「ディスク構造が壊れているため、読み取ることができません」というエラーメッセージは、PC、外付けHDD/SSD、USBメモリなどの機器の使用中に表示されることがあります。このエラーメッセージが表示されると、機器のファイルやフォルダにアクセスできなくなります。この時に「ディスクの管理」でドライブの状態を確認すると「RAW」と表示されることがあります。
本記事では、「ディスク構造が壊れているため、読み取ることができません」といったエラーメッセージとRAWの表示を解消し、正常にデータにアクセスできるように復旧する方法について解説します。
目次
「ディスク構造が壊れているため、読み取ることができません」とは?
「ディスク構造が壊れているため、読み取ることができません」というエラーメッセージは、OSがディスク上のファイルシステムを認識できないときに表示されることが多いです。通常のファイルシステム(NTFSやFATなどデータを管理する目次のようなもの)が何らかの理由で破損または損傷し、認識不能な「RAW」と識別されると、このエラーメッセージが出ます。「RAW」と識別されたファイルシステムは通常の操作で読み取りや書き込みができない「未フォーマット」の状態となり、データアクセスが困難になります。
「ディスク構造が壊れているため、読み取ることができません」と表示される原因
「ディスク構造が壊れているため、読み取ることができません」と表示される原因は主に、外付け機器やPCなどの内蔵HDD/SSDの異常が原因です。主な原因は以下の通りです。
HDD/SSDの論理障害
論理障害とは、機器自体に異常はないものの、データを管理するファイルシステムやソフトウェアに問題が発生することで、機器に保存したデータにアクセスできなくなることを指します。
主に「機器の使用中に強制終了や取り外しを行った」「システムがクラッシュした」「OSにバグが発生した」「マルウェアに感染した」ことなどが原因で発生します。
データ復旧ソフトやPCのツールで解決できる場合がありますが、重度の障害はツールで自己解決ができません。機器によっては後述する物理障害と区別がつけられないため、何度も修復ツールをかけてデータを上書きしてしまい、元のデータが完全に削除されてしまったケースもあります。
自分でツールを使ってもエラーが解消できない場合は、専門家によるデータ復旧サービスを利用して直接エラーを修復してもらう必要があります。
HDD/SSDの物理障害
物理障害とはストレージ(HDD/SSD)が物理的に破損したことが原因で発生するデータ障害です。
主に「機器への強い衝撃」「水没」「経年劣化」で発生する場合が多いです。
物理障害が発生した場合、以下のような症状が発生します。
- 使用中にフリーズや動作遅延が頻繁に発生する
- 「ディスク構造が壊れているため〜」などのエラーメッセージが表示される
- OSが正常に立ち上がらない時がある
- 「カチカチ」「ジー」などの異音が発生する(HDDのみ)
- 焦げたような異臭がする(HDDのみ)
HDD/SSDの物理障害はPCや市販のツールで解決できないため、メーカーでHDD/SSDを交換してもらうか、データ復旧業者でデータを取り出してもらうことで復旧することができます。しかし、物理障害によってアクセスできなくなったデータは基本的にメーカーでは対応できない場合が多く、修理するとデータが失われてしまいます。
データ復旧業者であれば物理的に破損したHDD/SSDやUSB機器の復旧技術を独自に開発しているため、データを失うことなくエラーの解消や、消えたデータの復旧が可能になります。
「ディスク構造が壊れているため、読み取ることができません」と表示された時の注意点
「ディスク構造が壊れているため、読み取ることができません」と表示された場合、誤った操作を行うと、アクセスできないデータ量が増えるなど、機器の状態が悪化します。
以下に「ディスク構造が壊れているため、読み取ることができません」と表示された時の注意点を紹介します。
電源のオンオフや通電を繰り返さない
パソコンに不具合がある状態で強制終了を行うと、システムファイルの更なる状況悪化を招くだけでなくパソコンや外付けデバイスの故障に繋がります。
万が一強制終了を行う必要がある場合は1度のみ行い、強制終了を繰り返すことはやめましょう。
パソコンや外付け機器の電源を頻繁に入り切りすると、機器に大きな負担がかかります。既に電子回路などに故障が生じていた場合などは、オンオフを繰り返し行うことでショートや更なる状況悪化につながるため、再起動を試すのは1度切りにしましょう。
