Western Digital製のHDDは家庭用のPCから企業のサーバーまであらゆる場所で使用されています。使用中突然HDDが認識されなくなった場合は、システムエラーや本体の故障が発生している可能性が高く、適切な対処法で解決する必要があります。
原因次第では簡単な操作で認識できる場合もありますが、状態によっては作業を続けることで、データの消失につながってしまう場合もあります。
本記事ではWestern Digital製のHDDがPC上で認識しない場合、正常に認識させるための対処法と保存データを復旧する方法について解説します。
目次
Western DigitalのHDD製品の種類
Western Digital製のHDDは用途に応じた製品が販売されています。種類は「Blue」「Black」「Red」「Purple」「Gold」の5つです。以下の表に各製品の特徴をまとめてあります。
Western Digital HDDの種類 | 特徴 |
Blue | 一般的パソコンや外付けHDDとして使用可能。データ転送が高速。 |
Black | クリエイター・ゲーマー向けのHDD。処理能力がBlueより高い |
WD Red/Red Plus/ Red Pro | 企業のNAS/サーバー向け。24時間連続稼働が可能 |
Purple | 防犯・監視カメラ向け。24時間の稼働や機器の振動・発熱の耐久性が高い |
Gold | データセンター向けの大容量HDD。24時間稼働・同時接続に対する耐久性を持つ |
Western Digital製HDDが認識しない原因
Western Digital製HDDが認識しない原因には以下の要素が考えられます。
USB接続の問題
USBケーブルが正しく接続されていない、またはケーブル自体に損傷がある場合、Western Digital製HDDはパソコンに認識されません。異なるUSBポートを試すか、別のケーブルと交換して再接続を行いましょう。
ドライバーの不具合
ドライバーとはPCをOSで管理させるためのソフトウェアです。ドライバーが古い、または正しくインストールされないと不具合が発生することがあり、HDDが認識できなくなります。ドライバーの不具合が認識不良の原因であれば、デバイスマネージャーからドライバーの更新を行うと解決できます。
OSの互換性の問題
Western Digital製HDDとPCのOSに互換性の問題があると、認識不良の原因となる場合があります。特に片方が古いOSを使用している場合や、最新のファームウェア(ハードウェアを制御するプログラム)にアップデートしていない場合、HDDが正しく認識されないことがあります。
Western Digital製HDDの論理障害
HDD本体に傷はないものの、内部のデータに発生した障害は論理障害と呼ばれます。
論理障害がHDDに発生すると、以下のような症状が発生することがあります。
- HDDが認識されない
- 保存したファイルやフォルダが開けない・コピーできない・表示されない
- エラーメッセージが表示される
- 「フォーマットしますか?」などエラーメッセージが表示される
以上のような症状は、「操作中の強制終了」「データの誤削除・フォーマット」「停電」などが原因で発生することがあります。
論理障害は、パソコンのツールや復旧ソフトを使って解決できる可能性もありますが、「通電」「データのフォーマット・初期化」「データ復旧ソフトの使用を繰り返す」ことでデータが上書きされると状態が悪化することがあります。論理障害がツールで直せるかどうかは自身で判断するのは困難ですので、大切なデータがHDDに保存されているのであれば、専門の業者に相談することをお勧めします。
Western Digital製HDDの物理的な破損
Western Digital製HDD本体が物理的に破損してしまうと、目に見えない小さな傷だとしてもPC上に認識されなくなる場合があります。物理的に破損したHDDでは保存したデータにも問題が発生し、文字化けやデータの消失などが発生する恐れがあります。これを物理障害と呼び、消えたデータはデータ復旧ソフトやPCの修復ツールで完全に回復させることは困難です。
Western Digital製HDDが物理的に破損するとして原因として多いのは以下の通りです。
- 落下などの強い衝撃
- 水没
- 経年劣化
Western Digital製HDDに限らず、物理障害が発生したHDDからは「カチカチ」「カリカリ」といった異音や「フォーマットしますか」などのエラーメッセージが認識不良と一緒に発生することもあります。
物理障害が発生したHDDからデータを復旧するには、専用のツールと専門知識、復旧のための技術が必要になります。失いたくない重要なデータがある場合は以上の要素を兼ね備えたデータ復旧業者に相談しましょう。信頼できるデータ復旧業者の選び方については以下の記事で紹介しています。
Western Digital製HDDが認識しない時の症状とその特徴
Western Digital製HDDが認識しない場合、以下のような症状が同時に発生する場合があります。
電源ランプがつかない
Western Digital製のHDDの電源ランプがつかない場合、ケーブルや接続に問題がある可能性があります。正しく接続されているか確認し、ケーブルが破損・劣化していれば交換しましょう。なお、稀にパソコンの接続口が破損していて電源供給ができない場合もあります。その場合は別のパソコンに接続して認識されるか確認しましょう。
異音がする
