職務怠慢を証明するには?証拠データの調査方法や裁判への準備について徹底解説|サイバーセキュリティ.com

職務怠慢を証明するには?証拠データの調査方法や裁判への準備について徹底解説



PCやスマホを仕事で常用する現代社会において、従業員・社員の職務怠慢は珍しいことではありません。従業員の職務怠慢にお悩みの企業も多いのではないでしょうか?

職務怠慢が発覚し、それ相応の対応を行う場合、裏付けとなる証拠データを適切に確保することができなければ、職務怠慢の実態を立証することが非常に困難になってしまう恐れがあります。

本記事では、証拠となるデータを適切な形で調査する方法や、労働訴訟や損害賠償などでデジタル証拠を法廷に提出する際の準備すべきことなどについて、相談事例や注意点など交えて解説します。

職務怠慢とは

職務怠慢とは、労働者が職務を怠っている状態を指します。

たとえば職務怠慢・素行不良にまつわる主な相談事例は以下の通りです。

  • 業務と無関係のサイトを頻繁に見ている(残業代も不当に請求している)
  • 職務不履行で、会社に損害が発生したため、従業員に損害賠償を請求したい
  • 退職者の機器から「怠慢の証拠」を調査したいが、返却された機器がフォーマットされている
  • 従業員の職務怠慢が改善されないため、懲戒解雇したところ「不当解雇」だと訴えられた

相談事例にあるように、職務怠慢を改善しない従業員に対して懲戒解雇した場合、当の従業員から逆に労働訴訟を起こされた、というケースも珍しくありません。

仮にこのケースにおいて、企業側が「社員怠慢を裏付ける証拠」を充分に確保できなかった場合、従業員の解雇が無効になるばかりか、解雇期間中の賃金も支払わなければならなくなります。

職務怠慢の代表的な事例

  • 職務怠慢にまつわる相談事例としては、次のようなケースがあります。
  • 規則違反や倫理的な問題
  • 遅刻や欠勤の頻度が高い
  • 仕事の品質や成果物の不備
  • 業務に関係ないネットサイトを閲覧
  • コミュニケーションや協力の欠如
  • 懲戒解雇したところ「不当解雇」だと訴えられた

規則違反や倫理的な問題

社内の規則には大きく「就業規則」「職務規定」の二つが存在します。

就業規則は、企業と労働者が締結する労働契約の一部であり、「労働時間」「賃金」など労働者の労働条件を定めたものです。一方、職務規定は、就業規則とは別に定めることができるもので、特定の職務に従事する労働者の義務や責任を定めたものです。職務規定には、次のようなものが含まれます。

  • 勤務時間
  • 休日、休暇
  • 服装規定
  • 業務命令
  • 機密保持
  • ハラスメント禁止
  • その他、企業が従業員に期待する事項

職務規定は、就業規則に記載されていない事項を定めたり、就業規則の規定を補足したりするために定めることができます。

いずれにせよ、どちらも企業と労働者の間で重要な役割を果たしています。就業規則は、労働者の労働条件を定め、労働者の権利を保護するものであり、職務規定は、企業と労働者の間でのトラブルを未然に防ぎ、円滑な関係を構築するためのものです。

しかし、一部の従業員は、こうした組織の規則に従わず、不適切な行動を取る場合があります。特に職務上の権限を濫用して機密情報を漏えい、ないしハラスメントをおこなう行為も職務怠慢の延長としてみることが出来ます。

この場合、組織は、従業員の不適切な行動に対して、関連する電子データや文書などから職務怠慢の証拠を確保することが重要です。この際、「フォレンジック調査」という手法を駆使することで、不正行為の証拠を正確に解析でき、証拠の収集や保全を適切に行うことが出来ます。

フォレンジックとは、コンピュータに保存された証拠を収集分析する技術で、不正行為の証拠収集などに使用されます。デジタル環境では、ログやデータなどが重要な証拠となり得ます。フォレンジック調査では、これらの証拠を適切に収集・解析し、事件の真相や関与者を法的に証明することが可能です。

