突然、S.M.A.R.T. 情報に「RAW Read Error Rate」の警告が表示されると、不安や焦りを感じる方は多いでしょう。 この数値はディスクがデータを読み取る際に、どれだけエラーが発生しているかを示す重要な指標です。
数値の悪化は、近い将来の故障サインであるケースも多く、誤った対処をすると復旧できたはずのデータまで失うリスクがあります。 本記事では、RAW Read Error Rate が示す意味、考えられる原因、そして安全な対処法を段階的に解説します。
目次
RAW Read Error Rate が示す意味
RAW Read Error Rate は、HDD や SSD に搭載されている S.M.A.R.T.(自己診断機能)の一項目です。 ディスクがデータを読み取る際、どれだけエラー補正が必要だったか、あるいは読み取り失敗が起きているかを内部的にカウントしています。
重要なのは、単に Raw 値が大きいだけで即故障とは限らない点です。 現在値(Current)としきい値(Threshold)、さらに他のエラー項目とあわせて判断する必要があります。
RAW Read Error Rate が悪化する原因
この項目が悪化する背景には、ハードウェア的・環境的な問題が複雑に絡んでいます。 以下に代表的な原因を整理します。
プラッタやヘッドの劣化・不良
HDD は、磁気ディスク(プラッタ)と読み取りヘッドが高速で動作する精密機器です。 長期間の使用や衝撃、経年劣化により磁気面の状態が悪化すると、正確な読み取りができずエラーが増加します。
この状態が進行すると、ファイルの読み込み遅延やフリーズが発生し、最終的にはディスク自体が認識されなくなるリスクがあります。 物理劣化が疑われる場合は、自力対応を続けるほど復旧難易度が上がる点に注意が必要です。
SSD のセル摩耗・寿命接近
SSD では、データを保存するメモリセルに書き込み回数の上限があります。 寿命に近づくと、読み出し時にエラー補正が頻繁に行われ、RAW Read Error Rate が悪化します。
寿命末期の SSD は、突然認識されなくなるケースも多く、前兆としてこの数値が変化します。 SSD の場合、改善する可能性はほぼなく、交換前提で考える必要があります。
高温・通気不良による熱ストレス
ディスクは高温環境に弱く、内部温度が上昇すると読み取り精度が低下します。 特に夏場や、ホコリが溜まったケース内部では、一時的にエラー率が跳ね上がることがあります。
ただし、温度由来のエラーを放置すると、劣化が加速し慢性的な障害に移行するリスクがあります。
ケーブル・電源の不安定さ
SATA ケーブルの接触不良や、電源ユニットの電圧不安定も読み取りエラーの原因になります。 この場合、ディスク自体が正常でもエラー値が増加することがあります。
比較的軽微に見えますが、誤診すると不要な初期化や再インストールを行い、データを失う恐れがあります。
メーカーごとのカウント仕様差
RAW Read Error Rate の Raw 値は、メーカー独自の定義でカウントされます。 特に Seagate 製 HDD では、試行回数や補正前エラーを含むため、数値が非常に大きく表示されることがあります。
このため、Raw 値だけを見て故障と判断するのは危険で、現在値や他項目との総合判断が不可欠です。
「とりあえず操作」は危険。自己判断がデータ消失を招くことも

機器に不具合が起きたとき、焦って自分で操作を試みた経験はありませんか?
一見すると単なるフリーズやエラーのようでも、内部では深刻な異常が進行している可能性があります。この状態で電源の再投入や設定変更を繰り返すと、システムが上書きされ、本来なら救えたはずのデータまでもが復旧困難になることがあります。
特に以下のような状況に当てはまる場合は、自己判断を避け、専門家による適切な診断を受けることが重要です。
- 絶対に失いたくない写真や書類が保存されている
- 大切な業務データが入っている
- 操作に自信がなく、何をすべきか迷っている
こうしたケースでは、早めの対応がデータを守る鍵になります。
そのため、まずは専門業者に相談し、正確な状態を見極めることが最善策といえます。
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RAW Read Error Rate 悪化時の対処法
対処を誤ると、データ消失につながる可能性があります。 以下は、リスクを最小限に抑えるための優先順位に沿った対処法です。
最優先でバックアップを取る
RAW Read Error Rate が悪化している時点で、ディスクは不安定な状態です。 いつアクセス不能になってもおかしくないため、まず重要データを退避します。
- 別の HDD・SSD、NAS、クラウドを用意します。
- 重要度の高いフォルダから順にコピーします。
- 途中でフリーズする場合は、コピー量を減らし負荷を下げます。
ケーブル・温度環境を確認する
物理環境が原因の場合、改善する余地があります。 ただし、改善しない場合は故障寄りと判断します。
- 電源を切り、SATA ケーブルと電源ケーブルを抜き差しします。
- 可能であれば新品ケーブルに交換します。
- ケース内部のホコリを清掃し、冷却環境を整えます。
診断ツールで状態を確認する
メーカー公式ツールや OS 標準機能で、ディスク状態を確認します。
- メーカー提供の診断ツールを実行します。
- Reallocated Sectors や Pending Sector の有無を確認します。
- 複数項目が悪化している場合は交換前提で判断します。
データ復旧を検討する
すでにファイルが読めない、頻繁にフリーズする場合は、状態が進行しています。 負荷の大きい操作は避け、復旧を優先します。
- デフラグや初期化は行わない。
- 復旧ソフトは別ディスクに保存先を指定する。
- 重要データは専門業者への相談を検討する。
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まとめ
RAW Read Error Rate は、HDD や SSD がデータを読み取る際のエラー発生状況を示す S.M.A.R.T. 項目であり、 数値の悪化はストレージ劣化や故障が近づいているサインである可能性があります。
原因としては、HDD のプラッタやヘッドの劣化、SSD のセル摩耗、高温環境、ケーブルや電源の不安定さなどが考えられます。 また、メーカーごとにカウント仕様が異なるため、Raw 値だけで判断せず、現在値や他のエラー項目とあわせて確認することが重要です。
RAW Read Error Rate に異常が見られた場合は、まず最優先でバックアップを行い、その後に接続環境や温度を確認し、 診断ツールでディスク全体の状態を把握する流れが安全です。
すでに読み取り不能なファイルが出ている、フリーズやブルースクリーンが頻発している場合は、 ディスクの状態が急速に悪化している可能性があります。 この段階で無理な操作を続けると、データ復旧の成功率を下げてしまうリスクがあります。
大切なデータを確実に守りたい場合は、自力対応に固執せず、早い段階で専門のデータ復旧業者へ相談することが結果的に安全で確実な選択となります。 特に物理障害が疑われるケースでは、初期診断無料の業者を活用し、現状を正確に把握することが重要です。

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