
PCがSSDを認識しない、読み込まない、SSDにアクセスできないというトラブルが発生することは少なくありません。例えば次のようなトラブルが起きている場合、SSDに障害が発生している可能性が高いです。
- 電源を入れてもSSDが動かない
- 外付けSSDをPCに繋いでも認識しない
- フォルダやファイルが開けない
- 「フォーマットしてください」「アクセスできません」などのエラーが出る
- 「アクセスが拒否されました」と表示される。
このような症状が起きている時、誤った操作を加えると、大切なデータを失ってしまうリスクがあります。SSDから自力でデータを取り出そうとした結果、症状が悪化してデータが2度と取り出せなくなってしまうと本末転倒です。
本記事では、SSDが認識しない・読み込めないときの症状や原因、編集者が紹介する対処法11選について解説していきます。確実にデータが取り出したい方や自力での対処が不安な方は、紹介しているおすすめのデータ復旧業者に相談してみましょう。
SSDが認識しない原因
SSDが認識しなくなる原因は主に3つ考えられます。
論理的な障害
論理障害とは、SSD内部のデータを管理する仕組みに何らかのトラブルが発生している状態です。SSDが機械的に壊れているわけではないですが、システム部分の破損が起こっているのです。主な原因は次のとおりです。
- 強制終了により、データを構成するファイルシステムに異常が起きている
- 人為的な誤操作によるデータの削除、初期化、移動
- ウイルス(ランサムウェアなど)によるデータ障害
論理障害が発生している場合、むやみに自身で作業を行ってしまうと、意図しないデータの上書きなどが発生し、取り出したいデータの復旧難易度が上がってしまいますので、注意してください。
▶論理的な障害への実績が豊富なおすすめデータ復旧業者はこちら
論理障害の復旧作業では専門的知識が必要
論理障害が発生したとき、通常復旧作業には専門的知識が必要です。
世の中にあるあらゆるデータは「1」と「0」の2進数で作られていますが、論理障害を起こしたSSDは、この「1」と「0」のデータの配列が乱れている状態です。
データを復元する過程において、この2進数を16進数に変換し、「間違っている数値」を確認する必要があります。
さらに、1枚の写真でも数万を超える配列で形成されているため、自力で修復することは難しいと思った方がよいでしょう。
SSDの論理障害でソフトは極力使わない
データ復元ソフトは便利な反面、リスクが多いことも知っておく必要があります。
データ復旧ソフトを使用すると、完全に復元できていない状態で元のデータを上書きする可能性があります。そうした場合、上書き前のデータを取得することができなくなるため、データ復旧の専門家でも復旧することができなくなる可能性があります。
得に、原因がわからない時や重度の論理障害の場合は、データ復元ソフトは使用しないようにしましょう。
物理的な障害
物理障害とは、データが保存されているSSDの領域が物理的に破損している状態です。これは「強い衝撃」「水没」「経年劣化」などが原因で発生します。
主な原因は次のとおりです。
- 経年劣化(書き込み回数の上限)
- 初期不良
- 水没
- 静電気
物理障害が発生しているSSDの修復・復元は非常に困難です。SSDに搭載されているメモリは、HDDとまったく仕組みが異なっており、従来のHDDにおいては可能であったデータ復旧技術がまったく通用しないからです。SSDの構造や復旧方法については下記の記事でも詳しく紹介しています。
以上のことから、物理障害を起こしたSSDのデータ復旧に対応している業者は、日本国内でも数えるほどしかありません。SSDに保存されているデータが必要な場合は、SSD復旧の知見が蓄積されている、技術力のあるデータ復旧の専門業者まで相談してください。
データの書き込み回数の上限とは
SSDはHDDと違って「データの書き込み回数」に上限があります。目安として、データの書き込み・消去をおよそ数千~1万回行うことで、SSDは寿命を迎えてしまいます。使用できなくなることに加え、データを取り出すことすら困難になります。
寿命が来たSSDも物理障害に分類されるため、ソフトを使用して復旧することは不可能です。時間がたつほど復旧率が下がるため、迅速な対応をする必要があります。
データ復旧ソフトの使用はNG
物理障害が発生しているSSDは、復旧ソフトでのデータの復旧はできません。
原因を特定し、基板の修復など、物理的な作業やファームウェアの修復といった高度な知識を要する作業を行う必要があるためです。
安易に復旧ソフトを使用してしまうと、メモリが劣化し、二度とデータを取り戻せなくなることもあるため注意が必要です。
筐体不良・電源不良
これは、SSDのデータ領域以外のパーツやパソコンとSSDを繋ぐケーブルが、衝撃や劣化によって物理的に破損している状態を指します。主な原因は次のとおりです。
