台湾のサーバメーカー・Synology(シノロジー)製の法人向けNASは、汎用性・機能性が高く国内の利用者も数多く存在しますが、Synologyは海外モデルであるため、データ障害の際は国内で適切なサポートを受けにくく、利用者は障害時に備えた「適切な対処法」と「データ復旧方法」を知る必要があります。
そこで本記事では、Synology製NASの障害事例や、障害が発生したときのデータ復旧(サルベージ)方法について紹介します。
目次
- 1 Synology製NASの障害事例
- 2 Synology製NASの故障原因
- 3 Synology製NASの復旧・復元における注意点
- 4 Synology製NASを操作してデータ・ファイルを復旧する方法
- 5 パソコンからSynology製NASを復旧する方法
- 6 Synology製NASにアクセスできない場合の対処法
- 7 Synology製NASの電源が入らない時の対処法
- 8 ネットワーク上でデータ・ファイルが認識されない・アクセスできない時の対処法
- 9 HDDランプがオレンジ色に点灯している場合の対処法
- 10 自力でSynology製NASのデータ・ファイルを復元できない時の対処法
- 11 Synology製NASに対応できるデータ復旧業者の選び方
- 12 おすすめデータ復旧サービス・製品
- 13 おすすめのデータ復旧業者
- 14 まとめ
- 15 Synology製のNASの種類
Synology製NASの障害事例
Synology製NASで発生する障害事例には以下があります。
電源が入らない
Synology製NASの電源が入らない場合、原因として下記の2点が考えられます
- 電源ケーブルの接続不良
- 内蔵ストレージ(HDD/SSD)の物理的な障害
「1.電源ケーブルの接続不良」の場合、Synology製NAS自体に何らかの障害が起きているわけではないのでケーブルを正しく調整することで無事回復します。しかし、「2.内蔵ストレージの物理的な障害」の場合、NAS自体に致命的な障害が起きていることが考えられるため、個人で対処することは、ほぼ不可能です。
もし起動しないNASに重要なデータが残されている場合は、専門家であるデータ復旧業者に任せるのが最善の方法だといえるでしょう。
ネットワーク上で認識されない・アクセスできない
電源は入るものの、ネットワーク上にSynology製のNASが表示されない・アクセスできないといった症状が見受けられる場合、筐体の故障は考えにくく、内蔵ストレージ(HDD/SSD)やファームウェアの異常などが考えられます。
こちらも個人で対処することは難しく、自力で作業を続けると障害が悪化する恐れがあるため、注意してください。
エラーメッセージが表示される
Synology製NASで「接続に失敗しました」などのエラーメッセージが出た際は、インターネット接続に何らかの不備があることが考えられます。接続環境を確認し、正しい設定になっているかを確認してください。
なお、サーバー機器に関するリテラシーが高く、個人でNASの不具合に対処が可能な場合は、メーカーのサイトを確認し、障害の原因を特定しましょう。
エラーメッセージ | 原因 | 対処法の例 |
---|---|---|
ディスクが見つかりません | ディスクドライブの接続が失われている | ・電源の再接続
・再起動 |
ファイルが存在しません | 要求されたファイルが見つからない | ・「ごみ箱」を確認する
・ファイルのバックアップから復元 |
ファイルアクセス権限エラー | アクセスユーザーが閲覧権限を持っていない | ・ファイルやディレクトリの権限を変更する
・グループポリシーの変更 |
ファームウェアアップデートが必要 | 古いファームウェアを使用している | ・ファームウェアのアップデート |
接続に失敗しました | インターネット接続に不備がある | ・サーバーを再起動する
・ネットワーク接続を確認する ・IPアドレス・ホスト名を確認する |
エラーメッセージが表示されるときの対処法について詳しくは以下の記事で解説しています。
データにアクセスできない・見られない
ネットワーク上ではファイルが見えるにも関わらず、アクセスできない・開けないといった場合は、ファイル自体が壊れているか、内蔵ストレージ(HDD/SSD)に論理的な障害が起きている可能性が考えられます。論理的な障害については以下に詳しく解説します。