また、「ディスク構造が壊れているため、読み取ることができません」といった状態で使用を続けることもおすすめできません。使用を続けることで正常なデータが保存されている領域が別データに上書きされてしまう恐れがあります。
ディスクのフォーマットを行わない
フォーマットとは、機器の記録媒体に保存されているデータを再構築する処理です。しばしばパソコン側でエラーを検知すると「フォーマットしますか?」と表示され、エラーを解消するためにフォーマットが促されます。
しかし、フォーマットを行うと元のデータにアクセスすることが通常の操作では困難になります。実際はデータが消えたように見えてもパソコンの内部に残っていますが、知らずに使用を続けたり、別データで上書きすることで、完全に元のデータが削除されてしまいます。
従ってパソコンでエラーメッセージが表示された場合、「フォーマットしますか?」と促されても指示には従わないようにしましょう。
データ復旧ソフトを繰り返し使用しない
「ディスク構造が壊れているため、読み取ることができません」と表示された際に、パーティション復元機能がある市販のソフトを使用することでも解決できることがあります。しかし、ソフトで復旧できるのは論理障害の時に限られるため、PCや外付け機器から異音や異臭がする、あるいは水没させたなど明らかに物理障害とみられる場合はソフトで解決することができません。
同様に、重度の論理障害の場合もソフトでは復旧が難しいため、復旧ソフトをかけてもエラーは解消できません。
このように重度の障害の場合、データ復旧ソフトをかけても復旧に失敗してしまいますが、何度も復旧ソフトをかけ直したり、別のソフトを試すことは、いたずらに元のデータを別データで上書きし、より状態を悪化させてしまうため、データ復旧ソフトは繰り返し使用しないようにしましょう。
復旧ソフトで復旧できない場合は、技術力の高いデータ復旧業者に相談すると、ある程度データが上書きされていても、一つでも多くのデータを復旧することが高い確率で可能になります。
「ディスク構造が壊れているため、読み取ることができません」RAWとなったファイルシステムの復旧方法
ファイルシステムがRAWと表示されるのは、システムがファイルシステムの種類を認識できない時です。これは、ディスクの構造が壊れていることが原因で、データへのアクセスが不可能になっています。以下はエラーメッセージを解消し、RAWとなったファイルシステムを復旧する方法の一覧です。
- 外付け機器を再接続する
- ディスクドライバーを再インストールする
- Windowsのトラブルシューティングを活用する
- エクスプローラーでエラーチェックを行う
- chkdskでエラーを自動修復する
- 市販のデータ復旧ソフトを使用する
外付け機器を再接続する
外付けHDDやSSD、SDカードなどが接触不良を起こしている可能性が考えられるので、最初に外付けデバイスの再接続を行い、正常にデータにアクセスできるか確認しましょう。必要であればケーブルの交換や別のPCに外付け機器を接続することも試してみましょう。
ディスクドライバーを再インストールする
外付け機器を使用している場合、エラーメッセージが表示された際はドライブの不具合が疑われます。このような時はディスクドライブの再インストールを行うことで問題が改善される場合があります。
- スタートボタンを右クリックし、「コンピューターの管理」を選択する
- 「システムツール」を開き、デバイスマネージャーをクリックする
- RAWと表示されたディスクを右クリックする
- 警告メッセージが表示されたら「OK」をクリックしてドライバーをアンインストールする
- アンインストールが完了したら、ウィンドウ上部にある「操作」をクリックする
- 「ハードウェア変更のスキャン」をクリックし、パソコンの再起動を行う
Windowsのトラブルシューティングを活用する
Windowsのトラブルシューティング機能を使用することでエラーを修復できる場合があります。Windowsのトラブルシューティング機能を使用する手順は次のとおりです
- スタートメニューから「設定」のマークをクリックし、「更新とセキュリティ」を開きます。
- 「トラブルシューティング」を選択します。
- 「ハードウェアとデバイス」から「トラブルシューティング ツールの実行」をクリックします。
- Windows側でエラーを検出し、自動でエラーが修正されます。
- エラー修正が完了したらシステムの再起動が行われます
エクスプローラーでエラーチェックを行う
Windowsのエラーチェック機能を使用して、エラーとRAWファイルシステムを修復できる場合があります。エラーチェックで修復する手順は次のとおりです。
