
ウイルス(マルウェア)にスマホが感染すると、パスワードやクレジットカード番号などが流出し、金銭被害に発展する恐れがあります。ウイルスはスマホの個人情報を抜き取りますが、多くの連絡先が入っているLINEにも感染するのでしょうか?あるいはLINEのアカウントが乗っ取られたり、不審な挙動が見られるのはウイルスが原因なのでしょうか?
本記事ではLINEによるウイルス感染や乗っ取り被害が発生した際の対処法と、セキュリティ対策について解説します。
目次
LINEでウイルスに感染することはほぼないが乗っ取り被害のリスクはある
結論から申し上げると、LINEの使用が原因でウイルスに感染することはほぼありません。LINEとスマートフォンはセキュリティがしっかりしているため、古いOSやアプリのバージョンを使い続けない限り、端末にウイルスがインストールされない仕組みになっています。
ただし、LINEのメッセージに貼られたURLをクリックすると、スマホ端末がウイルスに感染したり、フィッシング詐欺によって個人情報が盗まれ、LINEのアカウントが乗っ取られる可能性があります。このような場合は、フォレンジック調査会社に相談しましょう。
また、2023年11月に発生したLINEヤフーの情報漏洩事件では個人を特定できる情報は流出しませんでしたが、運営サーバーにウイルスが感染することで、個人情報が流出しLINEアカウントやスマホ端末が乗っ取られる可能性も考えられます。
出典:日経XTECH
LINEがウイルスに感染した場合の対処法
LINEがウイルスに感染した、またはアカウントの乗っ取り被害に遭った場合、以下の対処法が有効です。
- LINEのパスワードを変更する
- LINEからログアウトする
- LINEの「通報」機能で通報する
- セキュリティソフトでスマホをチェックする
- 不自然なログイン履歴や共有の要求がないか確認する
- 不審なアプリをアンインストールする
- ウイルス感染・ハッキング調査を受ける
LINEのパスワードを変更する
LINEのアカウントが乗っ取られた、またはアカウント情報が流出した疑いがある場合は、LINEアプリの設定からパスワードを変更しましょう。
パスワードの変更方法は以下の通りです。
- LINEのホーム画面右上にある歯車マーク(設定)をタップする
- 「設定」画面の「アカウント」をタップする
- 「アカウント」の「パスワード」をタップする
- 大文字・小文字、数字、記号のいずれか3種類を組み合わせた8文字以上のパスワードを入力する、
- 確認用のパスワードまで入力したら画面下の「変更」をタップする
LINEからログアウトする
見覚えがない端末から不正にログインされた場合、LINEからログアウトしてパスワードの変更を行いましょう。
LINEからログアウトする方法は以下の通りです。
- LINEのホーム画面右上の歯車マーク(設定)をタップする
- 「アカウント」をタップする
- 「アカウント」の画面が表示されたら「ログイン中の端末」をタップする
- ログイン中の端末の一覧がされたら見覚えのない端末を「ログアウト」する
- パスワードを変更する
LINEの「通報」機能で通報する
「アカウントがロックされたので、以下のURLにログインして解除の手助けをしてほしい」「他の端末LINEから電話番号による認証が要求されました」といったURL付きのメッセージは、悪質なフィッシングサイトに誘導することなどを目的とした詐欺です。このようなメッセージが送られる場合、LINEの通報機能で通報しましょう。
LINEで通報する方法は以下の通りです。
- トーク画面の右上の三本線をタップする
- 画面下の「設定」をタップする
- 「設定」画面下の「通報」をタップする
- 通報理由を選択して「同意して送信」をタップする
通報されたアカウントはLINEヤフーが調査を行い、利用規約に抵触していた場合は、アカウントが停止されます。通報が相手に知られることはありませんのでご安心ください。
セキュリティアプリでスマホをチェックする
事前にセキュリティアプリをスマホにインストールしていた場合は、アプリの指示に従ってウイルススキャンをかけると、スマホにウイルスが感染しているかチェックすることができます。
不自然なログイン履歴や共有の要求がないか確認する