Synology製NASの故障原因
Synology製NASの障害・故障の原因としては、大きく分けて以下の3つがあります。
電源ケーブルの接続不良
Synology製NASが起動しない・アクセスできない場合、筐体や内蔵ストレージ自体には問題が発生しておらず、単に電源ケーブルが抜けているといった、至極単純な接続不良が疑われます。
まずはケーブルの接続状況を確認し、再接続を行っても問題が解決しない場合はSynology製NASの障害を疑いましょう。
論理障害
論理障害とは、内蔵ストレージ(HDD/SSD)のデータやSynology製NASのファイルシステムなどにエラーや破損、上書きが生じている状態です。
Synology製NASに保存されたデータの誤削除・フォーマット、OSの障害、急な停電などによって発生することがあります。論理障害が原因でデータにアクセスができなくなったり、エラーメッセージが表示される場合、使用を続けたり、複数回データ復旧ソフトなどをかけてしまうことでデータが上書きされてしまい、必要なデータが完全に消失する恐れがあるため、すぐに使用を中止しましょう。なお、データ復旧ソフトはデータの削除など論理障害が軽度な場合に有効です。状態が悪化すると、データ復旧には専用ツールを用いたバイナリデータの解析や、ファイルシステムの修復を直接行う必要があります。
物理障害
物理障害とは、筐体や内蔵ストレージ(HDD/SSD)自体が物理的に故障・破損してしまっている状態です。
特に内蔵ストレージ(HDD/SSD)に物理的な障害が発生している場合、復旧するには復旧用の環境・道具・技術が全て揃っていなければならないため、個人での対処はほぼ不可能です。特にHDDの物理障害の場合は、クリーンルームと呼ばれる手術室相当の清潔な設備内でHDDを開封し、これ以上状態を悪化させないようにHDD内蔵の部品の交換をする必要があります。
このような復旧作業はメーカーでは通常行われないため、認識しない、異音・異臭がするなど故障したSynology製NASからデータを保全する必要がある場合、データ復旧の専門業者に相談しましょう。
日本国内で100種類以上あるデータ復旧業者の中で、復旧速度や実績の面からおすすめできる業者は、デジタルデータリカバリーです。
データ復旧率95.2%のデータ復旧業者:デジタルデータリカバリー
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✔警視庁からの表彰、東京都からの技術革新による表彰など豊富な実績
こちらのデジタルデータリカバリーは、国内で最も規模が大きいデータ復旧業者の1つです。20年以上データ復旧に携わり、累計の相談件数46万件以上、他社では復旧できなかった機器の相談件数も7,000件以上ある実績面で信頼のおける業者です。依頼前に無料で相談・診断・見積まで行ってくれるので、データ復旧業者を探している場合はこちらのデジタルデータリカバリーに相談すると良いでしょう。
デジタルデータリカバリーの評判やサービス内容は以下の記事で紹介しています。
Synology製NASの復旧・復元における注意点
Synology製NASの復旧を試みる場合、障害を悪化させてしまわないように下記の5点に注意しましょう。
- 通電・電源のオンオフを繰り返さない
- 内蔵HDD/SSDの順番を入れ替えない
- 内蔵HDD/SSDを直接パソコンに接続しない
- Synology製NASのリビルドをしない
- ファームウェアのアップデート・OSの再インストールをしない
通電・電源のオンオフを繰り返さない
Synology製NASに障害が発生している状況で、通電や電源のオンオフを行うと、筐体や内蔵のHDD/SSDに更なる負荷をかけ、障害を悪化させることに繋がります。
また、論理的な障害の場合でも、むやみに作業を行うことでデータが上書きされると、復旧難易度が上がってしまうため、通電はなるべく控えましょう。
内蔵HDD/SSDの順番を入れ替えない
Synology製NASサーバーでRAIDを組んでいた場合、内蔵HDD/SSDの順番を入れ替えてはいけません。
データを保護し、性能を向上させる仕組みであるRAIDは、データを複数のドライブに分割して保存します。ドライブの順番を変えると、データが混ざってしまい、データの復旧や正確な動作が難しくなります。また、RAIDはドライブの位置を特定する必要があるため、順番を変えるとコンピュータがどのドライブにどのデータが格納されているかを正確に把握できなくなり、データにアクセスできなくなります。
