
サポート詐欺に遭遇すると、偽の警告画面が表示され、大音量で警告音が鳴り響くことがあります。この状況では、画面が閉じられず操作が制限されてしまうことが多く、表示されたサポートセンターの電話番号に連絡するように誘導されます。しかし、これに従うと数十万円に達する高額なサポート料金を請求されるリスクがあります。
怪しいと感じて電話を切った場合でも、パソコンが遠隔操作され、パスワードなどの重要な情報が変更されたり、パソコンのパスワードなどが勝手に変更されて使用できなくなるなどといったトラブルが発生することがあります。
本記事ではサポート詐欺の警告画面表示に誘導されて電話をかけてしまった場合の対処法を解説します。
パソコンから鳴る警告音はサポート詐欺による偽警告
パソコンの使用中に突然警告音が鳴り、「トロイの木馬に感染しました」「Trojan スパイウェアアラート」「お使いのコンピューターがウイルスやマルウェアに感染しやすい可能性があります」などの警告画面が表示されたら、サポート詐欺の偽警告である可能性が極めて高いです。
警告画面が表示されたのみであれば「esc」キーを長押しして表示された画面右上の「×」ボタンをクリックする、または「Ctrl」+「Alt」+「Delete」キーを同時押しして表示された画面の電源マークから再起動を選択するなどして、画面を閉じましょう。
WindowsやMicrosoft、有名なセキュリティ企業のロゴが使用されることがありますが、画面上の電話番号に電話してしまうと、電子マネーを使った料金の支払いや、遠隔操作ソフトをインストールさせて、パソコンなどの遠隔操作が行われる場合があります。特に遠隔操作ソフトをインストールされると、パソコンを勝手に遠隔操作されてパスワードなどを変更されたり、画面を監視され、パスワードなどを盗み見られ、金銭被害に発展する恐れもあります。
警告画面に書かれた番号に電話してしまった場合の対処法
サポート詐欺の警告画面に表示された電話番号に電話してしまった場合は、情報漏えいや金銭被害を防ぐために偽のサポートセンターに話した内容や、パソコンの状態に応じた適切な対処が必要です。
以下の対処法を電話の内容や端末の状態に応じて試しましょう。
- 何も話さず通話を終了する
- 警告画面を閉じてキャッシュを削除する
- 遠隔操作ソフトをアンインストールする
- カード会社や銀行などに連絡する
- 警察や公的機関に連絡する
- 端末の情報漏えい調査やサポート詐欺調査を行う
端末の情報漏えいや遠隔操作が行われた場合はすぐに専門のサポート詐欺調査会社に相談しましょう。
何も話さず通話を終了する
サポート詐欺の警告画面に従って電話してしまった場合、相手に何も情報を伝えないことが重要です。個人情報を伝えたり、金銭の支払いやソフトのインストールなどの指示に従ったりしないようにしましょう。
警告画面を閉じてキャッシュを削除する
次に、ブラウザに表示されている警告画面を閉じ、キャッシュを削除します。これにより、偽警告が再表示される可能性を減らすことができます。
- 「Ctrl + Shift + Esc」キーを押してタスクマネージャーを開き「タスクの終了」をクリックする
- あるいは「Alt + F4」キーを押してブラウザ画面全体を閉じる
- ブラウザの設定メニューに移動する
- ブラウザに応じて「履歴」「プライバシー」「セキュリティ」などを探してクリックする
- 「キャッシュのクリア」と削除する期間を選択してキャッシュを削除する
遠隔操作ソフトをアンインストールする
偽のサポートセンターの指示に従ってリモートソフトなどをインストールしてしまった場合は、ソフトをアンインストールしましょう。外部からの不正アクセスや画面の監視を防止できることがあります。
- 「Windows+ R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「コントロールパネル」と入力してEnterキーを押し、コントロールパネルを開く
- 「プログラムのアンインストール」や「アプリと機能」をクリックする
- リストからアンインストールしたい遠隔操作ソフト(TeamViewer、AnyDeskなど)を見つけてクリックする
- 「アンインストール」ボタンをクリックし、表示される指示に従ってアンインストールを完了させる
カード会社や銀行などに連絡する
万が一、電話口でクレジットカード番号や銀行口座の情報を伝えてしまった場合は金銭被害に遭う可能性が極めて高くなります。直ちにカード会社や銀行に連絡し、不正利用や情報漏えいについて報告しましょう。必要に応じて、カードの停止や口座の凍結を依頼しておくと安心です。
