パソコンを乗っ取り・ハッキングの手口7選!実際の事例も紹介|サイバーセキュリティ.com

パソコンを乗っ取り・ハッキングの手口7選!実際の事例も紹介

近年、企業や個人を問わず「パソコンの乗っ取り・ハッキング」に対するリスクが高まっています。この記事では、パソコン乗っ取りの代表的な手口と、それぞれの具体的な対策方法について徹底的に解説します。被害を未然に防ぐための知識と行動を身に付けましょう。

マルウェア攻撃

マルウェアは、パソコン乗っ取りにおいて最も一般的かつ危険な手口です。攻撃者はマルウェアを利用して、システムを完全に掌握したり、個人情報を盗み取ったりします。その中でも代表的なものが「トロイの木馬」や「ランサムウェア」です。

手口の詳細

マルウェアは通常、以下のような方法で広がります。

  • 不審なメール: 添付ファイルにマルウェアが仕込まれている。
  • 偽のソフトウェア更新通知: 「最新の更新が必要です」と表示し、悪意あるプログラムをインストールさせる。
  • 悪意あるウェブサイト: 偽サイトでダウンロードを促す。
  • USBメモリなどの物理的なデバイス: マルウェアが仕込まれたデバイスを介して感染する。

一度感染すると、攻撃者はパソコン内のデータを盗むだけでなく、他のデバイスへの感染も試みます。特にネットワーク環境が整っているオフィスや家庭では、被害が拡大しやすくなります。

対策方法

マルウェア攻撃を防ぐには、以下のような対策を講じることが重要です。

  1. 信頼できるセキュリティソフトを導入し、リアルタイム保護を有効にする。
  2. OSやアプリケーションを常に最新バージョンに更新する。
  3. 不審なメールやリンクを開かず、添付ファイルをクリックしない。
  4. USBメモリなど外部デバイスの使用を制限し、不明なデバイスは接続しない。
  5. ネットワークに不審な動きがないか監視するツールを活用する。

フィッシング攻撃

フィッシング攻撃は、正規のサービスや企業を装ったメールやウェブサイトを使い、ユーザーの機密情報(パスワードやクレジットカード情報など)を盗む詐欺手法です。この手口はシンプルですが、巧妙に作られたメールやサイトにより、被害に遭う人が後を絶ちません。

手口の詳細

攻撃者は、以下の方法を使ってフィッシング攻撃を仕掛けます。

  • メール詐欺: 「アカウントのセキュリティが危険にさらされています」などのメッセージでリンクをクリックさせる。
  • 偽のウェブサイト: 本物そっくりのログインページを作成し、ユーザーの情報を収集。
  • SMS詐欺: ショートメッセージでフィッシングリンクを送信。
  • 電話詐欺: サポートを装い電話で情報を聞き出す。

これらの手口は、ターゲットを不安にさせる文言や緊急性を強調する内容で仕掛けられます。

対策方法

フィッシング攻撃を防ぐには、以下の手順を守りましょう。

  1. メールやSMS内のリンクをクリックする前に送信元を確認する。
  2. リンクをクリックせず、公式サイトやアプリから直接ログインする。
  3. 怪しいメールやメッセージを受信したら、公式サポートに連絡して真偽を確認する。
  4. ブラウザやセキュリティソフトの「フィッシング対策機能」を有効にする。
  5. 二段階認証を設定して、不正ログインを防ぐ。

ブルートフォース攻撃

ブルートフォース攻撃(総当たり攻撃)は、パスワードを推測するために考えられる全ての組み合わせを試行する攻撃手法です。特に短いパスワードや単純な組み合わせのパスワードは簡単に破られる可能性があります。

手口の詳細

攻撃者は、自動化されたツールを使用して以下のような方法で攻撃を行います。

  • 辞書攻撃: 辞書にある単語やフレーズを総当たりで試す。
  • 個人情報推測: 誕生日や名前などターゲットに関連する情報を利用する。
  • パスワードリスト攻撃: 流出したパスワードリストを基にログインを試みる。

ブルートフォース攻撃は時間がかかるものの、成功した場合には甚大な被害が発生します。

対策方法

この攻撃を防ぐには、以下の対策が効果的です。

  1. 英数字や記号を組み合わせた複雑なパスワードを使用する。
  2. パスワードの定期的な変更を徹底する。
  3. 二段階認証を有効にし、ログインに追加の確認を求める。
  4. セキュリティソフトを導入して、不正アクセスをリアルタイムで検知する。
  5. ログイン試行の回数制限を設定する。

ソーシャルエンジニアリング

ソーシャルエンジニアリングは、技術的な攻撃手法ではなく、人間の心理や行動を利用して情報を引き出す方法です。例えば、信頼を装った電話やメール、直接の対話を通じて機密情報を聞き出すことが挙げられます。

手口の詳細

以下はソーシャルエンジニアリングの主な手法です。

  • フィッシング詐欺: 「サポート」を装い情報を聞き出す。
  • ショルダーハッキング: パスワード入力を覗き見る。
  • ダンプスターダイビング: ゴミ箱から書類を回収し情報を得る。

対策方法

これを防ぐためには、以下のような注意が必要です。

  1. パスワードや機密情報を第三者に話さない。
  2. スクリーンロックやパスワード入力の覗き見を防止する。
  3. 重要な書類をシュレッダーで処理する。
  4. 「サポート」を装った連絡には慎重に対応し、公式窓口に確認する。
  5. セキュリティ意識を高め、社内教育を実施する。

脆弱性を狙った攻撃

脆弱性を狙った攻撃は、システムやソフトウェアのセキュリティホールを悪用する手口です。ゼロデイ攻撃やSQLインジェクション、クロスサイトスクリプティングなどが代表的です。

