
「データ使用量が急に増えた」「バッテリーの減りが早い」「見慣れないアプリがインストールされている」など、異常を感じた場合、スマホに監視アプリがインストールされている可能性があります。
監視アプリは、ユーザーが気づかないうちにスマホを遠隔操作し、個人情報の漏洩や盗聴などのリスクを引き起こします。もしスマホに監視アプリが入っているのではないかと疑った場合、速やかに専門の調査会社に依頼することをおすすめします。
本記事では、スマホが監視されているかどうかを調べる方法と、その対策について詳しく解説します。
目次
スマホの監視アプリとは
監視アプリは、ユーザーのプライバシーを侵害する目的で使用され、以下のような機能を備えています。
- GPSを利用した位置情報の追跡
- 通話履歴の記録や通話内容の録音
- メッセージやメールの読み取り
- インターネットの閲覧履歴の追跡
- 受信・送信されたテキストメッセージの読み取り
- キー操作やタップの監視
- アプリの使用状況の監視
- デバイス内のファイル(写真、ビデオ、文書など)へのアクセス
- 受信・送信されたEメールの読み取り
これらの機能を持つ監視アプリは、ユーザーが気づかないうちにスマホにインストールされることが多く、データ使用量の急増やバッテリーの異常な減り、遠隔操作などの兆候が見られる場合、監視アプリが稼働している可能性があります。
特に、これらのアプリが収集した個人情報は、不正利用される危険性が高いため、放置することは非常にリスクがあります。疑わしい場合、専門の調査会社に依頼して、監視アプリの特定や情報漏えい調査を実施することが重要です。
代表的な監視アプリ
スマートフォンにインストールされる可能性のある代表的な監視アプリには以下のようなものがあります。
mSpy
mSpyは、通話履歴やSMSメッセージ、GPS位置情報など、スマホのあらゆる情報をリモートで監視できるアプリです。特に子供や配偶者の監視に使われることが多いですが、悪用されるリスクも高いです。
Spyzie
Spyzieは、通話履歴やメッセージ、SNSアプリのデータを監視でき、リアルタイムで位置情報を追跡します。また、スマホの画面をリモートで確認したり、録音することも可能です。
Family Tracker
Family Trackerは、家族の位置情報を追跡するためのアプリとして使われることが多いですが、監視目的で悪用されることもあります。GPSを使用して、ターゲットのスマホの位置情報をリアルタイムで追跡します。
ケルベロス(Cerberus)
Cerberusは、スマホを紛失した場合や盗まれた場合にリモートでデバイスを追跡するためのアプリですが、監視目的で使われることもあります。位置情報やカメラの起動、音声録音などが可能です。
AirDroid
AirDroidは、Androidデバイスをリモート操作できるアプリで、悪意のある第三者によって監視アプリとして利用されることがあります。ファイル送受信や通話履歴の確認が可能です。
Prey Anti Theft
Prey Anti Theftは主にデバイス紛失時の追跡を目的としたアプリですが、悪用されるとターゲットの位置情報を追跡したり、リモートでデバイスを操作することができます。特に、デバイスのカメラやマイクを使って監視する機能があります。
>悪質アプリをインストールしてしまったら?リスクや対処法を解説
これらのアプリは、ユーザーがインストールした覚えがなくても、他者によって密かにインストールされることが多く、スマホのセキュリティを脅かします。そのため、定期的にインストールされているアプリを確認し、不審なアプリがないかをチェックすることが重要です。
また、信頼できるセキュリティソフトをインストールし、定期的にスキャンを行うことで、監視アプリの早期発見が可能です。さらに、不正アクセスの兆候が見られる場合は、すぐに専門のフォレンジック調査会社に相談することをおすすめします。
無断監視は違法
スマートフォンの無断監視は違法であり、第三者が監視アプリをインストールして通信内容を傍受・記録することは犯罪です。これにより、個人情報が盗まれたり悪用される危険があります。
