職務怠慢を証明するには?証拠データの調査方法や裁判への準備について徹底解説|サイバーセキュリティ.com

職務怠慢を証明するには?証拠データの調査方法や裁判への準備について徹底解説

本コンテンツには広告を含み、本コンテンツを経由して商品・サービスの申込みがあった場合、提携している各掲載企業から送客手数料を受け取ることがあります。

PCやスマホを仕事で常用する現代社会において、従業員・社員の職務怠慢は珍しいことではありません。従業員の職務怠慢にお悩みの企業も多いのではないでしょうか?

職務怠慢が発覚し、それ相応の対応を行う場合、裏付けとなる証拠データを適切に確保することができなければ、職務怠慢の実態を立証することが非常に困難になってしまう恐れがあります。

本記事では、証拠となるデータを適切な形で調査する方法や、労働訴訟や損害賠償などでデジタル証拠を法廷に提出する際の準備すべきことなどについて、相談事例や注意点など交えて解説します。

職務怠慢とは

職務怠慢とは、労働者が職務を怠っている状態を指します。

たとえば職務怠慢・素行不良にまつわる主な相談事例は以下の通りです。

  • 業務と無関係のサイトを頻繁に見ている(残業代も不当に請求している)
  • 職務不履行で、会社に損害が発生したため、従業員に損害賠償を請求したい
  • 退職者の機器から「怠慢の証拠」を調査したいが、返却された機器がフォーマットされている
  • 従業員の職務怠慢が改善されないため、懲戒解雇したところ「不当解雇」だと訴えられた

相談事例にあるように、職務怠慢を改善しない従業員に対して懲戒解雇した場合、当の従業員から逆に労働訴訟を起こされた、というケースも珍しくありません。

仮にこのケースにおいて、企業側が「社員怠慢を裏付ける証拠」を充分に確保できなかった場合、従業員の解雇が無効になるばかりか、解雇期間中の賃金も支払わなければならなくなります。

職務怠慢の代表的な事例

  • 職務怠慢にまつわる相談事例としては、次のようなケースがあります。
  • 解雇事由に該当する規則違反や倫理的な問題
  • 遅刻や欠勤の頻度が高い
  • 業務と無関係ネットの閲覧や私的なメール送信
  • 不当な残業代請求がある
  • 懲戒解雇したところ「不当解雇」だと訴えられた

解雇事由に該当する規則違反や倫理的な問題

社内の規則には大きく「就業規則」「職務規定」の二つが存在します。

就業規則は、企業と労働者が締結する労働契約の一部であり、「労働時間」「賃金」など労働者の労働条件を定めたものです。一方、職務規定は、就業規則とは別に定めることができるもので、特定の職務に従事する労働者の義務や責任を定めたものです。職務規定には、次のようなものが含まれます。

  • 勤務時間
  • 休日、休暇
  • 服装規定
  • 業務命令
  • 機密保持
  • ハラスメント禁止
  • その他、企業が従業員に期待する事項

職務規定は、就業規則に記載されていない事項を定めたり、就業規則の規定を補足したりするために定めることができます。

いずれにせよ、どちらも企業と労働者の間で重要な役割を果たしています。就業規則は、労働者の労働条件を定め、労働者の権利を保護するものであり、職務規定は、企業と労働者の間でのトラブルを未然に防ぎ、円滑な関係を構築するためのものです。

しかし、一部の従業員は、こうした組織の規則に従わず、不適切な行動を取る場合があります。特に職務上の権限を濫用して機密情報を漏えい、ないしハラスメントをおこなう行為も職務怠慢の延長としてみることが出来ます。

この場合、組織は、従業員の不適切な行動に対して、関連する電子データや文書などから職務怠慢の証拠を確保することが重要です。この際、「フォレンジック調査」という手法を駆使することで、不正行為の証拠を正確に解析でき、証拠の収集や保全を適切に行うことが出来ます。

フォレンジックとは、コンピュータに保存された証拠を収集分析する技術で、不正行為の証拠収集などに使用されます。デジタル環境では、ログやデータなどが重要な証拠となり得ます。フォレンジック調査では、これらの証拠を適切に収集・解析し、事件の真相や関与者を法的に証明することが可能です。

遅刻や欠勤の頻度が高い

社員の中には、定時に出社せずに遅刻したり、予定された会議に頻繁に欠席したにもかかわらず、賃金を要求するケースがあります。1度や2度の遅刻や欠勤で懲戒解雇が行われる可能性は低いですが、短期間に遅刻や無断欠勤が常習化している場合、懲戒解雇の可能性は十分あり得ます。