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遅刻や欠勤の頻度が高い

社員の中には、定時に出社せずに遅刻したり、予定された会議に頻繁に欠席したにもかかわらず、賃金を要求するケースがあります。この際、フォレンジック調査を実施することで、不正に受給した給与が確認された場合、法的な要件や会社のポリシーに基づき、給与の返還手続きを行えます。(これには、給与差し引きや債権請求などが含まれます)

仕事の品質や成果物の不備

一部の従業員は、職務怠慢が原因で集中力が散漫になり、不完全な成果物を提出する傾向があります。これにより、場合によっては顧客満足度や、組織の評判に悪影響を及ぼす可能性があります。

業務に関係ないネットサイトを閲覧

業務時間中、業務に関係のないウェブサイトを閲覧することは職務怠慢につながります。

これは生産性の低下や情報セキュリティのリスクを引き起こす可能性があり、場合よっては給与の返還を要求できるケースがあります。たとえば兵庫県加古川市の実例を紹介しましょう。

これは市教委の非正規職員が勤務時間中に業務に関係ないインターネットサイトを閲覧していたことが発覚したものです。結果的に、この非正規職員は「戒告」の懲戒処分を受けた上、不正受給した給与(約34万円)の返還に至りました。同市では以前にも公用パソコンでの不正閲覧が問題となっており、人事課が抜き打ち調査を行っていた矢先の発覚となった形です。

コミュニケーションや協力の欠如

職場でコミュニケーションや協力が不足している場合、プロジェクトの進行状況について情報が共有されず、仕事の効率が低下したり、思わぬミスが起きたりする可能性があります。また、チームメンバーが協力的でない場合、仕事が遅れるだけでなく、ストレスがたまってしまうかもしれません。

この際、チーム同士のコミュニケーションがスムーズになる心理的に安全な体制を構築することで、協力的な職場環境を作り出すことができます。

懲戒解雇したところ「不当解雇」だと訴えられた

職務怠慢で懲戒解雇した後、その従業員が不当解雇として企業を訴えたという状況が発生するケースがあります。

この場合、従業員の職務怠慢を客観的に立証するためには、法的に正しい手続きで関連するデータ(勤務記録、業務報告書、メールやチャットの通信履歴、タスク管理ツールのログ)を収集する必要があります。しかし、証拠能力が認められない場合は、裁判所は証拠を事実認定の判断材料として使用することはできません。とくに法執行機関で職務怠慢を立証する場合、自社内でデータを扱うと「証拠能力」を損う恐れがあります。

法律的に正しく「証拠能力」を確保するには「フォレンジック調査」がおすすめ

証拠能力とは、訴訟において証拠として使用できるかを判断する基準です。

たとえば民事訴訟法では、証拠能力を認めるためには次の要件を満たす必要があります。

  • 当事者間で争われている事実に関係しているものであること
  • 真実である可能性が高いものであること
  • 不正な手段によって収集されたものではないこと

証拠能力が認められれば、電子証拠を事実認定の判断材料として法執行機関でも使用することができます。

この際、フォレンジック調査では民事訴訟法における「証拠能力」を確保・保全するのに役立ちます。例えばフォレンジック調査では、デジタル機器から証拠となり得るデータを抽出し、社内不正の事実確認、ないし不正アクセスなどインシデントの被害状況を割り出すことができます。

フォレンジック調査では「証拠データが不正に改ざんされていないこと」または「不正な手段によって収集されていないこと」を確認するために、厳格な手順が用いられます。このため、収集された証拠は、民事訴訟法における「証拠能力」が認められやすく、法執行機関での取り扱いが簡便になるメリットがあります

職務怠慢を疑われる場合、行うべきこと

職務怠慢を疑われる場合、行うべきことは次のとおりです。

  • 証拠の収集
  • 決定を下すための評価
  • 不正に受給した給与を返還

この際、有効なのが、フォレンジック調査です。フォレンジック調査は客観的かつ科学的な手法を使用して証拠を収集し、不正の状況を明らかにします。これにより、証拠の確実性と、調査結果の信頼性を高めることができます。

