
「iPhoneの動作が不自然に重い」「見に覚えのないアプリがインストールされている」などの症状がある場合、ウイルスに感染しているかもしれません。ウイルスに感染すると、個人情報が流出したり、端末がハッキングされて悪用されたりする恐れがあります。さらに、自身の端末がサイバー攻撃の踏み台として悪用され、友人や取引先に迷惑がかかることも考えられます。
しかしウイルスに感染しても被害が実感しにくい場合があり、具体的な被害の程度を把握するのは難しいです。本記事では、自分でiPhoneのウイルスチェックをできる6項目や感染した場合に想定される被害、実際に感染が疑われる場合の正しい対処法について解説します。
目次
【7項目で解説】iPhoneのウイルスチェック方法
まずは、iPhoneのウイルス感染の疑いがあるかどうか、以下のチェック項目を確認しましょう。
1.iPhoneの動作が重くないか
iPhoneの動作が不自然に重い場合、ウイルスに感染している可能性があります。iPhoneにウイルスが侵入すると、画面上では見えなくても、裏で不正に操作していることがあります。そのため、動作が異常に重くなっている場合は注意が必要です。
2.見覚えのないアプリがインストールされてないか
ホーム画面やAppライブラリに見覚えのないアプリがインストールされていないか確認しましょう。不正なアプリを開くと個人情報を盗まれるなどの被害が発生する可能性があります。不審なアプリを発見しても絶対に開かず、すぐに削除してください。
3.ストレージの使用量やバッテリーの消費量が増加していないか
ウイルスに感染すると、ストレージの使用量やバッテリーの消費量が増加することがあります。
- iPhoneのストレージ使用量のうち「その他のデータ」に見覚えのないものが多い
- 充電の減りが早くなった
- iPhoneを使用していないのに本体が熱い
上記のような症状がある場合、ウイルス感染によって不正にiPhoneが使用されている可能性が高いです。ストレージの使用量やバッテリーの消費量が不自然に増えていないか確認しましょう。
4.身に覚えのない請求をされていないか
身に覚えのないサービスやアプリの利用料の請求をされていないか確認しましょう。iPhoneがウイルスに感染し、第三者によって遠隔操作された場合、身に覚えのない請求が発生することがあります。
最悪の場合は不正請求の被害額が数百万円に膨らむ恐れがあります。被害に遭った場合は消費生活センターや警察に相談し、必要に応じてクレジットカード会社や銀行に連絡してカードや口座の利用を停止させましょう。
なお警察に被害届を提出する際は、なるべく多くの証拠が必要となります。スクリーンショットや送金履歴など可能な限り集めて保管しておきましょう。突然のことで証拠が集められない場合は、専門の調査会社に相談すると、iPhoneのウイルス調査を行うことが可能です。調査完了後に警察や裁判所に提出可能な報告書の作成も可能なところもありますので、一度相談してみましょう。
5.不審なポップアップが頻繁に表示されないか
iPhoneでネットを閲覧していると、一部のサイトで以下のような不審なポップアップが頻繁に表示されることがあります。
- 「ウイルス感染の可能性があります!」
- 「重要なシステムエラーが発生しました!」
- 「おめでとう!あなたは当選者です!」
焦ってこれらの怪しいポップアップをタップすると、安全性の低いサイトに誘導され、有料のウイルス除去アプリの購入や景品の送り先に見せかけた個人情報の入力が求められることがあります。ポップアップの指示に従ってアプリなどをインストールしてしまうと、高額なサービスを契約させられたり、危険アプリをインストールしてiPhoneがハッキングされるなどの被害に遭う場合があります。
警告文に「ウイルス感染」や「ハッキング」「システムエラー」などの文言があっても速やかにブラウザを閉じましょう。
ポップアップに多い「偽警告」の見分け方について、詳しくは以下のリンクで紹介しています。
6.その他にiPhoneに不審な動作がないか
iPhoneに不審な動作がないか確認しましょう。
- 再起動を繰り返す
- 勝手にアプリが起動する
- アカウントに勝手にログインされる
上記のような症状が発生している場合、ウイルスに感染している可能性があります。使用履歴から不正操作の詳細を確認しましょう。
7.ウイルスチェック専門の調査会社に依頼する
iPhoneのiOSのシステムは非公開になっており、他社がセキュリティアプリを開発することができません。
iPhoneでウイルスが感染しても自力で完全にウイルスを検知・駆除することは難しいです。ウイルス感染やハッキングの調査に対応している専門業者に依頼すれば、実際にiPhoneの中を調べて感染経路や感染範囲を調査することができます。
ウイルス感染調査に使われる技術は、「デジタルフォレンジック」と呼ばれ、感染経路の特定や被害の把握を行い、証拠として保全します。無料で見積りをしてくれる業者もいるので、まずは気軽に相談してみましょう。調査業者を選ぶポイントや費用の相場などはこちらの記事で詳しく解説しています。
iPhoneがウイルス感染するとどんなリスクがある?
