昨今のデジタル社会では、家族やビジネスにおけるコミュニケーション手段として、LINEなどのメッセージングアプリが広く利用されています。その一方で、LINEを遠隔操作できる監視アプリの利用が注目を集めています。これらのアプリは、親が子供のオンライン活動を見守るためや、企業が従業員の業務用端末を管理するために用いられることがあります。しかし、便利な機能を提供する一方で、これらのアプリには重大な危険性も潜んでいます。
本記事では、LINEを遠隔操作できる監視アプリの具体的なメリットと、その使用に伴う危険性について詳しく解説します。また、不審なアプリがデバイスにインストールされていた場合の対処法についても解説します。LINEや電子端末の個人情報の漏洩を防ぐために、ぜひ最後までご覧ください。
目次
LINEを遠隔操作できるアプリの種類
LINEを遠隔操作できるアプリは存在します。これらのアプリは、モバイルデバイス管理(MDM)ソフトや、監視ツールとして提供され、子供や従業員のスマホ利用の監視などに利用されます。
代表的なLINEの遠隔操作アプリの種類は以下の通りです。
- mSpy
- spyic
- Hoverwatch
- KidsGuard for Line
以上で紹介したアプリの中にはLINE以外にも、インストールした端末の位置情報や通話記録なども見れるものがあります。
LINEの遠隔操作アプリを使うメリット
LINEの遠隔操作アプリを使用すると、ユーザーの行動を詳細に監視できます。アプリによってサービスは異なりますが、アプリで以下の内容を閲覧することが可能です。
- LINEのトーク履歴
- 通話履歴
- 位置情報
- ウェブサイトへのアクセス履歴
- 写真・動画・ファイルの監視
例えば、子供のメッセージツールの利用を監視することで、いじめや詐欺などの犯罪、成人向けコンテンツへのアクセスをブロックすることが可能です。また、企業は従業員のスマートフォンに遠隔操作アプリを導入することで、情報漏えいやハラスメント、職務怠慢の早期発見を可能とし、適切な対処を打つことが可能になります。
遠隔操作アプリの使い方
LINEの遠隔操作アプリを使用するためには、まず対象のデバイスにアプリをインストールする必要があります。以下は一般的な手順です
- アプリのサービスに登録し、AppStoreやアプリの公式サイトからアプリをダウンロードする
- 監視対象のデバイスにソフトウェアをインストールする
- 必要な内容を監視できるようにアプリの設定を行う
遠隔操作アプリを使うリスク
遠隔操作アプリを使用するには、相手の端末にアプリをインストールする必要があります。しかし、監視対象者の同意を得ずに監視アプリをインストールすると、「不正アクセス禁止法違反」などにあたる可能性があります。
不正アクセス禁止法は、他人のコンピュータシステムに対して権限のないアクセス(不正アクセス)を禁止する法律です。これには、パスワードを盗んだり、システムの脆弱性を利用してアクセスする行為が含まれます。特に相手のパスワードを勝手に利用すると、法律に抵触し「3年以下の懲役または100万円以下の罰金( 不正アクセス禁止法 第11条)」が科されます。
さらに監視アプリは全てが安全とは言えず、中には悪意のある第三者がこれらのアプリを悪用して、監視対象のデバイスに不正アクセスする可能性があります。さらに、一部の遠隔操作アプリはマルウェアやスパイウェアとして機能することがあり、個人情報の漏洩やデバイスの機能不全を引き起こす可能性があります。これらのリスクを十分に理解し、適切なセキュリティ対策を講じることが重要です。
覚えのない遠隔操作アプリが入っていた時の対処法
最後に、インストールした覚えのない遠隔操作アプリが入っていた場合の対処法を紹介します。
セキュリティやパスワードの確認と再設定
まず、「設定」アプリをタップして、端末のセキュリティ設定やパスワードを確認し、再設定を行います。すべてのアカウントのパスワードを10文字以上の推測されにくい強力なものに変更し、二要素認証(2FA)を有効にすることを推奨します。これにより、不正アクセスを防ぐことができます。iPhoneとAndroidでの操作手順は以下の通りです。
iPhoneの場合
- ホーム画面から「設定」アプリをタップします。
- 「設定」メニューの中から「Face IDとパスコード」または「Touch IDとパスコード」をタップします
- 現在設定しているパスコードを入力します
- 「パスコードを変更」をタップし、4桁または6桁の数字、もしくは英数字のカスタムパスコードを入力します