実際の無断遅刻・欠席の判例として東京プレス工業事件が挙げられます。

これは1982年に、六ケ月間に遅刻が二四回、欠勤が一四日に及び懲戒解雇となった従業員が、解雇を不服として起こした裁判です。この裁判では、従業員の遅刻や欠勤に事前の届け出がほとんどなく、就業規則に無断遅刻・欠勤の規定が記されていたことにより、懲戒解雇は有効と判断されました。

このように、就業規則に遅刻・欠勤に関する懲戒処分が明記され、遅刻・欠勤が明らかに常習的である場合、懲戒解雇が適用できる可能性が高くなります。

出典労働基準判例

業務と無関係なネットの閲覧や私的なメール送信

業務時間中、業務に関係のないウェブサイトの閲覧や、私的なメールを送信することは職務怠慢につながります。

これは個人の生産性の低下にとどまらず、最悪の場合、マルウェア感染によって営業停止に陥るリスクが高まるため、会社側は注意する必要があります。

業務中の過度な私用メールの送信について、裁判所では以下の判決が過去に下されています。

「私用メールは、送信者が文書を考え作成し送信することにより、送信者がその間職務専念義務に違反し、かつ、私用で会社の施設を使用するという企業秩序違反行為を行うことになることはもちろん、受信者に私用メールを読ませることにより受信者の就労を阻害することにもなる。」

出典労働基準判例

不当な残業代請求がある

サボりなどの怠慢勤務で不当な残業代を請求することも、職務怠慢の一環です。

企業としても、職務怠慢の傾向があるのに「それを立証する方法がない」として諦めていることがほとんどです。しかしながら近年はデバイスの調査・分析を行うことで、業務態度に対する懲罰や指導が行いやすくなっています。

たとえば、残業の際に使っていたパソコンの利用履歴を調べたり、テレワーク時の位置情報を特定して「漫画喫茶に居座って数時間動いていない」などの事実を明らかにすることで、不当な残業代請求を阻止することが可能となっているわけです

懲戒解雇したところ「不当解雇」だと訴えられた

職務怠慢で懲戒解雇した後、その従業員が不当解雇として企業を訴えたという状況が発生するケースがあります。

この場合、従業員の職務怠慢を客観的に立証するためには、法的に正しい手続きで関連するデータ(勤務記録、業務報告書、メールやチャットの通信履歴、タスク管理ツールのログ)を収集する必要があります。しかし、証拠能力が認められない場合は、裁判所は証拠を事実認定の判断材料として使用することはできません。とくに法執行機関で職務怠慢を立証する場合、自社内でデータを扱うと「証拠能力」を損う恐れがあります。

法律的に正しく「証拠能力」を確保するには「フォレンジック調査」がおすすめ

証拠能力とは、訴訟において証拠として使用できるかを判断する基準です。

たとえば民事訴訟法では、証拠能力を認めるためには次の要件を満たす必要があります。

  • 当事者間で争われている事実に関係しているものであること
  • 真実である可能性が高いものであること
  • 不正な手段によって収集されたものではないこと

証拠能力が認められれば、電子証拠を事実認定の判断材料として法執行機関でも使用することができます。

この際、フォレンジック調査では民事訴訟法における「証拠能力」を確保・保全するのに役立ちます。例えばフォレンジック調査では、デジタル機器から証拠となり得るデータを抽出し、社内不正の事実確認、ないし不正アクセスなどインシデントの被害状況を割り出すことができます。

フォレンジック調査では「証拠データが不正に改ざんされていないこと」または「不正な手段によって収集されていないこと」を確認するために、厳格な手順が用いられます。このため、収集された証拠は、民事訴訟法における「証拠能力」が認められやすく、法執行機関での取り扱いが簡便になるメリットがあります

従業員の職務怠慢が疑われる場合、行うべきこと

職務怠慢を疑われる場合、行うべきことは次のとおりです。

  • 自社の就業規則を確認する
  •  職務怠慢を調査し、証拠を収集する
  • 職務怠慢する従業員と面談を行う
  • 職務を怠慢した従業員に注意・指導を行う
  • 不正に受給した給与を返還させる
  • 弁護士に相談する

この際、有効なのが、フォレンジック調査です。フォレンジック調査は客観的かつ科学的な手法を使用して証拠を収集し、不正の状況を明らかにします。これにより、証拠の確実性と、調査結果の信頼性を高めることができます。

