退職者による不正アクセスの調査方法|社内で調べる前の注意点と証拠保全のポイント|サイバーセキュリティ.com

退職者による不正アクセスの調査方法|社内で調べる前の注意点と証拠保全のポイント

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退職者による不正アクセスが疑われる場合、まず確認すべきなのは、退職後も社内システムやクラウドにログインしていないか、顧客情報や機密情報が閲覧・ダウンロードされていないか、そして証拠となるログや端末が残っているかです。

ログには保存期間があり、退職者のPCを初期化して再配布したり、アカウントを削除したりすると、痕跡が失われて事実確認や損害賠償請求が難しくなるおそれがあります。被害の有無を判断する前に、まずはログと端末を保全することが重要です。

本記事では、退職者による不正アクセスの主なケースや企業が被る被害、社内で調べる前に注意すべきこと、調査会社に依頼する流れと費用の目安を、第三者の立場から解説します。

退職者による不正アクセスとは

退職者による不正アクセスとは、退職後に権限がなくなったにもかかわらず、企業のシステムやデータに無断でアクセスする行為を指します。在職中に使っていたIDやパスワードが削除されずに残っていたり、共有アカウントのパスワードが変更されていなかったりすると、退職後もログインできてしまうことがあります。

退職後も残っているアカウントでのログイン

メール、クラウドストレージ、営業支援ツール、VPNなどのアカウントが退職後も有効なまま残っていると、外部からログインされるおそれがあります。特に、SaaSや共有アカウントは情報システム部門が把握しきれていないことも多く、停止漏れが起きやすい部分です。

営業秘密の持ち出し

競合他社への転職や独立にあたって、顧客リスト、見積書、設計資料などの営業秘密を持ち出すケースです。退職前に私用メールやクラウド、USBメモリへデータをコピーしておく場合と、退職後に不正アクセスして入手する場合があります。

退職前の持ち出しについては、以下の記事も参考にしてください。

データの削除・改ざんや嫌がらせ

会社への不満などから、業務データの削除や改ざん、社内チャットへの虚偽の投稿などが行われるケースもあります。業務への影響が大きい場合は、復旧と並行して、いつ・どのアカウントで操作されたのかを確認する必要があります。

退職者の不正アクセスで企業が被る被害

退職者の不正アクセスが組織に及ぼす被害は様々ですが、大きなものは以下の3つになります。

競合他社に機密情報が渡る

営業戦略、顧客リスト、開発情報などが競合他社に渡ると、価格や提案内容を模倣され、取引を奪われるなど、競争力の低下につながるおそれがあります。

顧客や従業員の個人情報が流出する

退職者による不正アクセスや持ち出しで個人情報が漏えいした場合、本人への通知や個人情報保護委員会への報告が必要になる可能性があります。対応が遅れると、顧客や取引先への説明が難しくなります。

情報漏えいが発生した企業の個人情報保護委員会への報告義務について解説はこちら>

社会的信頼の低下

情報漏えいが公表・報道されると、取引先や顧客からの信頼を失い、契約の見直しや採用活動への影響が生じることもあります。被害範囲を正確に説明するためにも、早い段階での事実確認が重要です。

退職者の不正アクセスが疑われたら最初にやること

退職者の不正アクセスが疑われる場合、「誰が・いつ・どの経路で・どの情報にアクセスしたのか」を確認する必要があります。ただし、社内で調べ始める前に、次の点に注意してください。

社内で調べる前にやってはいけないこと

  • 退職者のPCやスマホを初期化・再配布する:端末内の操作履歴や削除データの痕跡が失われます。
  • ログを確認しないままアカウントを削除する:サービスによっては、アカウント削除とともにログやメールが消える場合があります。停止(無効化)とログの保全を先に行いましょう。
  • 担当者が退職者のPCを起動して中身を確認する:起動や操作だけでも日時情報やログが更新され、証拠としての信用性が下がるおそれがあります。
  • 市販の復元ソフトを試す:削除されたデータの領域が上書きされ、復元できなくなる場合があります。
  • 証拠がそろう前に退職者へ連絡する:データの削除や、私用端末にあるデータの処分をされるおそれがあります。

退職者・会社支給端末の場合に確認しておくこと

退職者が使っていた会社支給のPCやスマホは、電源を切った状態で保管し、誰がいつ扱ったかを記録しておきましょう。すでに別の社員に再配布している場合は、それ以上の利用を止めて、現状のまま保管してください。