- SSD本体や内部部品の破損や劣化
- SSDを繋ぐPCのコネクタ部分などの物理的な破損
- SSDとPCを繋ぐケーブルの不具合
電源が接続されていない
SSDに電力を供給する電源ケーブルが外れている場合はSSDが起動せず、認識しません。まず最初に電源が正しく接続されているか確認しましょう。
デバイスドライバが認識されていない
電源に問題がなくても、PC本体との接続不良やPC本体に原因があることもあります。
デバイスマネージャーから、デバイスドライバが認識されているか確認してみてください。
SSDが認識されているか確認する方法
パソコンの画面上にSSDが表示されない状態でも、パソコン自体はSSDを認識している場合があります。
以下を確認してみてください。
- エクスプローラーで確認する
- デバイスマネージャーで確認する
上記の方法で確認できなかった場合はSSDが故障している可能性が高いため、「データ復旧業者」で無料診断を受けることをおすすめします。
エクスプローラーで確認する
通常SSDを接続すると、エクスプローラーに表示があります。
しかし、接続状況が悪い、ケーブルやSSDが破損している場合、SSDが表示されないことも起こりえます。
また、新品のSSDの場合はエクスプローラー上で表示が確認出ないことがあります。その場合は「フォーマット」を行うようにしてください。
エクスプローラーで表示を確認する方法は以下の通りです。
- エクスプローラーを起動します。
※「Windowsキー」+「E」で起動できます。 - PCをクリックし、左側の表示を確認します。
デバイスマネージャーで確認する
以下はデバイスマネージャーでSSの認識を確認する方法です。
- デスクトップ画面左下の「スタート(Windowsマーク)」を右クリックします。
- 表示リストの中から「デバイスマネージャー」を選択します。
- 「デバイスマネージャー」の画面が表示されます。
- ディスクドライブをクリックし、中にSSDが表示されているか確認します。
SSDが認識しないときの対処法11選
SSDが認識しないときの対処法11選を解説します。
- 電源周りを確認する
- 放電する
- BIOSを確認する
- デバイスドライバを更新する
- 更新プログラムをアンインストールする
- システムの復元を実行する
- WindowsのツールでSSDの問題を診断・修復する
- フォーマットする
- 再接続・再起動する
- 適切な設定でファイルを開く
- エラー回数を確認する「S.M.A.R.T.」を使う
編集部がおすすめする一番安全にデータを復旧する方法は「データ復旧業者」に依頼することです。
高復旧率&安心して任せられる業者を選ぶポイント
せっかくお金も時間もかけたのに、復旧成功確率の低い業者に依頼して作業に失敗されると、最悪の場合、大切なデータを永遠に失うことになります。
そのような事態を避けるためにも、ここなら間違いないという業者を見極めることが重要です。今回は下記に当てはまっていて、技術力が高いと評価を受けている業者を厳選しました。
- 復旧率が90%以上あり技術がたしかなこと
- 夜間や休日も窓口が営業しており復旧スピードが速いこと
- 後から診断料や部品代などの追加費用が請求されず明朗会計であること
- 復旧成功の口コミや利用者の実例が多数あること
- 自社内に復旧設備を整え、熟練の技術者が多数いること
上記のポイントから厳選したおすすめランキング1位の業者は、デジタルデータリカバリーです。
デジタルデータリカバリー
公式HPデジタルデータリカバリー
✔14年連続データ復旧国内売り上げNo.1のデータ復旧サービス最大手
✔復旧率最高値は95.2%と高い技術力
✔依頼の8割を48時間以内に復旧するスピード対応
✔国際標準規格ISO27001/ISMS認証を取得した万全なセキュリティ体制
✔警視庁からの表彰、東京都からの技術革新による表彰など豊富な実績
こちらのデジタルデータリカバリーは、国内で最も規模が大きいデータ復旧業者の1つです。20年以上データ復旧に携わり、累計の相談件数36万件以上、他社では復旧できなかった機器の相談件数だけでも5,700件以上ある実績面で信頼のおける業者です。依頼前に無料で相談・診断・見積まで行ってくれるので、データ復旧業者を探している場合はこちらのデジタルデータリカバリーに相談すると良いでしょう。
【パターン1】電源を入れてもSSDが動かないときの対処法
電源を入れてもSSDが動かない・起動しない場合は以下の対処法があります。
電源周りを確認する
まずは電源周りを確認しましょう。USBケーブルやパソコンからの電力供給が原因の可能性があります。
USBケーブルが緩んでいる、抜けている
USBケーブルが正しく挿さっているか確認してください。ケーブルが緩んだり抜けている場合は、しっかりと奥まで挿し込んでから再度電源を入れてみましょう。
パソコンからの電力供給が不足している
パソコンからの電力供給が不足している可能性があります。
