パソコンが突然起動しなくなったり、電源が入らないとき、その原因がHDDや外付けHDDにある可能性があります。HDDは他のストレージデバイスに比べて物理的な耐久性が低く、特に衝撃や振動に弱いという特徴があります。もしHDDが落下や強い振動を受けた場合、内部が損傷し、故障するリスクが高まります。
このような故障は一様ではなく、症状や原因、対処法も異なるため、HDDの問題が疑われる場合は早急な対処が必要です。今回は、PC内蔵HDDや外付けHDDの故障によって起こるパソコンの起動トラブルについて、具体的に解説します。ぜひ参考にしてください。
HDDの構造
HDDの内部で、データはプラッタと呼ばれる高速回転する円盤に記録されています。このプラッタの上を、磁気ヘッドという部品がほんのわずかに浮いた状態で動き、データの読み書きを行っているのです。考えたことがありますか?このわずかな浮遊距離が、あなたの大切なデータを守っていることを。
プラッタは1分間に5000回以上も回転しているため、もし磁気ヘッドとプラッタの位置が少しでもずれてしまうとどうなるでしょうか?プラッタに傷がついたり、磁気ヘッドがプラッタに吸着してしまうリスクが高まり、結果としてデータの読み書きに深刻な問題が発生します。HDDは非常にデリケートな機構であり、ほんの僅かなズレが大きなトラブルを引き起こす可能性があるのです。
例えば以下では物理障害が発生するときの主な原因は以下の3つです。
- 外付けHDDを落とした・ぶつけた
- 外付けHDDが水没した
- 外付けHDDの経年劣化
物理障害は外付けHDDを開封して専門的な技術の元データを復旧する必要があります。自力で復旧することが不可能ですので、専門家に相談してデータを復旧してもらうようにしましょう。専門家の中でも、物理障害を復旧できる技術を持つのは一握りの業者ですので、物理障害に対応可能な業者に相談しましょう。
HDDが起動しない時の症状と各対処法・復旧方法
HDDが起動しない場合の対処法は次の通りです。
「異音」が発生する場合の対処法
HDDから「カチカチ」や「ギギギ」といった異音が聞こえる場合、物理的な故障の可能性が高く、HDDの寿命が尽きかけているサインです。すぐにパソコンの電源を切り、HDDの使用を停止してください。異音が続くと損傷が進み、データが失われるリスクが高まります。
次に、HDDを取り外し、データ復旧の専門業者に依頼することを検討しましょう。専門知識なしで修復を試みると、データを完全に失う危険があるため、専門家に任せるのが安全です。また、チェックディスクやデフラグなどの修復ツールは、HDDの状態を悪化させる可能性があるため使用しないように注意してください。
「異臭」が発生する場合の対処法
HDDから焦げたような異臭がする場合、内部の部品がショートしている可能性が高いです。すぐにパソコンの電源を切り、HDDを取り外してください。異臭がするHDDを使い続けるのは非常に危険です。
HDDを取り外したら、内部の焦げた部品がないか確認し、異常があれば使用を中止し、データ復旧の専門業者に相談しましょう。特に、自治体や政府機関からの表彰歴がある業者は信頼性が高いです。
データ復旧を確実に行いたい場合は、最初に技術力の高い業者に依頼することをおすすめします。
認識エラーが発生する場合の対処法
HDDが認識されない、または「フォーマット要求」や「CRCエラー」の表示が出る場合、HDDの論理障害や接続不良が原因であることが考えられます。
こうしたエラーは、HDDのファイルシステムが破損している場合に多く見られ、データの読み書きが正常に行えなくなります。
- まず、パソコンを再起動してHDDが再び認識されるかを確認します。
- 再起動後に問題が解消される場合、接続不良が一時的なものであった可能性があります。
- 再起動しても認識エラーが続く場合、HDDを他のパソコンに接続してみます。
- 別のパソコンでも認識されない場合、HDD自体に問題があると考えられます。
- この場合、データ復旧ソフトを使用してデータを救出するか、専門業者に依頼してデータを復旧しましょう。
アクセス不良が発生する場合の対処法
