パソコンに突然ウイルス感染したらどんな被害が発生するのか不安になります。巧妙化していく攻撃手法に対抗するためにも、ウイルス感染した時の被害や症状、発見する方法を理解を深める必要があります。コンピュータにウイルスが感染すると被害が大きくなるので、的確な対応をしなければいけません。
本記事では、パソコンに影響を及ぼすウイルスはどんなものがあるのか、感染した場合にどんな対処法をすればいいのか徹底解説します。
この機会にウイルスに対する知識を手に入れセキュリティ対策に役立ててください。
目次
コンピューターウイルスとは?3つの基本機能と動作の仕組みを解説
パソコンがウイルスに感染すると、データの破壊・情報漏洩・業務停止などの深刻な被害が発生する可能性があります。
最近では攻撃手法も巧妙化しており、「ウイルス=単純な迷惑ソフト」ではなくなっています。
まずは、ウイルスとマルウェアとの定義と違いといった基本的な概念から確認しておきましょう。
ウイルスの定義と目的
コンピューターウイルスとは、他のプログラムやファイルに寄生しながら拡散・破壊・情報搾取などを行う不正プログラムの一種です。
経済産業省による定義では、以下の3つの機能のいずれかを持つプログラムが「コンピューターウイルス」とされます。「マルウェア(malware)」ととよばれる悪意あるソフトウェアの一つです。
| 機能分類 | 概要 |
|---|---|
| 自己伝染機能 | 他のファイルやシステムに自身を複製・拡散する |
| 潜伏機能 | 感染後すぐには活動せず、一定期間または条件で発動する |
| 発病機能 | ファイル破壊や情報漏洩などの攻撃行為を実行する |
ウイルスの自己伝染・潜伏・発病などの基本機能
多くのコンピューターウイルスは、以下の3段階のプロセスを持って動作します。
この仕組みを知ることで、感染に気付きにくい理由や被害が拡大する要因を理解できます。
自己伝染機能
自己伝染機能とは、ウイルスが自動的に自身のコピーを作成し、他のファイルやシステムに感染を広げる能力です。この機能により、ウイルスは単独で複数のシステムやネットワークに感染を拡大します。自己伝染は主に次のような手法で行われます。
- 実行ファイルにウイルスコードを埋め込み感染
- メール添付ファイルやUSBから他の端末へ拡散
- ネットワーク共有フォルダ経由での感染拡大
潜伏機能
感染してもすぐに動かず、一定の条件や時期まで活動を抑える機能です。
- 特定の日付・操作がトリガーとなり発動
- 表面的には正常に見えるため、感染に気づきにくい
- セキュリティソフトの検出を回避しやすい
発病機能
発病機能とは、ウイルスが潜伏期間を終え、その目的を果たすための活動を始める段階を指します。この段階で、ウイルスは攻撃者が意図した被害を引き起こします。発病の形態はさまざまですが、以下が代表的な例です。
| 発病の主な例 | 内容 |
|---|---|
| データ破壊 | ファイル削除・改ざんにより業務停止・情報喪失 |
| 情報漏洩 | パスワードや個人情報を外部に送信 |
| システム停止 | 起動不能・ネットワーク遮断など |
| 金銭要求 | ランサムウェアによる暗号化・身代金請求 |
ウイルス感染の主な原因と経路
パソコンがウイルスに感染する原因は多岐にわたります。特に、ユーザーの不注意や知識不足に起因するケースが多く、日常の操作の中に感染リスクが潜んでいます。ここでは、代表的な感染経路とその特徴を解説します。
- メール添付ファイル・リンクのクリック
- フィッシングサイト・偽ソフト
- USBメモリや外部デバイス
- OSやソフトのアップデート未実施
メール添付ファイル・リンクのクリック
最も一般的な感染経路の一つが、メールを介した攻撃です。特に、不審なメールに添付されたファイルや、本文中に記載されたURLリンクのクリックは、高い感染リスクを伴います。
- 添付ファイル:zipファイル、WordやExcelのマクロ付きファイル(.docm/.xlsm)にウイルスが仕込まれる
- 偽装リンク:正規のサービスを装った偽サイトへの誘導により、マルウェアがダウンロードされる
特に標的型攻撃(スピアフィッシング)では、実在の取引先や社内の人物を装った巧妙な文面が使われ、感染が発生しやすくなっています。
フィッシングサイト・偽ソフト
偽のウェブサイトやソフトウェアも、ウイルス感染の大きな原因です。ユーザーを騙して悪意あるプログラムをインストールさせる「ソーシャルエンジニアリング型」の攻撃です。
