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ビープ音とは、パソコンの異常を知らせるための警告音です。ビープ音が繰り返し鳴る場合は、データやシステムに深刻な問題が発生している可能性があります。
このような場合、パソコンのビープ音の種類に応じた素早い対応が肝要です。未解決のまま放置すると、パソコンの状態が悪化し、保存されたデータが消失する恐れがあります。
この記事では、ビープ音の種類や主な原因・注意点・対処法について解説します。
ビープ音とは
ビープ音とは、電子機器が異常や不具合を伝えるために発信する警告音です。パソコンには、基板となるマザーボードにスピーカーが設置されています。パソコンの起動時に機器を管理するプログラムのBIOSが問題を検知すると、ビープ音が鳴る仕組みになっています。
ビープ音には多くの種類があり、トラブルによって音の長さや鳴る回数が変化します。ビープ音を把握することで速やかに対処することも可能です。しかし、ビープ音が鳴りやまない場合、パソコン内に個人で対処が難しい深刻な問題が発生している可能性もあります。まずはビープ音の種類を知り、自身のパソコンの状態をある程度把握しましょう。
ビープ音の種類
ビープ音はパソコンのBIOSやメーカーの種類によって意味が異なります。また、音の長さや回数などによっても警告内容が違ってくるため、ビープ音の種類を把握することが大切です。
Award BIOSのビープ音
「Award BIOS」のビープ音の種類は以下のとおりです。
- 【短音1回】:異常なし
- 【短音2回】:CPUを構成するCMOSの設定に問題
- 【長音1回+短音1回】:メインメモリの不具合
- 【長音1回+短音2回】:グラフィックボードとモニタの接続に不具合
- 【長音1回+短音3回】:グラフィックメモリに問題がある/規定の場所に挿入されていない
- 【短音の連続】:電力の供給不足
- 【長音の連続】:メモリの破損/接続・装着されていない
- 【高音の長音】:PCが高温になっている
- 【高音と低音の連続】:CPUの不具合
AMI BIOSのビープ音
「AMI BIOS」のビープ音の種類は以下のとおりです。
- 【長音1回】:異常なし
- 【長音2回】:CMOSの設定に問題
- 【短音1回】:メインメモリの接触不良/故障
- 【短音2回】:メインメモリのIC不良
- 【短音3回】:メインメモリの不良/マザーボードの不具合
- 【短音4回】:システムタイマーもしくはマザーボードの不具合
- 【短音5回】:マザーボードの不具合
- 【長音1回+短音2回】:グラフィックボードの接続不良
AMI BIOSのビープ音が6回以上鳴る場合
AMI BIOSのビープ音が6回以上鳴る場合、以下のような原因が考えられます。
- 【短音6回】:マザーボードやメモリなど複数箇所で異常が発生
- 【短音7回】:マザーボードやCPU、メモリなど複数箇所で異常が発生
- 【短音8回】:グラフィックメモリの故障/規定の場所に接続されていない
- 【短音9回】:BIOS ROMの不具合
- 【短音10回】:書き込み・読み込みエラーによるBIOSの不具合
- 【長音1回+短音8回】:モニタの接続不良
UEFIのビープ音
「UEFI」のビープ音の種類は以下のとおりです。
- 【短音1回】:異常なし
- 【長音が3回】:メインメモリの不具合
- 【長音が5回】:グラフィックボードの不具合
- 【長音+高音と低音の連続】:熱暴走の発生
- 【長音1回・短音2回】:メインメモリの接続不良
- 【長音1回+短音3回】:グラフィックボードの不具合
パソコンのメーカーごとのビープ音
パソコンのメーカーごとでもビープ音は異なります。
富士通のビープ音
富士通では「ピッ」「ピッピッ」「ピッピッピッ」といったビープ音の回数の組み合わせを「1-2-2-3」のように表記しています。
- 【1-2(1回目のビープ音は長めに鳴ります)】:マザーボードの故障
- 【1-1-1-1、1-3-3-1など】:メモリのテストエラー
Dellのビープ音
Dell製パソコンのビープ音の場合、以下のような原因が考えられます。
- 【1回】:BIOS ROMの故障
- 【2回】:メモリの不具合
- 【3回】:チップセットエラー、時刻機構テスト障害、Gate A20エラー、スーパーI/Oチップの障害・キーボードコントローラの障害
- 【4回】:メモリ(RAM)の障害
- 【5回】:CMOSバッテリーの障害
- 【6回】:ビデオカード・チップの不具合
- 【7回】:CPUの不具合
ASUSのビープ音
ASUS製パソコンのビープ音が鳴るのは、以下のような原因が考えられます。
- 【短音1回】:異常なし
- 【長音1回+短音2回】:メモリ機能が検出できていない
- 【長音1回+短音3回】:グラフィックメモリが規定の場所に接続されていない
- 【長音4回】:マザーボードが未対応のCPUを使用した