- エクスプローラーで、エラーが発生しているドライブを右クリックします。
- 「プロパティ」をクリックし、「ツール」タブをクリックします
- 「エラーチェック」をクリックし、「ドライブをスキャンし、エラーを修正します(推奨)」にチェックを入れます。
- 「開始」をクリックすると自動的にディスクエラーが修復されます。
chkdskでエラーを自動修復する
chkdskとはシステム上の特定のパーティションのエラーを検出し、修復する機能です。
chkdskを実行する手順は以下の通りです。
- 「スタートメニュー」から「コマンドプロンプト」または「Windows PowerShell」を開く
- 管理者として実行をクリックする
- 「chkdsk (エラーが出るドライブの文字):/ r」と入力してEnterキーを押す
- chkdskが実行され、エラーが自動修復されます
もしもchkdskでエラーが検出されるものの、修復できない場合は、HDD/SSDに極めて重度の障害が発生している可能性があります。
障害の内容によっては復旧ソフトやPCの修復機能で直せないため、保存データが必要であればデータ復旧業者に相談するのが適切です。エラーが発生したデータを直接修復するため、
市販のデータ復旧ソフトを使用する
「ディスク構造が壊れているため、読み取ることができません」とエラーが表示され、ドライブにRAWと表示される場合、パーティション復元機能やRAWと表示されたデータに対応できるデータ復旧ソフトを使用するとデータが復旧できる可能性があります。
主なデータ復旧ソフトには以下の種類があります。
- Recoverit
- EaseUs
- MyRecover
ただし、システムファイル障害が重度である場合や内蔵・外付けHDD/SSDが物理的に破損していると、復旧ソフトをかけても復旧できず、データを上書きしてしまうため状態を悪化させてしまいます。
機器に発生した障害の重さや種類を正確に特定するには専門のツールや知識が必要です。 重要なデータが必要な場合は、自己判断で解決せず、専門家に相談しましょう。
データ復旧業者に相談する
「ディスク構造が壊れているため、読み取ることができません」とエラーメッセージが表示され、ファイルシステムがRAWとなった症状だけでは、異常の原因を正確に特定することができません。しかし、データ復旧業者であれば、診断から復旧までできる設備やツールが揃っているため、機器に残ったデータを高い確率で復旧することができます。
実績の多い業者であれば、復旧のノウハウが多く蓄積されているため、メーカーや他社で断られた機器からでもデータの取り出しやエラーの解消が可能な場合があります。
診断から見積までは無料でできるデータ復旧業者もあるので、まずは相談するのをおすすめします。
また、データ復旧業者の中には24時間365日相談窓口を設置しているところもあるので、時間を気にせず困ったら電話で相談してみましょう。
技術力の高いデータ復旧業者の選び方
データ復旧業者であれば、個人では対応できない重度の論理障害や物理障害でもデータを取り出せる可能性があります。
しかし、技術力の低い業者に依頼してしまうと結局データを取り出せないということも起こりえます。そういった事態を防ぐためにも、技術力の高い業者に依頼することが重要です。データ復旧業者に依頼する際は、以下のようなポイントで業者を選びましょう。
- 【ポイント1】データ復旧業者の技術力を見極める
- 【ポイント2】信頼できる復旧業者かどうかを見極める
- 【ポイント3】サービスの利用しやすさを見極める
なお、データ復旧業者の選び方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
【ポイント1】データ復旧業者の技術力を見極める
何より重要なのは、高い技術力をもつデータ復旧業者を見極めることです。技術力の高いデータ復旧業者を見つけるポイントは以下の通りです。
- データ復旧の技術力が高く、復旧実績が多数ある(数値や指標で明示している)
- 他社で復旧不可能だった機器の復旧実績が多数ある
- クリーンルーム等、データ復旧に必要な設備や部品を保有している
- 復旧ラボを自社内に保有し、公開している
- 初期診断・復旧スピードが速い
- 優秀な復旧エンジニアが多数在籍し、機器ごとの専門に分かれている
- 研究開発などの取組みが第三者(公的機関)に認められた実績がある
ひとくちにデータ復旧業者といってもその質や内容はさまざまで、ほとんど1人で対応している細々とした町の小店舗から、大規模ラボを自社に構えて優秀なデータ復旧専門エンジニアが多数在籍するトップクラスの業者まで、幅広いタイプがあります。
