QNAP(キューナップ)製のNASは、小規模な個人使用から大規模なエンタープライズレベルのストレージまで、さまざまなニーズに適したラインナップで、幅広いシーンで利用されています。
ただ、NASは精密機器なので、ある日突然「アクセスできなくなった」「ランプが点灯・点滅しているものの、状態がよくわからない」というケースも珍しくありません。
そのままの状態で通電し続けたり、反対に何も対処をしなければ症状は悪化し、データにアクセスできなくなる可能性があります。
本記事では、QNAP製NASのよくある障害事例や、障害が発生した際のアラートの種類やシステム復旧・データ復旧方法を解説します。
目次
QNAP製NASに生じるトラブル症状の例
QNAP製NASに、異常な動作が発生していると、内蔵HDD/SSDにも異常が発生する可能性があります。HDD/SSDに何らかの異常が発生することによって、共有フォルダにアクセスできなくなる・データが正常に保存されなくなるなどのトラブルが発生します。
症状が発生しているにもかかわらず、通電し続けて状態が悪化してしまうと、保存しているデータが消失する可能性もあります。最悪の場合に2度とデータにアクセスできなくなる可能性もあるので、症状が発覚した時点で通電はやめましょう。
QNAP製NASに発生する可能性がある症状は以下のようなものがあります。
- LED(ステータスランプ)が赤や緑に点滅する
- 起動しない/電源が入らない
- ビープ音が鳴る
- エラーメッセージが表示される
- NASにアクセスができない/共有フォルダに入れない
- Qfinderで正確に認識されない
LED(ステータスランプ)が点灯する症状
障害が発生したら、まずQNAP製NASのランプの点灯状況や、表示されるメッセージに沿って対処します。QNAP製NASのステータスは以下で確認することが出来ます。
ステータスランプ | NASの状態によって緑色か赤色に点灯します。 |
---|---|
LANランプ | ネットワークのアクセス状況によってオレンジ色に点灯します。 |
USBランプ | USBポートの接続状況によって青色に点灯します。 |
HDDランプ | HDDの障害状況によって赤色に点灯します。 |
ディスプレイ表示(一部モデル) | 障害の詳しい内容を表示します。通知の場合もあります。 |
ランプの種類によって NASやHDD/SSDに発生している症状を判断することができます。ランプが点灯したときには、異常を確認し、直ぐに電源を切って適切な対処をするようにしましょう。
また、ランプが赤色に転倒しているときはHDD/SSDに異常が発生している可能性が高いです。HDD/SSDが故障してしまうと、保存しているデータにも悪影響を与え最悪の場合にはデータに2度とアクセスできなくなる可能性があります。赤いランプが点灯したときは、自力で対処して状態を悪化させないように注意しましょう。データが確実に復旧したい場合には、すぐにデータ復旧業者に相談することをおすすめします。
QNAP製NASで電源が入らない・アクセスできない主な原因
QNAP製NASで電源が入らない・アクセスできない主な原因は次の通りです。
- ネットワーク接続の問題(LANケーブル、ルーターなど)
- 電源供給の問題(電源アダプター、コンセント、電源ケーブルなど)
- 筐体不良(電源ユニット、ファンなど)
- ソフトウェア不良(OS、ファイルシステムなど)
- RAIDコントローラの故障
- 内蔵ストレージ(HDD/SSD)の物理的故障
ネットワーク接続の問題(LANケーブル、ルーターなど)
- ネットワーク上で見つからない
- 接続がタイムアウトする
- 不完全なファイルが転送される
この場合、ネットワーク接続に問題がある可能性があります。
まずはネットワーク接続を確認し、最新のOS/ファームウェアがインストールされているかを確認しておきましょう。あるいはQNAP本体のネットワーク設定を変更すれば解決することもあります。ただし、状態が変わらない場合、ストレージ(HDD/SSD)に物理的な故障が起きている可能性があるため、使用を中止してください。
アクセスできない場合についての対処法については以下のページを参照してください。
正確に問題の診断・特定を行うには、製造元またはデータ復旧の専門家まで対応を依頼されることをおすすめします。
電源供給の問題(電源アダプター、コンセント、電源ケーブルなど)
電源ユニットなどに問題があると、QNAP製NASで電源が入らなかったり、アクセスできなくなったりすることがあります。
このような場合、電源コードの緩みなど、目に見える損傷がないかを確認してください。
ただし、電源が正常に動作しているように見えるにもかかわらず、電源が入らなかったり、アクセスできなくなったりする場合、ハードウェアが故障している可能性があります。「機器の動作」を優先する場合は、QNAPサポートセンターに問い合わせましょう。
ただし、「データ復旧」に関してはサポートセンターでは対応できないことも多いため、データ復旧を希望する場合、データ復旧専門業者まで対応を依頼することをおすすめします。
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筐体不良(電源ユニット/ファンなど)
これは電源装置やファンなどのQNAP製NASの筐体側に生じた問題または障害を指します。
NASの筐体不良には、次のようなものがあります。
- 電源ユニットの障害:電源ユニットはNASデバイスに電力を供給する役割を担います。ここに障害が発生すると、NASの電源が入らなくなったり、アクセス不能になったりする可能性があります。
- ファンの障害:ファンは過熱しやすいNASを冷却する重要なパーツです。ファンの障害はしばしば過熱を引き起こし、NASデバイスに致命的な損傷を与える可能性があります。