- 偽セキュリティソフト:ウイルス感染を警告し、駆除のためとしてマルウェアをインストールさせる
- フィッシングサイト:実在するECサイトや銀行のログイン画面を模倣し、情報を盗み取る
これらのサイトはURLやデザインが精巧で、一見して見分けがつかないため、非常に危険です。
USBメモリや外部デバイス
オフラインでも感染リスクは存在します。USBメモリや外付けHDD、SDカードなどの外部記憶媒体を介して、ウイルスが持ち込まれることがあります。
- 自動実行ファイル(autorun.inf)を悪用して、挿入と同時に感染
- 学校・職場・取引先など、不特定多数が使用する端末間で感染が拡大
セキュリティソフトが未導入の端末では、感染に気付かず被害が広がることもあります。
OSやソフトのアップデート未実施
脆弱性(セキュリティホール)を放置していることも、大きな感染リスクとなります。
- OSやアプリの古いバージョンには、既知の脆弱性が多数存在
- 攻撃者はこれらの脆弱性を突いて、自動的にマルウェアを送り込む
特に、サポートが終了したOS(例:Windows 7など)や、更新を怠ったブラウザ・PDFリーダーなどは標的にされやすいです。
ウイルス(マルウェア)の種類と特徴
マルウェアにはさまざまなタイプがあり、その中でもパソコンに深刻な被害をもたらすウイルス系マルウェアには、いくつかの明確な分類があります。
ここでは、感染手口・被害内容・対策の観点で5つの主要ウイルスを比較解説し、それぞれの危険性と対処ポイントを明らかにします。
【比較表】主なウイルスの特徴とリスク比較
| 種類 | 主な感染経路 | 被害内容 | 対策の方向性 |
|---|---|---|---|
| コンピュータウイルス | 実行ファイル/マクロ付き文書 | ファイル破損・自己複製 | 添付ファイル・実行ファイルの取扱に注意 |
| ワーム | ネットワーク・USB | 拡散・システム遅延 | OS/ソフトの脆弱性対策 |
| トロイの木馬 | フリーソフト・偽装ソフト | バックドア・遠隔操作 | 出所不明のアプリを使用しない |
| スパイウェア/キーロガー | 広告ソフト・偽サイト | 情報漏洩・ID盗難 | セキュリティソフト常駐+定期スキャン |
| ランサムウェア | メール・RDP・VPNの脆弱性 | 暗号化+金銭要求 | バックアップ+入口対策+初動対応 |
コンピュータウイルスの特徴と感染事例
コンピュータウイルスは、他の実行ファイルや文書ファイルに“寄生”して動作するマルウェアで、ファイルを開いたタイミングで自己複製し、他のファイルやシステムに感染を拡大させる性質を持ちます。
感染の多くは 「.exe」や 「.docm」(マクロ付きWord)など、ユーザーが実行・開封するファイルを通じて発生します。
特にマクロウイルスは「文書を開いただけ」で感染することもあり、業務ファイルに紛れた状態で社内に広がるケースが多発しています。
コンピュータウイルスによって想定される被害は以下の通りです。
- ファイル破損、システム起動不能
- 業務PCの初期化が必要になり、復旧コストが発生
- 感染ファイルを社外に送信してしまい、二次被害につながるケースも
基本的な対策は以下の通りです。
- 信頼できないファイルは開かない
- Microsoft Office のマクロ機能を既定で無効化
- セキュリティソフトによるリアルタイムスキャンを有効に保つ
ワームの特徴と感染事例
ワームは、ウイルスと異なり他のプログラムに寄生することなく、単独で自己増殖しながらネットワーク経由で感染を広げるマルウェアです。
企業や組織のLANなどに侵入すると、自動的にネットワーク上の他端末にも感染し、短時間で全体に被害を拡大させます。USBメモリなどの物理メディアを介してオフライン環境でも感染を広げることがあります。
想定される被害は以下の通りです。
- 社内ネットワーク全体が感染し、業務システムが停止
- サーバーのリソースを消費し、処理遅延やダウンを引き起こす
- 社外への拡散により、取引先や顧客への二次被害につながる
基本的な対策は以下の通りです。
- OSやソフトウェアの脆弱性を修正するパッチを速やかに適用
- USBポートの利用制限と端末の持ち出し管理
- ネットワーク分離(業務系と管理系)とアクセス制限の徹底
