※この記事は2024年9月に更新されています。
SDカードが破損した場合に発生する症状は以下があります。
- SDカードが認識しない
- 誤操作によるフォーマット・初期化・初期化・削除
- 物理的な破損(折れた・水かけた・経年劣化・電気によるショート)
- 文字化けしている、データが開けない
実はデータが読み込めない・消えてしまった原因によっては、特定の方法でないと復元が難しかったり、誤った対処をとったためにデータの痕跡が消えてしまったりして、データが復元できなくなる場合もあるので適切な対処が必要です。
この記事では、SDカードのトラブル事例と、データ復旧・復元方法について解説します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
SDカードのデータ復元は専門業者に依頼するべきか、自分で復元するべきか?
SDカードが破損したりデータを誤って削除した場合、復元方法は専門業者に依頼するか、自分で試すかの2つに分かれます。
選択はデータの重要度や状況によって異なり、それぞれのメリット・デメリットを考慮して適切な方法を選ぶことが大切です。
専門業者に依頼すべき場合
専門業者に依頼するべき場合は主に次の通りです。
復元に失敗できない重要なデータの場合
例えば、仕事に関わる重要なファイルや、一生に一度しか撮れない写真など、絶対に復元が必要な場合は、専門業者に依頼することが推奨されます。専門業者には以下のような利点があります。
- 専用の設備と高度な技術を持っている
- 一般のユーザーでは対処できない物理的な損傷や深刻なデータ損失にも対応可能。
- 特に、SDカードが水濡れや物理的な衝撃で壊れている場合は、専門業者でなければ復元が難しいことが多い。
ただし、データ復元の専門業者に依頼すると費用はかかりますが、以下の点でメリットがあります。
- 確実性が高く、データの安全性がより保証される。
- 業者によっては、SDカードの状態を無料で初期診断してくれるサービスもある。
このような場合、データの重要度と状況に応じて、専門業者への依頼を検討しましょう。
予算に制限がある場合や、データがそれほど重要でない場合
個人で復元ソフトを使ってデータを取り戻す選択肢もあります。特に、あまり重要ではないデータや、手軽に復元を試したい場合は、フリーソフトや市販の復元ツールを使って自分で試すことができます。SDカードの論理的なエラーや誤削除などの軽微なトラブルであれば、以下のようなツールで復元できる可能性があります。
- Recuva(無料ソフトウェアとして広く利用されている)
ただし、こうしたフリーソフトやツールを使用する際には注意が必要です。
- 誤操作やSDカードへの書き込みによって、状況が悪化するリスクがある
- 物理的に損傷しているSDカードの場合、自分での復元は避けるべき
- フリーソフトでは対応できない高度な損傷やデータ復元のケースも多い
- 自力で失敗すると、業者に依頼しても成功率が下がるリスクがある
結論として、SDカードのデータ復元は、データの重要度やトラブルの深刻度に応じて判断することが大切です。
- 仕事上の重要なデータや、個人にとって貴重なデータの場合:
➡費用がかかっても専門業者に依頼するのが安全 - 予算に制限がある場合や、復元が失敗しても問題にならない場合:
➡フリーソフトでの復元を試みるのも選択肢
自分の状況に合った方法を選び、リスクを最小限に抑えましょう。
SDカードからデータが消える原因とは
SDカードは消耗品です。いつ壊れるか分かりません。もちろんデータが突然読み込めなくなったからといって、データが完全に消失したとは限りません。SDカードのデータが読み込めなくなる原因としては、大きく分けると以下の3つが挙げられます。
接続部分の破損
SDカードは接続部分が構造的にむき出しのため、金色のコネクタ部分がすり減ったり、錆びで腐食・汚損したりすると、読み書きができなくなってしまうことがあります。この場合、パソコンに接続しても認識しないことが多いため、データ復元ソフトなどを用いることはできません。
そもそもSDカードが変形してしまっていると、当然、機器に差し込むことも出来ず、SDカードを正しく読み込むことはできませんただ、SDカードのデータ領域自体には、特に問題があるわけではないことも多く、専門業者に対応を依頼すると、解決することも多いです。
データの破損(論理障害)
論理障害とは、SDカードのデータが破損している状態で、外見上は問題ないものの、ファイルが開けなくなることです。軽度であれば復元ソフトで対処できることもありますが、主な原因としては以下が考えられます。
- データを上書き保存してしまった
- データの誤削除
- 意図しないフォーマット
- SDカードに保存されているデータの破損
- ウイルス感染
特に、上書き保存やフォーマットは復元が困難であり、フォーマット要求には応じないように注意が必要です。
データ削除後はすぐに使用を停止すれば復旧の可能性が高まりますが、原因が不明な場合や物理障害が併発している可能性がある場合は自力で対処せず、専門業者に相談するようにしましょう。
SDカード自体の破損(物理障害)
物理障害とは、SDカードの本体が物理的に破損して起きる障害です。物理障害が発生する原因として以下のようなものがあります。
- 物理的破損(折れる・曲がる・水没etc.)
