監視アプリを削除することで盗聴を停止できますが、高性能なアプリは気づかれにくいため、セキュリティツールを使うか、専門の業者に依頼することをおすすめします。
iPhoneやAndroidには基本的なセキュリティ機能が搭載されていますが、さらに強化するには信頼できる企業が提供するファイアウォールやアンチウイルスソフトの導入が効果的です。セキュリティアプリは必ず公式ストアからダウンロードし、信頼性を確認することが重要です。
iPhoneの不審なアプリを確認・削除する方法
iPhoneに不審なアプリがインストールされている場合、個人情報漏洩やデバイスへの影響を避けるため、早急に確認し削除することが重要です。
以下の手順で、不審なアプリを確認し、削除できます。
- ホーム画面で見覚えのないアプリがインストールされていないかチェック
- ホーム画面にアプリがなければ、「設定」 > 「一般」 > 「iPhoneストレージ」の順で開く
- インストールされたアプリのリストから不審なアプリを確認
- ホーム画面から削除
- ホーム画面で削除したいアプリを長押し
- アプリアイコンの上に「×」マークをタップ
- 「削除」を選択し、アプリを削除
- 設定から削除
- 「設定」 > 「一般」 > 「iPhoneストレージ」を開く
- 削除したいアプリを選択し、「アプリを削除」をタップ
Androidの不審なアプリを確認・削除する方法
Androidデバイスに不審なアプリがインストールされていると、個人情報が漏洩する危険性やデバイスのパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。不審なアプリを早期に確認し、削除することは、デバイスの安全を守るために重要です。
以下の手順で、不審なアプリを確認して削除できます。
-
- ホーム画面やアプリ一覧をスクロールして、不審なアプリがないかチェック
- ホーム画面になければ「設定」 > 「アプリ」または「アプリと通知」 > 「アプリ情報」の順で開く。
- インストールされたアプリのリストから不審なアプリを確認
- ホーム画面から削除
- ホーム画面で削除したいアプリを長押し
- 表示されるオプションから「アンインストール」を選択
- 確認画面で「OK」をタップして、アプリを削除
- 設定から削除
- 「設定」 > 「アプリ」または「アプリと通知」 > 「アプリ情報」に進む
- 削除したいアプリを選択し、「アンインストール」をタップ
- 確認画面で「OK」をタップして、アプリを削除
LINEが不正ログインされたか確認する
自分のLINEやLINE関連サービスにログインしている端末(PCやiPad)を確認する手順は以下の通りです。
- LINEアカウントを登録したメイン端末でLINEを開く
- [ホーム]>右上の歯車マーク[設定]をタップ>[アカウント]をタップ
- [ログイン中の端末]をタップして、画面にてログインしている端末名やログインからの経過時間を確認できる
ログアウトしたい端末があれば「ログアウト」をタップ、すべての端末からログアウトするには「すべてのサービスからログアウトする」をタップします。
出典:LINEヘルプセンター
端末の動作確認
端末の異常動作には、盗聴や不正アクセスの兆候が含まれている可能性があります。
以下の症状が見られた場合は、注意が必要です。
- バッテリーの消耗が早い
バッテリーの消耗が早い場合、「設定」→「バッテリー」で使用状況を確認
急速に減る場合、監視アプリやマルウェアがバックグラウンドで動作している可能性がある
- データ通信量が急に増加した
「設定」→「モバイルデータ」または「データ使用量」を選択
普段と比べて異常にデータ使用量が増えている場合、情報が外部に送信されている可能性がある
- 端末が異常に熱くなる
「設定」→「バッテリー」や「デバイスの状態」で確認
高負荷なアプリやマルウェアが動作していると、端末が過熱する
- 背景音や反響音が通話中に聞こえる
通話中に異常な音が聞こえる場合、盗聴アプリが通話を傍受している可能性がある
パスワードの変更と二要素認証の設定
