パソコンの操作中にMcAfee(マカフィー)の偽警告が表示されることがあります。これはサポート詐欺と呼ばれる詐欺の手口です。偽警告に従ってソフトの購入やインストール、クレジットカード番号の入力などを行ってしまうと、情報漏えい、端末の遠隔操作、金銭被害に遭う可能性があります。
本記事では、マカフィーの偽警告の種類や、表示された際の適切な削除方法、そして万が一被害に遭った際の具体的な対処法について詳しく解説します。
目次
マカフィーの偽警告の種類
Mcafeeの偽警告に書かれる文章は、以下の種類があります。
- コンピュータが感染しています
- ウイルスが見つかりました(5)
- 違法に感染したWebサイトにアクセスしました
- お使いのコンピューターがウイルスやマルウェアに感染しやすい可能性があります
- 今すぐマカフィーを有効にしてください!
- あなたのパソコンは危険にさらされています
- 早急な対応が必要です
- 今、直して下さい
本物のマカフィーのポップアップには、「セキュリティ対策の有効期間が終了しました」「セキュリティに関するお知らせ」などセキュリティ製品の有効期限の案内が表示されます。URL、ドメインは記載されません。ウイルス感染の危険性をあおる警告文には十分注意しましょう。
マカフィーの偽警告が表示された時の削除方法
マカフィーの偽警告が表示された場合、実際にはウイルスに感染していない場合がほとんどです。
警告画面を削除できない場合は、以下の手順で削除してみましょう。
ショートカットキーで画面を閉じる
偽警告の中には全画面表示となり、マウスカーソルでは画面上の警告を削除できない場合があります。偽警告画面を削除したい場合は、キーボードのショートカットキーを使いましょう。ショートカットキーで画面を閉じる方法は以下の通りです。
Windowsの場合
- 「Alt」 + 「F4」キーを押して、現在のウィンドウやタブを閉じる
- 「Ctrl」+「W」キーを押して現在のタブを閉じる
Macの場合
- 「Command 」+「 W」キーを押して、現在のタブを閉じる
- 「Command」 +「 Q」キーでブラウザ全体を閉じる
閲覧履歴やキャッシュを削除する
マカフィーの警告画面を閉じた後は閲覧履歴やキャッシュも削除しましょう。閲覧履歴が残ると、偽警告のサイトを再訪してしまうリスクがあります。またウェブサイトの情報を保存するキャッシュもそのままにしておくと、偽警告のデータが残ってしまうため、ブラウザに応じた方法で削除する必要があります。
各ブラウザごとの閲覧履歴やキャッシュの削除方法は以下の通りです。
Google Chromeの場合
- 画面右上の三点アイコンをクリックし、「設定」を選択
- 「プライバシーとセキュリティ」から、「閲覧履歴データの削除」をクリックする
- 「全期間」を選択し、「閲覧履歴」「キャッシュされた画像とファイル」などのオプションを選び、「データを削除」をクリック
Microsoft Edgeの場合
- 右上の三点アイコンをクリックし、「設定」を選択する
- 左側のメニューから「プライバシー、検索、サービス」を選択する
- 「閲覧履歴のクリア」をクリックし、「全期間」を選択する
- 「閲覧履歴」「キャッシュされた画像とファイル」などを選んで「クリア」をクリックする
Mozilla Firefoxの場合
- 右上の三本線アイコンをクリックし、「オプション」を選択
- 左側のメニューから「プライバシーとセキュリティ」を選び、「履歴とデータを消去」をクリック
- 「閲覧履歴」「キャッシュ」などを選択し、「今すぐ消去」をクリックする
ブラウザ通知を削除・ブロックする
偽警告は、ブラウザの通知をクリックさせて表示させる手口もあります。正しく通知をブロックして、偽警告の表示を減少させましょう。
Google Chromeの場合
- 右上の三点アイコンをクリックし、「設定」を選ぶ
- 「プライバシーとセキュリティ」セクションで「サイトの設定」をクリック
- 「通知」を選択し、通知を許可しているサイトの一覧を確認
- 不要なサイトをクリックし、「ブロック」または「削除」を選択する
Microsoft Edgeの場合
- 右上の三点アイコンをクリックし、「設定」を選択
- 左側のメニューから「プライバシー、検索、サービス」を選択
- 「権限」の下にある「通知」をクリック
- 通知を許可しているサイトのリストから、不要なサイトをクリックし、「ブロック」または「削除」を選択
Mozilla Firefoxの場合
- 右上の三本線アイコンをクリックし、「オプション」を選択
- 左側のメニューから「プライバシーとセキュリティ」を選び、「許可された通知の設定」をクリック
- サイトごとの通知の許可状況が表示されるので、不要な通知を「削除」または「ブロック」に設定
以上が偽警告画面が表示された場合の対処法です。偽警告に誘導されて、ソフトの購入やインストールなどを行ってしまった場合は、情報漏えいなどの危険があるため、専門家に端末を調査してもらうことを推奨します。
マカフィーの偽警告に騙されて遠隔操作された時の対処法
マカフィーの偽警告画面をクリックしてしまうと、別ページに遷移し、ソフトの購入などを勧められる場合があります。遷移先のサイトの誘導に従ってソフトをインストールしたら端末を遠隔操作されてしまうケースもあります。偽警告に騙されて、遷移先サイトの誘導に従ってしまった場合は以下の対処法を試しましょう。
銀行やカード会社に連絡する