自社の就業規則を確認する

最初に自社の就業規則に、職務怠慢の従業員に対する懲戒処分があるか確認しましょう。懲戒解雇など重い処分を考えている場合、以下の条件を満たす必要があります。

「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、(中略)客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。」(労働契約法第十五条)

従業員に懲戒処分を下すには、就業規則などに懲戒に関する規定が必要です。規定がない状態で解雇するのは不当解雇となるため、処分を下す前に確認しておきましょう。

証拠の収集

職務怠慢を疑われる場合、まず重要なステップは証拠の収集です。

証拠は職務怠慢の具体的な行為やパターンを示し、適切な判断や対応を行うための基礎となります。証拠の収集には以下のような方法があります。

1. 勤務記録の確認従業員の出勤時間や欠勤の履歴、遅刻や早退、欠勤の頻度や傾向を確認
2. 業務報告書や進捗報告の確認業務の品質や遅延の頻度を確認
3. 監視カメラ映像の確認監視カメラが捉えた従業員の行動を確認し、行動をチェック
4. メールやチャットのログを確認業務に関係のない活動や不適切な発言を調査

注意点として、メールやチャットのログなど電子データはデータコピーしただけでは、証拠能力が認められない場合があります。裁判などで活用する場合はォレンジック調査が必要です。

フォレンジック調査では、メールやチャットのログ、Web閲覧履歴、ファイルの作成・編集履歴など電子データから、証拠を収集・解析し、職務怠慢や不正行為を調査します。

中にはパソコンのアクセスログや、電子メールの送受信履歴を削除して証拠隠滅されることもありますが、フォレンジック調査の一環で、データ復旧も行うため、削除されたデータも証拠能力を持たせて復元することが可能です。

なお、フォレンジック調査では、証拠となるデータが不正に改ざんされていないこと、または不正な手段によって収集されていないことを確認するために、厳格な手順が用いられるため、法執行機関で証拠として認められやすくなります。

職務怠慢する従業員と面談を行う

証拠が十分に集まったら、職務怠慢を行った従業員と面談を行い、事情などを聞き取りましょう。この時の面談の内容は裁判となった際に証拠となるので、書面などに記録しておくと良いでしょう。退職を勧める際は強引な方法で行わないよう注意する必要があります。

職務を怠慢した従業員に注意・指導を行う

業務中の私的なネットサーフィンや遅刻といった職務怠慢が明確な場合、口頭注意(戒告)やけん責(始末書の提出)を行い、注意・指導を行う必要があります。注意・指導は長期間に及ぶ場合もありますが、こちらも記録を都度とっておきましょう。

従業員に不正受給した給与の返還を要求する

規則違反を立証できた場合、給与の返還を要求することができます。しかし、給与返還を要求する際は、具体的な証拠や法的な根拠が必要です。一例として「給与の返還に関する規定」労働契約や就業規則に存在する必要があります

この際、労働環境や労働法に基づいた専門家の助言や法的な支援を受けることをおすすめします

弁護士に相談する

従業員の職務怠慢を調査したり、職務不履行による損害賠償請求を提起する足がかりとして、弁護士に相談することは有効な手段です。

あらかじめ法人向けの弁護士事務所に相談することによって的確なアドバイスをもらえるはずです。もし、法的知識が乏しい状態から調査をスタートすると、適切な証拠保全を行えなかったり、法的な手続きで見落としが生じる可能性があります。

職務怠慢調査で使用できる証拠

従業員の職務怠慢を立証するには、デバイス機器(パソコン・スマートフォン・USBメモリなど)に残された「デジタル証拠」を確保し、職務怠慢を立証できる証拠を保全することが推奨されます。

労働訴訟などで証拠能力を持たせることが出来るデータには、以下のようなものがあります。

データ 調査したい情報
メール 会社支給のデバイス機器での私用メールの送受信、個人情報の送信履歴、削除されたメールの内容
画像・動画・音声データ 業務と無関係、または違法コンテンツの有無、不正行為の一部始終の映像
アクセス履歴 WEBサイトの閲覧履歴、ダウンロード履歴、USBメモリ等の接続履歴、ファイルやデータの削除履歴

職務怠慢調査が難しい場合は専門業者に相談

従業員の職務怠慢を調査する場合、十分な人員と時間、調査のノウハウが必要になります。しかし、実際の企業では業務が多忙で時間が取れない場合や、人手不足で十分な調査が行えないことも考えられます。

