BlackDreamランサムウェアとは?特徴・対処方法・調査方法まで解説|サイバーセキュリティ.com

BlackDreamランサムウェアとは?特徴・対処方法・調査方法まで解説

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BlackDreamランサムウェア

BlackDreamランサムウェア(.BlackDream)は主にWindowsをターゲットとしたランサムウェアです。このランサムウェアに感染すると拡張子に「.BlackDream」が追加され、データが暗号化されてしまいます。

ランサムウェアに感染した場合、適切な対処が必要です。また個人情報保護の観点から、被害に遭った企業は専門業者の支援が必要になる場合があります。

被害を最小限に抑えるためにも、適切な初動対応と調査を行いましょう。この記事では、BlackDreamランサムウェアの特徴をはじめ、感染が疑われる場合の対処法、調査手法について解説します。

BlackDreamランサムウェア(.BlackDream)の特徴

BlackDreamランサムウェア(.BlackDream)の特徴について解説します。

  • ファイルの拡張子に「.BlackDream」が追加される
  • ランサムノート「ReadME-Decrypt.txt」が表示される

ファイルの拡張子に「.BlackDream」が追加される

BlackDreamランサムウェアは、ファイルを暗号化した場合に、ファイル名が変わります。具体的には、拡張子「.BlackDream」、固有のID(ランダムで8桁)、攻撃側のメールアドレスが追加され、「ABC_123.jpg」というファイルが暗号化された場合は下記のようになります。

「ABC_123.jpg」 ⇒ 「ABC_123.jpg.[固有ID].[攻撃側メールアドレス].BlackDream」

出典:PCrink

ランサムノート「ReadME-Decrypt.txt」が表示される

出典:PCrink

ランサムウェアに感染するとテキストファイルがダウンロードされます。そのテキストファイルは警告文が含まれ、通称「ランサムノート」と呼ばれます。BlackDreamランサムウェアの場合は「ReadME-Decrypt.txt」というファイルがダウンロードされます。

身代金に関しては、対象となる被害者が個人の場合は数百ドル、企業の場合は数百万ドルまで変動し、いずれもビットコインで要求されます。ランサムノートは、暗号化されたファイルの通知、攻撃者への連絡方法、ビットコインでの支払い手順、そして支払わなければデータが削除されるという警告が記載されています。さらに、ランサムノートに書かれているチャット機能を通じて被害者に対して連絡するように指示します。

以下は、画像の内容の要約です。

  • あなたのシステムは暗号化され、ファイルは独自のアルゴリズムでロックされています。
  • ツールやプログラム、回復方法を使用してファイルが損傷した場合、責任を負いません。
  • ファイルは暗号化されたのみで損傷していません。信頼を得るために、重要でないファイルを2つまで送って頂ければ無料で復号します。
  • 送信ファイルはテキストやPDF、画像など読みやすい形式で送る必要があります。
  • 連絡はテレグラムまたはメールで行い、支払い用のビットコインアドレスは返信で通知されます。
  • 騙そうとすると価格が上がるだけなので、時間を無駄にしないでください。

ランサムウェア攻撃で身代金を払うのはリスクがある

データの暗号化被害の次に発生するのが「身代金要求による金銭被害」です。攻撃者は、ランサムウェアの暗号化を解除する条件として、身代金を要求します。感染を知らせるアラートと共に支払い要求のランサムノートが表示され、身代金を支払わなければ暗号化されたデータをダークウェブで公開するなどと脅迫します。しかし、身代金を支払ってもデータが復号化される保証はありません。

さらに、身代金を支払う行為は悪質な組織への金銭的支援とみなされ、デメリットしかありません。支払わないことが重要です。身代金を支払った場合、データの復号化が約束されないだけでなく、繰り返し支払いを要求されたり、欠陥のある復号ツールを提供されたりするリスクもあります。また、国際的な犯罪組織に資金と情報を提供することになり、再度標的にされる可能性もあります。

復号ツールを入手する唯一の方法は、攻撃者との交渉しかないと思うかもしれませんが、そんなことはありません。復号ツールが「NoMoreRansom」などで公開されていたら入手できる可能性があります。攻撃者との交渉には多大なリスクが伴いますので身代金の支払いは避け、専門家に相談することをおすすめします。