トロイの木馬の特徴と感染事例
トロイの木馬は、無害に見えるファイルやアプリケーションに偽装して侵入し、ユーザーの手によって実行されることで発動するマルウェアです。その名の通り、外見と内面が異なる“偽装型”の手口が特徴です。
一度実行されると、システム内にバックドアを設置し、攻撃者がリモートで操作できるようになります。情報窃取やスパイ行為、他のマルウェアの導入にも悪用されます。
想定される被害は以下の通りです。
- 顧客情報や業務データが外部に送信される
- 社内ネットワークに不正アクセスされ、他端末に感染
- 改ざんされたファイルの共有による社外漏洩リスク
基本的な対策は以下の通りです。
- ソフトの入手元(公式/信頼済みベンダー)を常に確認
- インストール後に不要なプロセスや通信を監視
- エンドポイントでの振る舞い検知機能を導入
スパイウェア・キーロガーの特徴と感染事例
スパイウェアやキーロガーは、ユーザーに気付かれないように動作し、パソコン上の入力情報や操作履歴を記録・送信することを目的としたマルウェアです。セキュリティソフトのすり抜けやバックグラウンドでの常駐が特徴で、発見・除去が遅れるほど被害が拡大します。
スパイウェアはユーザーの閲覧履歴やID情報、キーロガーはキーボード入力をそのまま記録して外部に送信します。これらは個人・法人問わず、金銭的・信用的被害を引き起こします。
想定される被害は以下の通りです。
- クレジットカード情報やログインID・パスワードの漏洩
- 社内システムの管理者権限が外部に渡る
- 情報流出による個人・法人クレームや法的リスク
基本的な対策は以下の通りです。
- 定期的なセキュリティスキャンと異常プロセスの監視
- ブラウザ拡張機能の定期点検・不要な削除
- 不審な挙動を早期に可視化する振る舞い監視ソフトの活用
ランサムウェアの脅威と初動の重要性
ランサムウェアは、パソコンやサーバー内の重要ファイルを暗号化し、復号と引き換えに金銭を要求する「人質型」マルウェアです。業務継続に不可欠なデータが突然使えなくなり、被害は金銭面だけでなく信用や顧客対応にも波及します。
感染経路は、メール添付ファイル、VPNの脆弱性、リモートデスクトップ(RDP)の不正アクセスなど多岐にわたります。特に中小企業ではバックアップ体制が弱いため、被害が深刻化しやすい傾向があります。
想定される被害は以下の通りです。
- ファイルの完全暗号化により業務が停止
- 復旧に数日〜数週間を要し、顧客対応が困難に
- 仮想通貨による数十万〜数百万円の身代金要求
基本的な対策は以下の通りです。
- 定期的なオフラインバックアップの取得
- VPN・RDPの利用制限とアクセス監視の強化
- 感染時の初動対応マニュアルを社内で整備
パソコンがウイルス感染した時の症状
パソコンがウイルスに感染すると、さまざまな症状が現れます。それぞれの症状について詳しく解説します。
- パソコンの起動が遅くなる、フリーズする
- 勝手にポップアップや広告が表示される
- メールやファイルが勝手に送信される
- 知らないソフトが起動・インストールされている
- データが暗号化された/金銭要求される
- セキュリティソフトが無効になる
パソコンの起動が遅くなる、フリーズする
パソコンのウイルス感染の初期症状として多く報告されるのが、「パソコンの起動が極端に遅くなる」「作業中に突然フリーズする」といった動作不良です。
原因としては、マルウェアがバックグラウンドで常に動作しており、CPUやメモリを占有していることが挙げられます。
特にワーム型やトロイの木馬型のマルウェアでは、ファイルのスキャンや外部送信を繰り返すため、ユーザーが何もしていないのに動作が重い状態が続くことがあります。
また、感染が進行するとOSの起動ファイルやシステムレジストリに影響を与え、起動不能・ブルースクリーンになるケースも確認されています。
このような症状に気づいた場合は、まずネットワークから切断し、セキュリティソフトでのフルスキャンを行うことが推奨されます。
勝手にポップアップや広告が表示される
パソコンがウイルスに感染後、ポップアップ広告や不審なキャンペーンページが頻繁に表示されるようになるのは、アドウェア(広告型マルウェア)感染の代表的な症状です。これらは実際にはセキュリティリスクが高く、クリックするとさらなるマルウェアのインストールや、詐欺ページへの誘導につながることがあります。