自社で職務怠慢調査が困難な場合は、第三者である調査専門会社に相談しましょう。調査専門会社であれば調査に対するノウハウが豊富なため、自社では困難な領域の調査も可能です。

主な調査会社には「探偵・興信所」「フォレンジック調査会社」があります。容疑者の尾行や私生活の調査が必要であれば「探偵・興信所」、電子端末から証拠を収集し、データを法的利用する場合は「フォレンジック調査会社」に相談しましょう。

官公庁・捜査機関・大手法人からの調査実績がある会社は、大切なデジタル機器を預ける上で技術面でもセキュリティ面でも信頼できます。また、即日調査可能な会社や24時間365日相談可能な会社に調査依頼することが望ましいです。

中には無料で相談を受け付けているような優良な会社もあるようなので、まずは実績が豊富で信頼できる会社に相談しましょう。今回紹介する調査会社は、デジタルデータフォレンジックです。

【相談無料】累積相談件数が豊富な調査会社:デジタルデータフォレンジック

デジタルデータフォレンジック公式ページ
公式HPデジタルデータフォレンジック

✔警視庁への捜査協力を含む、累計23,000件の相談実績
✔企業で発生しうるサイバーインシデント・人的インシデントの両方に対応
✔国際標準規格ISO27001/Pマークを取得した万全なセキュリティ体制
✔警視庁からの表彰など豊富な実績
14年連続国内売上No.1のデータ復旧技術を保有(※)
(※)データ復旧専門会社とは、自社及び関連会社の製品以外の製品のみを対象に保守及び修理等サービスのうちデータ復旧サービスを専門としてサービス提供している企業のこと。第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく(算出期間:2007年~2020年)

デジタルデータフォレンジックは、累積ご相談件数23,000件以上を誇る、対応件数では国内最大級のフォレンジック会社です。マルウェア感染・情報漏洩・社内不正から、データ復元技術を活用したデータのサルベージまで幅広くサービスを展開しています。

職務怠慢が発覚した時の注意点

職務怠慢が発覚した場合、法律と証拠収集の観点から注意が必要なものがあります。職務怠慢が発覚した際の注意点は以下の3点です。

注意・指導・処分の事実は記録する

遅刻や業務中の私的なメール送信といった職務怠慢を、数回行っただけですぐに懲戒解雇となることはほとんどありません。したがって職務怠慢で解雇が行われ、労働裁判までもつれこんだ場合、職務規定に明確に違反しており、注意・指導を何度も行ったが改善が見られないことを証明する必要があります。

この時に注意・指導・処分を行った事実を記した書類やデータなどが、証拠として提出できます。万が一に備え、注意・指導・懲戒処分を行ったら、必ず記録を取っておきましょう。

もしもパソコンやスマートフォンなどにデータや録音などを保存した場合は、フォレンジック調査を行い、改ざんがないことを証明しておくと良いでしょう。

すぐに解雇しない

職務怠慢に対して安易に解雇すると、労働裁判となった際に企業側が不利となる可能性があります。特に懲戒解雇は適用条件が非常に厳しく、職務怠慢の内容によっては裁判によって解雇が無効となる場合があります。

遅刻やサボりなど軽微な職務怠慢が発覚した場合は、初めに口頭注意や始末書の作成を行い、行動の改善を求めましょう

電子端末の使用を続けさせない

従業員の職務怠慢が発覚した場合、電子端末の使用を続けさせないことが重要です。電子端末の使用を続けると、操作を加えた分だけ内容が上書きされたり、もとは無かった障害が発生してしまうリスクがあり、結果としてデジタル証拠の保全を妨げる恐れがあります。

また、電子端末を確保できたとしても、保存データを法的利用するには「データに改ざんがないこと」を証明する必要があります。これは単にデータのコピーや、スクリーンショットでは証明できません。

デジタルデータに証拠能力を持たせるには、外部の業者にフォレンジック調査を依頼することが推奨されています。第三者が調査することで証拠の客観性が認められ、被害届の提出や裁判などで活用できます

職務怠慢を放置するリスク

職務怠慢は組織に次のような不利益をもたらす可能性があります。

組織はこうした職務怠慢による悪影響に対して適切な対応を行うことで、これらの不利益を最小限に抑える必要があります。

生産性の低下

職務怠慢は、業務の遅延や品質低下につながることがあります。それにより、従業員の生産性が低下する可能性があることは言うまでもありません。しかし、その影響はそれだけにとどまらず、他の従業員やチーム全体の作業も遅延することがあるため、職務怠慢に対しては、真剣に取り組む必要があります。