HDDへのデータアクセスが遅くなったり、ファイルにアクセスできない場合、HDDの劣化やファイルシステムの損傷が原因である可能性があります。アクセス不良が発生すると、HDDの状態が悪化していることを示し、データ損失が進行している可能性があります。
すぐにHDDの使用を停止し、すべての重要なデータをバックアップします。バックアップが最優先です。
次に、Windowsの「chkdsk」コマンドやサードパーティ製の診断ツールを使用して、HDDの状態を診断します。
- Windowsの検索ボックスに「cmd」と入力
- 「コマンドプロンプト」を右クリックし、「管理者として実行」を選択
chkdsk ドライブ文字: /f
と入力(例:chkdsk C: /f
)- Enterキーを押して実行
- 診断結果の確認、エラーが検出された場合は自動的に修復を試みます
- 信頼できる診断ツールをダウンロード・インストール(例: CrystalDiskInfo, HD Tune, GSmartControl など)
- ツールを起動し、診断したいHDDを選択
- 診断を実行
- 通常、「スキャン」や「テスト」などのボタンをクリック
- 結果の確認、.M.A.R.T.情報や不良セクタの有無などが表示されます
- 診断でエラーが検出された場合、HDDの交換が必要になる可能性があります。
- エラーが修復可能なものであれば、修復を試みます。修復後もアクセス不良が続く場合は、データ復旧専門業者に相談し、HDDの交換を検討してください。
接続ケーブルの不具合や電力不足、軽度障害の対処法
HDDの障害が軽度である場合、物理的な損傷がなく、接続ケーブルの不具合や電力不足、論理障害が原因である可能性があります。この場合、問題を自力で解決できる可能性があります。
- まず、接続ケーブルの状態を確認します。ケーブルに接触不良がある場合、HDDが認識されないことがあります。ケーブルを交換してみましょう。
- 外付けHDDの場合は、USBポートからの電力供給が十分であるかを確認します。
- USBポートが一つでは電力不足になることがあるため、専用のケーブルで複数のポートから電力を供給するか、ACアダプタを使用してください。
- 論理障害の場合、Windowsのエラーチェック機能を使用して自動修復を試みます。
- スタートアップ修復やデータ復旧ソフトを使用して解決できる場合もありますが、物理的な損傷が疑われる場合はこれらのツールの使用は避けてください。
パソコンが起動しない場合の対処法
パソコンが起動しない、またはOSが読み込めない場合、HDDの物理的または論理的な問題が原因である可能性があります。このような問題は、HDDの故障によって発生することが多く、特に起動時に異音がする場合はHDDの損傷が疑われます。
- まず、パソコンをセーフモードで起動してみてください。セーフモードで起動できる場合は、HDDのファイルシステムに問題(論理障害)がある可能性が高いです。
- セーフモードでも起動しない場合、HDDを別のパソコンに接続し、データのバックアップを試みます。もしデータが読み取れない場合、HDDが深刻な損傷を受けている可能性があります。
- バックアップが取れない場合、すぐにデータ復旧の専門業者に相談し、その後HDDを交換することを検討してください。無理にHDDを修復しようとすると、データが完全に失われるリスクがあります。
セーフモードでの起動手順
セーフモードとは、Windowsが必要最低限のドライバーとサービスだけを読み込んで起動するモードです。これにより、通常の起動時に発生する問題を回避してトラブルシューティングが行いやすくなります。以下は、Windows 10/11でパソコンをセーフモードで起動する手順です。
- パソコンの電源が入っている場合は、再起動します。もし電源が入っていない場合は、電源ボタンを押してパソコンを起動します。
- 再起動中、画面が黒くなったらすぐに「F8キー」を連打します。これにより、Windowsの起動オプションメニューに入ることができます。
- 「オプションの選択」画面が表示されたら、「トラブルシューティング」をクリックします。
- 次に、「詳細オプション」をクリックし、「スタートアップ設定」を選択します。