- ドライブベイの問題:ドライブベイに問題があると、QNAP製NASデバイスからドライブを適切に挿入または取り外しできず、ドライブに保存されているデータにアクセスできなくなる可能性があります。
こういった問題は、データの損失を引き起こすだけでなく、NAS自体が正常に機能しなくなる恐れもあるため、デバイスの信頼性と寿命を確保するためにもQNAP製NASの定期的なメンテナンスは欠かせません。
ソフトウェア不良(OS、ファイルシステムなど)
ファイルシステム(どこにどのようなデータがあるのかを管理する構造)の整合性が乱れ異常をきたした状態は、「ソフトウェア不良」ないし「論理障害」と呼ばれます。主な原因は次のとおりです。
- 誤った手順でシャットダウン(データの書き込み中に強制終了)
- 停電や落雷による電源遮断
- RAIDコントローラの故障
- 管理画面での操作ミス・フォーマット
論理障害は軽度であれば、修復ソフトで対応したり、バックアップをもとにリビルド(再構築)したりすることで対処が可能です。しかし、障害原因が分からない状態で復旧作業を行うと、データ上書きなどが発生し、障害をさらに悪化・併発してしまう恐れがあります。
この場合、個人の判断で復旧作業を行うのは控え、データ復旧業者に対応を依頼することをおすすめします。
RAIDコントローラーの故障
RAIDコントローラーとは、、RAID(複数の物理的なディスクドライブを組み合わせて、データの冗長性やパフォーマンスの向上を実現するための方法)を管理するためのハードウェアまたはソフトウェアの制御装置です。
RAIDコントローラーが故障すると、QNAP製NASが起動しない、アクセスできないなどの異常が発生し、HDD/SSDの認識不良や、RAID構成情報の初期化・損傷が起きる場合があります。
RAIDコントローラーを個人で交換を行うと、RAID崩壊などを引き起こすリスクも高くなります。RAIDコントローラカードが損傷し、データが必要であれば専門の復旧業者に相談することを検討しましょう。
内蔵ストレージ(HDD/SSD)の物理的故障
QNAP製NASに搭載されているHDD/SSDが物理的に壊れた状態を「物理障害」といいます。
物理障害の主な原因は「①外部からの物理的な衝撃」「②経年劣化」「③ファームウェア異常」です。
①外部からの物理的な衝撃
たとえばHDDは外部から物理的な衝撃を受けると、読み書き用ヘッドがディスクに接触し、スクラッチと呼ばれる傷がつくことがあります。これは物理障害でも重度であり、復旧不可の業者がほとんどで、復旧難易度も大幅に上昇してしまいます。
②経年劣化
HDD/SSDは消耗品のため、長期間使用していると経年劣化により破損します。そもそも、NASに搭載されているHDD/SSDの製造時期はほぼ同じのため、1台のHDD/SSDが故障した直後、別のHDD/SSDが故障すると、RAID崩壊を起こす恐れもあります。
③ファームウェア異常
ファームウェアは、データの読み書きなど、デバイスの基本機能を制御するソフトウェアです。ここが破損または破損すると、「ドライブが誤動作を起こし、カチカチと異音が生じる」「アクセスできなくなる」などの問題が発生する可能性があります。
このような状況で、個人的に復旧作業を行うと、状態を悪化させてしまう可能性が高いです。異変を感じたらすぐ使用を停止してください。特に「カチカチと異音がする」など物理障害が疑われる場合、自力での復旧が非常に困難です。
そもそもHDD/SSDのファームウェアは、メーカーことに構造が異なるため、データ復旧業者でも解析が非常に難しいとされています。重要なデータがある場合、ファームウェア異常にも対応した、データ復旧業者に相談するようにしましょう。
高復旧率&安心して任せられる業者を選ぶポイント
データ復旧業者に依頼することはもっとも確実なデータの復旧方法といえます。しかし、データ復旧業者の中にも技術力の高い優良業者とサービスがあまり芳しくない不良業者があります。データ復旧を1度で成功させるために「優良業者を見極める選定ポイント」を紹介します。
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- 物理障害を復旧することが可能
- 夜間や休日も窓口が営業しており復旧スピードが速いこと
- 後から診断料や部品代などの追加費用が請求されず明朗会計であること
- 復旧成功の口コミや利用者の実例が多数あること
- 自社内に復旧設備を整え、熟練の技術者が多数いること
上記のポイントから厳選したおすすめランキング1位の業者は、デジタルデータリカバリーです。
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QNAP製NASが起動できない・アクセスできない原因を調べる方法
QNAP製NASが起動できない、アクセスできない状態の原因について前章で解説しましたが、単なる接続不良から深刻なHDD/SSDの物理障害まで、原因は様々でした。
本章では自身で復旧したい方向けに、QNAP製NASが起動できない・アクセスできない時に原因について調べる方法を解説します。
はじめに、QNAP製NASが起動できない・アクセスできない時に発生する可能性のある症状は以下のようなものがあります。
- LED(ステータスランプ)が赤や緑に点滅する
- 起動しない/電源が入らない
- ビープ音が鳴る
- エラーメッセージが表示される
- NASにアクセスができない/共有フォルダに入れない
- Qfinderで正確に認識されない
それぞれの症状に合わせた原因の調査方法は以下の通りです。
QNAP製NASの電源がつくか確認する
QNAP製NASが全く起動していない場合、LANケーブルや電源コードが正しく接続されていない可能性も考えられます。電源がつく確認してみましょう
一方でQNAP製NASの電源はつくものの、アクセスできない場合は設定などを確認した後、一度だけNASの電源を落として再起動してみましょう。