また、退職者のアカウントは、ログを保全したうえで停止し、共有アカウントや管理者アカウントのパスワードも変更します。ログの保存期間はサービスごとに異なり、短いものでは数週間程度で消えてしまうこともあるため、早めの対応が必要です。

会社支給の端末でも私的なデータが含まれる場合があります。就業規則や情報管理規程で端末の調査について定めているかを確認し、調査目的に必要な範囲に限定して進めることが望ましいでしょう。

退職者が設定したパスワードが分からずPCやスマホを開けない場合は、自力で解除を試すとデータが消えるおそれがあります。

パソコンのパスワード解除業者の選び方と相談前の注意点はこちら>

スマホのパスワード・画面ロックが解除できない時の対処法と業者の選び方はこちら>

確認すべき主なログ・データ

  • 退職者アカウントのログイン履歴(日時、接続元IPアドレス、端末情報)
  • VPN・リモート接続のログ
  • メールの送受信履歴、転送設定、添付ファイルの履歴
  • クラウドサービスの閲覧・ダウンロード・共有リンク作成の履歴
  • ファイルサーバーやデータベースへのアクセスログ
  • 業務用PCの操作履歴、USB接続履歴、ファイルコピーの痕跡

これらのログは保管場所や形式がばらばらで、単体では不正かどうか判断しにくいこともあります。社内での確認が難しい場合や、法的対応を視野に入れている場合は、早い段階でフォレンジック調査会社に相談しましょう。

不正アクセス全般の調査方法については、以下の記事で解説しています。

不正アクセスの調査方法と調査会社に依頼する流れはこちら>

退職者の不正アクセスを調査会社に依頼してできること

デジタルデータを法的な証拠として扱える形で保全・解析する調査を「フォレンジック調査」といいます。退職者の不正アクセスでは、主に次のような対応を依頼できます。PCやサーバーを対象にした調査の詳しい流れは、以下の記事で解説しています。

コンピュータフォレンジックとは?PCやサーバーの調査内容や調査方法を解説はこちら>

ログ・端末データの証拠保全

退職者のアカウントのログイン履歴やクラウドの操作ログ、業務用PCのデータなどを、改変されていないことを示せる方法で保全します。証拠性を保ったまま保全することで、後から社内処分や法的手続きに利用しやすくなります。

不正アクセス・持ち出しの痕跡の解析

保全したデータをもとに、退職後のログインの有無、接続元、閲覧・ダウンロードされたファイル、外部への送信やアップロードの痕跡などを解析します。複数のログを照らし合わせることで、単体のログでは分からない一連の流れを把握できます。

削除・改ざんされたデータの調査

退職前後にファイルやメールが削除されていた場合、端末内に残っている痕跡から、削除されたデータや操作の履歴を調べられる場合があります。

証拠にしたい削除データの復元について詳しい解説はこちら>

調査報告書の作成

調査結果は報告書にまとめられ、社内処分の判断材料、弁護士への相談、損害賠償請求、警察への相談、個人情報保護委員会への報告などに活用できます。

調査費用の目安

費用は調査対象の台数やログの量、調査範囲によって変わります。フォレンジック調査会社の場合、端末1台の簡易調査で数十万円前後〜が目安です。サーバーやクラウドを含めて調べる場合は費用が上がるため、まずは無料相談で調査範囲と見積もりを確認するとよいでしょう。

ログ・端末の保全から相談できる調査会社はこちら>

退職者の不正アクセス調査におすすめのフォレンジック調査会社

デジタルデータフォレンジック

DDF
公式サイトデジタルデータフォレンジック

デジタルデータフォレンジックは、累計4万7千件以上の豊富な相談実績を持ち、全国各地の警察・捜査機関からの相談実績も409件以上ある国内有数のフォレンジック調査サービスです。

一般的なフォレンジック調査会社と比較して対応範囲が幅広く、法人のサイバー攻撃被害調査や社内不正調査に加えて、個人のハッキング調査・パスワード解析まで受け付けています。24時間365日の相談窓口があり、最短30分で無料のWeb打合せ可能とスピーディーに対応してくれるので、緊急時でも安心です。

運営元であるデジタルデータソリューション株式会社では17年連続国内売上No.1のデータ復旧サービスも展開しており、万が一必要なデータが暗号化・削除されている場合でも、高い技術力で復元できるという強みを持っています。調査・解析・復旧技術の高さから、何度もテレビや新聞などのメディアに取り上げられている優良企業です。
相談から見積りまで無料で対応してくれるので、フォレンジック調査の依頼が初めてという方もまずは気軽に相談してみることをおすすめします。