Western Digital製HDDから「カチカチ」「カタカタ」「ジー」といった異音が継続して鳴る場合、すぐに専門の業者に診断してもらう必要があります。
HDDはディスクに記録されたデータを、レコーダーの針のような部品(プラッタ)で読み書きする仕組みとなっています。正常な状態であればモーターの駆動音以外は鳴りませんが、プラッタが不規則な動作をしたり、ディスクに接触することでディスクが傷つき、保存されたデータにもアクセスできなくなります。
HDDは消耗品のため、基本的にメーカーなどで修理することはできません。しかしHDDに保存されたデータであれば、専門的な復旧技術を使うことでHDDからデータを取り出すことが可能です。
Western Digital 製のHDDが認識しない場合の注意点
Western Digital 製のHDDがパソコンで認識しない場合、誤った操作を行うと、アクセスできないデータ量が増加するリスクや、HDDが完全に故障してしまうリスクが発生します。
通電を続けない
Western Digital 製のHDDがパソコン上で認識されない場合、障害の種類によっては継続して電源を供給し続けると、内部の損傷がさらに進行する可能性があります。HDDから異音が聞こえる場合や、認識しない原因が不明な場合は、HDD本体が破損している可能性があるため速やかにHDDとパソコンの電源を切り、接続を解除してください。これにより、データの損失や物理的な損傷を防ぐことができます。
フォーマット・上書きをしない
HDDが認識しない問題を解決しない原因がHDDやパソコンのシステムエラーの場合、フォーマットを行うとエラーが解決できる場合がありますが、すぐに実行することはおすすめできません。フォーマットを行うと内部のデータが再構築され、元々保存されたデータにアクセスすることができなくなります。
データをフォーマットしても保存データそのものは残っているため、データ復旧の専門家に相談して取り出してもらえる場合があります。一方でデータの上書きや更新・通電を行うと保存データの上に新たなデータを上書きしてしまうため、早めの相談が大切です。
分解・開封をしない
Western Digital製のHDDを自分で分解や開封するのは危険です。HDDの内部は非常に繊細です。分解時に発生する衝撃だけでなく、周囲の微細なホコリやチリが入り込むだけで部品を傷つけてしまいます。分解や開封を行うには、症状を悪化させないように手術室に相当する清潔な空間で作業する必要があります。
クリーンルームと呼ばれる設備を保有しているデータ復旧業者であれば、無菌室に相当する清潔な空間で復旧経験の豊富なエンジニアが作業するため、個人で作業するよりも安全にHDDの復旧作業が可能です。
Western Digital製HDDを認識させる方法
軽度なシステムエラーであれば、パソコンのツールを利用してWestern Digital製HDDを認識できる状態に戻すことが可能です。
ドライバーの更新と再インストール
片方の機器が古いドライバーを使用していた場合、更新や再インストールを行いましょう。手順は以下の通りです。
- WindowsキーとXキーを押して「デバイスマネージャー」を開く
- ディスクドライブのセクションにあるWestern Digital製のHDDを探す
- ドライバーを更新したいHDDを見つけたら右クリックし、「ドライバーの更新」を選択
- ドライバーを検索し、指示にしたがって更新を行う
- 更新完了後も問題が解決しない場合はデバイスマネージャーから「ドライバーのアンインストール」を選択する
- PCを再起動してドライバーの再インストールを行う
HDDの接続を変更する
Western Digital製HDDが認識されない場合、接続に問題がある可能性があります。最初にパソコンの異なるUSBポート(差し込み口)に再接続してみてください。それでも認識されない場合は、ケーブルを交換して再接続を試してみましょう。パソコンとHDDの電源を切り、ケーブルの再接続を行ったら、パソコンを再起動して、HDDが認識されるか確認してください。
Western Digital製HDDのエラー修復を行う
PCからWestern Digital製HDDのエラー修復を行う方法はいくつかあります。最初に事前準備なしで行える、WindowsPCでエラー修復を行う方法を解説します。
- WindowsキーとXキーを同時に押してリストを表示させる
- リストから「ディスクの管理」を選択する
- エラーチェックするHDDを選択して右クリックする
- 「プロパティ」をクリックする
- 「ツール」タブの「チェック」を選択して診断を行う
- エラーを発見した場合、「このドライブを修復する」をクリックしてエラーを修復する
またWestern Digital製HDDを使用している場合、「WD Drive Utilities」という専用のツールをダウンロードすることで診断とエラーの修復が可能になります。Western Digital社の公式ホームぺージからダウンロードして使用しましょう。
WD Drive Utilitiesでもエラーの修復ができない場合は市販のデータ復旧ソフトを使用する方法もあります。HDDに対応している復旧ソフトの一部は以下の通りです。全て無料版と有料版が存在するので、有料版を購入する場合は、使用しやすく復旧に必要な性能を備えているか確認しましょう。
- Recuva
- EaseUS Data Recovery Wizard
- FonePaw データ復元