もしも再起動してもQNAP製NASが起動・アクセスできない場合は、深刻なエラーや物理障害を抱えている可能性があるため、これ以上通電や再起動を続けると状態が悪化し、最悪の場合二度とデータにアクセスできなくなる可能性もあるので、症状が発覚した時点で通電はやめましょう。
QNAP製NASのLED(ステータスランプ)を確認する
障害が発生したら、まずQNAP製NASのランプの点灯状況や、表示されるメッセージに沿って対処します。QNAP製NASのステータスは以下で確認することが出来ます。
ステータスランプ | 赤ランプの点灯・点滅、緑ランプが点滅している場合、エラーや障害が発生しています。 |
---|---|
LANランプ | 別の機器のデータアクセス中に読み取り/書き込みエラーが発するとオレンジ色に点灯します。 |
USBランプ | USBポートの接続状況によって青色に点灯します。 |
HDDランプ | 赤色に点灯したらHDDが故障しています。 |
ランプの種類によって サーバーの状態を判断することができます。特にステータスランプが赤色に点灯したときには、HDD/SSDに異常が発生している可能性が高いです。
HDD/SSDが深刻な破損を抱えている場合、保存しているデータにも悪影響を与え、データにアクセスできなくなる可能性があります。赤いランプが点灯したときは、自力で対処せず、データが確実に復旧したい場合には、すぐにデータ復旧業者に相談することをおすすめします。
QNAP製NASからビープ音が鳴っている確認する
QNAP製NASからビープ音が鳴っている場合、必ずしも故障しているとは限りません。ビープ音の長さ、音が鳴る回数に注目してQNAP製NASの状態を確認しましょう。
サーバーのビープ音の種類 | QNAP製NASの障害 |
---|---|
短いビープ音×1回 | NASの起動/シャットダウン/ファームウェアの更新/リセット |
短いビープ音×3回 | QNAP製NASが外部の機器にデータコピーできない |
長いビープ音×1回 | QNAP製NASの動作準備完了/シャットダウン |
長いビープ音×2回 | QNAP製NASのHDD/SSDの容量の限界が近い/容量が最大/HDD/SSDドライブの再構築が開始 |
長いビープ音と短いビープ音が交互に鳴る | システムファンの動作不良 |
「短いビープ音×3回」「長いビープ音×2回」「長いビープ音と短いビープ音が交互に鳴る」場合は QNAP製NASにエラーや障害が発生している可能性があります。サーバーのランプの状態などと一緒に確認しましょう。
Qfinderでストレージが認識されている確認する
「Qfinder」とは、QNAP Systems社が提供する、QNAP製NASのデバイスを検出し、設定、管理するためのツールです。パソコンにQfinderをダウンロードしてNASデバイスの検出ができるか確認しましょう。
以上の方法でQNAP製NASの状態を調べた結果、障害や故障が判明した場合は、必要に応じてHDD/SSDからデータを取り出す必要があります。
ただし、NASから直接HDD/SSDを取り出すのはデータを失うリスクが大きいため、確実にデータを復旧したい場合には、データ復旧の専門業者に相談することをおすすめします。
QNAP製NASのデータ復旧における注意点
QNAP製のNASに障害が発生した場合、データ復旧に際して注意すべき点がいくつかあります。
- 通電や再起動の繰り返しはNG
- RAIDの再構築(リビルド)によるデータ再構築はNG
- ハードディスク単体でのパソコン接続はNG
- ハードディスクの入れ替えや交換はNG
- ファームウェアの更新はNG
- 故障が明確な時の復旧ソフトの使用はNG
- ハードディスクの開封はNG
通電や再起動の繰り返しはNG
起動しない・アクセスできないQNAP製NASは通電や、強制終了と再起動を繰り返すことで、故障箇所に大きな負荷をかけてしまい、データが消失する恐れがあります。
またトラブルの結果保存データが消失した場合、通電と操作を続けることでデータが上書きされてしまい、復旧ソフトでも復旧できなくなるため注意しましょう。
RAIDの再構築(リビルド)によるデータ再構築はNG
データ復旧する場合、RAIDの再構築(リビルド)は避けるべきです。同時期に購入したハードディスクは同時期に故障することも多く、正常だったハードディスクにもリビルドを実行したことで負荷がかかり、立て続けに障害が発生するケースがあるからです。
もし複数のドライブで同時に障害が発生すると、QNAP製NASの復旧が不可能に陥るリスクもあります。
故障原因が正確にわからない、または知識や技術力に自信がない場合は、個人での作業を控えましょう。
ハードディスク単体でのパソコン接続はNG
PCにQNAP製NASのハードディスクを接続する行為は避けてください。
QNAP製のNASではRAID構成を用いて複数のHDD/SSDを1つのドライブとして扱っているため、故障したディスク以外を単体でPCに接続しても、データにアクセスできないばかりか、ディスク内のシステムデータが破損してしまう可能性があります。
ハードディスクの入れ替えや交換はNG
QNAP製NASでは、ディスクにデータを書き込むとき、システムの規則に従って記録されていきます。
そのため、QNAP製のNASからハードディスクを取り出して、交換したり入れ替えたりした際、順番を間違えたり、違う場所にディスクを入れてしまったりすると、システムの規則が乱れてしまいます。結果的にデータの破損や上書きされてしまうリスクがあるため、ハードディスクの入れ替えや交換は避けましょう。
ファームウェアの更新はNG
ファームウェアとはサーバーをはじめとした電子機器に内蔵されたソフトウェアです。機器の動作を制御するはたらきがあります。
