台湾の巨大パソコンメーカーであるASUSのNAS部門としてスタートしたASUSTOR(アサスター)。拡張性の高い製品でありながらも魅力的な価格帯のNAS製品を販売しています。
ただ日本国内でのシェアはまだ少なく、ASUSTOR NASにおいて不具合が発生した際、日本で適切なサポートを受けにくいというデメリットがあります。ASUSTORのサポートページにも詳しい復旧方法が記載されておらず、困ってしまった方も多いのではないでしょうか。ASUSTOR NASが故障してしまった場合には、その原因を正確に理解し適切な対処をすることが大切になります。
こちらの記事では、ASUSTOR(アサスター)製NASが起動しない原因と復旧方法について説明します。
目次
ASUSTOR NASの故障事例/原因について
ASUSTOR NASで発生する故障事例には、以下のようなものがあります。
- 電源が入らない
- 赤ランプが点灯している
- ネットワーク上で認識できない/アクセスできない
- 内蔵HDDから異音がする
このようなトラブルが発生した場合の原因については、次のようなことが考えられます。
電源ケーブルの接続不良
機器自体の電源が付かない、もしくはデータにアクセスできない場合、ASUSTOR NASに電源が十分に供給されていない可能性があります。ASUSTOR NASにはACアダプタが外部にある機種があり、移動させた際に抜けてしまうこともあるようです。まずは電源ケーブルが緩むことなく差し込まれているか、NASに電源が供給できているか確認を行いましょう。
論理障害
ASUSTOR NAS内のHDDに論理障害が発生している可能性があります。論理障害とは、HDDのOSやシステムに異常が生じている状態のことを指します。主な原因は誤操作によるデータの削除/初期化、突然のシャットダウンなどがあり、データの位置情報が散乱しファイルデータへのアクセスができなくなってしまいます。
復旧には専門ツールを使用し、バイナリデータの解析や、ファイルシステムの修復を行う必要があります。
物理障害
ASUSTOR NAS内のHDDに物理障害が発生している可能性があります。物理障害とは、落下や振動などの衝撃、経年劣化などが原因で、HDDそのものが破損してしまい発生する障害のことです。
復旧方法としては、クリーンルームと呼ばれる専用設備でHDDを開封し部品交換を行います。個人での対処はほぼ不可能で、プロの業者でも復旧難易度が高い障害であるため、
症状を悪化させないためにもすぐに通電を中止しましょう。
ただ、論理障害と物理障害を正確に判断することは難しいため、専門業者を頼りにするとよいかもしれません。詳しくは下記のサイトをご覧ください。
ASUSTOR NASを復旧する際の注意点
ASUSTOR NAS内のデータが必要な場合、安全に復旧するためにはいくつか注意すべき点があります。
RAIDのリビルド(再構築)はNG
RAIDのリビルド(再構築)を行い、故障したHDDのデータを復旧する行為は避けてください。ASUSTOR NAS内のHDDを同時期に購入していた場合、正常だったHDDにもリビルドによって大きな負荷がかかることで新たな障害を引き起こすケースがあります。またHDD内の情報が誤って初期化され、保存されているデータが消えてしまう恐れがあります。
故障原因を正確に判断しきれない場合であったり、RAID構成に関する知識に自信が無い場合は、個人での作業を控えた方がよいと言えます。
HDDの入れ替えや交換はNG
ASUSTOR NASでは複数のHDDを1つとして認識しています。データの読み書きにおいてもシステムの規則が決まっており、そのシステムに従って読み書きが行われています。NASからHDDを取り出し、入れ替えや交換を行った際に順番を間違えてしまうと、システムの規則が乱れてしまいます。
データが上書きされたり、削除されてしまうリスクがあるため、HDDの入れ替えや交換は避けてください。
ASUSTOR NASが故障した際の復旧方法について
ASUSTOR NASが故障してしまった場合、以下の復旧方法を行ってください。
ディスク情報を確認する
ASUSTOR NASが故障した場合は、「Storage Manager(ストレームマネージャー)」からディスク情報の確認を行いましょう。
上記の赤枠をクリックすると、Disk Doctor(ディスクドクター)が表示され、ここでASUSTOR NAS内のHDDがどのような状態であるか確認することが可能です。
HDDのスキャンを行うと「healthy (問題なし)」が表示されるか、数字コードが出力されます。数字コードが表している内容と復旧方法は以下の通りです。
100 | [内容] 動作温度が異常に高いことが検出されました。
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101 | [内容] ASUSTOR NASとHDDの接続に異常があることが検出されました。
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102 | [内容] HDDに過度な衝撃が与えられたことが検出されました。
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105 | [内容] HDDに過度の振動が与えられたことが検出されました。
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106 | [内容] hostsファイル(IPアドレスなどの情報が入ってるファイル)のリセットが検出されました。
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>=200 | [内容] いくつかのエラーを検出されたため、セキュリティ対策のため自動的にスキャンを開始しています。 |
上記の復旧方法でもASUSTOR NASに発生している不具合が解決しない場合、目的に合わせた窓口への相談が重要になります。
内部に保存されているデータが必要な方は、「データ復旧の専門業者」へ必ず相談してください。メーカー・修理業者に相談してしまうと内部のデータはすべて初期化されてしまいます。特に「102」「105」の場合、再起動を繰り返したり通電を続けると正常なHDDにも障害が発生する場合があります。データを守るためにもなるべく操作をせず、現状を維持した状態でデータ復旧業者へ相談することが賢明だと言えます。
内部のデータ不要で、機器を起動させることが目的の方は「メーカーサポート」への相談や、修理業者への依頼を行いましょう。
リセットボタンを押す
何らかの原因でASUSTOR NASが起動/認識しないせず、上記の方法を試すことができない場合はリセットボタンを押すことで正常に起動する可能性があります。ただしASUSTOR NASに大切なデータが保存してあったり、バックアップを取れていない場合、すべてのデータが削除されてしまうためこの方法は試すことができません。
機種によってリセットボタンの位置は多少異なりますが、上記のようにASUSTOR NASの背面にリセットボタンがあります。NASに保存されているデータが必要でない方は、ビープ音が鳴るまでリセットボタンを押し、設定を元の状態に戻しましょう。
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まとめ
今回は、ASUSTOR(アサスター)製NASが起動しない原因と復旧方法について説明しました。障害の発生時は、自己判断での復旧作業はリスクを伴います。通電し続けることでもHDDが破損し、取り返しのつかないことにもなりかねません。
- 保存されているデータが必要な方は、「データ復旧の専門業者」へ相談
- 内部のデータ不要で、機器を起動させることが目的の方は「メーカーサポート」へ相談
大切なデータや、機器を守るためにも正しい判断をし、迅速な対応を行いましょう。