内蔵HDD/SSDを直接パソコンに接続しない
Synology製NASサーバーから内蔵HDD/SSDを取り出して、直接パソコンにつないで保存データを読み込むことも危険です。内蔵HDD/SSDに保存されているデータは分散されて保存されるため、直接パソコンと接続してしまうことでRAIDの情報が失われ、データの整合性が損なわれてしまいます。
Synology製NASのリビルドをしない
Synology製NASは、RAIDを組んでいることがほとんどです。その場合、リビルドやHDD/SSDの抜き差しはデータの上書きを招く大変危険な行為になります。単体のHDD/SSDをPCに繋げるなどしてもデータを見ることはできないため、注意してください。
ファームウェアのアップデート・OSの再インストールをしない
Synology製NASが正常に起動しない場合、OSの再インストールやファームウェアのアップデートを推奨される場合もありますが、アップデートに失敗してしまうと、NASの初期化(OSの再インストール)が必要になるほどの不具合が発生する場合があります。Synology製NASに論理障害や物理障害が発生している場合、非常に高い確率でアップデートに失敗する可能性があるため、ファームウェアのアップデートは控えましょう。
なおOSの再インストール(初期化)はあくまでSynology製NASを正常に起動・動作させることを目的とした処置であり、データを保持・復旧することには適さない方法です。NASに重要なデータが保存されている場合や、データのバックアップを取っていない場合には適しません。データの保全が必要ならば、自分で対処するよりも専門家に相談した方がより確実です。
Synology製NASを操作してデータ・ファイルを復旧する方法
Synology製NASに保存されたデータ・ファイルを誤って削除してしまった場合であれば、NASの機能を使用することで復旧することができます。
Synology製NASを操作してデータ・ファイルを復旧する方法は以下の通りです。
ごみ箱から復元する
Synology製NASにもパソコンと同様に削除したデータを一定期間保存する「ごみ箱」の機能があります。ただし、パソコンのものとは異なり、自身で設定する必要がある仕様となっています。
「ごみ箱」機能を有効に設定していた場合、Synology製NAS上でデータ・ファイルを誤削除しても以下の操作方法でデータを復旧することができます。
- File Stationを起動する
- ごみ箱機能を有効にした共有フォルダに移動する
- #recycleサブフォルダに移動
- サブフォルダ内の復元したいデータを右クリックする
- 移動先を選択すると、削除したデータが選択した場所に復元される
ごみ箱が未設定であったり、データが削除されてから使用を続けて長い時間がたってしまうと、データが上書きされてしまい、個人でデータを復旧させることは極めて困難です。データ復元ソフトでも復旧できない場合は、データ復旧業者まで一度相談してみましょう。
なお、もしも「ごみ箱」が未設定だった場合は、以下の方法で設定してください、
- DSM(DiskStation Manager)を選択する
- コントロールパネルから共有フォルダを選択し、編集をクリックする
- 「ごみ箱を有効にする」チェックボックスにチェックを入れる
- OKをクリックし、設定を保存すると、「ごみ箱」が機能しはじめる
Synologyの他のオプションを使用して復旧する
Synology製NASサーバーにはゴミ箱の機能以外でもデータをバックアックできる方法があります。データをバックアップできる代表的なオプションには以下の機能があります。
- Hyper Backup
- Active Backup for Business エージェント (DSM)
以上のツールの使い方についてはSynologyナレッジセンターで詳細に解説しています。
データ復元ソフトを使用する
Synology製NASに対応したデータ復元ソフトは少ないですが、使用することで削除したデータを復旧できる場合があります。Synology製NASに対応しているデータ復旧ソフトの一部については以下の通りです。
- EaseUS Data Recovery Wizard
- AOMEI Backupper Standard
