ビデオカメラやスマートフォンが普及した現在、動画データを扱う機会は年々増えています。しかし、映像・動画を含むデジタルデータは故障や寿命、誤操作などで容易に破損しやすく、動画データで起きたトラブルは、当人では解決出来ない状況に陥ることも少なくありません。
そのような時、データを復旧・復元しようと慌てた経験がある人もいるのではないでしょうか。しかし、焦りは禁物です。誤った判断に基づいて作業を行うと、データを永遠に復旧・復元できなくなる恐れがあります。
冷静に対処できれば、無事データを復元できるかもしれません。今回の記事では、読み込めなくなった動画データの復旧・復元方法や注意点について徹底解説します。
映像・動画データが読み込めなくなる原因
動画データが読み込めなくなる原因としては、データそのものが破損・消失した「論理障害」と、記録メディアそのものが壊れてしまった「物理障害」の2種類があります。
論理障害
「論理障害」とは、記録されているデータが正常に読み込めなくなっている状態を指します。
最たる原因は「誤操作によるデータ消去」であり、たとえば「重要なデータを残したまま、ごみ箱のデータを空にしてしまった場合」などがこれに当てはまります。これ以外にも「初期化・フォーマット・強制終了」などによるデータやファイルの破損なども論理障害に当てはまります。
このような状態で作業を続けると、データが破損したり、データが上書きされる恐れがあり、データの復旧率も著しく低下してしまいます。
物理障害
「物理障害」とは、衝撃・振動・経年劣化などが原因で、記憶媒体が物理的に破損し、正常にデータが読み込めなくなった状態です。
この状態の機器からデータを復旧する場合、機器を一時的に蘇生させ、データを吸い出す必要があります。この一時的な蘇生は「環境復旧」と呼ばれ、そこからデータを吸い出す工程を「物理復旧」と呼びますが、いずれの作業にも非常に高度な専門技術が必要であり、個人の範囲で対処することは原則不可能です。
「論理障害」「物理障害」については、以下のページで詳しく解説しています。
映像・動画データの復元方法
映像・動画データを復元するには、以下の2通りの方法があります。
- データ復元(復旧)ソフト
- データ復旧サービス
データ復元(復旧)ソフトの特徴
データ復元 (復旧)ソフトとは、削除されたデータを復元するソフトウェアです。軽度論理障害に対応可能なほか、取り出したいデータを確認しながら、自ら復元作業を行うことができるというメリットもあります。
ただし、復元ソフトは、物理障害にいっさい対応できません。また、一般的な復元ソフトでは、写真などの単一データは容易に復元できますが、写真よりもデータ量が多く、何枚もの静止画を連続的に見せる動画ファイルの復元は非常に困難です。実際、市販の復元ツールにかけても、ファイルが断片化し、一部のデータしか復元できないという場合がほとんどです。
そのため復元ソフトを動画データに対して使用しても大した効果を発揮できず、さらには機器の障害を悪化させかねないので、細心の注意が必要です。
データ復元ソフトの選び方や使用上のリスクについては、以下のページで詳しく解説しています。
データ復旧サービスの特徴
データ復旧サービスとは、データ復元ソフトの対応範囲外である「物理障害」をはじめ、あらゆる記憶媒体からデータ復旧・復元を行っている専門業者のサービスのことです。
データ復旧技術はそれぞれの業者によって差があります。多数の相談実績を持つ業者には、高度な技術力や独自のノウハウ、またはデータ復旧に関する膨大な知識が蓄積されており、適切な処置を最短で選択し、データを取り出すことが可能です。なお、データ復旧業者の信頼性を判断する上では、上場企業や官公庁からの依頼実績があるかどうかも、データ復旧業者の信頼性を判断する上で重要なポイントとなってきます。
データ復旧サービスについては、以下のページで詳しく紹介しています。
映像・動画データの復元時の注意点
映像・動画データを復元したいときは、以下の4点について確認しておきましょう。
- フォーマット(初期化)しない
- 通電しない
- 個人で対処することにはリスクがある
- データが必要なら「修理業者」ではなく「データ復旧業者」に依頼する
フォーマット(初期化)しない
機器のファイルシステムが何らかの不具合で不明になると、PCがファイルに参照できなくなり、「フォーマットする必要があります。フォーマットしますか?」というエラーメッセージが表示されることがあります。
しかし、機器をフォーマットしてしまうと、本来隠れているだけの動画データが全消失してしまうため、安易に試さないようにしましょう。
特に、SDカードなどのフラッシュメモリ型の記憶媒体は、一度フォーマットすると後からデータを復元することは非常に難しいと言われています。データが消えると困る場合は、フォーマット操作を行わないように注意してください。