- USB接続している他の周辺機器(マウス、キーボード等)を全て外す
- 他のUSBポートに挿してみる
- 別のパソコンに挿してみる
などを試してランプがついたり認識できるようになる場合は、電力供給が原因である可能性が高いです。
USBハブからの電力供給が不足している
USBハブ経由でSSDを接続して電源が入らないときは、パソコンのUSBポートに直接接続して電源が入るかどうか試してみてください。
USBハブではSSDを起動するための電力が不足していて電源が入らないことがあります。
放電する
PCが帯電して誤作動を起こしている可能性があります。
- マウス、キーボード、ディスプレイ等の周辺機器をすべて外す
- パソコンの電源を落とし、電源ケーブルも抜く
- 10分以上放置する
- パソコンを再起動する
上記の手順で放電したあと、SSDを認識できれば問題ありません。
専門業者に相談する
電源周りの確認・放電を試しても起動しない場合は、SSD本体に何らかの障害が発生していると考えられます。
この場合は、一度専門業者に相談してSSDの状態を診断してもらいましょう。メーカーや修理業者に依頼すると、基本的にSSDに保存していたデータは全て消えてしまうため、データを取り出したい場合はデータ復旧業者に先に相談してください。
【パターン2】SSDをPCに繋いでも認識しないときの対処法
エクスプローラー上でSSDが認識されない場合、USBケーブルやUSBポートの不良が考えられます。しかし、電源が供給されているはずなのに適切に動作しない場合、複数の原因が考えられます。ここでは原因ごとの対処法を列挙します。
BIOS設定を確認する
BIOS設定を確認してみてください。SSDを接続しているSATAポートが「無効」になっている場合、「有効」にする必要があります。
BIOS設定を確認する方法
-
- コンピュータを再起動する→起動時にロゴ画面でF2キーを押してBIOS設定画面に入る
- 「セットアップユーティリティ」で、SSDを接続しているSATAポートが「有効」になっているかどうかを確認する(※「無効」である場合は、「有効」にする)
- コンピュータを再起動する→もう一度1~2を実行し、SSDが認識されているかどうかを確認する
上記方法で対処できない場合は、BIOSを初期化してみましょう。
BIOS初期化の手順
PC起動時に「F2キー」や「F12キー」など(メーカー指定のキーボード)を開き、「BIOSセットアップユーティリティ」というBIOSの設定画面を開きましょう。
-
- BIOS設定画面の「EXIT」をクリックする
- 「Load Setup Defaults」や「Load Optimized Deaults」をクリックする
- 注意事項を確認し、問題なければ「はい」または「Yes」をクリックする
- 初期化が完了したら、「Save and Exit(保存して終了)」をクリックする
デバイスドライバを更新する
古いデバイスドライバを使用していると、SSDドライブが適切に表示されないことがあります。
Windowsの「デバイスマネージャ」でドライバーソフトウェアを更新する方法
-
- 「スタート」ボタンをクリックする→検索ボックスに「デバイス マネージャー」と入力してデバイス マネージャーを開く
- 対象のSSDを右クリックする→「ドライバーソフトウェアの更新」を選択する
- ポップアップウィンドウで「ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索します」を選択する
- 「スタート」ボタンをクリックする→検索ボックスに「デバイス マネージャー」と入力してデバイス マネージャーを開く
以上でデバイスドライバーが自動的に更新されるはずです。
もし機器名が表示されなかったり、機器名に「!」がついている場合は、ドライバの再インストール、更新プログラムのアンインストール、システムの復元などの対処が必要です。ただし、これらの対処法はPC本体に保存しているデータを失うリスクがありますので注意してください。
もしドライバーソフトウェアの更新に失敗した場合は、次の手順でドライバを自動的に再インストールすることが可能です。
ドライバの再インストール方法
- デバイスマネージャーでSSDドライブを右クリック
- 「デバイスのアンインストール」を選択
- コンピュータを再起動
更新プログラムをアンインストールする
正常に起動できない要因を排除するため、起動の支障となるような疑わしいソフトウェア(たとえば、直近でインストールしたもの)などはアンインストールしましょう。OSのアップデートに問題がある場合は、更新プログラムを削除するのも一つの手段と言えます。
システムの復元を実行する
「システムの復元」とは、SSDが内蔵されているPCシステムを以前保存した復元ポイントにまで戻す仕組みです。ただし「システムの復元」を実行すると、復元ポイント(バックアップを作成した時点)以降に保存したデータは、すべて削除される恐れがあります。