証拠の収集

職務怠慢を疑われる場合、まず重要なステップは証拠の収集です。

証拠は職務怠慢の具体的な行為やパターンを示し、適切な判断や対応を行うための基礎となります。証拠の収集には以下のような方法があります。

1. 勤務記録の確認:従業員の出勤時間や欠勤の履歴、遅刻や早退、欠勤の頻度や傾向など
2. 業務報告書や進捗報告:提出された業務報告書や進捗報告を詳細に検証し、業務の品質や遅延があるかを確認
3. 監視カメラ映像の確認:監視カメラが設置されている場所での従業員の行動を確認し、職務怠慢に関連する不適切な行動があるかどうかをチェック
4. 業務に関係のないログを確認:メールやチャットなどの電子通信のログを確認し、業務に関係のない活動や不適切なコミュニケーションがあるかどうかを調査

この際、フォレンジック調査では、メールやチャットのログ、Web閲覧履歴、ファイルの作成・編集履歴などから、職務怠慢の証拠を収集することができます。

なお、フォレンジック調査では、証拠となるデータが不正に改ざんされていないこと、または不正な手段によって収集されていないことを確認するために、厳格な手順が用いられるため、証拠能力の高い証拠を収集するために有効な方法です。

実際、フォレンジック調査で収集されたデータは、法執行機関で証拠として認められやすくなります。

決定を下すための評価

収集した証拠をもとに、職務怠慢に関する決定を下すための評価を行います。なお、職務怠慢の評価軸の例として「職務怠慢の過去の記録」や「行動の傾向」を分析し、問題が継続的に存在しているかどうかを確認するというものがあります。

これにより、一時的なミスや特定の事情によるものか、あるいは持続的な問題としての職務怠慢かを判断することができます。

不正に受給した給与を返還

規則違反を立証できた場合、給与の返還を要求することができます。しかし、給与返還を要求する際は、具体的な証拠や法的な根拠が必要となります。たとえば、労働契約や就業規則に「給与の返還に関する規定」が存在することが根拠になります。まずは、これらの規定を確認し、該当する条項があるかを確認してください。

この際、労働環境や労働法に基づいた専門家の助言や法的な支援を受けることをおすすめします

職務怠慢調査で使用できるデータ

従業員の職務怠慢を立証するには、デバイス機器(パソコン・スマートフォン・USBメモリなど)に残された「デジタル証拠」を確保し、職務怠慢を立証できる証拠を保全することが推奨されます。

労働訴訟などで証拠能力を持たせることが出来るデータには、以下のようなものがあります。

データ 調査したい情報
メール 会社支給のデバイス機器での私用メールの送受信
画像・動画・音声データ 業務と関係ない、もしくは違法なコンテンツの有無
アクセス履歴 WEBサイトの閲覧履歴、ダウンロード履歴、USBメモリ等の接続履歴、ファイルやデータの削除履歴

職務怠慢が発覚した時の注意点

職務怠慢の発覚時、社員の素行不良を調査し、デジタルデータを法的証拠として用意する場合、次のような注意点があります。

データが改ざんされている恐れがある

素行不良の社員と企業の間で、労働訴訟が生じた場合、職務怠慢の証拠データは訴訟相手(被告)にとっては不都合な存在であるため、すでに改ざんや証拠隠滅が行われている可能性があります。

また訴える側(原告)も「提出物に証拠能力があるか」を証明する必要があるため、あらかじめデジタル証拠が修正・変更されていないことを立証し、証拠能力を持たせるフォレンジック作業を行うことが推奨されています。

仮に、フォレンジック作業で、証拠保全の流れ(下記画像参照)を踏まえないと、せっかくデジタル証拠を収集しても「証拠不十分」として撤回されてしまう可能性が高まります。

(※民事訴訟法234条の規定では、証拠に滅失・変更・改ざんのおそれがある場合、原告は訴えを提起する前からフォレンジック調査などで証拠を保全しておくことが出来る)

データが消える恐れがある

証拠隠滅目的でフォーマットされた機器から、職務怠慢のデジタル証拠を取り出す際、個人での復旧作業は、操作を加えた分だけ内容が上書きされたり、もとは無かった障害が発生してしまうリスクがあり、結果としてデジタル証拠の保全を妨げる恐れがあります。