LINEが盗聴された、またはアカウントの乗っ取りが疑われる場合、直接的な被害がなくても、LINEのパスワードを変更し、二要素認証を設定しましょう。二要素認証を設定すると、パソコンやLINEアプリをインストールしていない端末からログインする際に認証番号の入力が求められ、セキュリティが強化されます。
LINEのパスワード設定と二要素認証の設定方法は以下の通りです。
- LINEアプリのホーム画面を開き、画面右上の「設定」をタップする
- 「アカウント」をタップし、「パスワード」をタップする
- 新しいパスワードを入力し、「変更」をタップするとパスワードを変更できる
- LINEのホーム画面を開き、「設定」をタップする
- 「アカウント」をタップする
- 「WEBログインの2要素認証」のボタンを右側にスライドする
LINEで通報する
LINEが第三者に盗聴され、アカウントの乗っ取り被害などが発生した場合、LINEのお問合せフォームに相談・通報すると、アカウントの調査が行われ、悪用されていた場合はアカウントの停止が行われます。
まだLINEアカウントにログインできる場合は以下の手順で通報しましょう。
- ホーム画面右上の「設定」から「ヘルプ」を選択する
- 「問い合わせ」をタップしてサポート窓口にアクセスする
- 不正ログインの日時やメッセージの内容、受けた被害の内容などを報告する
ただし、盗聴被害からLINE Payの不正利用など金銭被害に発展した場合は、警察やクレジットカード会社に相談しましょう。以下の記事にサイバー犯罪に遭った場合の相談窓口について解説しています。
端末のハッキング調査を行う
LINEの盗聴が疑われる場合、専門家によるハッキング調査を受けることをお勧めします。
一般的なセキュリティソフトや端末の初期化では対応できない高度なマルウェアやスパイウェアが使用されている可能性があり、バックグラウンドで動作して盗聴を行うことがあります。
フォレンジック調査とは、通信ログやデータを詳細に解析し、法的証拠として保全する方法です。専門家が行う調査では、サイバー攻撃の原因や侵入経路を特定し、適切な対策を講じます。調査結果は法的証拠として活用でき、警察への被害届や裁判での証拠として利用可能です。
LINEが盗聴されるのを防ぐ方法
LINEが盗聴された可能性がある場合、適切な対応やスマホの使い方の見直しで、盗聴を防止することが可能です。LINEが盗聴されるのを防ぐ方法は以下の通りです。
- 推測されにくい固有のパスワードを設定する
- 端末のセキュリティ強化と公式アプリの定期更新
- 公共Wi-Fiでは偽サイトや不審な接続先に注意する
- LINEにパスコードロックを設定する
- トーク履歴を削除する
- LINEの通知をオフにする
なお、既にLINEのアカウントが第三者に乗っ取られている場合や、乗っ取りによってアカウントにログインできなくなった場合は以下の記事を参考にしてください。
推測されにくい固有のパスワードを設定する
LINEのパスワードは、他のサービスで使用しているものを使い回さず、第三者に推測されにくいものを設定してください。
パスワードや認証情報が漏れた可能性がある場合や、身に覚えのないログインが確認された場合は、速やかに変更します。
また、パスワードや認証番号を、友人や家族を含む第三者へ伝えないことも重要です。
端末のセキュリティ強化と公式アプリの定期更新
端末のセキュリティを強化するためには、セキュリティアプリのインストールが効果的です。アプリのインストールは必ずGoogle PlayストアやApp Storeなどの公式ストアから行いましょう。
非公式のストアやサイトで配布されているアプリには、スパイウェアが含まれていることがあり、端末の個人情報やLINEの内容を第三者に送信したり、スマホの利用状況をリアルタイムで監視する危険があります。
公式ストアであれば、アプリが事前審査を受けるため、悪質なアプリをダウンロードするリスクが非常に低くなります。また、スマートフォンのOSやセキュリティソフトを最新の状態に保つことも、デバイスの安全性を保つために非常に重要です。
公共Wi-Fiの使用を控える
