NASを使って、
- 業務データを管理している
- 家族の写真や動画を保存している
- バックアップ用途で活用している
という方にとって、ファイルが突然消えてしまうトラブルは非常に深刻です。日常的に使っていたデータがある日突然消失していると気づいたとき、多くの方が強い焦りと不安を感じます。
このようなファイル消失は、単なる誤削除や上書きミスにとどまらず、NAS本体やHDD、RAID構成の障害が原因で発生しているケースも少なくありません。そのため、「ファイル復元」が必要になる場面は想像以上に多くあります。
重要なのは、原因に応じて適切な対処法を選ばなければならないという点です。安易な操作や誤った判断をしてしまうと、復元可能だったデータまでも完全に失われる恐れがあります。
本記事では、NASでファイルが消えたときに考えられる原因別の対処法と、データを安全に復旧させるための注意点を、専門的な視点から詳しく解説します。
目次
NASでファイル復元が必要になる主なケース
NASのファイル復元は、すべてのトラブルで必須になるわけではありません。 単なる設定や表示の問題で済む場合もあれば、復元作業を行わなければデータを取り戻せないケースもあります。 どの段階で「ファイル復元が必要な状態」に入っているのかを正しく把握することが、被害拡大を防ぐ最重要ポイントです。
共有フォルダでの誤削除・誤上書き
NASの共有フォルダ上でファイルを削除した場合、その操作はPC側ではなくNAS側で完結するため、 WindowsやMacのごみ箱には残らないケースが多くあります。 また、同名ファイルを誤って上書き保存すると、元データは即座に消去され、元に戻す操作はできません。
この段階では、NAS側に「ごみ箱機能」や「スナップショット」「世代バックアップ」が有効になっているかどうかが重要になります。
これらが存在しない場合、ファイルは論理的に削除された状態となり、ファイル復元の対象になります。
NASのごみ箱からも削除した
NASの共有フォルダに設定されたtrashboxは、あくまで一時的な保管領域です。 ここからさらに削除操作を行うと、通常の管理画面やファイル操作では復元できなくなります。 この状態では、削除されたデータは「存在しないが上書きされていない可能性がある」段階となり、 新しいファイルを書き込むほど復元できる確率が下がります。
そのため、不要なアクセスやバックアップ動作を止め、復旧ソフトや専門業者によるファイル復元が必要になります。
誤フォーマット・ボリューム削除
NASの管理画面操作中に、誤ってボリューム削除や初期化、RAID再構成を実行してしまうケースは少なくありません。 この場合、共有フォルダ自体が消失し、保存していたデータがすべて見えなくなります。 多くの場合、データ領域そのものは残っている可能性がありますが、NASのOSからは認識できない状態になります。
バックアップがない場合、ディスク単位での解析とファイル復元が必要になり、通常操作での復元は不可能です。
ウイルス・ランサムウェア被害
NASがランサムウェアに感染すると、共有フォルダ内のファイルが一括で暗号化され、 拡張子が変更されたり、開けなくなったりします。
現在のランサムウェアは暗号強度が非常に高く、暗号化されたファイルを元に戻すことは現実的ではありません。
このケースでは、感染前に取得していたバックアップやスナップショットからの復元が唯一の実用的な方法となります。 バックアップが存在しない場合、ファイル復元は極めて困難です。
NASやHDDの物理・論理故障
NASが起動しない、管理画面にアクセスできない、ボリュームクラッシュが発生している、 またはHDDから異音がしている場合は、論理障害だけでなく物理障害の可能性が高まります。 この状態ではネットワーク経由でのコピーや復元作業は行えません。 HDDを取り出し、RAID構成を再現したうえでセクタ単位で解析する必要があり、 本格的なファイル復元作業が不可欠な段階に入っています。
「とりあえず操作」は危険。自己判断がデータ消失を招くことも

機器に不具合が起きたとき、焦って自分で操作を試みた経験はありませんか?
