突然RAID10が警告状態になり、NASやサーバーにアクセスできなくなると強い不安を感じるものです。 「ディスクを交換すれば直るのか」「触らない方がいいのか」と迷う方も多いでしょう。 RAID10は構造上、復旧できるケースと操作を誤るとデータが完全に失われる可能性があるケースがはっきり分かれます。 まずは状況を整理し、正しい判断をすることが重要です。
この記事では、RAID10に起こる典型的なトラブルとその背景、そしてデータを守るために取るべき正しい行動を、専門的な視点からわかりやすく解説します。
目次
RAID10で復旧が必要になる主な原因
RAID10はミラーとストライピングを組み合わせた構成のため、障害が発生した際の影響範囲はディスクの組み合わせによって大きく異なります。まずは、復旧が必要になる代表的な原因を理解しましょう。
RAIDアレイがDegraded状態になっている
RAID管理画面で「Degraded」「警告」などと表示される状態は、冗長性が失われているサインです。RAID10ではミラーペアの片側が失われるとこの状態になります。
この段階ではデータにアクセスできることが多いものの、残っているディスクに負荷が集中しており、追加障害が起きると一気にデータ消失へ進むリスクがあります。
安易にリビルドを繰り返すと、まだ生きているディスクまで破損させる可能性があるため、慎重な判断が必要です。
特定ディスクの物理故障やSMARTエラー
ディスクが「故障」「未接続」と表示されたり、SMARTエラーや不良セクタが頻発する場合、物理的な劣化が進行している可能性が高いです。
RAID10は1台故障には強い構成ですが、劣化ディスクを放置したまま運用を続けると、ミラーペア内のもう一方にも負荷がかかり、同時故障に発展する危険があります。
特に異音や極端なアクセス遅延がある場合、自力での通電継続はリスクが高まります。
論理ボリュームが認識されない
OSやNASからRAIDボリュームが見えない、マウントできない場合、RAID構成情報の破損やメタデータ異常が疑われます。
この状態で初期化や再構築を行うと、構成情報が上書きされ、復旧難易度が一気に上がります。
論理障害は見た目以上に複雑なケースが多く、誤操作による二次被害が起こりやすい点が大きなリスクです。
RAIDコントローラやNAS本体の故障
ディスク自体は正常でも、RAIDカードやNAS本体が故障するとデータにアクセスできなくなります。
この場合、メーカーや機種ごとにRAID情報の持ち方が異なり、別機種に差し替えるだけで認識するとは限りません。
誤った機種で起動を繰り返すと、RAID構成情報が書き換えられる危険があるため注意が必要です。
誤操作や人的ミスによる障害
ディスクの順番入れ替え、誤初期化、誤ったリビルド操作など、人為的なミスはRAID障害の中でも非常に多い原因です。
RAID10ではディスク順が重要になるため、一度順序を誤ると論理的に組み直せなくなることがあります。
「一度触ってしまった後」の方が復旧難易度が高くなる点が最大のリスクです。
「とりあえず操作」は危険。自己判断がデータ消失を招くことも

機器に不具合が起きたとき、焦って自分で操作を試みた経験はありませんか?
一見すると単なるフリーズやエラーのようでも、内部では深刻な異常が進行している可能性があります。この状態で電源の再投入や設定変更を繰り返すと、システムが上書きされ、本来なら救えたはずのデータまでもが復旧困難になることがあります。
特に以下のような状況に当てはまる場合は、自己判断を避け、専門家による適切な診断を受けることが重要です。
- 絶対に失いたくない写真や書類が保存されている
- 大切な業務データが入っている
- 操作に自信がなく、何をすべきか迷っている
こうしたケースでは、早めの対応がデータを守る鍵になります。
そのため、まずは専門業者に相談し、正確な状態を見極めることが最善策といえます。
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RAID10で自力対応できるケースと対処法
RAID10でも条件が揃っていれば自力対応できるケースは存在します。ただし、必ずリスクを理解した上で慎重に進める必要があります。
障害ディスクが1台のみの場合
RAID10で最も安全性が高いのが、明確に1台だけが物理故障しているケースです。
- 現在アクセス可能なデータを外付けHDDや別NASへ可能な限りバックアップします。
- 故障ディスクを特定し、同容量以上の新品ディスクに交換します。
- 管理画面からリビルドを開始し、完了まで電源操作を行わず待機します。
ペアが重ならない2台障害の場合
RAID10では、ミラーペアが重ならない形での2台障害であれば、論理的にデータが残っている可能性があります。
- どのディスクが同じペアかを必ず確認します。
- 一度に複数ディスクを交換せず、状態を見ながら進めます。
- 少しでも不安定な挙動があれば作業を中断します。
RAID構成と順番が把握できている場合
ディスクの役割や順序、RAIDレベルが明確に分かっていることは自力対応の最低条件です。
- RAID設定画面のスクリーンショットを保存します。
- ディスク番号と物理ベイをメモします。
- 作業前に失敗時の影響範囲を整理します。
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まとめ
RAID10は冗長性が高い一方、判断を誤ると一気に取り返しがつかなくなります。 原因を整理し、自力対応の限界を理解することが重要です。 少しでも不安がある場合は、無理をせず専門業者へ相談することが、結果的にデータを守る近道です。

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