コストの増加

職務怠慢により業務の遅延や不備が生じると、プロジェクトのスケジュールや予算が乱れる可能性があります。結果として、追加の時間やリソースが必要となり、コストが増加する恐れがあります。

顧客満足度の低下

職務怠慢がサービスの品質や納期に影響を与える場合、顧客満足度が低下する可能性があります。

従業員の士気の低下

職務怠慢が組織内で継続的に問題となる場合、他の従業員の士気にも悪影響を与える可能性があります。特に、優れたパフォーマンスを発揮するチームで職務怠慢が発生し、チーム全体の作業効率やモチベーションが低下すると、組織全体の雰囲気だけでなく、売り上げにも悪影響を及ぼす恐れがあります。

訴訟リスクの増加

職務怠慢は、成果物の質に直結しやすく、クライアントにも損害を与えた場合、訴訟やその他の法的問題を引き起こす可能性があります。

職務怠慢を調査できるフォレンジック調査とは

ここでは電子端末上のデータに証拠能力を持たせる、フォレンジック調査について解説します。

「フォレンジック調査」とは、デジタルデータから法的証拠の収集・保全を行う鑑識・調査のことを指しています。

特に、職務怠慢の調査には、デジタル機器に残されたデータを調査する「コンピューターフォレンジック」が非常に有効です。たとえば証拠となるデータが改ざん・上書きされており、個人では到底対応できない場合でも、フォレンジック調査を行うことで、オリジナルデータの解析・分析を行えるほか、フォレンジック業者が作成した「調査報告書」は「デジタル証拠」として裁判にも提出できます。

職務怠慢の調査で「デジタル証拠」の確保を念頭に置いている方は、以下の図を参照してください。社内不正におけるフォレンジック調査について詳しく解説しています。

(※民事訴訟法234条の規定では、証拠に滅失・変更・改ざんのおそれがある場合、原告は訴えを提起する前からフォレンジック調査などで証拠を保全しておくことができる)

職務怠慢の調査におすすめの会社

フォレンジック調査はまだまだ一般的に馴染みが薄く、どのような判断基準で依頼先を選定すればよいか分からない方も多いと思います。そこで、30社以上の会社から以下のポイントで厳選した編集部おすすめの調査会社を紹介します。

信頼できるフォレンジック調査会社を選ぶポイント

  • 官公庁・捜査機関・大手法人の依頼実績がある
  • 緊急時のスピード対応が可能
  • セキュリティ体制が整っている
  • 法的証拠となる調査報告書を発行できる
  • データ復旧作業に対応している
  • 費用形態が明確である

上記のポイントから厳選したおすすめのフォレンジック調査会社は、デジタルデータフォレンジックです。

デジタルデータフォレンジック

公式サイトデジタルデータフォレンジック

デジタルデータフォレンジックは、累計3万9千件以上の豊富な相談実績を持ち、全国各地の警察・捜査機関からの相談実績も395件以上ある国内有数のフォレンジック調査サービスです。

一般的なフォレンジック調査会社と比較して対応範囲が幅広く、法人のサイバー攻撃被害調査や社内不正調査に加えて、個人のハッキング調査・パスワード解析まで受け付けています。24時間365日の相談窓口があり、最短30分で無料のWeb打合せ可能とスピーディーに対応してくれるので、緊急時でも安心です。

運営元であるデジタルデータソリューション株式会社では14年連続国内売上No.1のデータ復旧サービスも展開しており、万が一必要なデータが暗号化・削除されている場合でも、高い技術力で復元できるという強みを持っています。調査・解析・復旧技術の高さから、何度もテレビや新聞などのメディアに取り上げられている優良企業です。
相談から見積りまで無料で対応してくれるので、フォレンジック調査の依頼が初めてという方もまずは気軽に相談してみることをおすすめします。