一見すると単なるフリーズやエラーのようでも、内部では深刻な異常が進行している可能性があります。この状態で電源の再投入や設定変更を繰り返すと、システムが上書きされ、本来なら救えたはずのデータまでもが復旧困難になることがあります。
特に以下のような状況に当てはまる場合は、自己判断を避け、専門家による適切な診断を受けることが重要です。
- 絶対に失いたくない写真や書類が保存されている
- 大切な業務データが入っている
- 操作に自信がなく、何をすべきか迷っている
こうしたケースでは、早めの対応がデータを守る鍵になります。
そのため、まずは専門業者に相談し、正確な状態を見極めることが最善策といえます。
データ復旧業者を選ぶ際、「どこに相談すれば本当に安心できるのか」と悩む方は多いと思います。編集部では数多くのサービスを比較してきましたが、その中でも特に信頼性の高い選択肢としておすすめできるのが「デジタルデータリカバリー」です。
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実際に、個人の大切な写真や法人の業務データまで、幅広いトラブルに迅速かつ的確に対応しています。
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軽度トラブル時に自分でできるファイル復元
NAS本体や内蔵HDDが正常に動作しており、障害が発生していない状態であれば、 単純な誤削除や誤上書きに限っては自分でファイルを復元できる可能性があります。 ここで紹介する方法は、NASの構成やデータ領域に大きな変更を加えないため、最も安全度が高い対処法です。
NASのごみ箱から復元する
NASの共有フォルダに「ごみ箱(trashbox)」機能が設定されている場合、 削除されたファイルはすぐに完全消去されず、一時的に保管されています。 この段階であれば、データ構造を触ることなく元の場所に戻せるため、 もっとも安全かつ成功率の高い復元方法です。
- NASの管理画面、またはFile Stationなどのファイル管理機能にログインします。
- 削除を行った共有フォルダ内にある「#recycle」や「@Recycle」「trashbox」フォルダを開きます。
- 復元したいファイルまたはフォルダを選択し、「復元」または元の場所へ移動します。
スナップショットから復元する
SynologyやQNAPなどのNASでは、スナップショット機能を有効にしていると、 フォルダやボリュームの過去状態を一定間隔で保存しています。 誤削除や上書きが発生した直後であれば、削除前の状態に戻す、もしくは必要なファイルだけを取り出すことが可能です。
- NASの管理画面でスナップショット管理、または対象フォルダの履歴表示を開きます。
- 削除や上書きが行われる前の日付・時刻のスナップショットを選択します。
- 必要なファイルだけを選び、現在の共有フォルダへコピーして復元します。
バックアップから復元する
外付けHDD、別のNAS、クラウドストレージなどにバックアップを取っている場合は、 そのバックアップから戻す方法が最も確実です。 NAS本体の状態に影響されにくく、復元後の整合性も保ちやすいのが特徴です。
- 外付けHDDやクラウドバックアップなど、バックアップ先にアクセスします。
- 削除前の状態が保存されているかを確認します。
- 必要なファイルを選び、NASの元の共有フォルダへ慎重にコピーします。
ごみ箱やスナップショットがない場合の対処
ごみ箱もスナップショットも存在せず、バックアップも取っていない場合、 削除されたデータはすでに論理削除された状態です。 この段階で最も重要なのは、NASへの新しい書き込みを止めることです。 書き込みが増えるほど、削除データが上書きされ、復元できる可能性が急激に下がります。
ネットワーク越しに復旧ソフトを使う
一部のデータ復旧ソフトは、NASにSSH接続して内部ディスクをスキャンし、 削除されたファイルを抽出する機能を持っています。 NASが正常に起動し、ボリュームが認識されている場合に限り選択肢となります。
- 復元したファイルの保存先は、必ずPCローカルや別のストレージを指定します。
- NAS上の元ディスクに書き戻す操作は行いません。
- スキャン中に他の作業を行わず、状態変化を起こさないようにします。
HDDを取り出してPCで復旧する
NASの動作が不安定、ボリュームが認識されない、管理画面に入れない場合は、 内蔵HDDを取り出してPCに接続し、専用ソフトで復旧を行う方法が検討されます。 この作業はRAID構成の理解が前提となるため、慎重な判断が必要です。
- 複数台HDDがある場合、取り出す順番とスロット番号を必ず記録します。
- RAID情報やパーティションを壊さないよう、初期化や修復は行いません。
- 復元が完了するまで、元のNASへHDDを戻して通電しないようにします。
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物理的な損傷やソフトウェアで復元が難しい場合、以下のデータ復旧業者をご検討ください。
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まとめ
NASのファイル復元は、原因によって取るべき対応が大きく異なります。 軽度な削除であれば自力復元が可能ですが、RAID障害や物理故障が絡む場合は無理な操作を避けることが重要です。 大切なデータを守るためにも、状況を見極めたうえで適切な復元方法を選びましょう。

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