なお、ツールを使用してもエラー修復やデータ復旧ができない場合は、HDDが経年劣化などで物理的に破損している可能性があります。繰り返しツールをかけると通電による負荷やデータの上書きが発生するため、オリジナルのデータが完全に消失する可能性があります。
ツールによる復旧に失敗した場合は、データを直接修復できるデータ復旧業者に相談しましょう。破損したエラーを直接修復するので、市販のツールで修復できないエラーや復旧できないデータを復旧します。
HDDのアクセス権限を変更する
「HDDにアクセスできません。アクセスが拒否されました」といったエラーメッセージが表示された場合、ユーザーがアクセス権限を持っていないことが原因である可能性があります。
以下の操作を行いアクセス権限を変更しましょう。
- 「エクスプローラー」をクリックし、HDDを右クリックする
- 「プロパティ」をクリックし、セキュリティタブをクリックする
- 「編集」ボタンをクリックし、「拒否」の項目についているチェックを外す
- 「OK」をクリックしてアクセス権限を変更する
HDDのドライブ文字を変更する
コンピューターのOSはドライブ文字によって各ストレージを識別しています。したがって、複数のストレージで同じドライブ文字が使用されると、OSはどちらのデバイスにアクセスすべきかを判断できず、ストレージが認識されない結果となります。
以下の手順に従ってHDDのドライブ文字を変更し、重複を解消しましょう。
- WindowsキーとXキーを同時に押して「ディスクの管理」をクリックする
- HDDのパーティションを右クリックし、「ドライブ文字とパスの変更」を選択する
- 「追加」をクリックし、他と重複しないドライブ文字を割り当てる
- 「変更」をクリックするとドライブ文字が変更される
データ復旧業者に相談する
パソコン上のツールや市販のソフトを使用してもWestern Digital製HDDが認識されない場合、またはHDDに重要なデータが残されている場合は、技術力の高いデータ復旧業者に相談することをおすすめします。「データ復旧は一発勝負」といわれ、一度復旧に失敗した機器は、破損やデータの上書きが進行した状態から復旧する必要があるため、必然的に復旧の難易度があがります。
技術力の高いデータ復旧業者であれば、豊富な復旧経験を持つエンジニアが在籍しているため、復元ソフトやツールで修復できない障害も、高度なノウハウによって復旧に成功できる場合があります。場合によっては短時間で完了できる場合もあるため、まずは相談してみましょう。
おすすめのデータ復旧業者
データ復旧業者は全国100社以上あると言われており、復旧率や対応範囲は業者によって大きく違います。確実にデータ復旧するには、実績が豊富で復旧率の高い業者に依頼するのが一番です。
そこで、全国の業者から復旧率・実績・復旧スピード・価格や特徴を比較して厳選したおすすめサービスをご紹介します。編集部おすすめのデータ復旧業者は、こちらのデジタルデータリカバリーです。
デジタルデータリカバリー
公式HPデジタルデータリカバリー
デジタルデータリカバリーは、14年連続データ復旧国内売り上げNo.1(※1)のデータ復旧専門業者です。復旧率最高値は95.2%(※2)と非常に高い技術力を有しています。依頼の8割を48時間以内に復旧と復旧のスピードも優れています。また、官公庁や大手企業を含む累積46万件以上の相談実績があります。
この業者は、相談から見積もりの提示まで無料で行っているため、データ復旧を検討している際は、自力で復旧作業に取り掛かる前に、まずは最大手であるデジタルデータリカバリーに相談すると良いでしょう。
対応製品 | ■記憶媒体全般 ハードディスク、外付けHDD、NAS/サーバー(RAID構成対応)、パソコン(ノートPC/デスクトップPC)、SSD、レコーダー、USBメモリ、SDカード、ビデオカメラ、スマホ(iPhone/Android)、ドライブレコーダー等 |
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復旧期間 | 最短当日に復旧完了(本社へ持ち込む場合) 約80%が48時間以内に復旧完了 |
設備 | 復旧ラボの見学OK クリーンルームクラス100あり 交換用HDD7,000台以上 |
特徴 | ✔データ復旧専門業者 14年連続データ復旧国内売上No.1(※1) ✔復旧率最高値95.2%(※2)の非常に高い技術力 ✔官公庁や大手企業を含む累積46万件以上の相談実績 ✔相談・診断・見積り無料(デジタルデータリカバリーへの配送料も無料) ✔365日年中無休で復旧対応 |
所在地 | 本社:東京都六本木 持込み拠点:横浜、名古屋、大阪、福岡 |
デジタルデータリカバリーのさらに詳しい説明は公式サイトへ
※1:第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく(算出期間:2007年~2020年)
※2:2018年2月実績 復旧率=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数 (2017年12月~2021年12月の各月復旧率の最高値)
まとめ
Western Digital製HDDはエラー修復用のツールなども用意されているため、軽微なシステムエラーであれば解決することが可能です。ただしがあらゆる手段を尽くしてもHDDが認識しない場合、物理的にHDDが破損し、データが読み込めなくなっている可能性があります。保存データを取り出したい場合は、技術力の高いデータ復旧業者に相談することで、破損が深刻な場合でも復旧できる可能性を高めることができます。