ビープ音は、パソコンが異常を検知した際に発せられる警告サインです。ピープ音が鳴る場合は、深刻な問題が発生している可能性が高く、専門的な知識を有していない状態で対処しようとすると、データが破損し重要なファイルや情報が永久に失われる可能性があります。
そこで、データ復旧の専門業者を利用することをおすすめします。高度な技術と経験を備えているデータ復旧業者であれば、ビープ音が発生しているパソコンからでも確実にデータを復旧することができます。大切なデータを守りたい場合は、迅速な対応をしてくれる専門業者に相談しましょう。
ビープ音が鳴る原因
ビープ音が鳴る主な原因は以下のとおりです。
電力の供給不足
電力の供給不足が起こると、ビープ音が鳴ることがあります。電源ユニットやバッテリーが故障したり、タコ足配線をしたりすることで電気の供給が足りなくなります。タコ足配線をしている場合は、直接コンセントに挿し、ビープ音が鳴るか確認しましょう。
メモリの接触不良
メモリの接触不良が原因で、ビープ音が発生することがあります。パソコンの起動時に行われる自己診断によってメモリの異常を検知すると、ユーザーに知らせるためにビープ音を発生させます。ビープ音のパターンや長さはメーカーやモデルによって異なりますが、基本的にメモリの異常を通知している場合は、ビープ音が繰り返し鳴ることが多いです。
電源ファンの故障
電源ファンは、電源ユニットに組み込まれている冷却ファンの一部です。電源ユニット内の電子部品やコンデンサなどを適温に保ち、過熱を防ぐ役割があります。
電源ファンが故障すると、パソコン内の温度が上昇します。温度の上昇を検知すると自己保護のために動作を停止し、異常を知らせるためにビープ音が発生します。
CPUの故障
CPUとは、コンピュータ内の装置・回路の制御やデータの演算などを行う装置です。マザーボードがCPUの故障を検知すると異常を知らせるサインとしてビープ音が発生します。
他にもパソコンから「カチカチ」「カタカタ」という異音がすることがあります。PCから異音がするときの原因や対処法を知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
ビープ音が鳴るときの注意点
ビープ音が鳴るときは以下の点に注意しましょう。
通電し続けない
通電し続けるのはやめましょう。
ビープ音が鳴っている状態で通電し続けてしまうと、データの上書きが行われて状況が悪化する可能性があります。また、データの破損につながる恐れもあるため、通電をすることは控えて下さい。
パソコンに不具合が発生しているときは、機器の電源を切って電源コードを抜いておきましょう。
再起動を繰り返さない
再起動や電源のON/OFFは繰り返さないでください。
ノートパソコンの故障が疑われる状態で再起動などを行うと、機器に大きな負担がかかり、新たな障害が発生してしまう可能性があります。
そのため繰り返し電源を入れ直すのは控えてください。
サポート詐欺に気を付ける
インターネットを使用中、突然ピープ音が鳴り「ウイルスに感染しました」「セキュリティシステムが破損しています」といったメッセージが表示された場合は、サポート詐欺の可能性があります。
サポート詐欺とは、インターネットの閲覧中に、偽のセキュリティ警告等を表示し、金銭を騙し取ろうとする詐欺の一種です。警告文には、サポート窓口への電話番号が記載されており、電話をかけると、遠隔操作ソフトのインストールやサポート料金の支払いを求められます。
偽警告が表示されただけでは、ほとんどの場合何も影響はないため、不安をあおる文章に惑わされず、ブラウザを閉じてwebサイトから離れましょう。
自力で修理しない
パソコン内の重要なパーツが故障した場合、何も対処せず放置すると重要なデータが損失するなど深刻な影響をもたらします。
しかし、個人でデータ復旧をしようとしても、専門的な知識や技術をもっていなければ、パソコンの状態を悪化させたり保存データを損傷させたりする恐れがあります。
確実にデータを復旧したい場合は、むやみに自力で修理せず、速やかにデータ専門業者に相談しましょう。
ビープ音が鳴るときの対処法
ビープ音が鳴るときの対処法は以下のとおりです。
再起動する
ビープ音が鳴る場合は再起動を試すことで、不具合が解消する可能性があります。ただし、再起動を繰り返すとパソコンに大きな負担がかかり、余計に状態が悪化するリスクがあるため注意しましょう。再起動をする際は周辺機器を取り外し、一度だけ試すようにしてください。
放電する
パソコン内の帯電が原因でビープ音が発生している場合、放電が有効です。放電は以下の方法で行います。
- パソコンの電源を落とします
- 電源ケーブルなど全ての周辺機器を取り外します
- 5~10分程度放置します
- 周辺機器を接続し電源を入れます
上記の方法で解決しない場合は、パソコン内部に深刻な問題が発生している可能性があります。不安な場合は、専門業者へ相談しましょう。
メモリの接触不良を確認する
メモリの接続不調が原因で、ビープ音が発生することがあります。直近でメモリの交換や増設をした場合は、これが原因である可能性が高いです。一度電源を切り、メモリが接続不良になっていないか確認しましょう。