警察や公的機関に連絡する
サポート詐欺の被害に遭った場合は、警察や消費生活センターなどの公的機関に連絡し、被害を報告します。相談先によって法的なアドバイスがもらえるだけでなく、他のユーザーへの注意喚起や今後の被害防止につながります。
ただし、公的機関によっては相談できる時間帯や相談内容が決まっており、攻撃者による遠隔操作や不正アクセスにすぐ対応してもらえない場合もあるため、注意しましょう。
端末の情報漏えい調査やサポート詐欺調査を行う
サポート詐欺の被害に遭い、「電話の指示に従って遠隔操作ソフトをインスト―ルしてしまった」「パスワードが勝手に変更された」「頻繁に不正アクセスされる」といった被害が発生している場合、遠隔操作ソフト等を通じて遠隔操作や情報漏えいが行われた可能性があります。単に遠隔操作ソフトを削除しただけでは何の情報が漏洩したかなど知ることは困難です。
偽のサポートセンターに端末を操作された場合は、遠隔操作アプリは削除せず専門家によるサポート詐欺調査や情報漏えい調査を実施することをおすすめします。さらに心配であればネットワークを切断しましょう。
サポート詐欺調査では「フォレンジック」と呼ばれる電子端末内のデータを保全し、解析する警察の捜査でも使われる専門技術が使われます。この調査を行うことで、遠隔操作ソフトによる被害の範囲や外部に端末の情報を流出させていないかなど詳細に調査することができます。
また、サポート詐欺調査会社の中には、警察や個人情報保護委員会などの公的機関にそのまま提出できる調査報告書を作成できるところもあります。調査会社に相談する際は、目的に応じて利用しましょう。
おすすめのサポート詐欺調査会社
公式サイトデジタルデータフォレンジック
編集部が厳選したおすすめのサポート詐欺調査会社は、デジタルデータフォレンジックです。
デジタルデータフォレンジックは、累計3万9千件以上の豊富な相談実績を持ち、全国各地の警察・捜査機関からの相談実績も395件以上ある国内有数のフォレンジック調査サービスです。
24時間365日の相談窓口があり、緊急時でも安心です。相談から見積りまで無料で対応してくれるので、フォレンジック調査の依頼が初めてという方もまずは気軽に相談してみることをおすすめします。
サポート詐欺によって発生する被害
「トロイの木馬に感染しました」などの画面から電話をかけてしまうと、マイクロソフトなどを名乗る偽のサポートセンターにつながります。最終的に案内に従って操作などを進めると、以下のような被害に遭うことがあります。
- パソコンを遠隔操作される
- 高額な支払い料金を請求される
パソコンを遠隔操作される
偽のサポートセンターの電話につながると、 「パソコンがウイルス感染している」などの名目で既成の遠隔操作ソフトをインストールさせ、サポートセンター側の遠隔操作を承認してもらいます。遠隔操作を許可してしまうと、偽のサポートセンター側でファイルの閲覧や、システム設定の改変が可能になり、パスワードの変更や、個人情報・認証情報などの情報漏えいが行われる可能性が極めて高まります。被害者が気づかないままマルウェアを仕込まれる可能性もあり、特に企業端末での被害は情報漏洩や業務停止に直結する場合もあります。
高額な支払い料金を請求される
偽のサポートセンター側で少し操作などが行われると、数万円から十数万円のサポート料金を請求されます。支払い手段はコンビニなどでGoogle Playギフトカード、Appleギフトカードなどを購入して、電話口でギフトコードを教えるよう要求します。このまま指示に従って、ギフトコード番号を教えてしまうと、入力ミスなどを名目に再度ギフトカードの追加支払いなどを求められる場合もあります。絶対に警告画面の電話番号からつながったサポートセンターへの支払は行わないでください。
また、氏名を尋ねられたり、ネットバンキングを開かせて支払いを行わせる場合もあります。不正送金などにつながる可能性があるため、注意しましょう。
まとめ
今回はパソコンの警告音に騙されて画面に表示された電話番号に電話してしまった場合の対処法について解説しました。偽のサポートセンターに個人情報や電子マネーの番号を伝えなくとも、遠隔操作ソフトをインストールしてしまうことで、ハッキングや不正アクセスの被害に遭う可能性があります。電話の指示に従って遠隔操作ソフトをインストールしてしまった場合は、被害の全容を正確に把握するために、フォレンジック調査の専門家まで相談しましょう。