- Recoverit Ultimate Plus
データ復元ソフトのメリット・デメリット
データ復元ソフトには無料版と有料版がある商品が多く、NASサーバーのデータ復旧に対応しているのは有料版のソフトのみといった場合もあります。ただし、データ復旧ソフトのメリットとデメリットを正しく理解しなければ無駄な出費となってしまう場合もあります。
データ復元ソフトのメリットとデメリットを比較すると以下の通りです。
メリット
- 無料または極めて低額で復旧ができる
- 自宅や社内で手軽に利用できる
- 様々なファイル形式に対応しているものもある
- ファイル単位またはドライブ全体の復旧が可能
- 機能がシンプルで使いやすいものもある
デメリット
- 物理障害は有料の復旧ソフトでも復旧できない
- ネット上に配布されているデータ復旧ソフトの中には、マルウェア・スパイウェアも含まれている
- 繰り返しデータ復元ソフトを使用すると、データを上書きしてしまう可能性がある
- RAID/NASサーバーのデータ復旧に対応しているソフトは少なく、高度な復旧作業が行えない可能性がある
このように、データ復旧ソフトの中には手軽で使いやすいものも多いですが、RAID/NASサーバーのデータ復旧は障害の程度によってはソフトで復旧が困難な場合もあります。Synology製NASサーバーからの異音・異臭、復旧ソフトを使用してもデータが認識されないなど明らかに故障とみられる場合は使用を控え、より高度な復旧作業を行える専門家に相談しましょう。
パソコンからSynology製NASを復旧する方法
Synology製NASのデータを誤って削除してしまった場合、パソコンからもデータやファイルを復旧することができます。ただし、この方法は環境の用意やコマンド入力が要求され、誤ったコマンドや操作手順をあやまると、システムエラーが発生し、状態が悪化する可能性があります。最悪の場合データが取り出せないリスクもあることを考慮して試しましょう。
具体的な方法は以下の通りです。
- パソコンの容量を確認する
- Synology製NASからドライブを取り出してパソコンに接続する
- 左側の「ファイル」をクリックし、「ホーム」を選択する
- 「新規フォルダ」を選択してフォルダを一つ以上作成する
- 新しく作成したフォルダを右クリックして、プロパティをクリックする
- アプリケーションを表示させ、「入力して検索」を選択する
- 検索欄に「端末」と入力し、端末を選択する
- root権限を取得するために「sudo -i」と入力する
- 「apt-get update apt-get install -y mdadm lvm2」と入力する
- RAIDの管理ツールである「mdadm」と「lvm2」をインストールする
- 「mdadm -Asf && vgchange -ay」とコマンドを入力し、Synology製NASから取り出した全ドライブを繋ぐ
- 「cat /proc/mdstat lvs」と入力して$ {device_path}の情報を取得
- 「$ mount ${device_path} ${mount_point} -o ro」と入力
- RAIDとボリューム別にデバイスのパスを入力する
- 手順5で作成したフォルダを確認し、データを確認する
Synology製NASにアクセスできない場合の対処法
Synology製NASの共有フォルダなどのデータにアクセスできない場合、最初に再起動を試し、それでも復旧できない場合は、内蔵のHDD/SSDの状態を調べましょう。
再起動する
データにアクセスできない場合は以下の手順で、サーバーの再起動を行いましょう。
- Synology製NASサーバーの電源を落とす
- Synology製NASサーバーの電源をつける
- SynologyのNASに再度アクセスする
再起動してもアクセスできない場合は、HDD/SSDの状態を調べてみましょう。
ドライブの状態を確認する
内蔵HDD/SSDに深刻な破損がある場合、通電や操作が負荷になってしまうため、速やかに操作を停止しなければなりません。
ドライブの状態を確認する方法は以下の通りです。
- ストレージマネージャーを選択し、HDD/SSDを選択
- ドライブの状態が正常であるか確認するために、S.M.A.R.Tテストを実施する
S.M.A.R.Tテストの結果HDD/SSDに破損が見られた場合は、データ復旧業者に相談し、至急サーバーのデータを保全しましょう。