iPhoneがウイルス感染すると、個人情報が盗まれたり遠隔操作による不正利用、金銭の要求などの被害が発生したりする可能性があります。
特に名前・住所・電話番号・メールアドレス・クレジットカード情報・パスワードを含む個人情報が流出すると、以下のような被害が発生する可能性があります。
- 漏えいした銀行情報やクレジットカード情報を不正利用される
- 「名前」や「社会保障番号」を悪用してなりすましされる
- 電話番号やメールアドレスの流出によって迷惑電話・迷惑メールの被害に遭う
ウイルス感染が疑われる場合は、被害の拡散を防ぐためにも、直ぐに専門の調査会社に依頼して感染経路や被害範囲を調べることが重要です。
企業の場合、対応が遅れると機密情報の漏洩や営業中止といった深刻な被害につながる恐れがありますので、早めに専門のフォレンジック調査会社に相談しましょう。
iPhone がウイルスに感染した場合の対処法
iPhone がウイルスに感染した場合の対処方法は以下の通りです。
ネットワークを切り離す
iPhoneがウイルスに感染した場合は、まずネットワークを切り離しましょう。機内モード等に設定し、キャリアの通信やWi-Fiを一時的に遮断することで、ネットワークから切り離すことができます。攻撃者はネットワークを介して端末から情報を盗み出すため、被害の拡大を防ぐことができます。
身に覚えのないアプリを削除する
ウイルスに感染した際の特徴として、不審なアプリがインストールされることがあります。アプリを開くと情報漏えいなどの被害が発生する可能性があるため、発見した場合はただちに削除しましょう。
パスワードを変更する
ウイルスに感染すると、Webサイトや各種サービスを利用するためのパスワードが盗まれる可能性があります。アカウントの乗っ取りやオンライン決済の不正利用などの被害に繋がるおそれがあるため、悪用される前に早急に変更しましょう。
iPhone を初期化する
iPhoneを初期化することで、不正なアプリや設定が消去されるので、ウイルスを駆除することが可能です。しかし、一度初期化してしまうと保存データが削除されるだけでなく、ウイルス感染の原因の特定やウイルスの動作を調査するのに必要な証拠も消失してしまいます。専門業者にてフォレンジック調査の依頼を検討している場合はご注意ください。
専門業者に依頼する
iPhoneのiOSのシステムは非公開になっており、他社がセキュリティアプリを開発することができません。そのため、iPhoneでウイルスが感染しても自力で完全にウイルスを検知・駆除することが難しいです。
ウイルス感染やハッキングの調査に対応している専門業者に依頼すれば、実際にiPhoneの中を調べて、発見したウイルスを駆除してもらうことができます。ウイルス感染調査に使われる技術は、「デジタルフォレンジック」と呼ばれ、感染経路の特定や被害の全容把握を行い、証拠として保全します。
無料で見積りをしてくれる業者もあるので、まずは気軽に相談してみましょう。調査業者を選ぶポイントや費用の相場などはこちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
iPhoneのウイルス感染調査会社(フォレンジック調査会社)を選ぶポイント
iPhoneのウイルス感染が疑われるときは、専門のフォレンジック調査会社に相談して調査してもらうのが一番確実です。
フォレンジック調査会社は全国30社以上も存在しています。完全に大手法人向けのサービスだったり、信頼できるのかよく分からない会社も出てきたりするため、信頼できるフォレンジック調査会社を選ぶポイントを紹介します。
信頼できるフォレンジック調査会社を選ぶポイント
- 官公庁・捜査機関・大手法人の依頼実績がある
- スピード対応している・出張での駆けつけ対応が可能
- 費用形態が明確である・自社内で調査しており、外注費用がかからない
- 調査に加え、データ復旧作業にも対応している
- セキュリティ体制が整っている
上記の条件を満たしている会社であれば、まず問題はないでしょう。
加えて、法人だけでなく一般個人からの依頼も受け付けていたり、相談や見積りまでは無料で対応してくれたりする会社もあるので、会社選びの参考にしてください。
おすすめのフォレンジック調査会社
公式サイトデジタルデータフォレンジック
編集部が厳選したおすすめのフォレンジック調査会社は、デジタルデータフォレンジックです。
デジタルデータフォレンジックは、累計3万9千件以上の豊富な相談実績を持ち、全国各地の警察・捜査機関からの相談実績も395件以上ある国内有数のフォレンジック調査サービスです。
24時間365日の相談窓口があり、緊急時でも安心です。相談から見積りまで無料で対応してくれるので、フォレンジック調査の依頼が初めてという方もまずは気軽に相談してみることをおすすめします。
iPhoneのウイルス感染対策
iPhoneは一般的に高性能なセキュリティ機能が備わっていますが、サイバー攻撃の手口は日々進化するため、適切な対策を行うことが重要です。主に有効な対策は以下の通りです。
公式のApp Store以外からアプリをインストールしない
iPhoneではApp Store以外からアプリをインストールしないことで、ウイルスや不正アプリのリスクを避けられます。Appleの厳しい審査を経たアプリのみがApp Storeに掲載されるため、信頼性が高いです
iOSを常に最新バージョンに更新する
Appleはセキュリティ対策として定期的にiOSの更新を行っています。最新バージョンにアップデートすることで、新たな脆弱性やセキュリティ上の問題に対処できます
怪しいリンクやメールを開かない
フィッシング詐欺やマルウェア感染を避けるために、知らない送信者からのメールやメッセージに含まれるリンクをクリックしないように注意しましょう。不審なリンクは開かないことで安全性が向上します。
Safariの設定で不正なサイトへの警告をオンにする
iPhoneのSafari設定には「不正なWebサイトの警告」機能があり、有害なWebサイトにアクセスしようとすると警告が表示されます。設定から「Safari」→「不正なWebサイトの警告」をオンにしておくことで、不正サイトに誤ってアクセスするリスクを減らせます。
まとめ
今回は、iPhoneのウイルスチェックを行う方法や感染した場合に想定される被害、感染した場合の対処法について解説しました。iPhoneのセキュリティは強固であり、通常はウイルス感染の心配が少ないものの、脱獄や信頼性の低いアプリのインストールによってウイルス感染のリスクが高まります。
リスクを減らすには、定期的はいiOSのアップデートやApple Storeからのアプリのダウンロードが有効です。不審な動作やバッテリーの急激な現象に注意し、必要に応じてセキュリティの専門家に相談しましょう。