コンプライアンス違反の事例や対処法・証拠収集・調査方法を解説|サイバーセキュリティ.com

コンプライアンス違反の事例や対処法・証拠収集・調査方法を解説

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コンプライアンス違反には、ハラスメントや残業代未払いなどの組織的な違反から、データの流出や粉飾決済などの従業員による不正など、多くの事例があります。

法令違反が発生した場合、組織は監督官庁に報告する義務が定められているため、コンプライアンス違反の内容によっては事実を証明し、報告する必要があります。

発生した状況の通知や報告を行わなかった場合、会社の信用を失うだけでなく、法令違反となり、高額な罰金が発生する可能性があります。

この記事では、コンプライアンス違反の事例や原因、不正が発生する3つの要素まで、対策法と共に解説しています。

コンプライアンスとは

近年コンプライアンス違反についての注目度が高まってきました。用語について今一度確認しておきましょう。

コンプライアンス

コンプライアンスは直訳すると「命令に従う」となり、経営の分野では「法令遵守」になります。

これには、個人情報の漏えいや不正経理、情報の偽装や過重労働など、法律に関係するものから、最近ではハラスメントなどの倫理的に問題があるものまで違反の対象に入るようになりました。

会社のコンプライアンス違反が広まると、会社の価値や評判・信用に悪影響が出るため、違反の防止強化は第一の経営課題と言えるでしょう。

CSRとの違い

CSRとはCorporate Social Responsibility(コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティ)」の略語で、企業の社会的責任を意味します。

コンプライアンス違反と一緒によく耳にするCSRですが、法令に遵守することは大前提で、そこに加えて会社には社会的責任があるという考え方です。

近年ではSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みも目立ち、自然人以上により良い社会を作っていく責任が問われています。

コーポレートガバナンスとの違い

コンプライアンスと似た概念・用語の一つ「コーポレートガバナンス(corporate governance)」は、企業統治を意味しています。

経営陣が自身の個人的利益を優先させることが無いよう、社外取締役や株主によって監視を強化することです。

日々の経営を担っている人の他に、外部から経営を監視する取締役をおくことが求められており、実際日本でも上場企業に対して社外取締役が義務付けられています。

コンプライアンス違反でよくある身近な事例

コンプライアンス違反として、よくある事例として以下の4つが挙げられます。

ハラスメントやサービス残業が定着化

パワハラ・セクハラ問題や長時間労働の定着化、残業代未払いなど、従業員の待遇に問題がある場合はコンプライアンス違反に該当します。

被害を受けた側から損害賠償を請求されることもあれば、安全配慮義務違反として法的な責任を追及される可能性もあります。

うつ病や過労死の原因がコンプライアンス違反だったと判断された場合は、会社に膨大な損害賠償が発生することに加え、社会的に大きく報道されることによって会社の信用を損なう恐れもあります。

横領や粉飾決算など不正経理の発生

横領や粉飾決済など、不正経理の発生はコンプライアンス違反に該当し、内容によっては企業が以下の責任に問われる可能性があります。

  • 刑事罰
  • 追徴課税
  • 上場廃止
  • 金融商品取引法

株式を公開している会社が粉飾決済した場合「証券報告書虚偽記載罪」に問われ、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科せられることがあります。

不正経理が発生し、損害賠償を請求する場合は、客観性のある証拠を確保している必要があります。個人や自社のみで調査した場合、客観性が無いとみなされ、不十分な証拠として扱われる可能性があります。

削除や改ざんされたデータでも、調査会社であれば専門的な知識を用いて端末やデータを解析できるため、調査会社に依頼して、不正経理が行われたやり取りや、ファイルなどのデータ証拠を確保するようにしましょう。

不当な資金集めや偽装表示

不当な資金集めは「出資法違反」、食品の偽装表示は「食品衛生法違反」となり、コンプライアンスと法律に違反します。

他にもよくある法令違反の事例として、以下の法律が挙げられます。

  • 労働基準法
  • 環境法違反
  • 著作権法違反

これらの違反は企業に罰則が科され、会社に大きな損害が発生することに加え、会社の信用失墜から大幅な顧客離れの発生が考えられます。

また、不当な取引制限は事業の自由な競争を阻害しているとみなされ、独占禁止法や公正取引法に問われる可能性があります。

データの不正利用や改ざん、流出が発生

データの不正利用や意図的な流出は、コンプライアンス違反に分類されます。流出するデータの種類として、以下の物が考えられます。

  • 顧客の個人情報
  • 取引先の情報
  • 財務情報
  • 機密情報

社内のデータや情報が流出し、競業他社に情報が提供された場合、会社の信用を失うだけでなく、市場のシェアを奪われる可能性があります。

また、顧客の個人情報が流出、あるいは流出する可能性がある場合は、個人情報保護法において、組織には報告と通知が義務付けられています。違反した場合は最大1億円の罰金、報告通知義務には最大50万円以下の罰金が科せられます。

個人情報の流出を隠蔽すると、科せられる罰則も大きくなることに加え、会社の社会的信用を大きく損ないます。個人情報が流出した、流出している可能性がある場合、フォレンジック調査に依頼し、適切な対応を取るようにしましょう。