Synology製NASの電源が入らない時の対処法
Synology製NASサーバーの電源が入らない場合、最初にケーブルが電源に接続されているか確認してください。次にケーブルの状態を確認し、最後にサーバーとケーブルが正しく接続できているか確認しましょう。ケーブルの交換や再接続によって状態が回復する場合があります。
ネットワーク上でデータ・ファイルが認識されない・アクセスできない時の対処法
Synology製NASサーバーの電源は入るものの、保存データやファイル表示されない場合は一度再起動を試してみましょう。
再起動を試しても変わらずデータ・ファイルが認識されない場合は、ネットワーク接続やサーバーの設定を見直してみましょう。設定におかしな点がないのであれば、内蔵HDD/SSDが破損している可能性があります。これ以上の通電やサーバーの内蔵HDD/SSDの取り外しは状態を悪化させかねないため、専門家であるデータ復旧業者まで速やかに相談しましょう。
HDDランプがオレンジ色に点灯している場合の対処法
Synology製NASサーバーのHDDランプがオレンジ色に点灯していたら、内蔵HDD/SSDに故障が発生している可能性が極めて高いです。
この時にサーバー内のファイルやフォルダに問題なくアクセスできる状態であれば、バックアップを取得できますが、接続が不安定であったり、フリーズするようであれば、内蔵HDD/SSDの破損は深刻なため、バックアップなどは取らず、データ復旧業者まで相談しましょう。この時の内蔵HDD/SSDは通電を続けただけで負荷がかかり、データが完全に消失する危険性があります。
自力でSynology製NASのデータ・ファイルを復元できない時の対処法
Synology製NASに障害が発生してしまった際に、自分で様々な対処法を試してもデータやファイルを復旧できなかった場合は、保存データの必要度に合わせて外部の専門家に相談しましょう。
「データを取り出したい方」は「データ復旧業者」をお選びいただき「データ不要でNASの動作自体を改善したいという方」は「メーカー・修理業者」にご相談ください。
両社のサービスの違いは以下の通りです。
メーカー(Synology)に相談する
中のデータが必要なく、修理のみが必要な場合は、メーカー(Synology)に相談してみましょう。
なお、メーカーはデータ復旧の専門家でないため、修理に出した場合、内蔵ストレージが交換され、データが初期化されてしまう可能性があります。
メーカーに相談するのは、あくまでデータ復旧が不要な場合のみにしておきましょう。
データ復旧業者に相談する
データ復元が必要な場合で、最も安全にデータを取り出す方法が「データ復旧業者」への相談です。
データ復旧業者の場合は、復元ソフトと比較して費用はかかるもののSynology製NASの「物理的・論理的な障害」の両方に対応が可能です。しかし、NASサーバーのデータ復旧は一般的に難易度が高いとされています。データ復旧業者の中には「市販の復旧ソフトをかけるだけ」といった、論理障害にしか対応できない業者もあるため、業者を選ぶときは技術力が高く、実績のあるデータ復旧業者を選びましょう。
Synology製NASのデータ復旧業者の選び方は以下の通りです。
Synology製NASに対応できるデータ復旧業者の選び方
個人で復旧作業することが困難なSynology製NASのデータ復旧業者を選ぶ場合、単に復旧料金の安さだけで選ぶと、データ復旧の結果が不十分となったり、別会社にもう一度見積もりからやり直す必要になり、時間も費用も想定以上にかかってしまう場合があります。そこでSynology製NASサーバーのデータ復旧に対応できる業者の選ぶ際に見るべきポイントを5つピックアップしました。
- 復旧スピード
- 出張対応してくれるかどうか
- 官公庁や大企業との取引実績
- セキュリティ対策の水準
- データ復旧の技術力が高く、復旧実績が多数ある(数値や指標で明示している)
これらの5点を満たしている業者であれば、安心して任せてもよいでしょう。
ポイント1:復旧スピード
Synology製NASサーバーのデータ復旧を依頼する場合、業務用サーバーや、限られた日時でしか復旧に出せない場合、復旧スピードが速い業者を選ぶべきです。具体的には、以下のような点をチェックしましょう。
- 営業時間が長い(10時以前、18時以降も営業している)