QNAP製NASが起動しない・アクセスができない場合の対処法の一つに「ファームウェアの更新」があります。この方法でトラブルの原因となるシステムエラーを解消できる場合もありますが、データの上書きの進行や、RAID構成やファイルシステムの構造が消えてしまうなどのトラブルが発生します。またQNAP製NASの内蔵HDD/SSDに物理障害が発生していた場合は、エラーが修正できないばかりか、更新自体が不可能になる場合があります。
故障が明確な時の復旧ソフトの使用はNG
復旧ソフトは原則として、システムエラーやデータの削除など軽度の論理障害のみ復旧が可能です。QNAP製NASが起動しない、アクセスできない原因が内蔵HDD/SSDの物理的な破損にある場合、復旧ソフトを使用してもトラブルを根本的に解決できません。
物理障害のHDD/SSDからデータ復旧させる方法と、復旧ソフトで解決できる軽度の論理障害からデータ復旧させる方法は全く異なります。
復旧ソフトを繰り返しかけると、データの上書きが進行し、必要なデータが完全に削除される可能性があります。
ハードディスクの開封はNG
QNAP製NASに内蔵されているHDDはトラブルの有無に関わらず、決して開封してはいけません。HDDを開封すると中にホコリやチリが入りこみ、データを保存している部品を傷つけてしまい、データの読み書きが困難になります。
QNAP製NASが起動しない・アクセスできない場合は自身でハードディスクの状態を調べず、データが必要であれば必ずクリーンルームを設置しているデータ復旧業者に相談しましょう。
クリーンルームとは、手術室相当の清潔さを持つ復旧作業用の部屋です。HDDの破損を悪化させないために、物理障害のHDDの復旧作業の多くはクリーンルームの中で行われます。業者の中にはこの部屋を持っていないところもあるため、業者のWebサイトを確認し、クリーンルームが設置されているか調べておくとよいでしょう。
QNAP製NASをデータ復旧する方法
QNAP製NASのデータを復旧したい場合には、原因に合わせて適切な対処法を選択することが重要になります。
対処法は下記のようなものがあります。
- 電源・ネットワーク接続を確認する
- 赤色のHDDランプが点灯しているときはデータ復旧業者に相談する
- エラーメッセージごとに対処する
- ゴミ箱・バックアップから復元する
- ビープ音に対処する
- データ復元ソフトを使用する
- データ復旧業者に相談する
電源・ネットワーク接続を確認する
エラーを示すランプも点灯しておらず、障害を示すメッセージも表示されていない場合、次の対処法を試しましょう。
- 電源を確認する:電源ケーブルとコンセントをチェックし、NASデバイスが電源に正しく接続されていることを確認します。
- ネットワーク接続を確認:ネットワークケーブルがNASとネットワークにしっかりと接続されており、かつルーターが正しく機能していることを確認します。
- デバイスのリセット:NASデバイスが応答しない場合は、電源を切り、電源からプラグを抜いてから、再度差し込んでリセットしてみてください。
上記の手順で問題が解決しない場合、新しいHDD/SSDを組みなおし、RAIDを再構築する必要が生じることがあります。しかし、ディスク上のデータが失われる恐れが高いため、データが必要な場合は、データ復旧の専門業者まで対応を依頼するようにしましょう。
赤色のHDDランプが点灯しているときはデータ復旧業者に相談する
HDDランプが赤色に点灯している場合は、内蔵HDDに障害が発生している可能性が高いため、できるだけ早く電源を落としましょう。
この場合、故障したHDDが1台程度なら、新しいHDDと交換し、リビルドすることで問題が解決することもありますが、2台以上のHDDが破損している場合、データが破損している可能性が高いため、データを取り出す場合は、データ復旧の専門業者に対応を依頼しましょう。破損したデータやHDDの復旧作業は専門知識と技術がなければ、データ復旧に失敗してしまい、保存データが全て消失する恐れがあります。
エラーメッセージごとに対処する
ディスプレイ(LCDパネル)表示のあるモデルの場合、エラーが発生すると「System Error! Pls. Check Logs」などのメッセージが表示されます。エラー表示がされた場合は、「Enter」を押して、メッセージの内容を確認しましょう。
たとえば、ディスプレイに「SYSTEM BOOTING」と表示されている場合、内蔵ハードディスクに障害が発生している可能性があります。なお、ディスプレイに表示されたメッセージの詳細は、QNAPの公式マニュアルからも確認できます。
ゴミ箱・バックアップから復元する
NASの管理画面上で、共有フォルダを削除した場合でも、データは残っている場合があります。この場合、以下の方法で復元を試みることができます。
- ごみ箱を確認する:共有フォルダが最近削除された場合、NASのごみ箱にまだ存在している可能性があります。この場合「File Station」アプリに移動し、ごみ箱を開いて削除されたフォルダを探すことができるほか、データが見つかった場合は、元の状態に戻すことができます
- ファイル回復ソフトウェアを使用する:QNAPには、削除されたファイルやフォルダを回復する「QNAP NetBakレプリケーター」というァイル回復ツールがあります。このソフトウェアをインストールし、スキャンを実行することで、削除されたフォルダが回復できるか確かめてみましょう。
- バックアップを確認する:データのバックアップを定期的に作成している場合は、削除したフォルダをバックアップから復元できます。
上記の手順で問題が解決しない場合、むやみな操作を控えてください。データ消失時、スキャンなど操作を重ねると、データ復旧の可能性は低下してしまいます。確実にデータ復旧をおこなう場合は、データ復旧の専門業者まで対応を依頼するようにしましょう。