BlackDreamランサムウェアの感染経路

BlackDreamランサムウェアの考えられる感染経路についてご紹介します。

  • トレントウェブサイト
  • マルバタイジング
  • フィッシングメールや添付ファイル
  • VPNの脆弱性
  • RDPの脆弱性

トレントウェブサイト

トレントウェブサイトは、ユーザーがファイルを共有するためのプラットフォームです。ただし、これらのサイトで提供されるファイルは信頼できるとは限らず、攻撃者はソフトウェア、音楽などのファイルにランサムウェアを仕込んでアップロードすることがあります。

ユーザーがランサムウェアが仕込まれたトレントファイルをダウンロードし実行すると、ランサムウェアがシステムに感染してしまいます。

マルバタイジング

悪意のある広告(マルバタイジング)は、ランサムウェアの感染につながる可能性があります。

攻撃者は、オンライン広告に悪意のあるコードを埋め込み、ユーザーに悪意のある広告をクリックさせることで、ランサムウェアに感染させます。また、広告をクリックしていなくても表示されただけで感染してしまうケースもあります。

フィッシングメールや添付ファイル

フィッシングメールやスパムメールには、Emotetなどのマルウェアが添付されていることがよくあり、心当たりのないメールの添付ファイルやURLにアクセスすると、ランサムウェアに感染する可能性があります。

フィッシングメールやスパムメールの悪質化は進行しており、公式のサービスに似たホームページやメールフォームが多く登場しています。最近では、メールだけでなく、SNSのダイレクトメールを通じてスパムメッセージが送られる被害も増えています。さらに、HTMLの中に悪質なスクリプトを埋め込んで、メールを開封するだけでウイルスに感染させる手法もあります。

これらのメールの添付ファイルやリンクを開くと、ランサムウェアだけでなく、多数のマルウェアに感染するリスクがあります。見知らぬアドレスから届いたメールは絶対に開封しないようにしましょう。もしフィッシングメールやスパムメールを開封してしまった場合は、すぐにネットワークから切り離し、専門会社に依頼して感染の有無を調査しましょう。

VPNの脆弱性

VPNとは、特定のユーザーのみが利用できる仮想ネットワークでデータをやり取りする技術です。フリーWi-Fiと比べて、情報漏えいやウイルス感染のリスクを抑えることができるため、多くの企業で利用が進んでいます。

しかし、VPN機器を狙ったサイバー攻撃も増えています。攻撃者は、認証に使うアカウント情報やVPNのセキュリティ脆弱性を利用してネットワークに侵入します。対策が不十分な場合、VPN機器のベンダーやソフトウェアのバージョンを確認され、攻撃対象となります。また、設定ミスでログイン情報が漏れると、外部からの不正アクセスを許してしまいます。

RDPの脆弱性

RDP(リモートデスクトッププロトコル)は、別のデバイスからデスクトップPCにアクセスするための通信規格で、リモートワークの普及により利用が増えています。しかし、セキュリティの脆弱性があり、ブルートフォース攻撃やクレデンシャルスタッフィング攻撃により、リモートログインのパスワードが盗まれる可能性があります。

ランサムウェア感染時の対応

ランサムウェア感染時には素早く適切な対応が必要になり、その方法についてもご紹介いたします。

  • ネットワークから感染した端末を切り離す
  • バックアップから感染前のデータを復旧する
  • ランサムウェア感染調査に対応した専門業者を利用する

ネットワークから感染した端末を切り離す

直ちに、感染が疑われるデバイスをネットワークから切り離してください。BlackDreamランサムウェアを含むマルウェアは、ネットワークを介して感染を拡大させる性質を持っています。感染の疑いのあるデバイスをネットワークからなるべく早く切り離すことで、被害の拡大を防ぐ効果があります。

バックアップから感染前のデータを復旧する

BlackDreamランサムウェアに感染してしまっても、データのバックアップを定期的にとっていた場合には、バックアップからデータを復元することができます。バックアップからファイルの復元を試みましょう。

ランサムウェア感染調査に対応した専門業者を利用する。

データの復元に成功しても、感染の疑いがある場合は、必ず専門家に相談することをお勧めします。ランサムウェアは、個人だけでなく他者にも被害をもたらす可能性が高く、非常に厄介です。専門知識がないまま対処すると、感染が拡大し、業務停止や個人情報の漏洩などにより顧客にも被害を及ぼす危険性があります。

このような事態を防ぐためには、適切な対処を行う際に速やかに専門業者に相談することが重要です。ランサムウェア対応の実績がある専門業者であれば、安全かつ正確な対処が可能であり、被害を最小限に抑えることができます。

