編集したMP4の拡張子の動画を、WindowsやMacPCで再生できないトラブルに直面することがあります。この場合、PC上で動画を再生できる環境が整っていない場合と、動画の拡張子であるMP4が破損して再生できなくなっている可能性があります。
本記事ではMP4の動画をPC上で再生できるようにするための対処法について解説します。動画の編集者だけでなく、動画の閲覧のみを行う方への解説も含まれていますので、正しい対処法を知り、動画をPCで再生できるようにしましょう。
MP4がPCで再生できない原因
MP4がPCで再生できない場合、PCかMP4拡張子の動画ファイルのいずれかに原因があります。主な原因は以下の通りです。
パソコンのスペック不足
高解像度の動画を再生する時に限りMP4ファイルを再生しようとすると、動画が途切れたり、まったく起動しない場合、PCの処理能力が足りないことが原因です。動画の再生にはCPUやグラフィックスカード、十分なRAMが必要で、これらのスペックが低いとスムーズに再生できません。
CPUがCore i3、メモリが8GB以下のPCを使用している場合は、動画をうまく再生できないため、別のパソコンで閲覧しましょう。
MP4を再生するためのコーデックがない
コーデックとは、音声データをエンコード/デコードするプログラムを指します。MP4は異なる種類のコーデックを使用してビデオとオーディオを格納できます。お使いのシステムに適切なコーデックがインストールされていない場合、MP4ファイルが再生できないことがあります。特にMacPCの、「Quick Time Player」でMP4ファイルを再生する場合は、Macのデフォルトのメディアプレーヤーで、MPEG-4、またはH. 264ビデオコーデックでエンコードする必要があります。
互換性がない動画再生ソフトを使用している
利用している動画再生ソフトがMP4の動画形式と互換性がない場合も、再生できない原因となります。利用している動画再生ソフトがMP4に対応しているか確認し、対応していない場合は別の再生ソフトを利用しましょう。
MP4のデータが破損している
MP4のデータが破損している場合、PCで再生できません。データが破損する原因は大きく分けて2つあります。
論理障害
論理障害とは、機器自体に異常はないものの、データを管理するファイルシステムやソフトウェアに問題が発生することで、機器に保存したデータにアクセスできなくなることを指します。
主に「機器の使用中に強制終了や取り外しを行った」「システムがクラッシュした」「OSにバグが発生した」「マルウェアに感染した」ことなどが原因で発生します。
データ復旧ソフトやPCのツールで解決できる場合がありますが、重度の障害はツールで自己解決ができません。機器によっては後述する物理障害と区別がつけられないため、何度も修復ツールをかけてデータを上書きしてしまい、元のデータが完全に削除されてしまったケースもあります。
自分でツールを使ってもエラーが解消できない場合は、専門家によるデータ復旧サービスを利用して直接エラーを修復してもらう必要があります。
物理障害
物理障害とはストレージ(HDD/SSD)が物理的に破損したことが原因で発生するデータ障害です。
主に「機器への強い衝撃」「水没」「経年劣化」で発生する場合が多いです。
物理障害が発生した場合、機器の使用中に以下のような症状が発生します。
- 機器のフリーズや動作遅延が頻繁に発生する
- 「フォーマットしますか?」などのエラーメッセージが表示される
- 機器の使用中に「カチカチ」「ジー」などの異音が発生する(HDDのみ)
- 使用中に焦げたような異臭がする(HDDのみ)
HDD/SSDの物理障害はPCや市販のツールで解決できないため、メーカーでHDD/SSDを交換してもらうか、データ復旧業者でデータを取り出してもらうことで復旧することができます。ただし、メーカー修理を行うと部品交換により、MP4ファイルを含む全ての保存データが失われる可能性があります。
一方でデータ復旧業者であれば、物理的に破損したHDD/SSDからMP4ファイル形式などの動画データを復旧できる技術を有しているため、データが失われることなく、高い確率で動画を再生できる状態に復旧できます。
MP4がPCで再生できない時の対処法
MP4がPCで再生できない場合、PC上で環境が整っていない場合とMP4に原因がある場合があります。前者は適切なソフトウェアやPC環境を導入することができれば解決できますが、後者は状態によっては自力で解決することが困難になります。
- PCを再起動する
- OSをアップデートする
- 別の動画再生ソフトをダウンロードする
- コーデックをインストールする
- 動画編集ソフトでMP4以外の形式に変換する
- Windowsトラブルシューティングを実行する
- データ復旧ソフトを使用する
- データ復旧業者に相談する
PCを再起動する
動画が再生できない場合、PCに不具合が発生した可能性があります。一度PCの再起動を行い、MP4ファイルが再生できるか試してみましょう。
OSをアップデートする