システムの復元手順
- Windows回復環境を起動させる。
- オプションの選択画面から、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「システムの復元」の順に選択する。
ただし、システム復元では、データを復元することは出来ません。あくまでもシステムを復元し、変更された設定などを差し戻すための機能であることに、ご留意ください。
フォーマットする
SSDをPCに繋いでも認識しないとき、フォーマットすることで認識に成功することがあります。
ただし、フォーマットを行うと、ローカルフォルダのデータが消えてしまう恐れがあります。
新品のSSDを認識させるときや、バックアップを取ってあってデータが消えても問題ないときのみフォーマットを実行してください。
【パターン3】SSDを認識するが、起動しないときの対処方法
外付けSSDを認識しているが、起動しない場合はファイルシステム障害(論理障害)の可能性があります。
上記の手段で解決する場合がありますが、「フォーマット」を行ってしまうと、データにアクセスできなくなるため「データを失いたくない人」は行わず、「データ復旧業者」に相談するようにしましょう。
パソコンを再起動する
パソコンを再起動することで解決することがあるため、一度お試しください。
しかし、再起動をすることはパソコンに負荷をかけることになるので、繰り返し行わないようにしましょう。
Window 11/Windows 10の自動修復機能を実行する
外付けSSDの論理障害は、Windowa11/Windows10の修復機能をしようすることで解決できる可能性があります。
しかし、この操作で解決しない場合、繰り返し行うとデータの状態が悪くなることにお気を付けください。
以下は自動修復機能を実行する手順です。
- エクスプローラーで外付けSSDを表示し、右クリックして、「プロパティ」を選びます。
- 「ツール」タブを開き、エラーチェックの「チェック」ボタンを押します。
- ドライブのスキャンと修復をクリックすると、エラーチェックと修復が実行されます。
SSDをフォーマットする
外付けSSDの論理障害は、SSDをフォーマットすることで解決できる場合があります。
以下の手順でフォーマットすることができます。
- 「スタート」をクリックし、アプリの一覧を表示します。
- 「W」欄から「Windowsシステムツール」をクリックして、「PC」をクリックします。
- フォーマットしたいハードディスクを右クリックし、表示された一覧から「フォーマット」をクリックします。
- 「フォーマット」が表示されます。「ボリュームラベル」ボックスにドライブの名称を任意で入力して、「開始」をクリックします。
- 「警告:フォーマットするとこのディスクのすべてのデータが消去されます。」というメッセージが表示されるので「OK」をクリックします。
【パターン4】フォルダやファイルが開けない、「フォーマットしてください」などのエラーが出るときの対処法
この場合、システムの問題である「論理障害」が発生している可能性が高いです。
次の対処法を行ってみてください。
また、SSDの換装・増設以外のケースでは、絶対にフォーマットや初期化はしないようにしてください。フォーマットや初期化を実行してしまうと、保存されていたデータが失われてしまいます。
診断ツールでSSDの問題を修復できなかった場合は、深刻な障害が発生している可能性が極めて高いため、データの要不要に応じて専門業者に相談してください。
適切な設定でファイルを開く
SSD自体の問題ではなくファイルを開く設定の問題によってSSDが認識されていないことがあります。
- ファイルの拡張子とプログラムが一致していない
- ショートカットのリンクが変更されて正常にアクセスできない
- ドライブ文字が割り当てられていない
このような場合は、設定し直すことで正常にアクセスすることが可能です。
ファイルの拡張子に適したプログラムで開く方法
ファイルにはそれぞれ拡張子があり、Excelのファイルなら「.xlsx」、Wordファイルなら「.docx」、画像ファイルなら「.png」「.jpeg」など、ファイルの種類によって異なります。
基本的にはPCが自動的に拡張子を判別して適切なプログラムで開くようになっていますが、たまにその設定がずれてしまうことがあります。ファイルを開くプログラムは以下の手順で設定可能です。
- 開きたいファイルを右クリック
- プロパティを開く
- 「プログラム」という項目の「変更」ボタンをクリック
- ファイルを開く方法を選択する
ショートカットのリンク先を修正する方法
ショートカットのリンクが変更された場合は、以下の手順で正しく再設定してください。
- ショートカットフォルダを右クリック