LINEのトークには暗号化技術が使用されているため、公共Wi-Fiへ接続しただけで、トーク内容が簡単に読み取られるわけではありません。
ただし、第三者が設置した偽のWi-Fiやフィッシングサイトを利用すると、ログイン情報を盗まれる可能性があります。
公共Wi-Fiを利用する場合は、接続先の名称を確認し、不審なログイン画面や警告が表示されたときは、パスワードや個人情報を入力しないでください。
LINEにパスコードロックを設定する
LINEのパスコードロックを設定すると、スマートフォンのロックが解除された状態でも、LINEアプリを開く際にパスコードや生体認証が求められます。
設定方法は次のとおりです。
- LINEの「ホーム」を開く
- 「設定」>「プライバシー管理」を選択する
- 「パスコードロック」をオンにする
- 使用するパスコードを2回入力する
端末で生体認証を設定している場合は、Face IDや指紋認証による解除も利用できます。
トーク履歴を削除する
定期的にLINEのトーク履歴を削除することで、万が一スマホが不正アクセスされた場合でも、過去のメッセージが閲覧されるリスクを減らせます。トーク履歴を削除する方法は以下の通りです。
- LINEアプリを開く
- 「トーク」を選択する
- 削除したいトークルームを選ぶ
- トークルームの右上にある「三本線メニュー」をタップする
- 「トーク履歴を削除」を選択し、確認画面で「削除」をタップする
LINEの通知をオフにする
LINEの文面をのぞき見されるのを防ぐには、LINEの通知設定をオフにして、スマホの待ち受け画面にトーク内容が表示されないようにすることも効果的です。LINEの通知をオフにする操作手順は以下の通りです。
- スマホの「設定」アプリを開きます
- 「通知」または「アプリと通知」を選択する
- 「LINE」を探して選択する
- 「通知を表示」をオフにする
なお、以上で紹介した対処法を行ってもLINEの盗聴被害が続いている場合、スマホからパスワードなどの情報が漏えいしている可能性があります。盗聴に使われる監視アプリの中には、スマホのホーム画面に表示されないものもあるため、専門家に端末を調査してもらうことが重要です。
専門家による調査を受けることで、盗聴による被害や手口、情報漏洩の有無を正確に把握し、適切な対策を講じることができます。
LINEが盗聴されているかもしれないと思ったらフォレンジック調査会社に相談
LINEが盗聴されているかもしれないと感じた場合、フォレンジック調査会社に相談することが非常に重要です。
フォレンジック調査会社では、犯罪や不正行為の証拠を収集・分析する「フォレンジック」と呼ばれる調査方法を用いています。通常スマートフォンやパソコンのデータを法的証拠とすることは困難ですが、電子端末の特にデジタル証拠を調べることが多いです。主に法的な目的で行われます。
専門家による調査を受けることで、スマホやパソコンに不正な監視アプリやスパイウェアがインストールされていないか、個人情報が漏洩していないかなど詳細に調べてもらえます。調査結果をもとに、問題の原因を正確に特定し、適切な対策を講じることができます。
早期に対処することで、被害を最小限に抑え、再発を防ぐことが可能です。
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まとめ
LINEが盗聴されると、パスワードが漏洩し、不正アクセスや金銭被害、ストーカー被害などに繋がる恐れがあります。盗聴されていると感じたら、まずパスワードを変更し、セキュリティスキャンを行って端末に異常がないか原因を特定することが重要です。
「LINEの内容が盗聴されているかわからない」「不審なアプリを削除しても被害が続く」といった場合は、迅速に専門家によるフォレンジック調査を受け、スマホやパソコンに監視アプリやスパイウェアがインストールされていないか、個人情報の漏洩がないかを詳細に調査し、原因を特定した上で適切な対策を講じることが推奨されます。







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