通電しない
機器に何らかの障害の疑いがある場合、「電源を入れないこと」が重要です。もしも機器に障害が発生してしまった場合、電源投入は最低限、再起動も最小限にしなくてはなりません。
障害が発生した機器は電源を投入する時に一番大きな負荷がかかるため、何度も再起動を行なうと復旧可能だった動画データが上書きされて消えてしまったり、あるいは機器そのものが完全に動作しなくなってしまう恐れがあります。
個人で対処することにはリスクがある
動画が読み込めない原因を正確に特定できないまま、安易にデータ復元ソフトを使用するのは控えましょう。
障害の箇所や障害の程度は、専門的な設備や知識がなければ正しく判断することは困難であるため、論理障害だと思っていても物理障害であったり、物理障害と論理障害が併発している場合もあったりする恐れがあります。
また繰り返しになりますが、復元ソフトは軽度の論理障害にしか対応できず、物理障害の場合はデータ復元・復旧作業を行うことができません。もし、動画データを「最も速く安全な方法で復旧したい」という方は、技術力の高いデータ復旧業者に相談してみましょう。
データが必要なら「修理業者」ではなく「データ復旧業者」に依頼する
機器が故障した際、メーカーや家電量販店が運営する「修理サービス」への依頼を考える方も多いのではないでしょうか?
「データ復旧サービス」と「修理サービス」には大きな違いがあるため、依頼する際には注意が必要です。
データ復旧サービス | パソコンや周辺機器に保存されている「データ」の救出や復旧が目的です。機器の動作や機能の回復は目的ではないため、データ復旧作業後の機器は使えなくなることがあります。 |
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メーカーの修理サービス | パソコンや周辺機器の「動作的な機能」を回復させることが目的です。機器の使用は可能になりますが、データが保存されているHDDなどは故障部品の扱いで破棄されてしまいます。 |
上記どちらのサービスを受けるべきか迷われている方は、機器の「動画データ」を優先するべきか、機器の「動作」を優先するべきかを決めるとよいと言えます。
もし修理サービスを利用して記憶媒体を交換してしまうと、二度と動画データを取り出すことができなくなってしまいます。機器よりもデータ復旧に重きを置く場合は、まずデータ復旧サービスに相談してみましょう。
おすすめの専門業者
技術力が高い業者の選定といっても、素人には判断が難しいです。
そこで、データ復旧サービス各社の価格、内容(対応製品)、期間や特長から比較した、おすすめのサービスを紹介します。
デジタルデータリカバリー
公式HPデジタルデータリカバリー
デジタルデータリカバリーは、データ復旧国内売り上げ14年連続No.1のデータ復旧専門業者です。復旧率最高値は95.2%と非常に高い技術力を有しています。依頼の8割を48時間以内に復旧と復旧のスピードも優れています。また、官公庁や大手企業を含む累積46万件以上の相談実績があります。
相談から見積もりの提示まで無料で行っているため、データ復旧を検討している際はまずは最大手であるデジタルデータリカバリーに相談すると良いでしょう。
復旧費用 | 相談から見積もりまで無料 500GB未満:5,000円〜 500GB以上:10,000円〜 1TB以上:20,000円〜 2TB以上:30,000円〜 |
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対応製品 | パソコン(Mac/Windows)、RAID機器(NAS/サーバー)、外付けHDD、SSD、USBメモリ、ビデオカメラ、SDカード・レコーダー等記憶媒体全般 |
復旧期間 | 最短当日に復旧完了(本社へ持ち込む場合) 約80%が48時間以内に復旧完了 |
特長 | データ復旧専門業者において14年連続データ復旧国内売上No.1 復旧率最高値95.2%の非常に高い技術力 官公庁や大手企業を含む累積46万件以上の相談実績 相談・診断・見積り無料(デジタルデータリカバリーへの配送料も無料) |
デジタルデータリカバリーのさらに詳しい説明は公式サイトへ
まとめ
今回は動画データが読み込めなくなった時の復旧・復元方法について紹介してきました。大切な動画が破損してデータが読み取れなくなったら、様々な方法で復旧・復元を試みるかもしれません。
もし、コストをかけたくない場合は、無料の復元ソフトを使う方法がおすすめですが、失敗した場合は、さらに状態を悪化させ、最悪の場合、データを上書きしてしまうこともあります。そのため重要な動画データを復旧・復元したい場合は、最初から専門業者に依頼することをおすすめします。