- 「プロパティ」>「ショートカット」からリンクを正しく指定する
しかし、ショートカット先のフォルダやファイルが削除・上書きされている場合は、リンク先ではなく元のデータ自体を復元する必要があります。
削除・上書きしてしまったデータの復元方法はこちらの記事を参考にしてください。
新たなドライブ文字を割り当てる方法
- スタートメニューで「コンピューターの管理」を検索して開く
- 記憶域>ディスクの管理を開く
- 変更したい機器を右クリックし、「ドライブ文字とパスの変更」をクリック
- 「変更」からドライブ文字を選択し「OK」をクリック
ディスクが未割り当てになっている場合は、パーティションが消えているかフォーマット破損が考えられます。
データの削除やフォーマット、パーティション消失などの論理障害は、データ復元ソフトで対応が可能な場合があります。しかし、SSDはデータ削除の仕組みがHDDが異なるため、既存のデータ復元ソフトでは正しく復元できず、データが上書きされてしまうリスクもあります。
どうしても失いたくないデータがある場合は、データ復旧の専門業者に相談してください。
WindowsのツールでSSDの問題を診断・修復する
Widows10には、ある程度の問題なら自動で診断・修復できる機能が標準搭載されています。
ここではWindowsが起動できるかできないかによって対処が異なるため、それぞれのパターンに分けて解説します。
Windowsが起動できる場合:エラーチェックで修復
Windowsが起動できる場合は、エラー チェックで修復を試してみてください。
Windows 10/8での操作手順
- NTFSドライブを右クリックし、メニュー内「プロパティ」→「ツール」タブ→「チェック」の順に選択
- 「エラー チェック」ウィンドウにて、「ドライブの修復」をクリックし、「次の再起動時に修復する」または「今すぐ再起動して修復する」を選択する
Windows7での操作手順
- 対象のNTFSドライブを右クリックし、メニュー内「プロパティ」→「ツール」タブ→「チェックする」の順に選択する
- 「ディスクのチェック」ウィンドウに入る
- 「ファイルシステムエラーを自動的に修復する」と「不良セクターをスキャンし、回復する」にチェックを入れ、「開始」をクリックする
Windowsが起動できない場合:CHKDSKで修復
Windowsは正常に起動できなくても、コマンドプロンプトは起動できる場合の修復方法です。
Windowsの動作に必要なシステムファイルが破損している場合、コマンドプロンプトで「sfc /scannow」を実行することで、誤って上書き・破損したシステムファイルを修復できます。
CHKDSKの修復手順
- 「Windowsロゴ+R」キーを同時に押し、「ファイル名を指定して実行」ボックスを開く
- 「cmd」と入力して「OK」をクリックし、コマンドプロンプトを管理者として起動する
- 「chkdsk c:(対象のNTFSに該当するドライブ) /f」と入力し、「Enter」キーを押す
- 「システムスキャンを開始しています…」と表示されたら、スキャンが終わるまで待ちます(チェックには通常1時間かかります)。
- 「検証100%が完了しました」と表示されたら、スキャン完了です。

Windowsが正常に起動できない場合、コマンドプロンプトは「詳細オプション」から起動可能であるほか、セーフモードでデスクトップに到達できる場合があります。
次のエラーが出た場合は別の方法を試してください。
■「Windows リソース保護により、破損したファイルが見つかりましたが、それらの一部は修復できませんでした」
この場合は「chkdsk c: /f」あるいは「DISM /Online /Cleanup-image /Restorehealth」で修復可能なケースがあります。
■「Windowsリソース保護は要求された操作を実行できませんでした」
PCを再起動、あるいはセーフモードで起動すれば修復可能な場合があります。
- 「Rキー」と「Windowsキー」を同時に押す
- 「ファイル名を指定して実行」の名前欄に「cmd」と入力し、「OK」をクリック
- 画面が表示されたら「bcdedit /deletevalue safeboot」と入力し、「Enterキー」を押す
■「アクセスが拒否されました。十分な権限を持っていないか、別のプロセスでディスクがロックされている可能性があります」
管理者権限で実行されていない可能性があります。下記の手順で実行しましょう。

コマンドプロンプトを「管理者として実行」する。
フォーマットする
内蔵SSDを換装・増設した場合、フォーマットに不備があると、互換性の問題でPC上でSSDが正しく認識されていない可能性があります。このとき、SSDをフォーマットすると、エクスプローラー上に正しく表示されることがあります。
SSDをフォーマットする方法
- ディスクの管理を開きます