データ復旧はやり直しがきかないものです。最初の対応がその後の復旧率を握るため、はじめて相談するなら技術力の高いところに相談するようにしましょう。
【ポイント2】信頼できる復旧業者かどうかを見極める
個人情報が詰まった外付けHDDを預けることになるため、対応の品質やセキュリティ対策など信頼がおける業者でないと心配です。
信頼できるデータ復旧業者を見極めるポイント
- 大手法人や官公庁の取引実績が多数あり、運営会社が信頼できる
- サービス対応が丁寧で信頼できる
- ISO27001・Pマークの取得等、セキュリティ対策が徹底されている
- 復旧ラボへの持込み・見学が可能(作業風景を外部に発信・公開している)
大手法人との取引実績や、セキュリティ認証を取得している業者であれば、信頼できます。
【ポイント3】サービスの利用しやすさを見極める
HDDは突然故障するものです。急ぎの依頼になることが多く、何が何でも復旧しないといけないデータのため背に腹は代えられない状況になる可能性も高いため、サポートが充実していて利用しやすいかどうかも重要になります。データ復旧サービスの利用しやすさを計るポイントは以下の通りです。
- 土日祝日の復旧対応や夜間窓口があり、相談しやすい
- 出張での復旧に対応している
- 依頼前の初期費用がかからない
- 特急料金がかからない
- データ納品時の追加費用がかからない
せっかく利用するのであれば、利用しやすいサービスで復旧できるように、より良心的な業者に相談しましょう。
おすすめのデータ復旧業者
データ復旧業者は全国100社以上あると言われており、復旧率や対応範囲は業者によって大きく違います。確実にデータ復旧するには、実績が豊富で復旧率の高い業者に依頼するのが一番です。
そこで、全国の業者から復旧率・実績・復旧スピード・価格や特長を比較して厳選したおすすめサービスをご紹介します。編集部おすすめのデータ復旧業者は、こちらのデジタルデータリカバリーです。
デジタルデータリカバリー
公式HPデジタルデータリカバリー
デジタルデータリカバリーは、14年連続データ復旧国内売り上げNo.1(※1)のデータ復旧専門業者です。復旧率最高値は95.2%(※2)と非常に高い技術力を有しています。依頼の8割を48時間以内に復旧と復旧のスピードも優れています。また、官公庁や大手企業を含む累積46万件以上の相談実績があります。
この業者は、相談から見積もりの提示まで無料で行っているため、データ復旧を検討している際は、自力で復旧作業に取り掛かる前に、まずは最大手であるデジタルデータリカバリーに相談すると良いでしょう。
対応製品 | ■記憶媒体全般 ハードディスク、外付けHDD、NAS/サーバー(RAID構成対応)、パソコン(ノートPC/デスクトップPC)、SSD、レコーダー、USBメモリ、SDカード、ビデオカメラ、スマホ(iPhone/Android)、ドライブレコーダー等 |
---|---|
復旧期間 | 最短当日に復旧完了(本社へ持ち込む場合) 約80%が48時間以内に復旧完了 |
設備 | 復旧ラボの見学OK クリーンルームクラス100あり 交換用HDD7,000台以上 |
特長 | ✔データ復旧専門業者 14年連続データ復旧国内売上No.1(※1) ✔復旧率最高値95.2%(※2)の非常に高い技術力 ✔官公庁や大手企業を含む累積46万件以上の相談実績 ✔相談・診断・見積り無料(デジタルデータリカバリーへの配送料も無料) ✔365日年中無休で復旧対応 |
所在地 | 本社:東京都六本木 持込み拠点:横浜、名古屋、大阪、福岡 |
デジタルデータリカバリーのさらに詳しい説明は公式サイトへ
※1:第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく(算出期間:2007年~2020年)
※2:2018年2月実績 復旧率=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数 (2017年12月~2021年12月の各月復旧率の最高値)
まとめ
「ディスク構造が壊れているため、読み取ることができません」とエラーメッセージが表示され、ドライブが「RAW」となっている場合、無暗にPCのツールや市販のソフトを使用すると、データを上書きしてしまい、重要なデータが完全に削除されてしまう恐れがあります。重要なデータが保存されている場合や、自力でエラーを解消できない場合は無暗にパソコンを操作せず、技術力の高いデータ復旧業者に相談し、アクセスできなくなったデータを復旧してもらいましょう。