- 土日も復旧作業を行っていて依頼から完了までのスピードが速い
- 大容量のデータ復旧に対応可能なラボ(設備)を保有している
企業のデータ復旧では、復旧するデータ量が膨大である場合があります。問題は、この復旧するデータ量が大きければ大きいほど、復旧完了したデータを納品時に移行するための時間が長くかかるという点です。
実際の復旧作業を行うエンジニアの人数や作業場所が確保できるかはもちろんのこと、大量のデータを移行するために、設備がどの程度整っているかという点も重要です。スピード復旧を可能とする大規模な設備や人員を備えた業者を探しましょう。
ポイント2:出張対応してくれるかどうか
企業の場合、出張(オンサイト)での復旧作業が必要になる可能性があります。
- NASサーバーなど大型機器で配送が難しい
- データセンターのデータを復旧するため機器を動かせない
- 社外秘の情報が入っており、持ち出し不可
- セキュリティの厳しい企業で電子機器類の持ち出しが禁止されている
といった状況では、エンジニアが直接出向いて復旧作業を行ってもらう出張対応を依頼できる場合があります。ただし、業者の中には出張作業がNGで配送しか受け付けていないところもあるため、相談する前に出張作業の可否についても確認してください。
「出張(オンサイト)対応OK」の文言や、過去に大規模な法人依頼を受けた実績を公開している業者であれば大丈夫です。詳細は以下の記事で紹介しています。
ポイント3:官公庁や大企業との取引実績があるかどうか
過去に官公庁・大企業との取引実績があるかどうかも参考にできます。既に実績がある業者であれば、信頼度が高いことに加えてスムーズな対応が期待できます。
HP上に官公庁や大企業との取引実績を記載していればまず間違いないため、確認してみてください。
業者のホームページに以下のような記載があれば、社会的に信頼性の高い業者になります。
- 大手企業やからの依頼がある
- HP上に「相談件数〇〇件」「復旧実績〇〇件」と具体的な数値で示している
- 公的機関(官公庁、警視庁等)からの表彰実績がある
- メディアでデータ復旧業者として取り上げられた実績がある
ポイント4:セキュリティ対策がしっかりしているかどうか
企業の機密情報や顧客情報などの重要なデータを預けるため、情報漏えい対策をきちんと行っている業者を選ぶ必要があります。「ISO27001」や「Pマーク」など、世界水準のセキュリティ認定を取得するには厳しい調査条件をクリアする必要があるため、これらを取得している業者を選びましょう。
そのほかにも、防犯カメラ、警備員、外部部機器の持ち込み制限といったセキュリティ対策への取り組みがしっかり行われているか確認しましょう。
また、サーバーを預けるにあたって「NDA(秘密保持契約)」の締結ができるかどうかも重要な指標です。業者のなかにはNDAの雛形を用意していないところもあるため、予期せぬ情報流出のリスクを減らすためにもNDAが締結できる業者を選ぶべきです。
社内で指定する書類がある場合や、他に誓約書の類がある場合でも、柔軟に対応してくれるところもあるため、まずは相談してみることをおすすめします。
ポイント5 :データ復旧の技術力が高く、復旧実績が多数ある(数値や指標で明示している)
各データ復旧業者の復旧実績や復旧率は公式HPなどで確認ができる場合が多いです。「復旧実績〇件」「復旧率〇〇%」など数値で示されている場合は、客観的な指標であるので信頼できる情報と言えます。
復旧技術は業者によって雲泥の差があるため、そもそも復旧率や件数を非公開としている業者は技術力が低い、または実績が少ないと考えていいでしょう。また、専門の解析ツールやクリーンルームなどの復旧設備の有無を確認することでも、その業者の復旧率(技術力)を確認することができます。
他にはデータ復旧の技術レベルが特に高い業者の特徴として、下記があげられます。
データ復旧技術のレベルが特に高い業者の特徴
- データ復旧の中でも最高難易度といわれる「データの記録される面に傷のついたHDD(スクラッチ障害)から復旧実績がある業者」は技術レベルが非常に高い
- 相談実績や復旧の成功度合いを明示している(20万件以上~、復旧率〇%等)
- HDDだけでなく、SSDやUSBメモリ、SDカード、スマートフォンといったメモリ媒体の障害にも対応している
- RAID構成のNAS・サーバーやデータベースの復旧に対応している
復旧率が高い業者は信用できない?