ビープ音で主な原因を推測して対処する
QNAP製のNAS本体からビープ音がする場合は、音の種類によって障害の状態と主な原因を推測することができます。ランプの点灯と同様に、もし内蔵ハードディスクの障害が疑われる場合は、通電を続けることで故障状態が進行しデータ復旧の難易度があがってしまうため、なるべく早い段階でNASの電源を落としましょう。
ビープ音の種類と主な状態・障害の一例は以下の通りです。
ビープ音の種類 | 主な状態・障害 |
---|---|
短いビープ音(0.5秒)×1 |
|
長いビープ音(1.5秒)×2 |
|
長いビープ音(1.5秒)×1 |
|
器のシャットダウンと電源ケーブルを抜く作業を行っても不具合が解決しない場合は、システム障害もしくは内蔵HDD/SSDが故障している可能性が高いため、QNAP製NASの復旧作業を停止し、目的にあわせて専門の窓口に相談をしましょう。
データ復元ソフトを使用する
QNAP製のNAS上のデータを誤って削除してしまった場合、NAS対応のデータ復元ソフトを使ってデータを復元できることがあります。HDD/SSDをフォーマットして初期化してしまった場合でも、初期化の直後に作業すればデータを取り戻せることもあります。
NASでデータ復元ソフトを使用する際の流れは以下の通りです。
- 基本情報(NASの型番・HDD/SSDの本数・RAID構成の種類)を確認する
- NASからHDD/SSDを取り外す
- 基本情報に対応した復旧ソフトをダウンロード(※非対応のソフトでスキャンをかけたらデータを全て失うリスクあり)
- HDD/SSDをPCに接続する
- 復旧ソフトでデータを復旧する
ただしデータ復元ソフトを利用する場合、注意点として、次のものがあります。
- データ復元ソフトでの復元は「軽度の論理障害」に限定され、物理障害の場合は状態が悪化してしまう
- NASが暗号化されている場合があるため、対応した復元ソフトを使用する必要がある
- 専門知識がないとデータの復元・復旧に失敗する可能性が高くなる
- 最悪の場合、データが二度と取り出せなくなるだけでなく、機器自体も完全に破損してしまう
データ復元ソフトを利用する際は上記のリスクも考慮して復元しましょう。QNAP製のNASの復旧を最も確実かつ安全に行うには、データ復旧業者に依頼することをおすすめします。
データ復旧業者に相談する
機器のシャットダウンと電源ケーブルを抜く作業を行っても不具合が解決しない場合は、システム障害もしくは内蔵HDD/SSDが故障している可能性が高いため、QNAP製NASの復旧作業を停止し、目的にあわせて専門の窓口に相談しましょう。
この時にQNAP製NASサーバーに保存されたデータの必要性に合わせてメーカーかデータ復旧業者に相談します。
それぞれの相談先の特徴は以下の通りです。
目的 | 相談先 |
---|---|
内部のデータは不要で、機器自体を修理したい場合 | メーカーのサポート窓口 |
内部のデータが必要な場合 | データ復旧の専門業者 |
メーカー修理に出してしまうと、修理の過程でQNAP製NASサーバーに保存されたデータは全て消失してしまいます。あくまでもメーカー修理では「購入時の状態に戻す」ことを目的としているからです。
一方で、データ復旧業者では物理障害や、復旧ソフトや修復ツールで直せない論理障害のデータ復元・復旧をより高い確率で成功させることができます。「HDD/SSDが認識されない」「デバイスが起動できない」といった状態からでもデータを取り出せる場合があります。
注意点として、何度も電源をオン・オフしたり、再起動を繰り返したりすると、正常な他のハードディスクにも不具合が発生する場合があります。もし、QNAP製のNASに保存されているのが大切なデータであれば、できるだけ何もせずに現状を維持した状態でデータ復旧の専門業者に相談するのが賢明です。
失敗しないデータ復旧業者の選び方
技術力が高い業者の選定といっても、GoogleMapの口コミや値段の安さだけで選ぶと、必要なデータが復旧できないばかりか、データ復旧自体を断られてしまう場合もあります。そこで失敗しないおすすめのデータ復旧業者の選び方を紹介します。
データ復旧業者を選ぶポイントについては、以下で詳しく紹介しています。
中には、相談から見積もりまで無料で行っている業者も存在するので、業者を選ぶ際はこの点も考慮しておきましょう。
【ポイント1】データ復旧業者の技術力を見極める
データ復旧業者の技術力を見極めるポイントとして、たとえば下記のような項目があります。
- データ復旧の技術力が高く、復旧実績が多数ある(数値や指標で明示している)
- 海外からの技術導入を積極的に行っている
- 他社で復旧不可能だった機器の復旧実績が多数ある
- クリーンルーム等、データ復旧に必要な設備や部品を保有している
- 復旧ラボを自社内に保有し、公開している
- 対応できる機器の種類や症状が豊富である
- 優秀な復旧エンジニアが多数在籍し、機器ごとの専門に分かれている
- 初期診断・復旧スピードが速い
- 研究開発などの取組みが第三者(公的機関)に認められた実績がある
このような観点でよく名前を聞く5社を比較してみると、WEB上でしっかり情報を公開している業者は思いのほか少ないことが分かりました。
サービス名 | デジタルデータ リカバリー |
パソコンドック24 | データレスキュー センター |
A1 Data | アドバンス デザイン |
---|---|---|---|---|---|
復旧実績 | ✓復旧率95.2% ✓相談件数 41万件以上 ✓他社不可 3,000件 ✓官公庁・法人 1万社以上 |
✓復旧率非公開× | ✓復旧率非公開× ✓受付件数 15万件以上 |
✓復旧率非公開× ✓復旧件数 7万件以上 |
✓復旧率非公開× ✓大手法人 1,000社以上 |