費用 ★相談・見積り無料 まずはご相談をおすすめします
調査対象 デジタル機器全般:PC/スマートフォン/サーバ/外付けHDD/USBメモリ/SDカード/タブレット 等
サービス ●サイバーインシデント調査:
マルウェア・ランサムウェア感染調査、サイバー攻撃調査、情報漏洩調査、ハッキング調査、不正アクセス(Webサイト改ざん)調査、サポート詐欺被害調査、Emotet感染調査
●社内不正調査:
退職者の不正調査、情報持ち出し調査、横領・着服調査、労働問題調査、文書・データ改ざん調査、証拠データ復元
●その他のサービス:
パスワード解除、デジタル遺品調査、セキュリティ診断、ペネトレーションテスト(侵入テスト)、OSINT調査(ダークウェブ調査) 等
※法人・個人問わず対応可能
特長 官公庁・法人・捜査機関への協力を含む、累計39,000件以上の相談実績
✔企業で発生しうるサイバーインシデント・人的インシデントの両方に対応
✔国際標準規格ISO27001/Pマークを取得した万全なセキュリティ体制
経済産業省策定の情報セキュリティサービス基準適合サービスリストに掲載
✔警視庁からの表彰など豊富な実績
✔14年連続国内売上No.1のデータ復旧サービス(※)を保有する企業が調査
※第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく。(2007年~2020年)
基本情報 運営会社:デジタルデータソリューション株式会社
所在地:東京都港区六本木6丁目10-1 六本木ヒルズ森タワー15階
受付時間 24時間365日 年中無休で営業(土日・祝日も対応可)
★最短30分でWeb打合せ(無料)

>フォレンジック調査会社の一覧リストはこちら

職務怠慢が立証され、何度指導しても改善が見られない場合

職務怠慢には、以下のような対処方法があります。

  • 口頭または書面による警告
  • 人事異動を行う
  • 減給・出勤停止などの懲戒処分
  • 退職勧奨を行う
  • 懲戒解雇する

対処方法は、職務怠慢の程度や、従業員の改善の可能性などによって異なります。

また、解雇を行う場合は、労働契約法などの法律に定められた解雇の要件を満たす必要があります。

懲戒解雇したところ、従業員から「不当解雇だ」と訴えられるケースもありますが、このような場合には、解雇の正当性を主張するための証拠を収集しておくことが重要です。例えば、遅刻や早退の記録、仕事のミスの内容、業務命令違反の証拠、チャットのログなどを残しておくとよいでしょう。

口頭または書面による警告

初めて職務怠慢が立証された場合、組織は従業員に口頭、または書面で警告を与えることがあります。

こうした警告は、問題の重要性や改善の必要性を従業員に伝えるための手段です。また、このような警告には具体的な改善点や期限が含まれることがあります。

人事異動を行う

面談の結果などを踏まえ、従業員に適正がなかった場合は人事異動や降格人事を検討しましょう。

減給・出勤停止などの懲戒処分

これは従業員の給与を一定期間、一部または全体を減額する処分で、職務怠慢や規則違反などの行為に対して経済的な制裁として行われます。

懲戒処分には以下のような種類があります。

  1. 戒告・けん責(口頭注意・書面による注意)
  2. 減給:(従業員の給与を一定期間、一部または全体を減額)
  3. 出勤停止(一時的に勤務を停止させることで反省や改善を促す)
  4. 降格(役職を下げる。減給を伴うことが多い)
  5. 諭旨解雇(一定期間内に退職届の提出を勧告し、勧告に従い退職届が提出された場合は退職扱いとする
  6. 懲戒解雇(解雇の30日前までに解雇予告を行うか、従業員に30日分以上の解雇予告手当を支払い解雇する)

退職勧奨を行う

退職勧奨とは、企業側で従業員が退職するよう説得し、従業員との合意のうえで退職を行うことを指します。退職を決定する権利は従業員側にあるため、退職勧奨にあたり長時間の拘束や、パワハラ、マタハラを行うと、退職強要として違法になりますので、注意しましょう。

懲戒解雇する

懲戒解雇は、最も厳しい懲戒処分であり、従業員を組織から解雇する処分です。

これは職務怠慢や重大な規則違反、信頼性の欠如などの重大な理由に基づき、雇用契約を終了する措置となります。ちなみに解雇は、他の適切な処分や是正措置が取れない場合に検討されます。組織は、解雇を選択することが合理的で妥当であることを示す必要があるため、あらかじめ適切な調査を行う必要があります

まとめ

今回は従業員による職務怠慢の調査方法について解説しました。

企業側もいざ職務怠慢を調査するとなると、どのような手順で、何を調べたら良いのかわからず、実態を解明することはなかなか困難であるといえます。

もし調査に行き詰った際は、フォレンジック業者を利用するなどし、スムーズに対応できるようにしておきましょう。ただし、作業を丸投げするのではなく、業者と協力しながら業務に支障が出ない範囲で、バランスの良い調査を行いましょう。

  • 中小企業の情報瀬キィリティ相談窓口[30分無料]
  • 情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)募集
  • サイバー保険比較
  • 【企業専用】セキュリティ対策無料相談