PCが古いOSを使用していると、動画再生ソフトのバージョンによっては再生できない場合があります。長期間OSをアップデートしていない場合はアップデートを行いましょう。
基本的にOSは自動的にアップデートされますが、手動でアップデートする場合は以下の通りです。
WindowsPCの場合
- スタートから 「 設定 」をクリックする
- WindowsUpdateを画面左側の一覧から探してクリックする
- 更新プログラムのチェックをクリックし、今すぐインストールをクリックすると最新の状態にアップデートされます
MacPCの場合
- アップルメニューから「システム設定」を選択します
- 「一般」をクリックし、「ソフトウェアアップデート」をクリックします
- 新しい macOS が見つかったら「今すぐアップデート」をクリックします
別の動画再生ソフトをダウンロードする
動画再生ソフトによっては、MP4ファイルや特定のコーデックに対応していないものもあります。この場合は再生したいMP4ファイルに対応している動画再生ソフトをダウンロードして再生してみましょう。互換性の問題を解消できることがあります。
コーデックをインストールする
特定のMP4ファイルを再生するために必要なコーデックがシステムにインストールされていない場合は、適切なコーデックをインターネットからダウンロードしてインストールします。Windowsであれば「Microsoft store」からダウンロードするのがお勧めですが、Macの場合は極力信頼できるサイトからコーデックをダウンロードしましょう。
動画編集ソフトでMP4以外の形式に変換する
再生できないMP4ファイルがある場合、動画編集ソフトを使って別の形式に変換する方法も有効です。例えば、MP4をAVIやMOVなどの他のフォーマットに変換し、問題の解決を試みることができます。
動画の編集ソフトや動画のファイル形式を変換するソフトを利用、またはダウンロードして変換作業を行いましょう。
Windowsトラブルシューティングを実行する
Windowsの場合はMP4ファイルの再生を妨げるエラーを解決する、トラブルシューティングツールが組み込まれています。操作手順は以下の通りです。
- Windowsのスタートメニューを開く
- トラブルシューティングの設定を検索してページを開く
- 追加のトラブルシューティング ツールを選択し、問題がある場所のトラブルシューティングを選択する
データ復旧ソフトを使用する
MP4ファイルが破損している場合、市販のデータ復旧ソフトを利用してファイルの破損を修復しましょう。MP4に対応しているデータ復旧ソフトの例は以下の通りです。
- Wondershare Repairit
- 4DDiG File Repair
- SFWare Video Repair
ただし紹介したデータ復旧ソフトは、物理障害が発生したMP4のデータ復旧は困難です。データ復旧ソフトを使用してもMP4が再生できなかったり、一部しか復旧できない場合は何度ソフトを試しても効果がないことが大半のため、より専門的な復旧技術を有しているデータ復旧業者に相談しましょう。
データ復旧業者に相談する
自力でMP4ファイルの再生環境を整えたり、復旧作業を行っても再生できない場合はデータ復旧業者に相談しましょう。データ復旧業者ではPC、外付けHDD/SSD、SDカードなど様々な機器の復旧に対応し、復旧ソフトでも復旧が難しい重度の論理障害や物理障害が発生した機器からMP4ファイルをはじめとするデータを復旧します。
技術力の高いデータ復旧業者の中には撮影用カメラなどの特殊な機器や、復旧ソフトで対応していない拡張子のデータ復旧に対するノウハウもあるため、他社様でお断りされた機器の復旧や短期間で復旧してほしいといったご要望にもお応えできる場合があります。
技術力の高いデータ復旧業者の選び方
データ復旧業者であれば、個人では対応できない重度の論理障害や物理障害が発生した機器でもデータを取り出せる可能性があります。
しかし、技術力の低い業者に依頼してしまうと結局データを取り出せないということも起こりえます。そういった事態を防ぐためにも、技術力の高い業者に依頼することが重要です。データ復旧業者に依頼する際は、以下のようなポイントで業者を選びましょう。
- 【ポイント1】データ復旧業者の技術力を見極める
- 【ポイント2】信頼できる復旧業者かどうかを見極める
- 【ポイント3】サービスの利用しやすさを見極める
なお、データ復旧業者の選び方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
【ポイント1】データ復旧業者の技術力を見極める
何より重要なのは、高い技術力をもつデータ復旧業者を見極めることです。技術力の高いデータ復旧業者を見つけるポイントは以下の通りです。
- データ復旧の技術力が高く、復旧実績が多数ある(数値や指標で明示している)
- 他社で復旧不可能だった機器の復旧実績が多数ある
- クリーンルーム等、データ復旧に必要な設備や部品を保有している
- 復旧ラボを自社内に保有し、公開している