- 静電気・落雷によるショート
- 書き換え回数の上限・経年劣化
SDカードは、強い衝撃や水濡れ、静電気や電圧変化で基盤が破損し、データにアクセスできなくなることがあります。特にmicroSDカードは物理的に折れやすいです。また、フラッシュメモリは読み書き回数に制限があり、劣化すると物理障害が発生します。フラッシュメモリの構造はHDDと異なるため、一般的な復元ソフトや技術力の低い業者では対応が難しく、個人での対処はほぼ不可能です。このような場合は、データ復旧業者に相談することをおすすめします。
SDカードのデータ復旧・復元方法
故障したSDカードを復元するときは、対処する前に状況と復旧の手順を正確に確認しておくことが重要です。むやみに自力での復旧を試したり、復旧ソフトを使用してしまうとデータのフォーマット・上書きによりSDカードの故障状態が悪化してしまうリスクがあります。SDカードのデータ復旧方法は以下の通りです。
それぞれの特徴について解説します。
SDカードの状態を確認する
SDカードが認識されない、書き込みができず、故障かなと思ったら、障害のあるSDカードの使用を停止し、SDカードの状態を確認しましょう。
- SDカードが正しく接続されているか
- SDカードの規格が間違っていないか
- SDカードの破損箇所がないか確認する
物理的に破損したSDカードは復旧用のツールなどで、回路の再接続作業をはじめとする細かな作業が必要となります。自力で作業すると元に戻せず、完全に故障してしまう恐れがあるため、SDカードのデータが必要であれば早めにデータ復旧の専門業者に相談しましょう。
データ復元ソフト
SDカードからデータを取り出せない原因が「誤削除」や「フォーマット」、「上書き保存」などの場合、データ復元ソフトやアプリを使って復元できる可能性があります。以下はSDカードに対応している主な復元ソフトです。
- Wondershare Recoverit
- PhotoRec
- PhotoRescue
- Recuva
- DataRecovery
- ファイナルデータ
これらのソフトは論理的な障害(ファイルシステム破損や誤削除)に対応していますが、物理的な障害には対応できません。復旧率は約40%とされ、物理的に破損した場合は、専門業者に依頼する必要があります。業者の方が費用はかかりますが、初期診断や見積もりが無料のことが多いため、迷った際には一度業者の診断を受けることをおすすめします。
データ復元アプリ
データ復旧アプリは、ソフトと比べ、専門知識や難しい操作を必要としないため、簡単に復元が可能です。主なデータ復元アプリには以下のものがあります。
- Tenorshare 4DDIG
- EaseUS MobiSaver
- EaseUS Data Recovery Wizard Professional/For Mac
- SD Card Data Recovery
- SD Card Recovery
アプリ入手の際は、AppleやGoogleの公式ストアや実績のある会社の公式サイト以外からのダウンロードは、データセキュリティの危険が伴います。公式のサイト以外からダウンロードしたアプリには、スマホを狙ったウイルスが仕組まれている可能性もあるため、注意しましょう。またデータ復元アプリで復旧可能なのは誤削除や軽度のシステムエラーに限られます。アプリで復旧できない場合は、機器から直接データを取り出せるデータ復旧の専門業者に相談した方が良いでしょう。
【最新】データ復元ソフト厳選5種類を徹底比較!無料ソフトの失敗事例や注意点、おすすめ業者を解説
家電量販店や写真屋のデータ復旧サービス
カメラのキタムラやヤマダ電機など、量販店でもデータ復旧サービスを提供していることがあります。ただ、こういった店舗では実際の復旧はデータ復旧の専門サービスと提携している場合が多いです。SDカードのデータ復元技術のレベルは業者によって異なりますが、量販店を介して依頼した場合はどの業者に依頼されるかといった指定はできません。
データ復旧の専門業者に相談する
データ復旧の成功率を最も高める方法は、データ復旧業者に依頼することです。業者は専門的な技術と設備を持っているため、個人用の復元ソフトで解決できなかった場合でも、復旧できる可能性が高くなります。