- 新しいパスコードが設定されます
Androidの場合
- 「設定」アプリをタップする
- 設定メニューの中から「セキュリティ」、「セキュリティとロック画面」あるいは「ロック画面とセキュリティ」をタップします。
- 「画面ロック」または「スクリーンロック」のオプションをタップします
- 現在の画面ロックのパスワード、PIN、またはパターンを入力します
- 「パスワード」オプションを選択し、新しい複雑なパスワードを入力します。
- 新しいパスワードが設定されます
アプリを削除する
不審な遠隔操作アプリの中には、LINEや他のアプリケーションに不正アクセスを行い、個人情報を収集して、第三者にデータを送信するものもあります。個人情報の漏えいを防ぎたい場合、アプリを削除して被害の拡大を防ぎましょう。
アプリを削除する方法は以下の通りです。
- ホーム画面から「設定」アプリをタップします
- 「設定」メニューの中から「アプリと通知」または「アプリ」を選択します
- 「すべてのアプリを見る」または「アプリの管理」をタップして、インストールされているアプリの一覧を表示します
- リストから不審なアプリを探してタップします。アプリ名が不明瞭であったり、記憶にないアプリが対象となります
- アプリの詳細ページで「アンインストール」ボタンをタップします。確認メッセージが表示されたら、再度「アンインストール」を選択します
- デバイスを再起動して、変更を反映させます
ウイルススキャンを行う
遠隔操作アプリの中には、アイコンが表示されず、マルウェア(ウイルス)まで含まれているものもあります。「スマートフォンの充電の減りが早い」「操作していないのにカメラなどが勝手に動く」など、スマホやパソコンの動作がおかしい場合は、信頼できるセキュリティソフトを使用してデバイスをスキャンします。これにより、遠隔操作アプリやその他のマルウェアが検出され、削除することができます。
ハッキング調査を受ける
LINEを遠隔操作できるアプリがいつのまにかインストールされていて、個人情報が漏洩しているか不安に感じた場合は、専門家によるハッキング調査を受けることをおすすめします。
専門家によるハッキング調査では「フォレンジック(デジタルフォレンジック)」と呼ばれる技術を使用しています。この技術は端末上のデジタルデータを証拠として科学的に収集し解析する手法です。特殊なツールを使用して、アプリや通信ログを詳細に調査し、不正アクセスやマルウェア感染、不審なアプリの痕跡などを明らかにします。このようにフォレンジック技術を使って収集された証拠は、警察や裁判所などで証拠として取り扱われる場合もあります。
このようなハッキング調査は探偵、興信所などもスマホの乗っ取り・ハッキング調査サービスを提供していることがありますが、彼らはハッキング調査を専門に行っているわけではありません。ハッキング調査には高度な専門知識と最新のツールが必要です。次の場合、ハッキング調査会社(フォレンジック調査会社)に相談することを強くおすすめします。
- 「端末がハッキングされているか自分で調査するのが難しい」
- 「ハッキングされたことを誰にも知られたくない」
- 「警察への相談を考えているため確実な調査や対処を行いたい」
ハッキング調査会社についてより詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
おすすめのフォレンジック調査会社
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基本情報 | 運営会社:デジタルデータソリューション株式会社 所在地:東京都港区六本木6丁目10-1 六本木ヒルズ森タワー15階 |
受付時間 | 24時間365日 年中無休で営業(土日・祝日も対応可) ★最短30分でWeb打合せ(無料) |
まとめ
LINEの遠隔操作アプリは、子供の安全なネット利用や、従業員の職務怠慢を監視するツールとして便利ですが、使い方によっては法律に抵触し、相手から訴訟されるリスクもあります。相手の承諾を経てからこれらのアプリを利用しましょう。また、LINE遠隔操作アプリの中には、スマホの画面にアイコンが表示されないものもあります。不審なアプリが複数インストールされていた場合、自分で全てのアプリに気づくのが困難な可能性があるため、アプリによる情報漏えいがないか調査したい場合や、警察に相談したい場合は、専門家によるフォレンジック調査を行い、端末を詳細に調べてもらいましょう。