RAIDアレイは、複数のハードディスクを使って冗長性と性能向上を実現する技術です。しかし、構成ディスクの一部が故障すると、デグレードモードに移行し、システムが不安定になります。本記事では、デグレードモードの意味、原因、そして復旧手順について解説します。

RAIDアレイのデグレードモードとは

デグレードモードとは、RAIDアレイ内のディスクの一部が故障し、システムが完全には機能していない状態です。

この状態では次のような特徴があります。

• 一部のディスクが故障しても、他の正常なディスクでデータの読み書きが可能
• RAID全体のパフォーマンスが低下する
• データ保護機能が弱まり、さらなる故障が発生するリスクが高まる

このまま放置すると、システム全体の故障につながる恐れがあります。そのため、デグレードモードが発生した場合は迅速な対応が必要です。

デグレードモードの原因

RAIDアレイがデグレードモードに移行する原因はさまざまです。主な原因を以下にまとめます。

• 電源の問題：電源障害やクラッシュがRAIDに影響を与えることがあります。
• ディスクの抜き差し：不適切な取り扱いでディスクが正常に認識されなくなる場合があります。
• ハードディスクの故障：経年劣化や物理的な損傷が原因でディスクが故障します。
• RAIDコントローラーの不具合：コントローラーの故障や設定ミスが原因になることがあります。

デグレードモードからの復旧方法

デグレードモードからの復旧は、システムの安定化とデータ保護のために不可欠です。以下の手順で対応しましょう。

1. データのバックアップ

まず、RAIDアレイ内のデータを別の場所にバックアップします。外付けHDDやクラウドストレージなど、信頼できる場所に保存してください。

2. 故障したハードディスクの交換

故障したハードディスクの交換手順は次の通りです。

3. RAIDアレイの再構築

新しいディスクを取り付けた後、RAID管理ユーティリティを使用してRAIDアレイを再構築します。

4. システムの正常動作の確認

再構築が完了した後、エラーメッセージが消え、RAIDが正常に機能していることを確認してください。

デグレードモードからのデータ復旧

RAIDがデグレードモードにある状態でデータを復旧するのは高度な作業が必要です。以下の理由から、専門業者への依頼を検討することをおすすめします。

• 誤操作のリスク：自力での操作ミスが、データの完全な消失につながる恐れがあります。
• 専門知識の必要性：RAIDの構成や復旧には高度な専門知識が求められます。

おすすめデータ復旧サービス・製品

データ復旧業者への相談を検討している方のために、おすすめのデータ復旧業者をご紹介します。データ復旧専門業者に依頼するのであれば、確実にデータが復旧できないと意味がありません。そこで、データ復旧サービス各社の復旧率、設備規模、復旧スピード、価格や特長を比較した結果から、おすすめのデータ復旧業者を選定しました。

デジタルデータリカバリーの評判・口コミや実績については、以下の記事でも詳しく解説しています。

デジタルデータリカバリーの評判は？特徴・サービス・料金・悪評の真偽などを徹底調査

2024.2.29

「デジタルデータリカバリー」は、データ復旧を専門に行う業者であり、データ復旧をお考えの方なら一度は目にしたのではないでしょうか。

デグレードモードを防ぐために

RAIDアレイのトラブルを未然に防ぐため、以下の対策を日頃から実践することが重要です。

• 定期的なバックアップ：万が一の事態に備え、重要なデータをバックアップしましょう。
• ハードディスクの健康状態の監視：S.M.A.R.T.情報を活用して、故障の兆候を早期に発見しましょう。
• 適切なRAIDレベルの選択：システムの要件に応じたRAIDレベルを選び、冗長性と性能を確保しましょう。

まとめ

RAIDアレイのデグレードモードは、システム全体の安定性に影響を及ぼす危険な状態です。迅速な対応が求められ、特に重要なデータが含まれている場合は、専門業者に依頼することが最も安全です。日頃からバックアップを怠らず、RAIDの健康状態を定期的にチェックすることで、トラブルを未然に防ぎましょう。