設備 | ✓クリーンルーム (クラス100) ✓ドナーHDD 7,000台以上 |
×
なし |
×
なし |
✓クリーン ベンチ ✓ドナーHDD 2万台以上 |
✓クリーンルーム |
ラボ公開 |
○
公開・見学可能 |
×
非公開 |
×
非公開 |
×
非公開 |
×
非公開 |
従業員数 (エンジニア 人数) |
164名 (約40名) |
29名(-) | 23名(-) | 66名(-) | 20名(-) |
初期診断・ 復旧スピード |
【初期診断】 最短5分 【復旧】 80%を48時間 以内に完了 |
【初期診断】 非公開 (※一部有料) 【復旧】 非公開 |
【初期診断】 6~48時間 (※一部有料) 【復旧】 非公開 |
【初期診断】 1~3日 【復旧】 非公開 |
【初期診断】 1~3日 【復旧】 非公開 |
受付時間 | 年中無休 24時間受付 |
※店舗により異なる | 年中無休 9:00~18:00 |
平日のみ 24時間受付 |
平日のみ 9:00~17:30 |
(※2023年6月時点の情報)
また、復旧率が非公開の業者は、復旧スピード・復旧ラボの設備規模・エンジニア人数も非公開だったため、全体像がつかみづらい印象でした。
デジタルデータリカバリーの在籍エンジニア人数を参考にすると、他の業者のエンジニアは2~3名ほどとかなり少ないかもしれません。
技術力の高い業者を見極めるうえでWEB公開情報は貴重な判断材料になります。主要な項目についてどのように判断したらよいか、さらに詳しく解説します。
データ復旧の技術力が高く、復旧実績が多数ある(数値や指標で明示している)
各データ復旧業者の復旧実績や復旧率は公式HPなどで確認ができる場合が多いです。「復旧実績〇件」「復旧率〇〇%」など数値で示されている場合は、客観的な指標であるので信頼できる情報と言えます。
復旧技術は業者によって雲泥の差があるため、そもそも復旧率や件数を非公開としている業者は技術力が低い、または実績が少ないと考えていいでしょう。また、専門の解析ツールやクリーンルームなどの復旧設備の有無を確認することでも、その業者の復旧率(技術力)を確認することができます。
他にはデータ復旧の技術レベルが特に高い業者の特徴として、下記があげられます。
データ復旧技術のレベルが特に高い業者の特徴
- データ復旧の中でも最高難易度といわれる「データの記録される面に傷のついたHDD(スクラッチ障害)から復旧実績がある業者」は技術レベルが非常に高い
- 相談実績や復旧の成功度合いを明示している(20万件以上~、復旧率〇%等)
- HDDだけでなく、SSDやUSBメモリ、SDカード、スマートフォンといったメモリ媒体の障害にも対応している
- RAID構成のNAS・サーバーやデータベースの復旧に対応している
復旧率が高い業者は信用できない?
「復旧率が高いだけでは信用できない」という見方も存在します。復旧率の計算方法が業者によって違うため、単純比較が難しいことが理由です。しかし、全国100以上あると言われるデータ復旧業者から依頼先を決めるうえで、復旧率という客観的な指標が判断材料の一つとなるのも確かです。もしも信ぴょう性が気になる場合は、「データの根拠まで明記しているか?」「第三者機関のチェックを通しているか?」というポイントにも注目するとよいでしょう。
復旧スピードが速い納期のあるデータや、失ったことで業務が止まってしまうデータを紛失した場合、一刻も早く復旧したいと思うものです。そこで気になるのが復旧業者のスピードです。
復旧スピードが速い業者の特徴
- 交換用の部品を大量に保有し、部品調達の時間をカットしている
- 土日祝日も復旧対応をしており、復旧エンジニアの人員が多い
- クリーンルーム等の設備導入が進んでおり、復旧できる台数が多い
復旧スピードには交換部品の在庫数やエンジニアレベルなどの要因があります。
たとえば機器に物理的な障害がある場合、内部で破損した部品を交換する必要があります。HDD/SSDなどの記憶媒体は外見や型番が同一でも、製造年などで部品が異なる場合があります。交換部品を多く取り揃えている専門業者では、必要な部品を海外から調達している時間をカットできるため、迅速な復旧・納品が可能です。
自社内にクリーンルームなどの復旧専用設備を保有している業者では、復旧作業を安全かつ迅速に自社で完結させることができ、結果として復旧スピードが向上します。専門業者によっては、復旧スピードの目安が明記されていることもあるので公式HP等で確認してみてください。
他社で復旧不可能だった機器の復旧実績が多数ある一度他社で復旧作業を行い、復旧できなかった機器であっても業者によっては受け付けてくれる場合があります。技術力の高い業者であればあるほど、他社で復旧できなかった機器の復旧実績が多くなる傾向にあります。一度復旧ができなかった場合も、他の業者に依頼をしてみると復旧できる可能性があるので、諦めずに相談してみるのがいいでしょう。
また、繰り返しになりますが、このように一度復旧に失敗し他の業者に依頼するといったダブルコストをかけないためにも、最初に最も技術力の高い業者へ依頼することをおすすめします。
公的機関からの表彰歴がある公的な機関からの表彰歴なども、技術力をはかる指針となります。
特に、一般の団体ではなく自治体や政府機関・警察などからの表彰歴・感謝状の受賞歴があるデータ復旧業者は、それだけの実績を残していることを信頼してもよいでしょう。
HPに掲載されている表彰歴・受賞歴などを確認してみてください。
【ポイント2】信頼できる復旧業者かを見極める
技術力以外にも、その業者が信頼できる業者かどうかは気になるところです。データ復旧業者が信頼できるかを見極めるために、具体的には下記のような点に着目するといいでしょう。
- 大手法人や官公庁の取引実績が多数あり、運営会社が信頼できる
- サービス対応が丁寧で信頼できる
- プライバシー認証の取得等、セキュリティ対策が徹底されている