スマホがウイルスに感染した場合、盗まれた個人情報を元に、不正ログインが行われている可能性があります。クレジットカードや銀行口座を登録したサイトを中心にログイン履歴を確認し、不正アクセスが行われていないか確認しましょう。また、有害なアプリをダウンロードしてしまった場合、設定の共有などを要求される可能性があります。設定の共有は端末がハッキングされる原因となるため、不自然な共有設定の要求には応じないようにしましょう。
不審なアプリをアンインストールする
スマホがウイルスに感染した場合、遠隔操作でアプリをインストールされる可能性があります。インストールした覚えのない不審なアプリを発見したら、アンインストールを行いましょう。アプリをアンインストールするには、iPhoneの場合はアプリを長押しし、右上の×マークを押しましょう。Androidの場合は設定アプリの「アプリと通知」をタップして表示されたアプリの一覧から不審なアプリを探し、アンインストールのボタンをタップしてください。
ウイルス感染・ハッキング調査を受ける
LINEのアカウントが乗っ取られた場合、アカウント情報やパスワードなどがどこからか流出してしまった可能性があります。可能性として、フィッシング詐欺やスマホのウイルス感染でハッキングされた可能性が考えられます。既に偽サイトなどにパスワードを入力してしまったり、ハッキングとみられる症状が発生しているのであれば、専門のウイルス感染調査やハッキング調査を受けると、情報漏洩の有無やウイルス感染の有無、ハッキングされた経路などを正確に把握し、適切な対処を行うことが可能です。
このような調査は「フォレンジック調査」と呼ばれ、電子端末のデジタルデータを解析して情報漏えいや不正アクセス、データ改ざんなど不正の痕跡を正確に特定する技術が用いられます。警察の捜査にも採用されている手法であり、民間の調査会社では、証拠として提出可能な報告書を作成してもらうことも可能です。
おすすめのフォレンジック調査会社
公式サイトデジタルデータフォレンジック
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デジタルデータフォレンジックは、累計3万9千件以上の豊富な相談実績を持ち、全国各地の警察・捜査機関からの相談実績も395件以上ある国内有数のフォレンジック調査サービスです。
24時間365日の相談窓口があり、緊急時でも安心です。相談から見積りまで無料で対応してくれるので、フォレンジック調査の依頼が初めてという方もまずは気軽に相談してみることをおすすめします。
スマホがウイルスに感染した場合の症状
スマホがウイルスに感染した場合、以下の症状が発生します。
動作が遅くなり、アプリが頻繁に落ちる
スマホに感染したウイルスは、バックグラウンドで個人情報の収集や外部との通信などを行います。ウイルスの動作中にユーザーがスマホを使用すると、スマホの処理能力を越えてしまい動作が遅くなったり、アプリが落ちることがあります。また、バッテリーの消耗も通常時より早くなるため、電源がすぐにおちる場合もあります。
データ通信量や通信料金が著しく増加している
直近でスマホの使用頻度が変わっていないのに、データ通信量と通信料金が増大している場合もハッキングされている可能性があります。
ウイルスの中には頻繁に犯人にスマホの個人情報を送る場合があります。この時ユーザーの通信回線が使用されるため、ウイルスによる通信もユーザーが負担する形になってしまいます。
スマホの動作が少しでもおかしいと感じたら、一度契約しているキャリアのアプリなどを確認し、データ通信量と今月の通信料金を確認しましょう。
カメラやマイクが勝手に動作する
ウイルスの中には遠隔操作によってスマホのカメラを起動させて、個人情報を入手するものもあります。AndroidやiPhoneでは、カメラやマイクが起動すると画面の端に緑やオレンジのランプが点灯します。操作していない時にカメラやマイクが作動していないか確認しましょう。
広告やポップアップが頻繁に表示される
「あなたのシステムは〇つのウイルスによってひどく損なわれています」などの警告文や、特定の広告がたびたび表示されたりする場合は、すぐにブラウザを閉じてキャッシュを削除しましょう。
紹介した警告文は詐欺に使われるもののため、実際のスマホはウイルスに感染していない場合がほとんどです。しかし、警告文や広告に従ってアプリのインストールやURLをクリックしてしまうとウイルス感染や個人情報流出のリスクが発生します。