- SSDの容量が 2TB以内に収まる場合は「MBR(マスターブートレコード)」を選択しましょう。
ただし、フォーマットを行うと、ローカルフォルダのデータが消えてしまう恐れがあるため、必ずバックアップをとっておきましょう。
再接続・再起動する
設定の問題などでSSDが認識できていない場合は、再起動や再接続を試すことで正常に認識できるようになることがあります。
ただし、SSDやPCに物理障害や論理障害が発生している可能性があるときは、むやみに再起動しないように注意しましょう。再接続や再起動はSSDの障害が悪化させ、最悪の場合2度とデータが取り出せなくなってしまう危険性があります。
1~2回試してみても解決しない、一時は認識できてもすぐに認識できなくなるなどの症状がみられたら、操作を控えましょう。
再接続・再起動しても問題が解決しない場合には、視覚的に表れていない・判別が難しいような症状や原因が潜んでいる可能性があります。症状や原因に当てはまる項目がないかもう一度チェックして適切に対処しましょう。
エラー回数を確認する「S.M.A.R.T.」を使う
HDDやSSDには、エラー回数をモニタリングする「S.M.A.R.T.」という機能が搭載されています。
これは「Crystal Disk Info」というフリーソフトでHDDの状態を表示できます。
列挙されている項目は、HDDとSSDで異なるものの、基本的に全て青なら問題ありません。しかし、赤や黄が有る際は、ハードウェアに故障の兆候がみられるため注意が必要です。なお、S.M.A.R.T.で障害が起きたSSDはむやみに操作したり、データの移動を続けたりすると、状態がさらに悪化するため、通電および電源のオンオフ自体も極力控えましょう。
自力でSSDが復旧できない場合は専門業者に相談
障害が発生しているSSDでは、原則として障害の原因を特定し、それに特化した修復を個別で行う必要があります。しかし、SSDはHDDと異なり、駆動部品が存在せず、たとえば「異音」など物理障害の代表的な症状がほとんど起こりません。
つまり、個人で障害の種類を特定するのは難しく、修復作業にもSSDの専門知識を要するため、故障時はデータの要不要に応じて、製造元メーカーまたはデータ復旧専門業者への依頼が必要になります。
メーカーや修理専門業者
SSD搭載のパソコンの場合、SSDの交換を行ってもらうことで、機器を正常に動作させることが可能になります。パソコンの保証期間や費用面を調べ、安心できる修理専門業者を選びましょう。ご使用のSSDが無償交換できる場合があります。(交換には条件がある場合がほとんどであるため、保証書を確認してください)
ただしSSDの修理は、あくまで「パソコンを使えるようにする」ことが目的なので、基本的に「データ」を保存しているSSDは初期化されてしまいます。もし大切なデータをHDDに保存している場合はデータ復旧業者に相談しましょう。
データ復旧専門業者
トラブルが発生したSSDから必要なデータを取り出したい場合、最も安全かつ正確にデータを取り出す方法が「データ復旧業者」への依頼です。
ただし、データ復旧業者は国内に100社以上もあり、それぞれ技術力に大きい差があるため、業者を選定するにあたっては注意が必要です。SSDはHDDと比較して、復旧の難易度が一般的に高いのですが、SSDの専門知識やノウハウが蓄積されている復旧業者であれば、復元ソフトでは対応できない重度論理障害や、物理障害についても復旧作業が可能です。
業者を選ぶ際は「専門設備」や「対応実績」などを事前に確認し、障害機器にあった適切な業者を選ぶようにしましょう。データ復旧業者には、事前に無料で相談・診断・見積りが可能なところもありますので、物理障害ではなくとも、確実に取り出したいデータがある方は、いちど専門業者へ依頼するのが安全策と言えるでしょう。
データ復旧サービスの選び方については下記の記事を参考にしてください。
SSDのデータ復旧業者選びで失敗しないポイント
認識しないSSDからデータを取り出したい場合、自力で対応すると状態が悪化する恐れがあります。この際、販売業者やメーカーに対応を依頼すると、内部のデータがすべて初期化される可能性が高いため、どうしても取り出したいデータがSSDにある場合、データ復旧の専門業者に相談することをおすすめします。
データ復旧の専門業者では、メーカーで復旧不可能なデータでも救出できる可能性が高く、個人での対応よりも確実にデータを取り出すことが可能です。ただし、業者の中には、自社内に復旧設備を持たず、作業を外注しているケースも少なくなく、SSDの復旧実績が少ない業者も数多くあります。
そのため、データ復旧の業者に依頼する際は、業者の技術力を見きわめ、本当に信頼できる業者をの選ぶことが最重要のポイントになります。もし、はじめに技術力の低い業者に依頼してしまうと、データを取り出すことはおろか、データを完全に失ってしまうこともあります。
データ復旧業者の実力を確実に見きわめるためにも、以下のポイントは必ず確認しましょう。