デジタル証拠を安全かつ最適な手順で保全するには、技術力のある専門業者に対応を任せるのが重要なポイントとなります。

職務怠慢の調査方法について

  • 弁護士に相談する
  • フォレンジック調査を行う

弁護士に相談する

従業員の職務怠慢を調査したり、職務不履行による損害賠償請求を提起する足がかりとして、弁護士に相談することは有効な手段です。

あらかじめ法人向けの弁護士事務所に相談することによって的確なアドバイスをもらえるはずです。もし、法的知識が乏しい状態から調査をスタートすると、適切な証拠保全を行えなかったり、法的な手続きで見落としが生じる可能性があります。

なお、証拠収集・証拠保全など「専門的な作業」が伴う場合は、次に述べる「フォレンジック調査」を行うことを推奨します。

フォレンジック調査を行う

「フォレンジック調査」とは、デジタルデータから法的証拠の収集・保全を行う鑑識・調査のことを指しています。

特に、職務怠慢の調査には、デジタル機器に残されたデータを調査する「コンピューターフォレンジック」が非常に有効です。たとえば証拠となるデータが改ざん・上書きされており、個人では到底対応できない場合でも、フォレンジック調査を行うことで、オリジナルデータの解析・分析を行えるほか、フォレンジック業者が作成した「調査報告書」は「デジタル証拠」として裁判にも提出できます。

もし職務怠慢の調査で「デジタル証拠」の確保を念頭に置いている方は、以下のページを参照してください。フォレンジック調査について詳しく解説しています。

職務怠慢調査でおすすめの専門業者

フォレンジック調査はまだまだ一般に馴染みが薄く、フォレンジック調査会社選びの際もどのような判断基準で選定すればよいか分からない方も多いと思います。

そこで、対応領域や費用・実績などを踏まえ、50社以上の中から見つけたおすすめのフォレンジック調査会社・調査会社を紹介します。

信頼できるフォレンジック調査会社を選ぶポイント

  • 官公庁・捜査機関・大手法人の依頼実績がある
  • スピード対応している
  • セキュリティ体制が整っている
  • 法的証拠となる調査報告書を発行できる
  • データ復旧作業に対応している
  • 費用形態が明確である

上記のポイントから厳選したおすすめのフォレンジック調査会社は、デジタルデータフォレンジックです。

デジタルデータフォレンジック

サイトデジタルデータフォレンジック

デジタルデータフォレンジックは、国内売上No.1のデータ復旧業者が提供しているフォレンジックサービスです。累計2.4万件以上の相談実績を持ち、サイバー攻撃被害や社内不正の調査経験が豊富な調査会社です。

調査・解析専門のエンジニアとは別に、相談窓口としてフォレンジック調査専門アドバイザーが在籍しています。
多種多様な業種の調査実績があり、年中無休でスピーディーに対応してもらえるため、初めて調査を依頼する場合でも安心して相談することができます。

また、警視庁からの捜査依頼実績やメディアでの紹介実績も多数あることから実績面でも信頼がおけます。法人/個人問わず対応しており、見積まで無料のため費用面も安心です。法人のサイバー攻撃被害調査や社内不正調査に加えて、個人のハッキング調査・パスワード解析まで、幅広い対応を可能としている汎用性の高い調査会社です。

費用 ★相談・見積り無料 まずはご相談をおすすめします
調査対象 PC、スマートフォン、サーバ、外付けHDD、USBメモリ、SDカード、タブレット など
サービス 退職者調査、労働問題調査、社内不正調査、データ改ざん調査、情報持出し調査、横領着服調査、パスワード解除、マルウェア・ランサムウェア感染調査、サイバー攻撃被害調査、ハッキング・不正アクセス調査、データ復元、デジタル遺品、離婚問題・浮気調査 など
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(※)データ復旧専門業者とは、自社及び関連会社の製品以外の製品のみを対象に保守及び修理等サービスのうちデータ復旧サービスを専門としてサービス提供している企業のこと。第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく(算出期間:2007年~2020年)