- 「スタートアップ設定」画面が表示されたら、「再起動」ボタンをクリックします。
- パソコンが再起動し、「スタートアップ設定」メニューが表示されたら、「4」キーを押して「セーフモード」を選択します。ネットワーク対応のセーフモードを選択したい場合は「5」キーを押します。
- セーフモードでWindowsが起動します。デスクトップの四隅に「セーフモード」と表示されているのが確認できます。
この手順でパソコンをセーフモードで起動できます。セーフモードでは通常とは異なる環境で起動するため、問題の原因を特定しやすくなります。問題のトラブルシューティングを行った後は、通常モードで再起動して確認しましょう。
データ復旧の専門業者に依頼する
もし、上記の対処法を試してもデータが復旧できない、またはどうしても失いたくないデータがある場合は、データ復旧の専門業者に依頼するのが最も安全です。特に重度の障害が発生している場合、専門的知識と特殊な設備が必要です。この点において専門業者には、個人では対応が難しいトラブルを解決するための専門知識や専用設備が整っており、安心してデータの復旧を任せることができます。
専門業者には、無料で相談や診断を依頼できるところもあります。原因が特定できない場合でも、気軽に相談し、適切な対処法を提案してもらうと良いでしょう。
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復旧費用 | 相談から見積もりまで無料 500GB未満:5,000円〜 500GB以上:10,000円〜 1TB以上:20,000円〜 2TB以上:30,000円〜 |
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対応製品 | RAID機器(NAS/サーバー)、パソコン(ノート/デスクトップ)、外付けHDD、SSD、USBメモリ、ビデオカメラ、SDカード・レコーダー等記憶媒体全般 |
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HDD故障により起動しない時の注意点
HDDが故障し、パソコンが起動しない際に注意すべきことは3つです。こちらの注意点は、復旧率に大きく関わる重要なポイントですので、気をつけましょう。
①再起動を繰り返さないこと
再起動することによって再度使用できることがありますが、一時的に使用できているだけに過ぎず、根本的な原因の対処にはなっていません。根本的な問題を修復しないまま使用を続けると、さらに状態が悪化してしまいかねませんので、再起動は控えましょう。
②OSの再インストールをしないこと
OSの再インストールを行なってしまうと、保存しているデータが上書きされてしまうリスクがあります。上書きされてしまうと、データがバラバラになってしまったり、データを取り戻そうとしても一部しか取り戻せなくなってしまいます。また、最悪の場合はデータを復元できなくなってしまうため、OSの再インストールは行わないようにしましょう。
③通電し続けないこと
特に、物理障害が発生している・発生の疑いがある場合には注意しましょう。通電し続けることは、つまりHDDが動作し続けるということになります。トラブルが発生した状態でHDDが動作し続けてしまうと、データが勝手に上書き保存されたり、データを読み書きする部品に傷がつくリスクが高まります。そうなると、データの救出が困難になり、最悪の場合にはデータを取り戻せなくなってしまいます。
まとめ
今回は、HDDの故障によりパソコンが起動しないトラブルについて、具体的な症状や原因、注意点や対処法をご紹介しました。トラブルが起きてしまったら、まずは症状や原因をよく把握することが大切です。症状や原因によっては小さな対処で解決できる場合もあります。また、どんな対処をとる上でも、症状や原因に合わせて行うことが、機器やデータを守るために非常に重要です。
そして、確実に取り出したいデータがある、ご紹介している対処法を実行しても復旧できない、原因が特定できないという方は、データ復旧専門業者への依頼が安全策です。ますは気軽に無料の相談・診断を離昇してみると良いでしょう。