偽警告の遷移先のサイトでクレジットカード番号などを入力し、送信してしまうと悪意ある第三者にカード番号を知られてしまい、不正送金などの被害に遭う可能性があります。クレジットカード番号や銀行口座を外部に流出させてしまった場合は速やかに銀行やカード会社に連絡し、カードの利用停止手続きや口座凍結の手続きをとりましょう。
セキュリティソフトでPCをスキャンする
マカフィーの偽警告に従い、遷移先のページのソフトウェアのインストールなどを行った場合、WindowsDefenderなどデフォルトで用意されているセキュリティ機能や、信頼性の高いセキュリティソフトを使用してPCをスキャンしましょう。インストールされたソフトやアプリ内の悪意あるプログラムを検出し、削除することができます。
ただし、サポート詐欺の情報漏えいに用いられる遠隔操作ソフトの一部は、一般的に流通しているソフトです。マルウェアスキャンをすり抜ける可能性がある点に留意してください。
警察に相談する
マカフィーの偽警告を通じて金銭被害や不正アクセスなどが発生した場合、警察に相談することで、事件の捜査を行ってもらえる場合があります。必要に応じて被害届を提出し、送金履歴やブラウザ画面などの証拠を提出しましょう。警察には「サイバー犯罪相談窓口」と呼ばれるサイバー犯罪に特化した通報・相談窓口がありますので、アドバイスが必要であればこちらに相談しましょう。
その他ハッキングやウイルス感染について相談やアドバイスが必要な場合は、以下の記事に相談窓口をまとめてあります。
フォレンジック調査会社に相談する
マカフィーの偽警告によって個人情報の流出や遠隔操作などの被害が発生した場合は、すぐに適切なセキュリティ対策が必要です。しかし、正確な被害の調査はセキュリティソフトのみでは不十分であることに加え、警察やその他の機関では詳細に調査してもらえるとは限りません。また、自身でできるアドバイスのみにとどまる場合もあります。
適切なセキュリティ対策につなげたい場合は、フォレンジック調査会社に相談しましょう。フォレンジック調査とは、電子端末内のデジタル証拠を収集、分析し、被害の範囲や原因を特定する専門的な調査です。
フォレンジック調査を行うことで、情報漏えい、インストールされたマルウェアやリモートソフトの有無、不正通信の有無などを正確に特定し、今後のセキュリティ対策に役立てることができます。
フォレンジック調査会社の中には、警察などの公的機関にそのまま提出可能な調査報告書を作成できるところもあります。
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フォレンジック調査はまだまだ一般的に馴染みが薄く、どのような判断基準で依頼先を選定すればよいか分からない方も多いと思います。そこで、30社以上の会社から以下のポイントで厳選した編集部おすすめの調査会社を紹介します。
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マカフィーの偽警告から端末を遠隔操作されないための注意点
マカフィーの偽警告から端末を遠隔操作されないようにするには、サポート詐欺の手口を理解し、適切なセキュリティ対策を行うことが有効です。遠隔操作や金銭被害などを防止するには、以下の点に注意しましょう。
- 偽警告の指示に従わない
- 遷移先のページの指示に従って操作しない
- OS、アプリ、セキュリティソフトは常に最新版の状態にする
偽警告の指示に従わない
偽警告は、ユーザーを騙して個人情報を盗んだり、不正なソフトウェアをインストールさせたりするために使われます。これらの警告は、ポップアップメッセージや偽のエラーメッセージとして表示され、緊急性を強調することでユーザーの注意を引こうとします。対策としては、まず冷静に対応し、メッセージ内のリンクや電話番号を絶対にクリックしないことが重要です。代わりに、公式のサポート窓口を通じて確認するか、セキュリティソフトでシステムをスキャンして安全を確認しましょう。
遷移先のページの指示に従って操作しない
マカフィーの偽警告の誘導に従うと、「偽のウイルスソフトの購入ページ」「偽の当選ぺージ」などに遷移させられる場合があります。このようなページでは、クレジットカード番号など個人情報の入力や、ソフトウェアのダウンロード、設定の変更などを指示されることが多く、従ってしまうと不正請求や端末の遠隔操作といった危険性があるため、注意しましょう。
OS、アプリ、セキュリティソフトは常に最新版の状態にする
OS、アプリ、セキュリティソフトは、定期的に更新されることで、新たに発見された脆弱性やセキュリティリスクに対応します。これらの更新を怠ると、攻撃者が既知の脆弱性を利用してリモートアクセスを行う可能性が高まります。したがって、自動更新機能を有効にするか、手動で定期的にアップデートを確認する習慣を身につけることが重要です。これにより、セキュリティの維持とともに、システムのパフォーマンスや安定性も向上します。
まとめ
マカフィーの偽警告が表示された場合、正しいショートカットキーを入力して警告画面を閉じましょう。誤って他のページに遷移してしまった場合も、遷移先ページの指示に従わず、そのままページを閉じましょう。
ソフトウェアをインストールしてしまったり、クレジットカード番号などを入力してしまった場合は、情報漏えいや遠隔操作が行われる危険性が高くなりますので、心配であれば、専門家によるフォレンジック調査で端末に異常がないか調査してみることをおすすめします。