- ブラウザを開いていないのに広告が表示される
- デスクトップ上に「セキュリティ警告」や「パソコンが危険です」といった偽メッセージが出る
- 海外サイトやアダルト系のページが自動で開かれる
このように、パソコンに不審な広告が頻繁に表示された場合、すぐにネットワークを遮断し、ポップアップ内のリンクには絶対にアクセスしないようにしましょう。
メールやファイルが勝手に送信される
ウイルスに感染したパソコンは、攻撃者によってスパムや不正ファイル送信の踏み台として利用されることがあります。自分が送信した覚えのないメールが取引先や知人に届いていたり、クラウドストレージ経由でファイルが共有されていた場合は注意が必要です。
これらは、感染した端末に保存されたアドレス帳や過去の通信履歴が悪用され、自動的に拡散されるケースが大半です。特に業務用パソコンの場合、企業の信用に関わる深刻な被害につながる可能性があります。
兆候に気づいたら、まずネットワークから切断し、すぐにパスワードの変更とセキュリティスキャンを行うことが重要です。
知らないソフトが起動・インストールされている
ウイルス感染後、ユーザーが意図していないプログラムが突然起動したり、インストールされていることに気づくケースがあります。これは「トロイの木馬型マルウェア」や「バンドルウェア」によく見られる動きです。
- 起動直後に見覚えのないソフトウェアが立ち上がる
- スタートアップに不明なプログラムが登録されている
- アンインストールできない、消しても復活するアプリがある
こうした症状は、バックドア設置や遠隔操作の準備段階であることが多いため、速やかな駆除が必要です。
データが暗号化された/金銭要求される
ウイルスの中には、パソコン内のファイルを勝手に暗号化し、復元の代わりに金銭を要求するものがあります。これは「ランサムウェア」と呼ばれる攻撃手法で、現在最も深刻なサイバー脅威のひとつです。
感染すると、ドキュメントや写真、業務用ファイルなどが一斉に開けなくなり、「ファイルを復元したければ○○円相当の仮想通貨を支払え」といった脅迫メッセージが表示されます。国内企業でも、実際に身代金を支払った事例や、業務継続が困難になる被害が相次いでいます。
このような事態に陥った場合、個人での対応は難しく、下手に支払いをしてもデータが戻る保証はありません。すぐにネットワークを遮断し、フォレンジック調査会社などの専門機関に相談するのが最善の対応です。
セキュリティソフトが無効になる
マルウェアの中には、感染後すぐにセキュリティソフトの機能を停止させるコードを含むものがあります。これにより、ユーザーは自分のPCが危険な状態にあることに気づけなくなり、さらなる被害を受けやすくなります。
- セキュリティソフトが強制終了される
- アップデートができなくなる/リアルタイム保護が無効化されている
- セキュリティ設定を変更できなくなる
通常の操作でセキュリティソフトが動作しない場合は、すでに深刻な感染状態と考えられるため、外部の専門業者への対応を検討すべきです。
パソコンがウイルス感染した時の初期対応フロー
パソコンに異常な動作や不審な挙動が見られた場合、ウイルス感染を疑うべき重要なサインです。感染の可能性がある段階で、どれだけ迅速かつ適切に対応できるかが、被害の拡大を防ぐ鍵となります。このセクションでは、感染が疑われたときに取るべき初期対応を、優先順位順に解説します。
- パソコンをネットワークから切断する
- セキュリティソフトでスキャンをかける
- ウイルスに感染した端末の使用を一時中止する
- パスワードやIDを変更する
パソコンをネットワークから切断する
感染が疑われた場合、最初に行うべきはインターネットや社内ネットワークからの物理的切断です。
Wi-Fiをオフにする、LANケーブルを抜く、モバイルルーターを切断するなど、できるだけ早くネットワーク接続を遮断してください。これにより、外部への情報漏洩や他の端末への拡散、証拠の改ざんといった被害の拡大を防ぐことができます。
この段階ではまだ感染の有無が確定していなくても、リスクを最小限に抑えるためには“遮断してから確認”が原則です。
セキュリティソフトでスキャンをかける
ネットワークを遮断した後は、インストール済みのセキュリティソフトを用いてフルスキャンを実行します。多くのマルウェアはバックグラウンドで動作しており、ユーザーに明確な兆候を示さないこともあるため、定義ファイルを最新に更新してからのスキャンが推奨されます。