- 復旧ラボへの持込み・見学が可能(作業風景を外部に発信・公開している)
大手法人や官公庁の実績が多数あり、運営会社が信頼できる
技術力が高いと謳っていても、相談件数・復旧件数が少ない等実績が伴わなければ、信ぴょう性は疑わしいものとなってしまいます。そのため、下記のような観点で実績の確認を必ず行いましょう。
データ復旧業者の中には、その取り組みが認められ第三者機関に表彰されている業者も存在します。信頼できる業者へ依頼するために、HP上で具体的な数値で実績を明記している業者を選んだ方がいいでしょう。
実績のあるデータ復旧業者の特徴
- 大手企業や官公庁からの依頼がある
- HP上に「相談件数〇〇件」「復旧実績〇〇件」と具体的な数値で示している
- 公的機関(官公庁、警視庁等)からの表彰実績がある
- メディアでデータ復旧業者として取り上げられた実績がある
プライバシー認証の取得等、セキュリティ対策が徹底されている
企業データや技術データなど、外部に知られてはいけないデータを復旧しなければいけない場合もあります。そのような場合は、各専門業者のセキュリティ対策を確認しましょう。
上記の実績部分でも触れましたが、大手企業や官公庁からの依頼がある企業はセキュリティ対策が万全である業者が多いです。取引実績のほかにも「ISO27001」や「Pマーク」など、世界基準で規定されているセキュリティの認定を取得していることや、防犯カメラや外部部機器の持ち込み制限など、情報漏洩対策がしっかりされているかを確認しても良いでしょう。
ISO27001・PマークとはISO27001(ISMS)やPマークとは、情報セキュリティマネジメントシステムの規格です。
ISO27001(Information Security Management Systems)とは、組織における情報管理のセキュリティ、管理方法、マネジメント方法について定めた規格です。
個人情報保護法よりも対象とする情報の範囲が広く、国際的に統一された規格なので、ISO27001/ISMSの認証を取得している企業であれば、大切なデータを預けても安心です。
また、Pマーク(プライバシーマーク)とは日本国内の規格で、こちらも個人情報保護マネジメントシステムを運用していることの証明となります。
復旧ラボへの持込み・見学が可能(作業風景を外部に発信・公開している)
「避けた方が良いデータ復旧業者の特徴」で紹介した通り、データ復旧業者の中にはWebサイト上に掲載している社内風景と実態が異なる怪しい業者も存在します。大切なデータを預ける上で、信頼できる業者か、対応している人の顔が見えるかは非常に重要な点といえます。
データ復旧の設備を自社内に保有し運営している業者は、復旧ラボへの持込みや見学を受付ていたり、SNS等で作業風景を発信しているケースもあります。心配な場合は「作業現場の見学は可能ですか?」「設備を自分で確かめたい」等を相談するといいでしょう。セキュリティ等を理由に断られた場合、その業者は怪しいと判断したほうがいいです。正確な実態を確認するようにしましょう。
設備の規模を見極めるポイント
- クリーンルーム(クラス100等)を設置している
- 交換用HDDなどの復旧に必要な部品のストック数が多い
- 復旧ラボが公開されている
- 在籍しているエンジニアの数が多い
- 同時復旧可能な台数が多い
クリーンルームとは?
クリーンルームとは空気の清浄度が高い部屋のことで、HDD復旧作業の工程で必要になることがあります。クリーンルームには清浄度の規格があり、HDDの復旧作業では「クラス100」と呼ばれる無菌手術室と同等レベルの設備がないとできない作業もあります。「クリーンベンチ」はクリーンルームより簡易的な設備であり、行える作業が限られます。多くの業者では簡易的なクリーンベンチしかない・そもそも専用の設備がなく、精密な作業は他社に外注している業者も存在します。
【ポイント3】サービスの利用しやすさを見極める
データ復旧サービスの利用しやすさを見極める項目としては、下記があげられます。
- 土日祝日の復旧対応や夜間窓口があり、相談しやすい
- 出張での復旧に対応している
- 依頼前の初期費用がかからない
- 特急料金がかからない
- データ納品時の追加費用がかからない
土日祝日の復旧対応や夜間窓口があり、相談しやすい
急ぎでデータが必要な場合や、仕事で平日の相談が難しい…といった場合も、土日祝日対応の業者であれば、安心です。業者によっては24時間受付を行っている業者もあるため、緊急時や急ぎの復旧依頼を行いたい場合は、営業時間を確認するといいでしょう。
依頼前の初期費用がかからない
「自身の機器の状態が分からないまま専門業者に依頼するのは不安だ」という方は少なくないでしょう。そのような場合は初期費用の発生しないデータ復旧専門業者へ相談しましょう。
初期費用というのは「データ復旧の作業に着手するまでの費用」のことを指します。
データ復旧依頼前に請求される可能性のある初期費用
- 症状の相談
- 機器の配送料金
- 機器分解料金
- 初期診断・見積費用
業者によっては、依頼前であるのにも関わらず見積のための機器配送料や機器の分解料金、初期診断費用が発生することがあります。また、診断の結果、復旧が不可能だったり依頼をキャンセルしたとしても、その費用は初期診断代として返金されません。データ復旧専門業者を選定する場合は、必ず上記の初期費用の発生しない専門業者へ相談をしましょう。
特急料金がかからない
急ぎで初期診断や復旧対応を依頼したい場合、特急料金がかかる業者があります。また業者によって営業時間や復旧・納品までのスピードには差があるため、依頼の際は気をつけましょう。特急料金がかからない、かつ土日祝日等にかかわらず最短で復旧対応を行ってもらえる業者を選ぶといいでしょう。
データ納品時の追加費用がかからない