職務怠慢がもたらす不利益

職務怠慢は組織に次のような不利益をもたらす可能性があります。

組織はこうした職務怠慢による悪影響に対して適切な対応を行うことで、これらの不利益を最小限に抑える必要があります。

生産性の低下

職務怠慢は、業務の遅延や品質低下につながることがあります。それにより、従業員の生産性が低下する可能性があることは言うまでもありません。しかし、その影響はそれだけにとどまらず、他の従業員やチーム全体の作業も遅延することがあるため、職務怠慢に対しては、真剣に取り組む必要があります。

コストの増加

職務怠慢により業務の遅延や不備が生じると、プロジェクトのスケジュールや予算が乱れる可能性があります。結果として、追加の時間やリソースが必要となり、コストが増加する恐れがあります。

顧客満足度の低下

職務怠慢がサービスの品質や納期に影響を与える場合、顧客満足度が低下する可能性があります。

従業員の士気の低下

職務怠慢が組織内で継続的に問題となる場合、他の従業員の士気にも悪影響を与える可能性があります。特に、優れたパフォーマンスを発揮するチームで職務怠慢が発生し、チーム全体の作業効率やモチベーションが低下すると、組織全体の雰囲気だけでなく、売り上げにも悪影響を及ぼす恐れがあります。

訴訟リスクの増加

職務怠慢は、成果物の質に直結しやすく、クライアントにも損害を与えた場合、訴訟やその他の法的問題を引き起こす可能性があります。

職務怠慢が立証され、何度指導しても改善が見られない場合

職務怠慢には、以下のような対処方法があります。

  • 口頭または書面による注意
  • 減給・出勤停止などの懲戒処分
  • 解雇

対処方法は、職務怠慢の程度や、従業員の改善の可能性などによって異なります。

また、解雇を行う場合は、労働契約法などの法律に定められた解雇の要件を満たす必要があります。

懲戒解雇したところ、従業員から「不当解雇だ」と訴えられるケースもありますが、このような場合には、解雇の正当性を主張するための証拠を収集しておくことが重要です。例えば、遅刻や早退の記録、仕事のミスの内容、業務命令違反の証拠、チャットのログなどを残しておくとよいでしょう。

口頭または書面による警告

初めて職務怠慢が立証された場合、組織は従業員に口頭、または書面で警告を与えることがあります。

こうした警告は、問題の重要性や改善の必要性を従業員に伝えるための手段です。また、このような警告には具体的な改善点や期限が含まれることがあります。

減給・出勤停止などの懲戒処分

これは従業員の給与を一定期間、一部または全体を減額する処分で、職務怠慢や規則違反などの行為に対して経済的な制裁として行われます。

懲戒処分には以下のような種類があります。

  1. 減給:(従業員の給与を一定期間、一部または全体を減額)
  2. 出勤停止(一時的に勤務を停止させることで反省や改善を促す)
  3. 昇進停止(一時的に昇進を停止させることで反省や改善を促す)
  4. 警告書(問題の内容や改善を求める期限が明記され、再発防止や改善を促す)

解雇

解雇は、最も厳しい懲戒処分であり、従業員を組織から解雇する処分です。

これは職務怠慢や重大な規則違反、信頼性の欠如などの重大な理由に基づき、雇用契約を終了する措置となります。ちなみに解雇は、他の適切な処分や是正措置が取れない場合に検討されます。組織は、解雇を選択することが合理的で妥当であることを示す必要があるため、あらかじめ適切な調査を行う必要があります

まとめ

今回は従業員による職務怠慢の調査方法について解説しました。

企業側もいざ職務怠慢を調査するとなると、どのような手順で、何を調べたら良いのかわからず、実態を解明することはなかなか困難であるといえます。

もし調査に行き詰った際は、フォレンジック業者を利用するなどし、スムーズに対応できるようにしておきましょう。ただし、作業を丸投げするのではなく、業者と協力しながら業務に支障が出ない範囲で、バランスの良い調査を行いましょう。

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