無料版では検出できない高度なマルウェアも存在するため、必要に応じて有料の専門ツールや、マルウェア駆除に特化したツールの利用も検討してください。
ウイルスに感染した端末の使用を一時中止する
スキャン後、感染が確認または強く疑われる場合は、端末の使用をすぐに停止してください。感染した状態で操作を続けると「ファイルのさらなる感染」「キーロガーによる情報窃取」「ウイルス感染の痕跡の上書き・消失」などのリスクがあります。
業務用のパソコンであれば、上司やシステム管理者に速やかに報告し、証拠保全や初動調査のために電源を切る、または必要なログの取得などの判断を仰ぐべきです。上司やシステム管理者に速やかに報告し、証拠保全と初動調査のために電源を切る/ログ取得を行う判断を仰ぎましょう。
パスワードやIDを変更する
感染の有無が確定していない段階でも、重要なアカウントのパスワードは早めに変更しておくのが安全です。特に以下のようなサービスは優先的に対応しましょう。
- メールアカウント(Gmail、Outlookなど)
- クラウドストレージ(Google Drive、Dropboxなど)
- 銀行・決済関連(ネットバンキング、PayPayなど)
- SNS・業務用チャット(LINE、Slackなど)
ただし、パスワードを変更する際は感染端末からではなく、安全が確認された別の端末で変更することが原則です。変更前のアカウント操作が盗み見られている可能性があるため、操作履歴や不審なログイン履歴も併せて確認してください。
パソコンがウイルス感染した後の正しい対処法
ウイルス感染が判明した後、適切な手順を踏まずに慌てて対応してしまうと、かえって被害が拡大したり、データが失われたりする恐れがあります。ここでは、感染が確認された後に行うべき正しい対処法を、段階ごとに整理して解説します。感染の軽度・重度によって対応方法も変わるため、状況に応じて冷静に判断することが重要です。
- ウイルス駆除の実施
- ファイルの復旧とシステムの復元
- フォレンジック調査を活用する
ウイルス駆除の実施
ウイルスに感染したと確認できた場合、最初に行うべきは確実な駆除です。現在の多くのセキュリティソフトはウイルスの検出と隔離・削除に対応していますが、すべてのケースで完璧に対処できるわけではありません。
軽度の感染であれば、信頼性の高いセキュリティソフトを最新の状態に更新し、フルスキャンを実行することで大半のウイルスは駆除可能です。一方で、マルウェアがセキュリティソフトの動作そのものを妨害している場合は、セーフモードでのスキャンや、別の専用駆除ツールの使用が求められます。
市販のウイルス駆除ツールには、マルウェアに特化したソフト(例:Malwarebytes、ESETなど)や、無料でも高い駆除性能を持つツールが存在します。ただし、駆除ツールの選定を誤ると、かえってPCに負荷をかけたり、誤検出による重要ファイルの削除などのリスクもあるため注意が必要です。
感染が深刻で、複数のファイルやシステム領域に広がっている場合は、一般ユーザーの手に負えない可能性もあります。その場合は、早期に専門業者への相談を検討してください。
ファイルの復旧とシステムの復元
ウイルスの種類によっては、ファイルが破損・削除・暗号化されるなど、データそのものに深刻な被害が及ぶケースがあります。駆除が完了したあとには、速やかにデータとシステムの復元作業に移行しましょう。
バックアップが存在する場合は、クラウドストレージや外付けドライブなどから、感染前のデータを復元するのが基本です。また、Windows環境では「システムの復元」機能を活用し、感染前の復元ポイントまで状態を戻す方法もあります。
バックアップがない場合でも、一時ファイルの復元ツールを使って削除済みファイルを回復できる可能性があります。ただし、ランサムウェアなどによりファイルが暗号化された場合、一般的な方法では復号できず、むしろ誤った対応でデータ損失のリスクを高めることにもなりかねません。
フォレンジック調査を活用する
ウイルスの感染が深刻で、「重要なデータが暗号化された」「情報漏洩が疑われる」「感染経路が不明」などの状況に陥った場合は、自力対応の限界を超えている可能性があります。
このようなケースでは、外部の専門機関による対応が必要です。特に有効なのが、フォレンジック調査と呼ばれる、感染原因や被害範囲を科学的に解明する調査手法です。