また、無断で収集された情報の利用や転売も法的に厳しく制限されており、監視アプリによる不正な個人情報取り扱いは重大な法的リスクを伴います。サポート詐欺やマルウェア感染によって、気づかぬうちに監視されることもあります。
もしスマホが監視されていると感じた場合は、早急に調査し、専門的な対応を行うことが重要です。
iPhone/Androidを監視されているときの症状
iPhoneやAndroidを監視されているときは以下のような症状が発生することがあります。
バッテリーが急速に消耗する
監視アプリはバックグラウンドで常に動作し、通常より多くのエネルギーを消費します。iPhoneやAndroidのバッテリーが急激に減少する場合、監視アプリが原因の可能性があります。特に、デバイスをあまり使っていないのにバッテリーが急速に減る場合は注意が必要です。
データ使用量が異常に多い
監視アプリは収集したデータを外部のサーバーに送信するため、通常のデータ使用量よりもはるかに多くのデータを消費します。スマートフォンのデータ使用履歴を確認し、通常の月間使用量と比較して異常に高い使用量が見られる場合は、監視アプリが原因である可能性があります。
特に、Wi-Fiを主に使っているのにモバイルデータが異常に高い場合は注意が必要です。
スマホのパフォーマンスが低下する
監視アプリはデバイスのリソースを大量に消費するため、iPhone/Androidの全体的なパフォーマンスに影響を与えることがあります。アプリの起動が遅くなったり、画面の反応が鈍くなったり、またはデバイスが頻繁にフリーズするようになった場合、これは監視アプリが原因の一つと考えられます。
また、デバイスが予期せず再起動することも、監視アプリによる可能性があります。
見知らぬアプリがインストールされている
マルウェア感染やサポート詐欺、第三者による操作で、インストールした覚えのないアプリが知らぬ間に追加されることがあります。これらのアプリは遠隔操作や個人情報の外部送信を行うことがあります。また、スパイウェアなどの監視アプリがインストールされ、SMS、通話履歴、位置情報などを収集することもあります。
特にサポート詐欺では、偽の警告画面を表示し、遠隔操作ソフトをインストールさせる手口が一般的です。端末が遠隔操作され、個人情報が盗まれるリスクがあります。
見覚えのないアプリを発見した場合は、迅速に対応することが必要です。削除だけでは不正アプリが残ることもあるため、専門的な調査を受けることをお勧めします。
iPhone/Androidの監視されているか確認する方法
スマホが監視されているか確認するには、iPhoneでは不審なアプリやバッテリー・データ通信の使用状況をチェックし、セキュリティソフトでスキャンするのが効果的です。Androidの場合は、不審なアプリやデバイス管理者設定、データ使用量を確認し、セキュリティアプリでスキャンを行いましょう。不安がある場合は、専門の業者に相談するのも一つの方法です。
以下はiPhoneとAndroidの監視確認方法をそれぞれ紹介しますので、お困りの方は参考にしてください。
iPhoneの監視確認方法
- 不審なアプリを探す
- 設定 → 「一般」→「iPhoneストレージ」で、見覚えのないアプリがないか確認します。監視アプリはわかりにくい名前の場合があります。
- 設定の確認
- 位置情報の設定: 設定 → 「プライバシー」→「位置情報サービス」で不審なアプリが位置情報を使用していないか確認します。
- iCloudの設定: 設定 → 「[自分の名前]」→「iCloud」→「iCloudバックアップ」で、不正なバックアップがないか確認します。
- バッテリー使用状況を確認
- 設定 → 「バッテリー」→「バッテリー使用状況」で、普段使わないアプリがバックグラウンドで動いていないか確認します。
- 不審なデータ通信量
- 設定 → 「モバイル通信」→「モバイルデータ使用量」で、異常なデータ通信量がないか確認します。
- セキュリティソフトでスキャン
- 信頼できるセキュリティアプリをApp Storeからインストールし、スキャンを実施しましょう。
Androidの監視確認方法
- 不審なアプリを探す
