RAIDの再構築(リビルド)は、障害ディスク交換後に自動または手動で始まり、「しばらく待てば終わるもの」と思われがちです。
しかし、何時間、何日経っても進まない・特定の%で止まる場合は、単なる処理待ちではなく、ディスクやRAID構成自体に異常が起きている可能性が高い状態です。
この状態を放置したり、誤った操作をすると、再構築失敗やアレイ崩壊につながり、データ復旧の難易度が一気に上がります。
目次
RAIDの再構築(リビルド)が終わらない主な原因
再構築が長時間終わらない背景には、ディスクそのものの問題か、RAID構成情報・環境要因の問題が隠れています。まずは原因を整理し、無駄な操作を避けることが重要です。
障害ディスクや老朽ディスクが混在している
再構築中は、残っている全ディスクからデータやパリティ情報を読み出すため、通常時よりもディスクに強い負荷がかかります。
交換したディスク自体が初期不良だったり、残りのディスクにも不良セクタや読み取りエラーが多い場合、エラー再試行が頻発し、再構築速度が極端に低下します。
この状態で無理に再構築を続けると、弱っているディスクが完全に読めなくなり、再構築失敗や複数ディスク障害に発展するリスクがあります。
RAID構成情報のズレ・誤認識
RAIDコントローラやNASが、ディスク順序・RAIDレベル・ストライプサイズなどを正しく認識できていない場合、パリティ計算が一致せず、再構築処理が進行しなくなることがあります。
過去の設定変更、コントローラ交換、ファーム更新失敗などが原因で、内部的に構成情報が食い違っているケースもあります。
この状態で再構築を続行すると、誤った構成で上書きが進み、復旧が難しくなる可能性があります。
ファイルシステム・メタデータの障害
RAID自体は動作していても、その上のファイルシステムや管理メタデータに論理障害があると、再構築中にエラーが多発し、処理が停滞することがあります。
特に、過去に強制電源断や異常終了を繰り返している環境では、ファイルシステム内部の不整合が再構築を妨げる要因になります。
この場合、再構築を完了させるよりも、データ退避を優先したほうが安全なケースもあります。
電源・温度・システム負荷などの環境要因
電源が不安定、筐体内部の温度が高すぎる、再構築中にバックアップや大容量コピーなど重い処理を走らせている場合、ディスクが一時的にドロップし、再構築が遅延・停止することがあります。
環境要因は見落とされやすいですが、再構築の安定性に大きく影響します。
放置すると再構築の失敗を繰り返し、アレイ全体の不整合につながる可能性があります。
RAIDコントローラやファームウェアの不具合
RAIDコントローラやNASのファームウェアにバグがある場合、再構築処理が正しく進まないことがあります。
特定条件下で再構築が停止する、進捗表示が更新されないといった症例も報告されています。
ただし、問題の切り分けをせずにファームウェア更新を行うと、かえって状況が悪化するケースもあるため注意が必要です。
「とりあえず操作」は危険。自己判断がデータ消失を招くことも

機器に不具合が起きたとき、焦って自分で操作を試みた経験はありませんか?
一見すると単なるフリーズやエラーのようでも、内部では深刻な異常が進行している可能性があります。この状態で電源の再投入や設定変更を繰り返すと、システムが上書きされ、本来なら救えたはずのデータまでもが復旧困難になることがあります。
特に以下のような状況に当てはまる場合は、自己判断を避け、専門家による適切な診断を受けることが重要です。
- 絶対に失いたくない写真や書類が保存されている
- 大切な業務データが入っている
- 操作に自信がなく、何をすべきか迷っている
こうしたケースでは、早めの対応がデータを守る鍵になります。
そのため、まずは専門業者に相談し、正確な状態を見極めることが最善策といえます。
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再構築が終わらないときにまず行うべき安全な確認
いきなり再構築を止めたりやり直す前に、まずは「現状把握」を行います。ここを丁寧に行うことで、無駄な操作や致命的な判断ミスを避けられます。
ログとステータスの確認
RAID管理ツールやNASの管理画面には、再構築中のエラーや再試行情報が記録されています。進捗%だけでなく、裏で何が起きているかを確認することが重要です。
- RAID管理画面で、再構築の進捗%、エラーカウント、再試行回数を確認します。
- 「ドロップ」「タイムアウト」「I/Oエラー」などのログが出ていないか確認します。
- 特定のディスクにエラーが集中していないかを把握します。
各ディスクのS.M.A.R.T.・ヘルス確認
全ディスクの健康状態を確認し、再構築を妨げているディスクがないかを切り分けます。
- S.M.A.R.T.情報で代替セクタ数、読み取りエラー、再試行回数を確認します。
- ヘルスが「注意」「警告」と表示されているディスクを特定します。
- 異音(カチカチ、ガリガリ)がしないかも物理的に確認します。
温度・電源・負荷など環境の確認
環境要因が原因で再構築が停滞しているケースも少なくありません。
- 筐体内温度やディスク温度が高すぎないか確認します。
- UPSや電源ユニットに異常がないか確認します。
- 再構築中に不要なバックアップや大容量処理を停止します。
再構築が終わらない場合の典型的な対処手順
確認の結果を踏まえ、次は「データを守る」ことを最優先にした対処へ進みます。完全なリビルド完了に固執しない判断が重要です。
データ保全を最優先にする
まだRAIDにアクセスできる場合、再構築の完了を待つよりも、重要データの退避を優先したほうが安全です。
- 業務上・個人的に重要度の高いデータから順に別ストレージへコピーします。
- コピー中にエラーが出る場合は、無理に再試行せず範囲を区切って進めます。
- 退避が完了したら、その後の再構築方針を再検討します。
問題ディスクの切り分けと交換
ログやS.M.A.R.T.情報から問題のあるディスクを特定できた場合は、交換を検討します。ただし、複数ディスク障害が疑われる場合は慎重な判断が必要です。
- どのディスクを交換するかを誤ると、アレイが即崩壊する可能性があります。
- 交換前にディスク順序や状態を必ず記録します。
- 不安がある場合は、無理に進めず専門業者へ切り替えます。
RAID構成の再確認
RAIDレベル、ディスク順序、ストライプサイズなどが正しいかを管理画面で再確認します。
- RAIDレベル(RAID5/6/10など)が想定どおりか確認します。
- ディスクの順序が入れ替わっていないか確認します。
- 過去に設定変更やコントローラ交換がなかったか振り返ります。
ファームウェア・ドライバの見直し
ベンダーが不具合修正を出している場合、安定版ファームウェアへの更新で改善するケースがあります。
- 更新前に必ず現状のバックアップやデータ退避を検討します。
- 再構築中の更新はリスクがあるため、手順を慎重に確認します。
- 不明点がある場合は無理に実施しません。
再構築時の負荷を下げる
再構築を継続する場合でも、環境を整えることで完走する可能性を高められます。
- バックアップ、スナップショット、動画処理など重い処理を停止します。
- 空調やファンで筐体温度を下げます。
- 電源環境を安定させ、再起動や電源断を避けます。
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まとめ
RAIDの再構築が終わらない状態は、裏でディスク劣化や構成不整合など重大な異常が進行しているサインです。完全なリビルド完了に固執せず、まずはデータ保全を最優先に行い、危険な兆候がある場合は早めに専門業者へ切り替える判断が、結果的にデータを守る近道になります。

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