「復旧率が高いだけでは信用できない」という見方も存在します。復旧率の計算方法が業者によって違うため、単純比較が難しいことが理由です。しかし、全国100以上あると言われるデータ復旧業者から依頼先を決めるうえで、復旧率という客観的な指標が判断材料の一つとなるのも確かです。もしも信ぴょう性が気になる場合は、「データの根拠まで明記しているか?」「第三者機関のチェックを通しているか?」というポイントにも注目するとよいでしょう。
おすすめデータ復旧サービス・製品
技術力が高い業者の選定といっても、素人には判断が難しいです。
そこで、データ復旧サービス各社の価格、内容(対応製品)、期間や特長から比較した、おすすめのサービスを紹介します。
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おすすめのデータ復旧業者
データ復旧業者は全国100社以上あると言われており、復旧率や対応範囲は業者によって大きく違います。確実にデータ復旧するには、実績が豊富で復旧率の高い業者に依頼するのが一番です。
そこで、全国の業者から復旧率・実績・復旧スピード・価格や特長を比較して厳選したおすすめサービスをご紹介します。編集部おすすめのデータ復旧業者は、こちらのデジタルデータリカバリーです。
デジタルデータリカバリー
公式HPデジタルデータリカバリー
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この業者は、相談から見積もりの提示まで無料で行っているため、データ復旧を検討している際は、自力で復旧作業に取り掛かる前に、まずは最大手であるデジタルデータリカバリーに相談すると良いでしょう。
対応製品 | ■記憶媒体全般 ハードディスク、外付けHDD、NAS/サーバー(RAID構成対応)、パソコン(ノートPC/デスクトップPC)、SSD、レコーダー、USBメモリ、SDカード、ビデオカメラ、スマホ(iPhone/Android)、ドライブレコーダー等 |
---|---|
復旧期間 | 最短当日に復旧完了(本社へ持ち込む場合) 約80%が48時間以内に復旧完了 |
設備 | 復旧ラボの見学OK クリーンルームクラス100あり 交換用HDD7,000台以上 |
特長 | ✔データ復旧専門業者 14年連続データ復旧国内売上No.1(※1) ✔復旧率最高値95.2%(※2)の非常に高い技術力 ✔官公庁や大手企業を含む累積46万件以上の相談実績 ✔相談・診断・見積り無料(デジタルデータリカバリーへの配送料も無料) ✔365日年中無休で復旧対応 |
所在地 | 本社:東京都六本木 持込み拠点:横浜、名古屋、大阪、福岡 |
デジタルデータリカバリーのさらに詳しい説明は公式サイトへ
※1:第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく(算出期間:2007年~2020年)
※2:2018年2月実績 復旧率=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数 (2017年12月~2021年12月の各月復旧率の最高値)
まとめ
今回はSynology製NASが故障した場合の復旧・データ復元方法について紹介しました。
自力で復旧ができる場合もありますが、無理に復旧を試みるとRAID崩壊やデータ消失の危険性があります。データの必要性、業務の重要度を考慮して、適切な業者に相談することも考えておきましょう。
- データは不要で、機器自体の修理が必要な場合は、メーカー(Synology)や修理業者に相談する。
- データ復旧・復元が必要な場合は、技術力の高いデータ復旧業者に相談する。
なお、復旧・復元方法は様々ですが、リスクや注意点を理解した上で、データの重要性に応じた正しい対処を行ってください。
Synology製のNASの種類
Synology製NASは、HDDタイプだけでなく、より高速化が見込めるSSDタイプのモデルも存在します。
Synology製NASの代表的なサーバブランドは以下の通りです。
ブランド名 | 特徴 | 機種 |
---|---|---|
DiskStation (ディスクステーション) |
HDDを搭載したタワー型 | DS111 DS110+ DS110j DS211+ DS211 DS211j DS712+ DS411+II DS411 DS411j DS411slim DS1511+ DS2411+ DS3611xs |
RackStation (ラックステーション) |
HDDを搭載したラック型 | RS411 RS810+ RS810RP+ RS2211+ RS2211RP+ RS3411xs RS3411RPxs |
FlashStation (フラッシュステーション) |
SSDを搭載したタワー型 | FS6400 FS1018 FS3400 |
SAシリーズ | 2Uラックサーバー | SA3200D SA3400 SA3600 |
UCシリーズ | 2Uラックマウント型 | UC3200 |