- 設定 → 「アプリ」→「アプリの管理」で、見覚えのないアプリを探します。
- デバイス管理者を確認
- 設定 → 「セキュリティ」→「デバイス管理者」たは「端末管理」で、監視ツールがデバイス管理者として設定されていないか確認します。
- バッテリー使用状況を確認
- 設定 → 「バッテリー」→「バッテリー使用量」で、普段使わないアプリがバックグラウンドで動いていないか確認します。
- データ使用量を確認
- 設定 → 「ネットワークとインターネット」→「データ使用量」で、異常に多くのデータを消費しているアプリを確認します。
- Googleアカウントの監視ツール
- 設定 → 「Google」→「セキュリティ」→「最近のセキュリティイベント」や「デバイスの確認」で、不審なログイン履歴がないか確認します。
- セキュリティアプリでスキャン
- Playストアから信頼できるセキュリティアプリ(例: Avast、McAfee)をインストールし、スキャンを実施しましょう。
- 隠しアプリの確認
- 一部の監視アプリは設定画面に隠れていることがあります。ホーム画面にないアプリは、ファイルマネージャーで確認しましょう。
iPhone/Android監視の対処法
iPhone/Androidが監視アプリなどによって監視されているか確かめる方法は以下のとおりです。
プライバシー設定を見る
プライバシー設定では、各アプリがどのような情報にアクセスしているかを確認できます。不要なアクセス権限が与えられているアプリがあるか確認できます。
iPhoneの場合
- 「設定」アプリを開き、「プライバシー」セクションを確認する
- 位置情報やカメラなど、不要な権限にアプリあアクセスしていたら、無効にする
プライバシー設定内で、アプリがアクセスする情報(位置情報、カメラ、マイク、連絡先、写真など)を個別に確認できます。また、iOSでは「位置情報サービス」で、アプリがどのタイミングで位置情報にアクセスしているかも確認できるので、過去のアクセス履歴もチェックするとよいでしょう。
Androidの場合
- ホーム画面またはアプリドロワーから「設定」アプリを開く
- 設定メニューで「プライバシー」を選択する
- 「プライバシー」メニュー内にある「権限マネージャー」をタップし、どのアプリが何の権限にアクセスしているかを確認する
- カメラやマイクなど不要なアクセスがあればアクセスを無効にする
「権限マネージャー」の他にも、Androidの設定では「位置情報」や「カメラ」「マイク」などの項目を個別に確認することもできます。
ホーム画面に不審なアプリがないか確認・削除する
ホーム画面とアプリライブラリを注意深くチェックし、自分がインストールした覚えのない不審なアプリがないか確認します。怪しいアプリを見つけたら端末に合わせて怪しいアプリを削除しましょう。怪しいアプリを削除する際には、インストール履歴を確認することで、不審なアプリが自分の手によるものかどうかを確かめることも重要です。
iPhoneのホーム画面からアプリを削除する方法
- 削除したいアプリのアイコンが表示されたら長押しする
- 削除したいアプリのアイコンを長押しすると、左上に「-」または「×」と表示される
- アイコンを長押しし、Appを削除などの選択が表示されたら、「OK」を押す
Androidのホーム画面からアプリを削除する方法
- ホーム画面を開き、削除したいアプリのアイコンを長押しする
- ポップアップメニューが表示されたら「アンインストール」または「削除」をタップする
- 「このアプリをアンインストールしますか?」などの確認メッセージが表示された場合、「OK」または「削除」をタップしてアプリの削除を完了させる
App Storeから確認する(App Storeの履歴を見る)
App Storeを開き、「購入済み」を確認します。ここに表示されるのは、Apple IDでダウンロードした全アプリの履歴です。不審なアプリがあれば監視アプリの可能性があるため、支払い情報やサブスクリプションを確認し、問題があれば削除しましょう。
ハッキング調査会社に相談する