データ復旧業者の実力を確実に見極めるためのポイント
- 復旧率が90%以上あり技術がたしかなこと
- 夜間や休日も窓口が営業しており復旧スピードが速いこと
- 後から診断料や部品代などの追加費用が請求されず明朗会計であること
- 復旧成功の口コミや利用者の実例が多数あること
- 自社内に復旧設備を整え、熟練の技術者が多数いること
これらポイントをおさえたデータ復旧業者の選定方法については、以下の記事でも詳しく紹介しています。
おすすめのSSDデータ復旧業者
技術力が高い業者の選定といっても、馴染みのないサービスの判断を素人がするのは難しいです。
そこで、データ復旧サービス各社の価格、内容(対応製品)、期間や特長から比較した、おすすめのデータ復旧サービスを紹介します。
(2023年最新版)おすすめデータ復旧業者ランキングはこちら
デジタルデータリカバリー
公式HPデジタルデータリカバリー
デジタルデータリカバリーは、データ復旧国内売り上げNo.1のデータ復旧専門業者です。復旧率最高値は95.2%と非常に高い技術力を有しています。依頼の8割を48時間以内に復旧と復旧のスピードも優れています。また、官公庁や大手企業を含む累積36万件以上の相談実績があります。
相談から見積もりの提示まで無料で行っているため、データ復旧を検討している際はまずは最大手であるデジタルデータリカバリーに相談すると良いでしょう。
復旧費用 | 相談から見積もりまで無料 500GB未満:5,000円〜 500GB以上:10,000円〜 1TB以上:20,000円〜 2TB以上:30,000円〜 |
---|---|
対応製品 | RAID機器(NAS/サーバー)、パソコン(ノート/デスクトップ)、外付けHDD、SSD、USBメモリ、ビデオカメラ、SDカード・レコーダー等記憶媒体全般 |
復旧期間 | 最短当日に復旧完了(本社へ持ち込む場合) 約80%が48時間以内に復旧完了 |
特長 | 14年連続データ復旧国内売上No.1 復旧率最高値95.2%の非常に高い技術力 官公庁や大手企業を含む累積36万件以上の相談実績 相談・診断・見積り無料(デジタルデータリカバリーへの配送料も無料) |
デジタルデータリカバリーのさらに詳しい説明は公式サイトへ
SSDとHDDの違い
SSDはSolid State Drive(ソリッド・ステート・ドライブ)の略で、PCなどのデータを保存するために用いられる記憶媒体で、HDDと同じような役割があります。
SSDとHDDの違いとして以下のような点が挙げられます。
- 衝撃による故障が発生しにくい
- データの読み書きの速度が速い
- 動作音が静か
- サイズが小さく軽い
SSDはフラッシュメモリーチップを複数持っており、さらにその表面の複数のセルに分散してデータを保存しています。フラッシュメモリーチップへのデータの読み書きは、メモリーコントローラーで記録するため、メモリーコントローラーが故障した際にもSSDに異常が発生する可能性があります。
HDDとSSDは構造や仕組みが異なることから、データを復旧するための対処法も違うため注意が必要です。また、データ復旧業者に依頼する際にも、SSDのデータ復旧に対応している業者に依頼する必要があります。
市販の復元ソフトの多くはSSDからのデータ復旧に対応していない
前提として、データ復旧ソフトをSSDに使用することはおすすめしておりません。
市販のデータ復旧ソフトは、SSDに対応していない場合が多いです。一度ソフトの詳細を確認したり、問い合わせたりするようにしましょう。
SSDが起動しない
電源を入れてもSSDが動かない場合、電源供給が正常に行われていないか、SSD本体が故障している可能性があります。
電力供給が不足しているケース
電力供給が不足している場合、ケーブルを外し、再度、接続し直してください。もし再接続してもSSDが認識されない場合は、ケーブルやUSBポートが断線・破損していることが考えられるので、別のものに交換することで解決する場合があります。
それ以外の要因としては、PC本体に適切に電源が供給されていない可能性も想定されるので、PC側のケーブルを再接続ないし交換するか、外付けSSDの場合、別のPCに接続して使用することをおすすめします。
SSD本体が故障しているケース
この場合、SSDが寿命を迎えた可能性があります。原則として寿命を迎えたSSDを個人で修復、ないしデータ復旧することは出来ません。まずは専門業者に相談し、SSDの故障診断を受け、データの要不要に応じて適切な対応をとることをおすすめします。
業者の中には、初期診断と見積もりの案内まで無料で受けられるため、価格が気になる際は問い合わせて確認しすると良いでしょう。
SSDが起動するがPCで認識しない
エクスプローラー上でSSDが認識されない場合、USBケーブルやUSBポートの不良が考えられます。しかし、電源が供給されているはずなのに適切に動作しない場合、複数の原因が考えられます。