手口の詳細

攻撃者は以下の方法で脆弱性を悪用します。

  • ゼロデイ攻撃: 修正パッチが提供される前に脆弱性を悪用。
  • SQLインジェクション: データベース操作を行う不正なコードを挿入。
  • クロスサイトスクリプティング(XSS): ユーザーのブラウザで悪意あるスクリプトを実行。

対策方法

脆弱性を狙った攻撃に対抗するための具体策は以下の通りです。

  1. OSやソフトウェアを常に最新の状態に更新する。
  2. ウェブアプリケーションファイアウォール(WAF)を導入する。
  3. 定期的な脆弱性診断を行い、問題を早期に発見する。
  4. 開発段階でセキュリティ要件を考慮し、堅牢なコードを記述する。
  5. 重要なシステムやデータへのアクセスを最小限に制限する。

これらの手口を総合すると、ハッカーは「脆弱性のあるシステムやソフトウェアを狙う」「心理的な隙を突いて不正ツールを導入させる」「推測しやすいパスワードを総当たりで突破する」など、さまざまな手段を使ってパソコンの管理権限やアカウント情報を奪います。

IPAの調査によれば、2024年1月~3月の間に「ウイルス感染に関する偽警告」に関する相談が増えていることが確認されています。これらは典型的な「サポート詐欺」の手口であり、画面上に突然表示される警告メッセージや電話案内の指示に従うと、不正アプリをインストールさせられる恐れがあります。
決して慌てて対応せず、偽警告かどうかを見極めることが重要です。

一度パソコンの管理者権限が奪われると、遠隔操作によってパスワードなどの機密情報を抜き取られるだけでなく、踏み台攻撃として他の社内外機器へのサイバー攻撃に利用されるリスクも高まります。
こうした状況を避けるためにも、OSやソフトウェアのアップデートを怠らない、強固なパスワードを設定する、そして不審なリンクや添付ファイルをむやみに開かないといった日頃のセキュリティ対策が欠かせません。
また、信頼できるセキュリティソフトウェアを導入して定期的にスキャンを実施することで、多くの攻撃を防ぐことができます。

パソコンに対する不正アクセスによる情報漏えいの被害事例

次に、不正アクセスやサイバー攻撃によって実際に起きた情報漏えいの事例を紹介します。

年月 企業名 被害の概要
2020年3月 JR東日本 「えきねっと」への不正アクセスにより、3,729件のアカウントに不正ログイン
2021年11月 株式会社ライトオン 通販サイトがサイバー攻撃を受け、会員ユーザー24万7,600人分の個人情報が流出
2022年9月 株式会社ニトリホールディングス アプリの認証プログラムに対する不正アクセスが発生し、13万2,000件のアカウント情報が漏えい
2023年9月 NHK 不正アクセスを受け、従業員など2万3,435名の個人情報が漏えいした疑いがある
2024年6月 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 不正アクセスにより、5千件の役職員等の個人情報や外部機関との文書が漏えい

このような大規模な情報漏えいの背景には、セキュリティ体制の不備だけではなく、複数の攻撃手法が同時に使われるケースも多く見られます。
一度セキュリティを強化しても、攻撃者が新しい脆弱性や手口を見つけると再び侵入されてしまう事例も少なくありません。
乗っ取りやハッキングによる被害を再発させないためには、速やかに専門家に相談し、端末やシステムの詳細な調査を行うことが重要です。

パソコンのハッキング・乗っ取り被害を調査する場合「フォレンジック」調査が有効

パソコンが乗っ取りハッキングされている場合、何らかの情報漏えいが起きている可能性が極めて高いと考えられます

このような場合、再発防止もかねて、いつどのような経路で不正アクセスされたのか調査し、適切な対処をとる必要があります。

この際、フォレンジック調査という技術が有効です。しかし、ランサムウェアのフォレンジック調査では、高度なログ解析技術など専門技能やノウハウが要求されるため、社内の担当者が自力で行うことは困難です。そのため、セキュリティ企業などの専門家に依頼することが必要です。

まずはフォレンジック調査対応の会社のハッキング調査サービスへの相談を検討しましょう。

フォレンジック調査

ハッキング調査に活用される技術として「フォレンジック」というものがあります。これは別名で「デジタル鑑識」とも呼ばれ、スマホやPCなどの記憶媒体、ないしネットワークに残されているログ情報などを調査・解析する際に用いられます。

なお、フォレンジック調査は、裁判上での証拠保全に限らず、さまざまな場面で、法人・個人を問わず、広く活用されています。たとえばマルウェアの感染調査、あるいは不正アクセスによる顧客情報流出の事後調査などのケースで用いられます。また最高裁や警視庁でも法的な捜査方法として取り入れられており、セキュリティ・インシデントの調査において最も有効な調査手法のひとつとなっています。

おすすめのフォレンジック調査会社

公式サイトデジタルデータフォレンジック

編集部が厳選したおすすめのフォレンジック調査会社は、デジタルデータフォレンジックです。

デジタルデータフォレンジックは、累計3万9千件以上の豊富な相談実績を持ち、全国各地の警察・捜査機関からの相談実績も395件以上ある国内有数のフォレンジック調査サービスです。

24時間365日の相談窓口があり、緊急時でも安心です。相談から見積りまで無料で対応してくれるので、フォレンジック調査の依頼が初めてという方もまずは気軽に相談してみることをおすすめします。


まとめ

パソコン乗っ取りの手口は年々高度化していますが、各手口を正しく理解し、適切な対策を講じることで被害を未然に防ぐことができます。最新のセキュリティ情報を把握し、日々の対策を怠らないようにしましょう。

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