侵入検知システム(IDS)とファイアウォールの違いとは?|役割・仕組み・使い分けを徹底解説|サイバーセキュリティ.com

侵入検知システム(IDS)とファイアウォールの違いとは?|役割・仕組み・使い分けを徹底解説

ファイアウォール(Firewall) と 侵入検知システム(IDS:Intrusion Detection System) は、どちらもネットワークセキュリティの重要な要素ですが、役割や仕組みが異なります。本記事では、IDSとファイアウォールの違い、機能比較、適切な使い分け方、IPS(侵入防御システム)との関係 について詳しく解説します。

侵入検知システム(IDS)とファイアウォールの違い【簡単比較表】

比較項目 ファイアウォール(Firewall) 侵入検知システム(IDS)
役割 外部からの不正アクセスを防ぐ(通信のフィルタリング) 不正な通信を検知(ログ解析・アラート通知)
主な機能 IPアドレス・ポート・プロトコルによる通信制御 パケット解析・シグネチャ検出・異常検知
動作原理 事前設定したルールに基づいて通信をブロック 既知の攻撃パターンや異常な挙動を検知
通信の遮断 ✅ 可能(明示的にブロック) ❌ できない(警告のみ)
ログ・アラート 基本的にログのみ(高度な分析はなし) 不審な動きを検知しアラート通知
配置場所 ネットワークの境界(インターネットゲートウェイ) 内部ネットワーク(監視専用)
攻撃対応 事前に決めたルールに従って通信を遮断 攻撃の兆候を検知するが遮断はしない

結論:「ファイアウォールはアクセス制御」「IDSは不正アクセスの監視」
「Firewall=門番」「IDS=監視カメラ」 のようなイメージ!

ファイアウォールとは?(Firewallの役割と仕組み)

ファイアウォールの定義

ファイアウォールは、企業や家庭のネットワークを外部の攻撃から保護するために、特定の通信を許可または拒否するセキュリティ機能です。

ファイアウォールの主な機能

機能 概要
パケットフィルタリング IPアドレス・ポート・プロトコルに基づき通信を許可・拒否
ステートフルインスペクション 通信の状態を監視し、不正なパケットをブロック
アプリケーションゲートウェイ HTTP・FTP・SMTPなどのアプリ層での通信を制御
NAT(ネットワークアドレス変換) プライベートIPアドレスをマスカレードして外部公開
VPNサポート VPNトンネルを構築し、安全なリモート通信を実現

ファイアウォールの種類

タイプ 特徴
パケットフィルタ型 シンプルなIP・ポートベースの制御(ルーター組み込み型)
ステートフルインスペクション型 通信の状態をチェックし、動的な制御が可能
アプリケーションレベルゲートウェイ(Proxy型) Web・メールなどの通信を詳細に監視
次世代ファイアウォール(NGFW) IDS/IPS機能を統合し、アプリレベルの制御が可能

「Firewallはネットワークの入口で、不正アクセスをブロックする防御システム」

侵入検知システム(IDS)とは?

IDS(Intrusion Detection System)の定義

IDS(侵入検知システム)は、ネットワーク内の通信を監視し、異常なトラフィックや攻撃の兆候を検知して管理者に通知するシステムです。

IDSの主な機能

機能 概要
シグネチャ検出 既知の攻撃パターン(シグネチャ)と一致する通信を検知
異常検知(Anomaly Detection) AIや機械学習を活用し、通常と異なる通信を検出
ログ記録・アラート通知 不審なアクティビティを記録し、管理者に警告
パケット解析 通信パケットを詳細に解析し、不正な動きを特定

IDSの種類

タイプ 特徴
ネットワーク型IDS(NIDS) ネットワーク上のトラフィックを監視し、不正な通信を検出
ホスト型IDS(HIDS) サーバーやPC上のログ・ファイルを監視し、不正アクセスを検出

「IDSはネットワークの監視役で、不正なアクセスを検知するが、ブロックはしない」

IDSとファイアウォールの使い分け

ファイアウォールとIDSは、単独ではなく、併用することでセキュリティを強化できます。

どちらを導入すべき?

状況 推奨セキュリティ対策
外部からの不正アクセスを防ぎたい ファイアウォール(FW)
内部ネットワークの脅威を検知したい IDS(侵入検知システム)
ゼロデイ攻撃や未知の攻撃も防ぎたい IPS(侵入防御システム)
全体的なセキュリティを強化したい 「ファイアウォール+IDS/IPS」の併用

侵入防御システム(IPS)とは?

IDSとよく比較されるのが、IPS(Intrusion Prevention System:侵入防御システム) です。

比較項目 IDS(侵入検知システム) IPS(侵入防御システム)
役割 不正アクセスを検知し、警告を出す 不正アクセスを検知し、自動的にブロック
通信の遮断 ❌ できない ✅ 可能
動作方式 パッシブ(監視のみ) アクティブ(防御)

IPSは「IDS+防御機能」!攻撃をブロックする場合はIPSを導入する!

まとめ

ファイアウォール(FW)は「不正アクセスを防ぐ」(ゲートキーパー)
侵入検知システム(IDS)は「不正アクセスを監視する」(監視カメラ)
侵入防御システム(IPS)は「不正アクセスを防御する」(IDS+ブロック機能)
「ファイアウォール+IDS/IPS」の組み合わせが最も効果的なセキュリティ対策!

今すぐ自社のセキュリティ環境を見直し、適切な対策を導入しましょう!

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