フォルダやファイルが開けない、「フォーマットしてください」「アクセスできません」などのエラーが出る
この場合、システムの問題である「論理障害」が発生している可能性が高いです。
ストレージにデータが表示されず、「フォーマットしてください」「アクセスできません」などのエラーが出る場合、論理障害(ファイルシステムの破損)、もしくはSSDに物理障害が起きていると考えられます。原因は多岐にわたるため、個人で対応すると、SSD自体が完全に破損する恐れがあるので注意してください。
▶フォルダやファイルが開けない、「フォーマットしてください」「アクセスできません」などのエラーが出る場合の対処法はこちら
SSDが認識しないときの注意点
SSDが認識しないときにやってはいけないことや注意すべき点は以下の5点です。
- 通電を控える
- フォーマットしない
- SSDを分解しない
- 叩くなどの衝撃を与えない
- 市販の修復ソフト・データ復旧ソフトを使用しない
通電を控える
SSDに障害が発生している場合、通電すると状態が悪化する可能性があります。
SSDに不具合がある・問題が発生していると感じた場合は、通電や電源のON/OFF、再起動などは極力控えましょう。
フォーマットしない
フォーマットを求めるメッセージが表示されても、フォーマットはしないでください。特に、認識しないSSDに重要なデータを保存している場合はフォーマットしてはいけません。
フォーマットするとデータが消えてしまうため、認識しない時にはフォーマットする前に他の問題がないかどうか一通り確認してください。
SSDを分解しない
自分でSSDを分解するのは避けましょう。分解して修復する作業は専門業者に依頼するようにしましょう。
叩くなどの衝撃を与えない
認識しないSSDを叩いても、症状が改善することはありません。
SSDはHDDなどに比べて物理衝撃には強い構造ですが、それでも叩くなどの衝撃を与えることで基板にダメージを与えるリスクもあります。
市販の修復ソフト・データ復旧ソフトを使用しない
認識しないSSDからデータを取り出したいのであれば、市販の修復ソフトやデータ復旧ソフトを使うのではなくデータ復旧の専門業者に相談するのがおすすめです。
データ復旧ソフトを使用して失敗するとその後のデータ復旧率が落ちてしまいます。特に大事なデータが入っている場合などは、データ復旧の専門家にまず見てもらうようにしましょう。
SSDが認識しないときによくある質問
SSDが認識しないときによくある質問をまとめました。
古いPCでSSDが認識しないのはなぜ?
パソコンのデバイスドライバが古いバージョンのままだと、SSDが適切に表示できないことがあります。
デバイスドライバを更新して認識できるかどうか試してみましょう。
また、パソコンに新しいSSDを組み込む際は、フォーマットしないと認識することができません。フォーマットすることでデータの読み書きができるようになるので、新品のSSDを接続する際はフォーマットしましょう。
なお、既に使用していて必要なデータが入っているSSDはフォーマットしてしまうと逆にデータが消えてしまうため、注意しましょう。
SSDをフォーマットしないとどうなる?
パソコンに新しいSSDを組み込む際、フォーマットしないと認識することができません。フォーマットすることでデータの読み書きができるようになるので、新品のSSDを接続する際はフォーマットしましょう。
なお、既に使用していて必要なデータが入っているSSDはフォーマットしてしまうと逆にデータが消えてしまうため、注意しましょう。
SSDが壊れるとどうなる?
SSDが壊れてBIOSやOSが破損した場合、パソコン自体が起動できなくなる可能性があります。
外付けSSDの場合は、SSD本体の電源が入らなくなったり、起動して認識できても容量が極端に小さく表示されることもあります。
SSDに異常を感じた場合は、むやみに通電を控えて問題を特定し、適切に対処することが重要です。中のデータが必要なときは、SSDの復旧に対応できるデータ復旧業者に相談しましょう。
内蔵SSDが認識しないときはどうする?
内蔵SSDが認識しなくなった際の対処方法は以下です。
- 接続周りを確認する
- PCを再起動
- エラーチェックを行う
- BIOSの設定を変更する
- 内蔵SSDをフォーマットする
- PCを初期化する
- データ復旧業者に相談する
まとめ
SSDが認識されないトラブルについて、起こり得る症状や原因と注意点、対処法について解説しました。
トラブルの原因を突き止め、それに合った対処をとることが重要です。また、フォーマットや初期化を実行してしまうと、保存していたデータが消えてしまうため絶対に行わないでください。
この記事でご紹介している対処法をとっても解決できない、確実に取り出したいデータがあるという場合には、気軽に専門業者の無料診断・相談を利用してみましょう。