スマホのウイルス感染の対策法
スマホのウイルス感染は以下の方法で対策することが可能です。LINEを利用したウイルス感染の手口の対策方法も紹介していますので、参考にしてください。
スマホのウイルス感染の対策法は以下の通りです。
- SMSやメールに添付されたURLやファイルを開かない
- LINEの友達追加設定を変更する
- スマホのOSやアプリのバージョンを最新にする
- フリーWi-Fiに接続しない
- セキュリティソフトを導入する
- 公式ストア以外からアプリをダウンロードしない
SMSやメールに添付されたURLやファイルを開かない
見知らぬ人からのSMSやLINEのトーク画面に添付されたURLやファイルは開かないようにしましょう。
多くの場合は個人情報を抜き取ったり、有害なアプリをダウンロードさせるためのフィッシング詐欺メールです。特にSMSの場合は有名企業を装う場合もあるので、URLや日本語がおかしいと感じたらすぐに画面を閉じて、メールの削除やLINEに通報を行いましょう。
LINEの友達追加設定を変更する
知らない人が勝手にLINEで友達登録されていた場合、LINEの「友だち自動追加」「IDによる友だち追加を許可」の設定になっている可能性があります。以下の手順で設定を解除しましょう。
友達の自動登録をオフにする方法
- ホーム画面右上の設定をタップし、「友だち」をタップ
- 「友達自動追加」「友達への追加を許可」のボタンを左にスライドして設定をオフにする
ID検索による友達の追加をオフにする方法
- ホーム画面右上の設定をタップし、「プロフィール」をタップ
- 「IDによる友だち追加を許可」のボタンを左にスライドして設定をオフにする
なお、見知らぬ人からのメッセージには返信せずにブロックや通報などで対応すれば問題ありません。
スマホのOSやアプリのバージョンを最新にする
古いスマートフォンのOSは最新のOSと比較してセキュリティが脆弱です。サイバー攻撃の中にはOSやアプリの脆弱性を狙う手口もあるため、古いOSを使用している場合はセキュリティが強化されている新しいOSにアップデートしましょう。これはアプリの場合も同様です。
フリーWi-Fiに接続しない
無料で利用できるフリーWi-Fiの中には通信が暗号化されないものがあり、「http」から始まるサイトであれば通信の内容をのぞき見できてしまいます。また、正規のフリーWi-Fiとそっくりに設定した偽のWi-Fiを設置して個人情報を盗む手口もあるため、安易にフリーWi-Fiに接続したり、フリーWi-Fiに接続した状態でパスワードの入力などは行わないようにしましょう。
セキュリティアプリを導入する
スマホのハッキングやウイルス感染を防ぐには、事前にセキュリティアプリを導入すると良いでしょう。導入の際はアプリの機能をしっかり確認しておくと、効果的にセキュリティを強化できます。
公式ストア以外からアプリをダウンロードしない
基本的にアプリはiPhoneであればApp Store、AndroidであればGoogle Playからダウンロードしましょう。公式ストアで販売されるアプリは事前に審査を受けているため、マルウェアがスマホにインストールされる確率は極めて低くなります。既に公式ストア以外のサイトや警告文の誘導に従ってアプリをダウンロードしてしまった場合は、個人情報が流出するリスクや端末がハッキングされる危険性があります。
利用しているスマートフォンに動作遅延や通信量の増加がみられる、またはLINEのアカウントなどが頻繁に不正アクセスされている場合は、フォレンジック調査で情報漏洩の有無や有害なアプリの有無などを詳細に調査してもらった方が、被害の再発防止につながります。
国内にフォレンジック調査会社は100社以上存在するとされますが、その中でも最短即日調査が可能で、39,451件以上の相談実績のある調査会社がデジタルデータフォレンジックです。
まとめ
LINEを使用してスマホがウイルスに感染する可能性は極めて低いです。しかし、スマホのウイルス感染やハッキング、フィッシング詐欺などを通じてパスワードなどが流出すると、LINEのアカウント乗っ取りや金銭被害に発展する可能性があります。不正アクセスの被害に遭った場合はスマホのフォレンジック調査を行い、ウイルス感染やハッキングの被害などについて詳細に調べ、再発防止に努めましょう。