メモリの指し直しを行う場合は、取り扱い説明書をしっかり確認しながら作業してください。
BIOSを初期化する
ビープ音が鳴る場合、BIOSに何らかの不具合が発生している可能性があります。その場合は設定を初期化することで、不具合が解消することがあります。BIOSを初期化する方法(Windowsの場合)は以下のとおりです。
- パソコンの電源を入れます
- メーカーロゴ表示後、すぐに「F2」キーを複数回押します
- BIOSのセット画面が表示されたら「F9」キーを押します
- 「Load Optimized Defaults?」と表示されたら「Yes」を選択し「F10」キーを押します
- 「Save configuration and reset?」と表示されて「Yes」を選択します
- BIOSが初期化されます
BIOSの初期化に関しては、メーカーや機種によって操作方法が異なる場合がありますので、各メーカーのサイトや取り扱い説明書をよく確認しましょう。
CMOS クリアを行う
COMOSはマザーボード上のさまざまな設定情報をもっています。マザーボードとは、パソコンの内部パーツを接続するための基板です。CPU、メモリ、ストレージ、グラフィックカード、拡張カードなど、パソコンの重要なパーツはすべてマザーボードに接続されます。
CMOS クリアを行うことで、マザーボードの設定情報をリセットし、正常な状態に戻すことができます。CMOS クリアを行う一般的な手順は以下のとおりです。
- 電源を切り、電源ケーブルを抜きます。
- マザーボード上にあるCMOSクリアジャンパーの位置を確認します。
- CMOSクリアジャンパーを元の位置から、クリアの位置に変更します。
- CMOSクリアジャンパーを変更した状態で、数秒待ちます。
- CMOSクリアジャンパーを元の位置に戻します。
- 電源ケーブルを再接続し、コンピュータを起動します。
CMOSクリアを実行した場合、設定情報がリセットされるため、再度設定し直す必要があります。また、メーカーやモデルによって手順が異なることがあるため、取り扱い説明書やメーカーのウェブサイトで確認することをおすすめします。
パソコンのメーカーに相談する
ビープ音が発生している場合、パソコンのメーカーに相談することも1つの手段です。保証期間内、または対象機器であれば修理やデータ復旧などのサービスを無償で受けられる場合があります。
ただしメーカーはデータ復旧の専門業者に比べて技術面で劣るケースが多く、高度なデータ復旧には対応しきれないという懸念点があります。そのため、確実にデータ復旧をしたい場合は、データ専門復旧業者に相談しましょう。
データ復旧業者に相談する
「大事なデータを確実に復旧したい」「自分で復旧するのが難しい」場合はデータ専門復旧業者にデータの復旧を依頼しましょう。復旧方法の中で、一番復旧率が高いのは、データ復旧業者に依頼することです。
故障したノートパソコンは日が経つにつれ状態が悪化しデータ復旧率も下がっていきます。そのため、損傷が拡大する前になるべく早く相談しましょう。
ただし、データ復旧業者は業者によって技術力に差があるため、復旧率の高い業者に依頼することが重要になります。データ復旧会社を選ぶポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。
おすすめのデータ復旧業者
ビープ音が鳴っているPCのデータ復旧をする上で、データ復旧率が一番高い方法はデータ復旧業者に依頼することです。日本国内には100社以上のデータ復旧業者が存在するといわれ、復旧業者によって復旧技術のレベルや対応規模、実績も大きく異なるため、下記のポイントでより確実にデータ「復旧率の高い」専門業者を選定しました。
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復旧費用 | 相談から見積もりまで無料 500GB未満:5,000円〜 500GB以上:10,000円〜 1TB以上:20,000円〜 2TB以上:30,000円〜 |
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対応製品 | USBメモリ、RAID機器(NAS/サーバー)、パソコン(ノート/デスクトップ)、外付けHDD、SSD、ビデオカメラ、SDカード・レコーダー等記憶媒体全般 |
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まとめ
今回は、ビープ音の種類や主な原因・注意点・対処法について解説しました。ビープ音が発生している場合は、パソコン内部に重大な欠陥が生じている可能性が高いです。パソコンは日が経つにつれて状態が悪化するため、早急に対処する必要があります。「救えたはずのデータを取り出すことができなかった」という状態になる前に、なるべく早く専門業者に相談しましょう。