iPhoneやAndroidの監視アプリを自力で確認するのは難しく、監視アプリはユーザーに気づかれないように設計されているため、通常のアプリ管理機能では検出できないことが多いです。そのため、監視アプリの存在が疑われる場合、専門的な知識がないと自力での検出や削除は困難であり、デバイスのセキュリティが低下する恐れもあります。
こうした場合は、ハッキング調査会社にフォレンジック調査を依頼するのが最適です。フォレンジック調査では、監視アプリの特定に加え、ウイルス感染や情報漏洩の調査も行い、必要に応じて証拠として警察に提出できるレポートを作成することも可能です。
信頼できる調査業者を選ぶ際のポイントや費用の相場については、こちらの記事で詳細を確認できますので、ぜひ参考にしてください。
おすすめのフォレンジック調査会社
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iPhone/Android監視の予防方法
iPhone/Android監視の予防方法は以下のとおりです。
強力なパスワードを使用する
セキュリティの基本的な対策は、強力なパスワードを設定することです。パスワードは少なくとも12文字以上で、数字、大文字・小文字のアルファベット、特殊文字を組み合わせることが大切です。
また、簡単に推測できる情報(生年月日や名前など)は避け、他のサービスやデバイスで使用していないパスワードを設定することをおすすめします。必要に応じて、パスワードマネージャーを活用するのも効果的です。
二段階認証の設定
二段階認証は、アカウントのセキュリティを大幅に強化します。例えば、Apple IDやGoogleアカウントに二段階認証を設定すると、不正アクセスを防ぎ、セキュリティが一段と向上します。電話番号やメールアドレスに送られる確認コードが追加されるため、パスワードだけでは突破されにくくなります。
二段階認証には、合言葉や顔認証、指紋認証などの方法があり、自分に適したものを選ぶことが重要です。
定期的にOSやソフトウェアをアップデートする
OSやセキュリティソフトウェアをアップデートすることで、新たな脆弱性が修正され、最新のセキュリティ機能が追加されます。これにより、監視アプリが悪用する可能性のある脆弱性を突かれにくくなります。
以下に、iPhoneとAndroidのアップデート手順を説明しますので、ご参照ください。
iPhoneのOSをアップデートする
- 「設定」アプリの「一般」をタップする
- 「ソフトウェアアップデート」にある最新のアップデートを確認し、インストールする
AndoroidのOSをアップデートする
- ホーム画面またはアプリドロワーから「設定」アプリをタップする
- 設定メニューをスクロールして「システム」「デバイス情報」「端末情報」のいずれかをタップする
- 「システム」メニュー内で「システムアップデート」または「ソフトウェアアップデート」をタップする
- 「アップデートの確認」をタップして、最新のアップデートがあれば「ダウンロード」ボタンをタップする
- ダウンロードが完了したら、「インストール」ボタンが表示されます。「インストール」をタップして、アップデートのインストールを開始する
- インストールが開始されると、デバイスが再起動する
Google Play Protectを有効にする(Android)
Androidユーザーは、Google Play Protectを有効にすることで、悪質なアプリのインストールを防ぐことができます。Google Play Protectは、インストールしたアプリを定期的にスキャンし、潜在的な脅威を検出して警告を出します。
- Google Playストアを開く
- 画面左上のメニューアイコン(3本線)をタップ
- 「Play Protect」を選択し、設定が「有効」になっているか確認
まとめ
今回は、スマホが監視されているか確認する方法や、その対策について解説しました。スマホの監視は、個人のプライバシーを侵害する違法行為です。iPhoneやAndroidの監視を防ぐためには、適切なセキュリティ対策を行うことが重要です。常に最新のセキュリティ情報をチェックし、必要な対策を講じることで、サイバーセキュリティリスクを軽減できます。