
SIEM(Security Information and Event Management:セキュリティ情報イベント管理) は、企業のネットワーク、システム、クラウド環境などから収集したログを統合的に分析し、サイバー攻撃や内部不正の検知・対応を支援するセキュリティツールです。本記事では、SIEMの基本機能、導入のメリット、主要なSIEM製品の比較、選び方のポイント、企業規模別のおすすめツール について詳しく解説します。
SIEMとは?
① SIEMの基本機能
機能 | 概要 |
---|---|
ログ収集・統合管理 | サーバー、ネットワーク機器、クラウドサービスなどのログを一元管理 |
リアルタイム分析 | AI・機械学習を活用し、異常なログパターンを検知 |
アラート通知 | セキュリティインシデント発生時に即時通知 |
コンプライアンス対応 | ISO27001、PCI-DSS、GDPRなどの規制要件に準拠 |
SOAR(セキュリティ自動化) | インシデント対応を自動化(SIEM+SOARの統合製品が増加中) |
主要SIEM製品一覧
世界中の企業で利用されているSIEMツールを 「エンタープライズ向け」「中小企業向け」「オープンソース・無料版」 の3カテゴリに分けて紹介します。
① エンタープライズ向けSIEM(大企業・金融機関・官公庁向け)
製品名 | 提供企業 | 特徴 | 価格目安 |
---|---|---|---|
Splunk Enterprise Security | Splunk | SIEM市場のリーダー、強力な分析機能 | 100万円~(ログ量による) |
IBM Security QRadar | IBM | AI搭載、インシデント自動対応(SOAR連携) | 100万円~ |
Microsoft Sentinel | Microsoft | Azure環境との親和性が高い、クラウドネイティブSIEM | 従量課金(約¥3000/GB) |
ArcSight Enterprise Security Manager(ESM) | OpenText(旧Micro Focus) | 高度な相関分析、金融・官公庁で導入多数 | 100万円~ |
RSA NetWitness Platform | RSA Security | ネットワーク+ログ分析+フォレンジック対応 | 100万円~ |
✅ エンタープライズ向けSIEMの特徴
✔ 高度な脅威分析・自動対応機能(SOAR統合)
✔ 大規模ネットワーク・クラウド環境に対応
✔ 価格が高め(100万円以上の導入コスト)
② 中小企業向けSIEM(比較的低コストで導入可能)
製品名 | 提供企業 | 特徴 | 価格目安 |
---|---|---|---|
LogStare | LAC | 日本企業向け、コンパクトなSIEM | 月額5万円~ |
LogRhythm SIEM | LogRhythm | 中小企業向けの使いやすいSIEM | 50万円~ |
Rapid7 InsightIDR | Rapid7 | クラウド型で手軽に導入、EDRとの統合も可能 | 月額数万円~ |
ManageEngine Log360 | ManageEngine | SIEM+UEBA(行動分析)、コストパフォーマンスが良い | 50万円~ |
Securonix Next-Gen SIEM | Securonix | クラウドベース、AI分析搭載 | 50万円~ |
✅ 中小企業向けSIEMの特徴
✔ 比較的低コスト(月額数万円~で導入可能)
✔ オンプレ・クラウド両対応の製品が多い
✔ AI・機械学習を活用した脅威検知が充実
③ 無料・オープンソースSIEM(コストを抑えたい企業向け)
製品名 | 提供企業 | 特徴 | 価格 |
---|---|---|---|
Wazuh | Wazuh(OSS) | OSSのSIEM、軽量でカスタマイズ可能 | 無料 |
Graylog | Graylog | オープンソースのログ分析ツール | 無料(有料版あり) |
Elastic Security (ELK Stack) | Elastic | ELK Stackを活用したSIEM機能 | 無料(有料プランあり) |
AlienVault OSSIM | AT&T | 無料版あり、基本的なSIEM機能を搭載 | 無料 |
✅ オープンソースSIEMの特徴
✔ コストゼロで導入可能(無料)
✔ カスタマイズ性が高く、技術力があれば運用可能
✔ エンタープライズ向けSIEMに比べて機能が制限されることも
SIEMの選び方(比較ポイント)
SIEMを選ぶ際は、以下の5つのポイントを比較しましょう。
① ログ収集範囲(オンプレ・クラウド対応)
- クラウド環境(AWS・Azure)も監視するなら →
Microsoft Sentinel
/Elastic Security
- オンプレ+クラウドのハイブリッド対応 →
Splunk
/QRadar
/LogRhythm
② 分析・相関ルールの精度
- AIによる高度な相関分析が必要 →
QRadar
/Securonix
/Elastic Security
- シンプルなルールベースで十分 →
LogStare
/Graylog
③ コスト(初期費用+運用コスト)
予算 | おすすめSIEM |
---|---|
無料で試したい | Wazuh / Graylog |
50万円以下で導入 | LogStare / ManageEngine Log360 |
100万円以上の本格運用 | Splunk / QRadar |
④ SOC・SOARとの統合
- SOAR(セキュリティオートメーション)も必要なら →
Splunk
/QRadar
/Rapid7 InsightIDR
- SOC(セキュリティ監視センター)と連携可能なSIEMが必要 →
ArcSight
/RSA NetWitness
⑤ 使いやすさ(UI・管理画面)
- 初心者向けの使いやすいSIEM →
ManageEngine Log360
/Rapid7 InsightIDR
- 上級者向けの高度な分析が可能 →
Splunk
/QRadar
/Elastic Security
まとめ|SIEMを導入してセキュリティ監視を強化しよう!
✅ SIEMは企業のセキュリティ監視を強化し、不正アクセスやサイバー攻撃の早期検知を可能にする。
✅ エンタープライズ向け(Splunk, QRadar)、中小企業向け(LogStare, ManageEngine)、無料版(Wazuh, Graylog)など用途に応じた選択が重要。
✅ クラウド対応、AI分析、SOAR連携などの機能を比較し、自社に最適なSIEMを選定しよう!
今すぐ自社に最適なSIEMを選び、セキュリティ対策を強化しましょう!