サイバーセキュリティの専門業者に被害の調査を依頼する

ランサムウェアに感染した場合、単にデータを復号するだけでなく、「情報漏えいがあったか」「何が原因でランサムウェアに感染したか」といった事後調査が必要です。しかし、個人での原因特定や暗号化されたデータの復元(復号)には限界があるため、適切な調査を行うには専門業者に相談するのが最善です。

ランサムウェアの感染経路を調査するためには、「フォレンジック調査」という方法が有効です。フォレンジックとは、スマホやPCなどの電子機器やネットワークに記録されているログ情報などを解析・調査する技術で、社内不正調査やサイバー攻撃被害調査に活用されます。別名「デジタル鑑識」とも呼ばれ、最高裁や警視庁でも正式な捜査手法として採用されています。個人での対処が難しい場合は、条件に合った専門業者に相談することをおすすめします。

おすすめのフォレンジック調査会社

フォレンジック調査はまだまだ一般的に馴染みが薄く、どのような判断基準で依頼先を選定すればよいか分からない方も多いと思います。そこで、30社以上の会社から以下のポイントで厳選した編集部おすすめの調査会社を紹介します。

信頼できるフォレンジック調査会社を選ぶポイント

    • 官公庁・捜査機関・大手法人の依頼実績がある
    • 緊急時のスピード対応が可能
    • セキュリティ体制が整っている
    • 法的証拠となる調査報告書を発行できる
  • データ復旧作業に対応している
  • 費用形態が明確である

上記のポイントから厳選したおすすめのフォレンジック調査会社は、デジタルデータフォレンジックです。

デジタルデータフォレンジック

公式サイトデジタルデータフォレンジック

デジタルデータフォレンジックは、累計3万2千件以上の豊富な相談実績を持ち、全国各地の警察・捜査機関からの相談実績も360件以上ある国内有数のフォレンジック調査サービスです。

一般的なフォレンジック調査会社と比較して対応範囲が幅広く、法人のサイバー攻撃被害調査や社内不正調査に加えて、個人のハッキング調査・パスワード解析まで受け付けています。24時間365日の相談窓口があり、最短30分で無料のWeb打合せ可能とスピーディーに対応してくれるので、緊急時でも安心です。

運営元であるデジタルデータソリューション株式会社では14年連続国内売上No.1のデータ復旧サービスも展開しており、万が一必要なデータが暗号化・削除されている場合でも、高い技術力で復元できるという強みを持っています。調査・解析・復旧技術の高さから、何度もテレビや新聞などのメディアに取り上げられている優良企業です。
相談から見積りまで無料で対応してくれるので、フォレンジック調査の依頼が初めてという方もまずは気軽に相談してみることをおすすめします。

費用 ★相談・見積り無料 まずはご相談をおすすめします
調査対象 デジタル機器全般:PC/スマートフォン/サーバ/外付けHDD/USBメモリ/SDカード/タブレット 等
サービス ●サイバーインシデント調査:
マルウェア・ランサムウェア感染調査、サイバー攻撃調査、情報漏洩調査、ハッキング調査、不正アクセス(Webサイト改ざん)調査、サポート詐欺被害調査、Emotet感染調査
●社内不正調査:
退職者の不正調査、情報持ち出し調査、横領・着服調査、労働問題調査、文書・データ改ざん調査、証拠データ復元
●その他のサービス:
パスワード解除、デジタル遺品調査、セキュリティ診断、ペネトレーションテスト(侵入テスト)、OSINT調査(ダークウェブ調査) 等
※法人・個人問わず対応可能
特長 官公庁・法人・捜査機関への協力を含む、累計32,000件以上の相談実績
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✔国際標準規格ISO27001/Pマークを取得した万全なセキュリティ体制
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✔警視庁からの表彰など豊富な実績
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※第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく。(2007年~2020年)
基本情報 運営会社:デジタルデータソリューション株式会社
所在地:東京都港区六本木6丁目10-1 六本木ヒルズ森タワー15階
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まとめ

今回はBlackDreamランサムウェア(.BlackDream)について、特徴や感染防止策、復旧方法を解説しました。感染してしまうと自分だけでなく他の人まで感染させてしまう二次被害の危険性もあるため、今回紹介した対策をしっかりと行い、感染しないように注意しましょう。また、感染が疑われる際はネットワークからの隔離を速やかに行い、必要に応じて専門業者への相談も含めて対応策を検討してください。

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