費用 ★相談・見積り無料まずはご相談をおすすめします
調査対象 デジタル機器全般:PC/スマートフォン/サーバ/外付けHDD/USBメモリ/SDカード/タブレット等
サービス ●サイバーインシデント調査:
マルウェア・ランサムウェア感染調査、サイバー攻撃調査、情報漏洩調査、ハッキング調査、不正アクセス(Webサイト改ざん)調査、サポート詐欺被害調査、Emotet感染調査
●社内不正調査:
退職者の不正調査、情報持ち出し調査、横領・着服調査、労働問題調査、文書・データ改ざん調査、証拠データ復元
●その他のサービス:
パスワード解除、デジタル遺品調査、セキュリティ診断、ペネトレーションテスト(侵入テスト)、OSINT調査(ダークウェブ調査) 等
※法人・個人問わず対応可能
特長 ✔官公庁・法人・捜査機関への協力を含む、累計39,000件以上の相談実績
✔企業で発生しうるサイバーインシデント・人的インシデントの両方に対応
✔国際標準規格ISO27001/Pマークを取得した万全なセキュリティ体制
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✔警視庁からの表彰など豊富な実績
✔17年連続国内売上No.1のデータ復旧サービス(※)を保有する企業が調査
※第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく。(2007年~2023年)
基本情報 運営会社:デジタルデータソリューション株式会社
所在地:東京都港区六本木6丁目10-1 六本木ヒルズ森タワー15階
受付時間 24時間365日 年中無休で営業(土日・祝日も対応可)
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退職者の不正アクセスに対してとれる法的措置

退職後に不正が発覚した場合、すでに雇用関係がないため、原則として懲戒処分を行うことはできません。そのかわり、事実関係を証拠で示せれば、次のような対応を検討できます。いずれも弁護士に相談のうえ進めてください。

刑事告訴

退職後に権限がないにもかかわらず、IDとパスワードを使って社内システムにログインした場合は、不正アクセス禁止法違反にあたる可能性があります。不正アクセス行為の罰則は、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。

また、秘密として管理されている有用な非公開情報(営業秘密)を、不正な利益を得る目的や会社に損害を与える目的で取得・使用・開示した場合は、不正競争防止法の営業秘密侵害罪に問われる可能性があります。罰則は10年以下の拘禁刑もしくは2,000万円以下の罰金、またはその両方です。ただし、会社側でその情報を秘密として管理していたことなどが要件となるため、日頃の管理体制も重要になります。

損害賠償請求

不正アクセスや情報の持ち出しによって損害が生じた場合は、民法上の不法行為(709条)や、秘密保持契約違反などを根拠に、損害賠償を請求できる場合があります。請求には、不正行為と損害の因果関係を示す証拠が必要です。

内容証明郵便の送付

退職者に対し、不正行為の中止やデータの返還・削除を求める通知として、内容証明郵便を送付する方法があります。送付前に証拠を確保しておかないと、データの削除などをされるおそれがあるため、調査を先行させるのが一般的です。

退職後に不正が発覚した場合の対応については、以下の記事でも詳しく解説しています。

退職後に不正が発覚したときに企業が取れる対応と発生するリスクを解説はこちら>

退職者の不正アクセスを調査するときの注意点

証拠としての信用性を確保する

社内の担当者が独自にログを抽出したり端末を操作したりした場合、改変の可能性を指摘され、証拠としての信用性が争われることがあります。法的手続きを視野に入れている場合は、保全の手順や記録を残せる専門の調査会社に依頼するほうが安全です。

プライバシーに配慮する

会社の端末やアカウントであっても、私的なメールやデータが含まれている場合があります。調査目的を明確にし、必要な範囲のデータに限定して調査することが大切です。就業規則などの根拠や調査範囲に不安がある場合は、相談の段階で事情を説明し、弁護士とも連携して進めましょう。

退職者の不正アクセス調査のおすすめ相談先はこちら>

まとめ

退職者による不正アクセスは、アカウントの停止漏れや端末の管理不足をきっかけに起こり、気づいたときにはログが消えかけていることも少なくありません。疑いがある場合は、端末を初期化せず、アカウントのログを保全してから停止することを優先してください。

損害賠償請求や刑事告訴、個人情報保護委員会への報告を見据える場合は、証拠性を保った調査が必要です。社内だけでの対応が難しい場合は、早めにフォレンジック調査会社へ相談しましょう。

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