特に、経年劣化や物理的な破損など、ソフトでは対応が難しい障害においては、業者の介入が不可欠です。
データ復旧業者には次の利点があります。
- 高い復旧率:
業者は、専用のクリーンルームや高度な機器を使用して、物理的な破損やチップレベルの障害に対応できます。これにより、一般的な復元ソフトでは不可能なデータ復元が実現します。 - 対応範囲の広さ:
経年劣化によるデータ損失、SDカードの読み取りエラー、静電気や水濡れによる基盤の損傷など、個人では対応できない障害に対しても業者は復旧手段を持っています。メーカーごとに異なるSDカードの構造や暗号化にも対応できる技術力を持つ業者なら、複雑な問題にも対応可能です。 - 論理障害への対応:
SDカードが物理的には無傷であっても、ファイルシステムの破損や誤操作によるデータ削除といった論理障害も、業者なら復元できます。特に重度の論理障害は、一般的な復元ソフトでは対応しきれないケースもありますが、業者はこうした障害にも高い技術力で対応できます。
業者に相談すべきケース
物理障害や経年劣化のリスクがある際は、特に業者の技術力が重要です。
まとめると、業者に相談すべきケースは主に次のようなものになります。
- 原因が不明な場合:SDカードが急に読み取れなくなったが、物理的な損傷が見当たらないとき、論理障害やフラッシュメモリの故障などが原因である可能性があります。この場合、業者に診断してもらうことで、適切な対応策を見つけられます。
- 物理障害が疑われる場合:SDカードが水濡れや落下によって壊れた場合、個人での復旧は難しく、誤った操作によってさらに悪化するリスクもあります。このような場合、業者に相談することで、データが失われるリスクを最小限に抑えられます。
- 経年劣化によるトラブル:フラッシュメモリは使用回数に限度があり、長期間使用したSDカードは経年劣化によりデータが破損することがあります。このような状況も、業者の技術を活用することで復元可能です。
いずれにせよ大切なデータを確実に復旧したい場合や、原因不明の障害が発生した場合は、自己判断で復旧を試みる前に、まず信頼できるデータ復旧業者に相談することが最善です。
特にSDカードの構造はメーカーや型番によって異なるため、特定のモデルや暗号化されたデータ、特殊なファイルシステムに対応できる業者を選ぶことが重要です。無料診断や見積もりを活用し、適切な対応を取りましょう。
おすすめデータ復旧サービス・製品
データ復旧業者への相談を検討している方のために、おすすめのデータ復旧業者をご紹介します。データ復旧専門業者に依頼するのであれば、確実にデータが復旧できないと意味がありません。そこで、データ復旧サービス各社の復旧率、設備規模、復旧スピード、価格や特長を比較した結果から、おすすめのデータ復旧業者を選定しました。
デジタルデータリカバリー
公式HPデジタルデータリカバリー
デジタルデータリカバリーは、データ復旧国内売り上げNo.1のデータ復旧専門業者です。復旧率最高値は95.2%と非常に高い技術力を有しています。依頼の8割を48時間以内に復旧と復旧のスピードも優れています。また、官公庁や大手企業を含む累積46万件以上の相談実績があります。
相談から見積もりの提示まで無料で行っているため、データ復旧を検討している際はまずは最大手であるデジタルデータリカバリーに相談すると良いでしょう。
復旧費用 | 相談から見積もりまで無料 500GB未満:5,000円〜 500GB以上:10,000円〜 1TB以上:20,000円〜 2TB以上:30,000円〜 |
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対応製品 | SDカード、USBメモリ、外付けHDD、パソコン(ノート/デスクトップ)、RAID機器(NAS/サーバー)、SSD、ビデオカメラ、・レコーダー等記憶媒体全般 |
復旧期間 | 最短当日に復旧完了(本社へ持ち込む場合) 約80%が48時間以内に復旧完了 |