フォレンジック調査で出来ることは以下の通りです。
- ウイルスの感染経路やマルウェアの種類の特定
- 流出した可能性のあるファイル・操作履歴の特定
- 証拠として有効な形式でのログ保全・レポート作成
フォレンジック調査は、感染原因や被害範囲を正確に把握し、訴訟対応や保険請求の場でも「証拠」として活用できる点で、企業にとって非常に有効な手段です。
また、システムの脆弱性や管理上の問題点を可視化できるため、再発防止につながる具体的なセキュリティ改善策を講じる基盤としても活用できます。
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パソコンのウイルス感染を予防するには
パソコンのウイルス感染を予防するための方法について解説します。
- あやしいサイトや広告には注意する
- 不審なメールは開かない・リンクをクリックしない
- セキュリティソフトを入れる
- 最新のOSへアップデートする
あやしいサイトや広告には注意する
ウイルス感染を防ぐためには、信頼できないサイトや不自然なリンクが含まれるサイトにはアクセスしないようにします。特に、信頼性の低いサイトからソフトウェアをインストールすることは避けましょう。また、広告をクリックする際も、不快感のある広告や怪しいリンクは避けます。広告ブロッカーを使用することで、広告の表示を抑えることも可能です。
正規の広告ネットワークを悪用してマルウェアを配布する「マルバタイジング」にも注意しましょう。メジャーなサイトでも発生する可能性があります。セキュリティソフトを使用して、ウイルスやマルウェアを検知・駆除し、不正なサイトへのアクセスをブロックする機能も活用して対策しましょう。
不審なメールは開かない・リンクをクリックしない
メールの送信者が信頼できる人物かどうか確認し、内容が不自然で急いで行動を促すものは注意が必要です。また、文法やスペルミスが多い場合も不正なメールである可能性があります。
リンクをクリックする際は、直接クリックせずにURLを確認します。マウスをリンクの上に重ねると、実際のURLが表示されることがあります。これで不審なリンクを確認できます。さらに、アタッチメントも注意が必要で、特に.exeや.zip形式のファイルは信頼できる送信者からのものでもウイルススキャンを実行することが推奨されます。
セキュリティソフトを活用し、ウイルススキャンやフィルタリング機能などを利用してウイルスが含まれるメールはブロックされるようにしましょう。
>>フィッシング詐欺でメールを開いてしまったときの対処法はこちら
セキュリティソフトを入れる
パソコンにセキュリティソフトを入れて、ウイルス感染対策を行いましょう。パソコンにウイルスが感染する前にセキュリティ機能が発揮できるものが良いでしょう。ただし古いセキュリティソフトだと、ウイルスの種類によっては対応しておらず、感染したままスルーされるケースもあります。セキュリティソフトは万能ではないことを念頭に置きましょう。
最新のOSへアップデートする
OSは機能を新しく追加や更新を行う機能を常に備えています。アップデートで最新verのOSへ更新する=脆弱性を修正することにつながります。セキュリティ上においても、定期的にアップデート情報がないかチェックしOSを最新版を保つことは非常に重要です。
ただし、最新版へOSをアップデートしただけでは対策としては不十分です。セキュリティに対する意識向上、対応するソフト、最新版のOSと多重防壁を厚くするなど複数のウイルス対策も同時に実施しましょう。
まとめ
パソコンのウイルス感染は、単なるトラブルでは済まされない深刻な被害につながる恐れがあります。
「起動しない」「情報が漏れる」「業務が止まる」といった被害は、誰にでも起こり得るものです。
本記事で解説したとおり、感染が疑われた時点での冷静な初動対応と、被害の範囲に応じた段階的な対処が極めて重要です。特に重度のケースでは、フォレンジック調査など専門的なサポートの導入によって、被害の最小化と再発防止の両方が可能になります。
「自分の会社は小規模だから関係ない」と油断する前に、今できる対策を見直しておきましょう。万一のときに慌てず対応できるかどうかが、その後を大きく左右します。








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