コンプライアンス違反が発生している場合の対処法

コンプライアンス違反が発生している場合は、以下の対処法を実行し、被害の深刻化を防ぐようにしましょう。

事実関係を正確に調査・把握する

最初に、コンプライアンス違反が発生した要因や被害状況を、把握する必要があります。

そのため、内部調査を行う人員を複数人設置し、従業員へのヒアリングや証言を集め、客観的かつ公正に調査を行うようにしましょう。

ステークホルダー(株主・取引先など)に迅速かつ正確な状況伝達をする

コンプライアンス違反は、企業の信用を大きく失うことに繋がります。

そのため、違反が発生・発覚した場合は、株主や取引先などのステークホルダーに対して、迅速かつ正確に状況を伝えるようにしましょう。

監督官庁に対する報告を行う

自社の事業について監督の職権を有している官庁に対して、報告するようにしましょう。

不正経理や偽装表示など、法令に違反するコンプライアンス違反が発生していた場合は、報告義務があることに加え、行政処分の対象となることがあります。

違反状態に対して誠実に対応することで、厳しい行政処分を受ける可能性は低くなるため、必ず報告するようにしましょう。

被害者に対して適切な対応を取る

コンプライアンス違反によって被害者がいる場合、被害者に対して適切な対応を取ることで、トラブルの深刻化を防止することに繋がります。

内部者が被害者になる最も多いケースとして、パワーハラスメントがあります。被害者のケアを行うことで、離職や損害賠償請求を防げることがあります。

外部者が被害者の場合、多い事例として知的財産権の侵害や製造物責任が挙げられ、誠意をもって対応することで、高額の損害賠償を避けられることがあります。

コンプライアンス違反が発生した場合は、事実調査だけでなく、被害者への対応も忘れず行うようにしましょう。

違反者に対して懲戒処分を検討する

コンプライアンス違反を起こした違反者に対しては、重大性や悪質性に対応した懲戒処分を検討しましょう。ただ、証拠がなければ、違反行為の事実を立証することができず、懲戒処分を下すことができません。

したがって証拠収集は、違反行為の発生直後から法的に正しい手続きを用いて行うことが重要です

フォレンジック調査を検討・実施する

コンプライアンス違反が発生した場合、株主や取引先、監督官庁へ正確な状況を報告し、事実を裏付ける証拠の確保が必要になります。

しかし、専門的な知識が無い中での調査は膨大な時間がかかることに加え、正確性と客観性が担保されていないとして、立証能力が無効になる可能性があります。

一方、フォレンジック調査であれば、法的に正しい手続きで、端末のデータ解析で効力のある証拠の収集や、削除されたデータの復元ができ、証拠の確保だけでなく、訴訟に必要な書類の作成まですることができます。

コンプライアンス違反への対策をしていても、発生を完全に防ぐことはできません。発生した場合は迅速かつ適切な対処を行い、被害の拡大を防止、企業の信頼回復に努めることが重要です。

自社のみでの正確な実態調査はほとんど不可能なため、対応実績が豊富な業者に依頼し、専門家の下で適切な対処を取るようにしましょう。

再発防止策を検討する

コンプライアンス違反が発生すると、調査に時間とコストがかかるだけでなく、会社の信用失墜に繋がるなど、会社に対して大きな悪影響を及ぼします。そのため、違反が発生したあとは、原因を分析し、企業の運営体制を見直したうえで、従業員への教育・啓発を徹底して再発防止に向けて検討することが重要です。

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コンプライアンス違反が発生しないように事前対策を行う

コンプライアンス違反が発生しないよう、社内で違反できない環境作りをする必要があります。

社内のコンプライアンス体制を構築し、周知させる

コンプライアンスに関する社内研修や勉強会を定期的に開催し、社外から外部講師を招くなど、考え方に偏りが出ないようにしましょう。

また、問題が発生した際、すぐに相談できる窓口や部門を設置し、責任の所在を明確にしておくことも有効です。

情報管理についてルールを設ける

不正なデータ利用や改ざん、個人情報の漏えいを避けるために、データに関する規定を明文化させておくようにしましょう。

規定を事前に定めておくことで、不正利用の抑止力が向上し、損害賠償の際にも利用できるようになります。

労務管理について規定を定める

サービス残業が定着化しないよう、労働基準法をはじめとする労務の関連法に従い、労務管理の規定を定め、周知するようにしましょう。

従業員の健康や安全が損なわれると、会社の生産性に影響するだけでなく、コンプライアンス違反として取り上げられる可能性があります。

コンプライアンス違反が発生する不正のトライアングル

ここまで説明してきたコンプライアンス違反が発生する原因は主に、以下の3つとされています。

  • 動機
  • 正当化
  • 環境

金銭的な欲求や業務のプレッシャーなど、不正を行うにあたって原動力になってしまうものが動機になり、「誰でもやっている」と自信を正当化させ、実行できる環境が揃った場合、発生する確率が高くなります。

不正のトライアングルを一つでも排除することで、コンプライアンス違反が発生する可能性を下げることができます。

社内監視を徹底し、社内でコンプライアンに関する意識を高めるようにしましょう。

まとめ

コンプライアンス違反が発生すると、企業の価値や信用を損ない、法的措置に繋がるだけでなく、最悪の場合は経営破綻に追い込まれることもあります。

社内で規定も設け、コンプライアンス違反ができない環境作りを心掛け、企業で発生するリスクや問題を軽減するようにしましょう。

もし、コンプライアンス違反が発生したのであれば、早急に原因究明や顧客対応などを行い、状況を整理した上で公表・謝罪など適切な対処を行いましょう。

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