- 初期診断・復旧スピードが速い
- 優秀な復旧エンジニアが多数在籍し、機器ごとの専門に分かれている
- 研究開発などの取組みが第三者(公的機関)に認められた実績がある
ひとくちにデータ復旧業者といってもその質や内容はさまざまで、ほとんど1人で対応している細々とした町の小店舗から、大規模ラボを自社に構えて優秀なデータ復旧専門エンジニアが多数在籍するトップクラスの業者まで、幅広いタイプがあります。
データ復旧はやり直しがきかないものです。最初の対応がその後の復旧率を握るため、はじめて相談するなら技術力の高いところに相談するようにしましょう。
【ポイント2】信頼できる復旧業者かどうかを見極める
個人情報が詰まった外付けHDDを預けることになるため、対応の品質やセキュリティ対策など信頼がおける業者でないと心配です。
信頼できるデータ復旧業者を見極めるポイント
- 大手法人や官公庁の取引実績が多数あり、運営会社が信頼できる
- サービス対応が丁寧で信頼できる
- ISO27001・Pマークの取得等、セキュリティ対策が徹底されている
- 復旧ラボへの持込み・見学が可能(作業風景を外部に発信・公開している)
大手法人との取引実績や、セキュリティ認証を取得している業者であれば、信頼できます。
【ポイント3】サービスの利用しやすさを見極める
HDDは突然故障するものです。急ぎの依頼になることが多く、何が何でも復旧しないといけないデータのため背に腹は代えられない状況になる可能性も高いため、サポートが充実していて利用しやすいかどうかも重要になります。データ復旧サービスの利用しやすさを計るポイントは以下の通りです。
- 土日祝日の復旧対応や夜間窓口があり、相談しやすい
- 出張での復旧に対応している
- 依頼前の初期費用がかからない
- 特急料金がかからない
- データ納品時の追加費用がかからない
せっかく利用するのであれば、利用しやすいサービスで復旧できるように、より良心的な業者に相談しましょう。
おすすめのデータ復旧業者
データ復旧業者は全国100社以上あると言われており、復旧率や対応範囲は業者によって大きく違います。確実にデータ復旧するには、実績が豊富で復旧率の高い業者に依頼するのが一番です。
そこで、全国の業者から復旧率・実績・復旧スピード・価格や特長を比較して厳選したおすすめサービスをご紹介します。編集部おすすめのデータ復旧業者は、こちらのデジタルデータリカバリーです。
デジタルデータリカバリー
公式HPデジタルデータリカバリー
デジタルデータリカバリーは、14年連続データ復旧国内売り上げNo.1(※1)のデータ復旧専門業者です。復旧率最高値は95.2%(※2)と非常に高い技術力を有しています。依頼の8割を48時間以内に復旧と復旧のスピードも優れています。また、官公庁や大手企業を含む累積46万件以上の相談実績があります。
この業者は、相談から見積もりの提示まで無料で行っているため、データ復旧を検討している際は、自力で復旧作業に取り掛かる前に、まずは最大手であるデジタルデータリカバリーに相談すると良いでしょう。
対応製品 | ■記憶媒体全般 ハードディスク、外付けHDD、NAS/サーバー(RAID構成対応)、パソコン(ノートPC/デスクトップPC)、SSD、レコーダー、USBメモリ、SDカード、ビデオカメラ、スマホ(iPhone/Android)、ドライブレコーダー等 |
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復旧期間 | 最短当日に復旧完了(本社へ持ち込む場合) 約80%が48時間以内に復旧完了 |
設備 | 復旧ラボの見学OK クリーンルームクラス100あり 交換用HDD7,000台以上 |
特長 | ✔データ復旧専門業者 14年連続データ復旧国内売上No.1(※1) ✔復旧率最高値95.2%(※2)の非常に高い技術力 ✔官公庁や大手企業を含む累積46万件以上の相談実績 ✔相談・診断・見積り無料(デジタルデータリカバリーへの配送料も無料) ✔365日年中無休で復旧対応 |
所在地 | 本社:東京都六本木 持込み拠点:横浜、名古屋、大阪、福岡 |
デジタルデータリカバリーのさらに詳しい説明は公式サイトへ
※1:第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく(算出期間:2007年~2020年)
※2:2018年2月実績 復旧率=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数 (2017年12月~2021年12月の各月復旧率の最高値)
まとめ
MP4拡張子の動画を再生できない場合は、最初にPCで再生できる環境を整えましょう。PCのOSやプレーヤーによってはエンコードの種類が指定されている場合があるので注意して下さい。それでもMP4の動画を再生できない場合は、ファイルが破損している可能性があります。復旧ソフトを使用しても動画が細切れとなったり、全く復元できない場合はデータ復旧業者に相談して復旧してもらいましょう。