データ復旧後、納品用の機器代金やデータのコピー代金を別途請求されるケースがあります。心配な場合は、依頼前にデータ納品時の形態や、追加費用の有無を確認しておくといいでしょう。
データ復旧サービスをネットで検索した際によく見るのは、デジタルデータリカバリー、アドバンスデザイン、AIデータ、Livedata、AOSデータ復旧サービスセンター、PCエコサービス、データレスキューセンターなどです。データ復旧業者は全国で100社以上もあると言われるので、その中で主要な業者だと思われます。しかし、しっかり条件を見比べてみると、初期診断や機器の配送料が有料だったり、社内にクリーンルーム(HDDを開封するのに必要な設備)を保有していなかったりと、ネットで上位の業者でもサービス内容には差があるようです。
データ復旧業者の実力を確実に見極めるためのポイント同じ「データ復旧業者」の間でも、適切な設備、復旧にかかわる知識・技術など非常に幅広く、対応できる範囲も大きく異なります。そのため、業者の技術力を見極め、依頼することがもっとも重要なポイントです。
以上から技術力が高い業者の特徴は次のとおりです。
【ポイント1】データ復旧業者の技術力を見極める
- 復旧実績の数値や指標を明示している
- 対応できる機器の種類や症状が豊富
- データ復旧の最高難易度といわれる「データの記録される面に傷のついたHDD(スクラッチ障害)からの復旧実績」がある
- 復旧スピードが速い
- 他社で復旧不可能だった機器の復旧実績が多数ある
【ポイント2】信頼できる復旧業者かどうかを見極める
- 官公庁・大手法人の取引実績が多数ある
- サービス対応が丁寧で信頼できる
- プライバシー認証の取得など、セキュリティ対策が徹底されている
- 復旧ラボへの持込みや見学ができる
【ポイント3】サービスの利用しやすさを見極める
- 土日祝日の復旧対応や夜間窓口などがある
- 出張での復旧に対応している
- 依頼前の初期費用がかからない
- 特急料金がかからない
上記のポイントから厳選したおすすめのPCデータ復旧業者は、デジタルデータリカバリーです。
デジタルデータリカバリー
公式HPデジタルデータリカバリー
デジタルデータリカバリーは、14年連続データ復旧国内売り上げNo.1(※1)のデータ復旧専門業者です。復旧率最高値は95.2%(※2)と非常に高い技術力を有しています。依頼の8割を48時間以内に復旧と復旧のスピードも優れています。また、官公庁や大手企業を含む累積46万件以上の相談実績があります。
この業者は、相談から見積もりの提示まで無料で行っているため、データ復旧を検討している際は、自力で復旧作業に取り掛かる前に、まずは最大手であるデジタルデータリカバリーに相談すると良いでしょう。
対応製品 | ■記憶媒体全般 ハードディスク、外付けHDD、NAS/サーバー(RAID構成対応)、パソコン(ノートPC/デスクトップPC)、SSD、レコーダー、USBメモリ、SDカード、ビデオカメラ、スマホ(iPhone/Android)、ドライブレコーダー等 |
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復旧期間 | 最短当日に復旧完了(本社へ持ち込む場合) 約80%が48時間以内に復旧完了 |
設備 | 復旧ラボの見学OK クリーンルームクラス100あり 交換用HDD7,000台以上 |
特長 | ✔データ復旧専門業者 14年連続データ復旧国内売上No.1(※1) ✔復旧率最高値95.2%(※2)の非常に高い技術力 ✔官公庁や大手企業を含む累積46万件以上の相談実績 ✔相談・診断・見積り無料(デジタルデータリカバリーへの配送料も無料) ✔365日年中無休で復旧対応 |
所在地 | 本社:東京都六本木 持込み拠点:横浜、名古屋、大阪、福岡 |
デジタルデータリカバリーのさらに詳しい説明は公式サイトへ
※1:第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく(算出期間:2007年~2020年)
※2:2018年2月実績 復旧率=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数 (2017年12月~2021年12月の各月復旧率の最高値)
QNAP製NASの概要・機能
QNAPは2004年に台湾で設立されたメーカーです。QNAP製のNASは、他社製品よりも比較的リーズナブルな価格帯で、初心者にも扱いやすい高い操作性が人気です。エンタープライズ・ミドルレンジ向けの製品もあり、法人、個人問わず幅広く使用されています。
QNAP製NASには次のような機能が搭載されているのが特徴です。
スナップショット(過去データ)の自動保存
QNAP製のNASには、定期的にスナップショット(過去データ)を自動保存していく機能があります。QNAP製NASは、ボリューム外にスナップショットを保存する仕組みのため、ボリュームの容量がスナップショットで圧迫されないように工夫されています。日々のデータを守るのはもちろん、ランサムウェアのような外部脅威からもデータを守るための機能になっています。
拡張アプリケーションが豊富
QNAP製のNASには多種多様な拡張アプリケーションが用意されています。外部から社内や自宅にあるNASにアクセスできるアプリや、スマートフォン向けのアプリ、自動でフォルダ同期を行うアプリなど、利便性の高いものが多数揃っているのが特徴です。
まとめ
QNAP製NASのよくある障害事例や障害が発生した際の復旧方法を解説しました。
障害の発生時は、自己判断で作業を行うことは非常にリスクを伴います。通電を続けることにより、不具合の生じていないハードディスクまで破損し、取り返しのつかないことになりかねません。内部のデータが不要で、機器自体を修理したい場合はメーカーのサポート窓口、大切なデータであれば、データ復旧の専門業者に相談するのが一番でしょう。