特長 | 14年連続データ復旧国内売上No.1 復旧率最高値95.2%の非常に高い技術力 官公庁や大手企業を含む累積46万件以上の相談実績 相談・診断・見積り無料(デジタルデータリカバリーへの配送料も無料) |
対応SDカードメーカー一覧 | ||
・Sandisk ・KIOXIA(キオクシア) ・Kingston ・Sony ・I-O Data ・ESSENCORE ・Panasonic ・Transcend ・Toshiba ・Buffalo ・Silicon power ・エレコム ・HI-DISC ・Team ・SUPER TALENT |
・radius ・ADATA ・プリンストン ・リーダーメディアテクノ ・レキサーメディア ・ADTEC ・JVC ・富士フイルム ・サムスン ・HP ・ロジテック ・セルスター ・BLUEDOT ・ダダンドール |
・アクシス
・ケンウッド ・LZeal Information Technology ・KINGMAX ・PQI ・innowa ・三菱ケミカルメディア ・TDK ・旭東エレクトロニクス ・UMAX ・ソフトバンクC&S ・ペンタックス ・任天堂 |
デジタルデータリカバリーのさらに詳しい説明は公式サイトへ
デジタルデータリカバリーの評判・口コミや実績については、以下の記事でも詳しく解説しています。
SDカードのデータを復元・復旧する仕組み
SDカードに保存しているデータには映像や画像、音楽などが多く、データ量が大きいものは、データが取り出せたとしても、一部しか取り出せなかったり、色が変色しているなど、不完全な状態で取り出してしまったという事例も少なくないです。症状や状態、データを取り出す方法によって、取り出せるデータと取り出せないデータがあります。
- SDカードのデータ復旧・復元が難しい症状
- 症状によってソフトは無理な場合もあるため業者の方が確実
SDカードのデータ復旧・復元が難しい症状
SDカードの復旧・復元が難しい故障原因は以下のようなものがあります。
- SDカードが折れている(※折れ方によっては復旧可能性あり)
- 自力で作業を重ねたあと
- 完全上書きや完全削除してしまったデータ
たとえば金色のコネクタ部分の破損程度なら、理論的にデータ復旧が可能ですが、SDカードが物理的に真っ二つに折れているのであれば、データ復旧は非常に難易度が高く、場合によっては復旧不可能となります。その他にも、SDカードに物理障害が発生している場合にはその時点で自力での復元はほとんど不可能です。
また、上書や削除を完全に行ってしまったデータの取り出しはデータ復旧業者であっても高難度になってしまいます。どんな状態であっても、症状が悪化する前に一度データ復旧業者に相談することが先決です。
症状によってソフトは無理な場合もあるため業者の方が確実
SDカードに発生する障害は、論理障害の程度を判別することは困難で、かつ物理障害と障害が併発している可能性もあるため、自力で原因を判別することが難しいです。
復元ソフトで復旧する時には、データを失っても構わない場合やどうしても自力で復旧しなければならない場合に限りましょう。確実にデータを取り出したい方や個人での復元が不安な方はなるべく作業は控え、早急にデータ復旧業者に依頼するようにしましょう。
SDカードを復旧する際の料金相場
軽度の障害 | 6,000円~数十万円 |
重度の障害 | 50,000円~数百万円 |
「メモリ系」と言われるSSDやスマホ、USBといった比較的新しい型の機器は、対応できる業者の数がそもそも少なく、難易度が高いとされています。また、HDDやPCなどと同様に、その業者の技術力に応じて「軽度障害」か「重度障害」かの判定基準が変わる点にも注意が必要です。データ復旧業者の料金形態は以下の記事で紹介しています。
まとめ
SDカードのデータが破損した時の復元方法について紹介してきました。大切な写真や動画が保存されているSDカードが破損してデータが読み取れなくなったら、様々な方法で復元を試みるかもしれません。
コストをかけたくない場合は、無料の復元ソフトを使う方法がおすすめですが、失敗した場合、さらに状態を悪化させてしまうこともあります。そのため重要なデータが含まれているSDカードのデータを復元したい場合は、最初から専門業者に依頼することをおすすめします。